むちゅうで登山(高妻山・乙妻山:長野県・新潟県)
※記録:7月22日19時台
起床2時半。
いつも寝る時刻より早い。そして、この朝日が見える頃、もう、昨日のライナー嵐のキャンプ場を去ろうとしていました。
戸隠キャンプ場の対面に、イースタンキャンプ場というのがあります。こちらの方が静かで、人もたくさんは入ってこないので、朝5時から移動。サッサとテントを張って、荷物を中に置いて、高妻山出発。
しかーし!
夜明けの時は赤く、あるいは青く晴れていた空が、マックロ。
空が暗い上に、樹林となれば、最悪のコンビ。
はい、写真すらろくに撮る気にもなれませんでした。しかも、胃もたれまでしてくる始末。あからさまに精神的ダメージです。
この鎖場で、一不動避難小屋までの距離にしてほぼ半分。
ふうたろうは光合成生物でした。青空が少しでも見えると、俄然やる気が出てくる青二才。ミドリムシの多少進化した程度でしょう。
実は、三脚をなくしています。一不動小屋から牧場までの間に、昨日の下りで、失っています。あのオンボロ三脚を、誰かが持っていくとは思えないのですが、忘れそうなポイントには、全然なく、無念。
あ、ここは岩を横に進むところ。滑落注意です。
一不動避難小屋。
昨日の写真のパクりではありません。
証拠に、ドアが開いているではありませんか!
…ここに寝泊まりしている人がいたんですね。というか、本気で避難している人もいました。八方睨(はっぽうにらみ:戸隠山の更に南)にいた人だったかな。だいぶお疲れだったみたいです。
避難小屋はこうやって使うんですね。
ガスってきました。
ガスの崖に咲く、ユリ。
ふうたろうは、光合成を諦めています。
基本的に高妻山の頂上だけはガスが晴れています。でも、少しかかり始めているような…。
このクリームソースのかかったようになってしまった山は何だろうなぁ。
たぶん、黒姫山です。また、冬にでも来よう。
念のため、冬山で暑さ耐性をかなぐり捨ててきたふうたろうの頭の中は冬山のことしか想像できません。
太陽がでていないので、自分がどこの写真を撮ったのか解らなくなります。
これは、戸隠山方面を振り返った稜線。ガスの晴れ間は一瞬。写真撮るなら死闘です。
五地蔵岳。距離的には、一不動避難小屋から半分です。
実は、避難小屋から、1~13まで、番号が振られています。全部名前が違う。一不動・二釈迦・三文殊…十阿弥陀・十一阿しゅく(漢字が登録されていないが、文字としてはある)・十二大日・十三虚空蔵という風に。
だから、五地蔵は半分。
さっきよりも雲が分厚くなってきたな…。
でも、はっきり黒姫山だということが解ります。妙高山は外輪山が西側(左)にあるはずです。
今日は、ちゃんとコンパス首に下げてきました。ばちあたりじゃないもん。
げっ!
遂に、高妻山の頂上にまでガスがっ!!
