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ハイパーばちあたり登山(戸隠山:長野県)

2008年 7月 19日

※記録:7月22日6時台

 …ここはどこでしょう?
 JR長野駅前。
 朝、5時28分に所沢駅を出て(今日は忘れ物しなかった!)、新幹線で無事、長野駅到着です。予定通り。18切符がまだ使えないので、新幹線の方が割安なのです。


 長野駅のバス停は入り組んでいて解りにくいのですが、何とか戸隠(とがくし)キャンプ場に着きました。
 そう、今日から3日間、戸隠周辺の山を攻めます。そして、罰当たりなことに、昨日、このコースを決めたのです。


 おや?
 戸隠連峰(戸隠山方面)は、ガスが…。
 ちょっと展望ないかも。


 戸隠キャンプ場にテントを先に張って(10時頃)、サブザックに雨具と食料と水(スポーツドリンク)と地図を入れ、ささやきの小径(こみち)という、薄暗い道を歩きました。グミの実がひときわ赤く。


 ささやきの小径は、全長2.7km。通常45分の行程です。僕は30分くらいで歩けたかなぁ。まだ1日目ですし…?


 腐った橋。渡っても大丈夫だろうか。


 ささやきの小径の終点は、奥社という神社の、参道入口です。門前ではおばちゃん軍団が写真をシバいていました。
 門から神社まで、大きな杉並木が続いています。一度、見たことあるような気が…?デジャブ?


 杉並木が一段落すると、神社境内とはさすがに言ったもの。キツい階段。すでにこれでバテ気味。かなりからだがナマクラしているってことです。


 奥社の神社の後ろに見える、戸隠連峰。あの凹凸を見れば、戸隠をなめてかかるなんて本気でばちあたりだということが解ります。


 階段でバテていたので、よもやこの後の急登なんて、登り切れるのだろうか。
 …半ばそんな不安も頭によぎらせながら、幾重にも渡る鎖場を歩きました。しかし、実際のところ、本当に辛いのは樹林帯のぬかるんだ土道です。鎖場は、手をしっかり握っておけば、全然怖くないし疲れない。


 あの鋸状の戸隠連峰を、縦走するのです。一抹の不安を抱えながら、いざゆかん。


 ふと振り返ると、飯綱山(いいづなやま)が。あっちは雲に覆われたままです。さっきからの写真のように、こちらはもうガスが晴れています。


 せり出した岩の下。岩場の連続はこれから。


 さっきのせり出した岩の下の道。遠くから見れば、出っ張りとも思えないくらい。
 この山はそんなに小さくない。


 戸隠山の西の方にもずっと山は続いていますが、上級者コース。行けなくはないと思うけど、今回は、パス。


 岩場の連続といいました。
 この岩場は、ただの途中の展望台なのですが、ちゃんと鎖が付いています。騙された夫婦が、登って後悔していました。どうやら、正規ルートと間違えたそうです。
 僕は、後ろから、かけ声で応援だけしてしておきました。


 さっき騙されてヒーハー言っていた夫婦が、正規コースの鎖場でヨタヨタ。
 がんばれよー!


 マツムシソウ(マツムシソウ科)
 そう、このシーズンは、花ですね。冬山ばっかり登っていた僕は、こういうシーズンをつい忘れがちになっていました。だから、暑さ耐性が激落ち。実は、暑くて暑くて、死にそうでした。何を隠そう、あの遭難しかかった日光女峰山の雪山と同じ格好で登っていたのですから。


 空がスカイブルーで、雲がなければ、多少は映えた写真になったのに、と、無い物ねだりをしながら撮った1枚。


 鎖に捕まりながら、写真を1枚。鎖を手放せば、奈落の底。


 ようやく見えてきました。蟻の戸渡。断崖絶壁の幅数センチが続く恐ろしいところだと聞かされていたので、決死の覚悟で行ったのに、これでは、裏妙義山の頂須ノ頭の方がよほどキケンでした。あの、キノコです。


 …そんなこと言っても、みんな怖いものですか。僕なんか、立って歩けるくらいですが、みんなハイハイ。確かに、落ちれば一瞬ですから…。


 八方睨(はっぽうにらみ)という場所に着きました。蟻の戸渡からすぐのところです。360度見回せるので、最高の展望台です。見えているのは明日のぼる高妻山。
 しかし、気が付いたのですが、ここに来るまで地図を一度も開きませんでした。何とばちあたり登山でしょうか!


 今日の本当の山頂はここ、戸隠山(1904m)です。
 去年同じ時期に、来ようと思っていたのですが、体調不良と、何より台風で、流れました。ここで会ったが百年目!
 …この暑さで、僕なんかよりもずっとバテている兄ちゃんがいました。スポーツドリンク以外にも水を1リットルくらい持っていたので、ほとんどあげてしまいました。あの人、ちゃんと避難小屋まで行けたのかな。


 左前に、高妻山。凄く澄んで見えています。明日が楽しみだ。


 戸隠連峰の稜線、岩場の連続かと思っていたのに、樹林の多いこと!
 谷川岳と違うところといえば、これかも知れません。地盤が脆いとかはあるそうですが、樹林は僕の大敵。暑いし展望利かないし滑りやすいし蒸し暑いし。絶叫もしたくなります。


 高妻山。戸隠連峰の東側からガスが上がって、稜線に打ち上げられては消えていきます。かの山は、遠くからその様子を眺めています。


 一不動避難小屋。
 今日の縦走は終わりです。これから、戸隠キャンプ場まで下ります。
 この避難小屋、環境への配慮から、緊急時以外の宿泊が禁じられているそうなので、人はいないはずなのですが、すでに地図を広げて素足でひっくり返っている人が2人くらいいました。目に毒です。


 これは、氷清水(一杯清水)です。避難小屋から下って5~10分。避難小屋泊まりが禁じられるのは、この水の汚染を心配してのことです。戸隠連峰唯一の水場ですから。


 不動滝。
 避難小屋からキャンプ場に下る道は、半分以上が沢です。ぬかるんでキケン。ここでストックを下に落としてしまった人がいました。


 慎重に歩く人々で渋滞し始めています。しょうがないよね?


 滑滝の鎖場をおそるおそる下りる人たち。
 鎖が濡れていなければまだ下りやすかったけどね。
 でも、ちょっとみんな怖がり過ぎかなぁ?


 牧場まで下りてきたら、キャンプ場に着いたも同然。ホルスタインの群れを左に見ながら、空腹を抱えて下山完了&テントへGo!


 例の、米炊きの、イカす袋を使って炊飯しました。不安定な芝の上だったので、赤城山の二の舞になるまいか不安でしたが、大丈夫でした。
 それよりも、隣のオートキャンプをしていた家族連れの子どもが、野球を始めたので、何時こちらにライナーが飛んでくるか不安でしょうがありませんでした。小学2年生のコントロールなんて、デッドボール・危険球ありまくりですし。


 しかし、この戸隠キャンプ場は常設テントがあまりにも多すぎて、子どもたちが駆け回るスペースもほとんどありません。オートキャンパーの自己責任とは言えない状況がここにあります。
 …挿した写真が違うけど、まあ、許せ。


 飯食って1~2時間、19時過ぎには寝ました。翌朝、早発ちで、高妻山を目指すのですから。
 ナマクラ身体を起こすにはちょうど良いくらいの山行1日目。しかし、前半地図を一度も開かないというのは…。しかも、コンパスを忘れるというハイパーばちあたり登山ですから…。
 更に、最初に忘れ物はなかったといいましたが、レトルトカレーを忘れていました。それは、デッドボールに怯えながら食べていたカレーが、ククレカレーだったことが何よりの証拠です。
 ま、とりあえず、明日が正念場です。
 子どもたちがまだ騒ぐ中で、ひとり寝ました。

天気:晴れ(長野県上水内郡戸隠村・長野市、移動中は含まない)

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