…こうなると、もうストイックに登るっきゃないぜ。
遠く南の空に、青空が。長野市街方面でしょうな。アレがこちらに来たら、などと叶わぬ願いを持っていましたが、当然、打ち砕かれました。
9ということは、もう9割来たということ。
…そう思うのは、きっと、初めて高妻山に登った人だけ。
登ってみ~。
ちょうど戸隠連峰をアルミホイルで包んだように、雲が覆っています。遠くから見る分にはまぁまぁなんですけどね。
ちなみに、この撮影ポイント、みんな顔面蒼白の急登。傾斜30度~45度はあるでしょう。間違っても、頂上でテント泊まりしようなんて思わない方がいい。
高妻山頂上、着きましたよ。
9から約1時間。小雨までぱらついてきて、カメラのファインダーが濡れるのでちょっとイラッとしましたが、まぁ、みんなでがんばって登ってきたんだし、いいや。
…と、頂上の岩に立ってうきゃうきゃ言ってたら、いきなりガスが晴れました。ほんの10分程度だったでしょうか。遙か北西の雨飾山、少しだけ北アルプス、戸隠連峰の方も見えました。北は木が邪魔して見えなかったような気がします。
こうなったら、乙妻山まで行っちゃえ。
時刻書き忘れていましたが、頂上着、9時50分くらい。だいぶ遊んでたけど。
太陽まで出てきたので有頂天。乙妻山までの道は、高妻山までの道よりもちょっと歩きにくい。その代わり、見晴らしだっていいでっせ。
イワギキョウでしょうか。やっぱり、人の足跡が少ないところには、咲いています。登ることと矛盾していて、複雑です。
二つ上の焼き直しのように見えますが、違う写真です。
晴れてたら、どんなにきれいでしょう。
乙妻山に行くまで、10から13まで進みます。この鞍部(あんぶ:ピークとピークの間)少し先で、12(十二大日)です。
さわやかな笹原です。晴れていてカラッとしてたら、昼寝でもしたいですね。
おいら知ってるよ。
ずっと夢中で霧中を歩いていた時に、突然見える青空の濃さを。ずっと晴れていたら、青いことも忘れて歩いているもんね。
乙妻山に到着。1時間かかるところ、途中かくのごとくダラダラしながらも、50分くらいで着いてしまいました。しかし、乙妻山は五里霧中。いや、五里と解っていたら苦労しない。とにかく、展望はほとんどない。
ガスの下は、なぜか日が照っている樹林帯が見えます。乙妻山だけ取り残された感じがします。
結局、12時まで粘っても晴れませんでした。思い切り虫にたかられて、こればかりは本気で辛かった。シペルメトリン・アセフェートなどと、頭の中を"呪文"が飛び交いました。
それはそうと、ルート唯一の雪渓。帰り道です。来た道を戻ります。
高妻山を越えてから新たに増えたものは、良い景色だけではありませんでした。
このカンバの葉の裏にくっついているモノは、羽の生えたアブラムシの大群です。
スウォーム…。
身体がカンバの葉に微かにでも当たると、一斉に飛び立ちます。風が吹くだけでも飛び立ちます。そして、大抵決まって僕の頭めがけて飛んできます。
虫の大群は、本気で辛かった。
再び高妻山に戻ってきた時、すでにシャリバテ気味でした。腹が減ってきてヤバかったのです。そこに天の助け。老夫婦が、お稲荷さんと漬け物を少し分けてくれました。太陽は出ていなかったけど、後光が差していたかも。あれは助かった…。
高妻山を少しずつ下っていくと、まだ上ってくる人が何人かいましたが、総じて顔面蒼白。僕は舞うように下っていきます。そして、上っている時と同じように、写真撮りまくり。
稜線は、午前中よりは多少陽が差していました。外から眺める、青空に映える針葉樹林はきれいです。
ん?
六弥勒(ろくやろく?)すぐ側の真新しそうな道の口に、ザックが二つ置き去り。上る時、帰りは別の道で帰ろうと言っていた夫婦がいたけど、まさか、その2人じゃ…?
このルートは、地図には載っていません。地元の人のガイド無しで行かない方がいいし、地図的に見ても、別の沢に下りかねないので、やめた方がいい。
ここ(一不動避難小屋)まで下りてきました。15時半。
後もう一踏ん張り。
昨日みたいに前が詰まっていなかったので、下りるのもあっという間。1時間半のコースも1時間くらいです。牧場は晴れていますね。
これで、日本百名山#37高妻山、制覇。
何より、ナマクラな身体が少し鍛えられた気がします。それでじゅうぶん満足。空の青さのありがたさも鋭さも知ることができたしね。
ふと見つけたたばこの自動販売機。
あれ?taspoとかいうやつは…?
ま、有名無実の代物には興味ないけど。
この夜、再びククレカレーを食べて、20時くらいには寝ようとしましたが、ご多分に漏れず、他のキャンパーのバカ騒ぎや戸隠キャンプ場から怒鳴り声のように聞こえてくる放送でだいぶ妨害されました。しかも、どこの誰か知らんが、打ち上げ花火までやっとるし。
これだから、都会はキライだ。
天気:くもり一時雨、あるいは晴れ(長野県上水内郡戸隠村・新潟県中頸城郡妙高高原町)