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幻の杁差岳(飯豊連峰北部:新潟県)

2009年 8月 15日

 しまった!
 寝坊した。
 起きたら4時半。テントの壁がうっすら明るくなって焦りました。昨日まで寝られなくて困っていたのに、今日は寝坊って、世の中うまくいかないものですなあ。


 まだなんとか日の出前でしたから、朝日は拝めそうですね。


 アルファ米を準備しながら、朝焼けをちらちら気にし、テントの中を片付けていました。意外と時間はかからないものです。


 数分、数秒ごとに空の色が変わります。


 蔵王山の中から太陽が出てきました。


 頼母木小屋を朝日が照らします。


 さて、5時24分、出発。起きてから1時間でなんとか撤収できましたね。上出来。


 頼母木小屋からしばらく下ります。仰げば空には絹積雲、いや、高積雲か。


 何だか、雲が多くなってきましたね。


 頼母木小屋と大石山の間の鞍部。きれいなカーブを描いています。


 花びらの数がおかしいチングルマかと思ったのですが、どうも違うらしい。後述。


 6時に大石山。概ね時間どおりです。ただ、休憩していくのでコースタイムよりは少しかかることになります。


 上層の雲が取れません。写真のコントラストが悪い。


 今まで歩いてきた道。こうやってみると、とても長く見えます。


 全体的にガスっています。概ね、晴れているんですがね。


 さっきの花と同じものだと思います。これはフクジュソウ(キンポウゲ科)にも見えますが…?


 鉾立峰の上りです。北股岳と共にキツい上り。長くないので辛抱です。


 鉾立峰を過ぎたらすぐに下って、今度は杁差岳の坂を上がります。


 上りが緩やかになってくると、遠くに小屋が見えてきました。


 そう、杁差小屋(避難小屋)です。


 もう少しです。


 到着7時23分。2時間40分のところを、休憩入れて2時間で歩ききったので、かなり速いと言えるでしょう。


 できた時間は、杁差小屋の散策に使われます。
 横にある小屋はトイレです。


 中はモワッとしているけど、そこそこきれいです。昨日はここに3人が泊まっていたと、鉾立峰の頂上で出会った夫婦が言っておりました。


 杁差小屋の旧館跡に咲いていた花ですが、一輪しか見かけませんでした。


 大熊小屋方面に抜けるルートと、カモス峰方面に抜けるルートとが、杁差小屋のところで分岐します。大熊小屋に抜ける方は、如何にも荒れています。
 でも、刈り払いがされているので、古峰山や斜里岳のようなことはないでしょう。


 杁差小屋から杁差岳山頂までは、まだほんの少し距離があります。登っていくと、後ろに小屋が見え、歩いてきた稜線が見渡せます。


 杁差岳山頂に着きました。ここまで来られるとは当初思っていなかったので、かなり満足しました。


 リンドウ。イイデリンドウとかとは違うようです。


 杁差岳から北上します。昨日そそのかされたので、そこを歩くのです。
 杁差岳は高層湿原を抱えているようです。


 小規模ながらも、なかなかいい感じに湿原が発達しています。


 しかし、木道とかがあるはずもなく、地面は湿原らしくぐちょぐちょ。踏み痕にもなるし、高層湿原が泣きそうです。


 前杁差岳(左)まで、三コブです。


 ふうたろうの背丈くらいあるかないか程度のブッシュが続きます。


 前杁差岳の山容。山容と言うほどのものではないか。


 少し岩場っぽいのがあります。鎖があったかと思いますが、手だけで登れます。


 前杁差岳山頂は笹薮の中でした。少し休んで進みます。ここでタオルを忘れるところでした。危ない危ない。


 前杁差岳を下り始めると、高度は急に落ちます。したがって、気温もぐんぐん上がってきます。空には高積雲。多少涼しいと言うべきか、展望がなくて萎えると言うべきか。


 遠くに滝。あの流れの側を歩きたい。暑い。


 高さが変われば山の見え方も変わります。


 千本峰の雨量測定所。千本峰より少し下ったところから見えますが、千本峰より上の方にも、見えるところがあります。


 だいぶ前杁差岳が遠くなりました。歩いてきたんだなあ、と。


 ここがカモス峰。本当は10mくらい写真奥手の方に看板があります。ここから樹林帯。


 カモス峰から最初の橋まで、急坂と木の根っこに閉口します。長い急坂で両足が痛い(昨日までに豆ができている)。


 橋からは渓谷が見渡せますが、あんなに遠かったら、水の御利益にも与れない。


 2本目の橋まで、再び閉口するような上りと下り。川の畔を歩かせてくれればいいのに、などと半泣きです。暑くて死にそうです。


 サルが木の上から下りてきて、向こうに逃げていきました。本来動物たちの住処なんですよね。


 そろそろ登山道も終わりですか。もうすぐ万歳の時?


 2本目の橋で、登山道は終わりです。川の流れが清々しいですね。


 しかし、ここから下界までの林道は、再び閉口です。暑いし虫は多いし、長い。足のマメがさっきよりも痛みます。
 3分の2くらい行ったところにあったこの公園、水道はあるのに断水していました。用意していたスポーツドリンクはここで飲み干しましたとさ。


 あまりにもマメが痛いので、靴と靴下を脱ぐと、昨日同様、足が猛烈にふやけていました。ここからスリッパ歩行。濡れた登山靴はニオイと重さのコンボ。
 長い川とダム沿いの道は堪えますなあ…。


 夏の間は水量を少なくコントロールしているのだとか。浅瀬には公園らしきものがあったりします。


 大石ダムの堰堤に到着。満身創痍です。人に目を合わせる余裕すらない。


 今日は4日目。どこに泊まるか悩んでいましたが、できれば体力を回復できる場所がいい。オートキャンプ場ではダメだろう。


 バス停と登山案内所の看板を見つけました。


 大石ダム下の集落。ここは関川村。とても小さな村です。


 とりあえず、バス停に行くぞ。


 あった…!バス停…!!
 って、えええ~~~~!?
 平日のみ運行みたいです。バスの時刻表はネットで公開されていないし、アヤシいと思っていたのですが、これは痛恨。
 とはいえ、そういうパターンはある程度予測していたので、缶ジュース一本でゆっくりしつつ、タクシーを呼びました。
 タクシーで関川駅近くの、大混雑した道の駅の温泉まで。2480円くらい。


 で、結局宿が見つかりませんでした。お盆最終の夜ですからね。しょうがないから、新幹線で帰ることに。18切符がまた余るのかな。


 電車まで2時間も待ち時間があったため、腹の足しになるものを探しました。
 え?このカエルがそうかって?
 冗談じゃない。いくらタンパク質不足だからといって、マイナーなものを売っている自販機の、隙間にくっついているカエルを食うほど落ちぶれてはいないさ。


 電車を待ってゆっくりしていると、改めて着ているものがどれだけ汚れているかを感じます。ずっと穿いていた山ズボン、汗の塩分でじっとりしています。他は温泉で全部取り替えたけど。


 この後、坂町駅前であまり美味くない玉子丼を食べて、電車で直帰。何だか最後が強制送還的な感じもしなくもないけど、電車が大きく遅れることもなく、帰れました。
 長いような旅だったけど、やっぱりあっという間でした。そして、人生初めて3日以上の長い縦走をやりきりました。この収穫は大きい。更に、連峰を歩ききりましたからね。雨の停泊もオプションで付いて。3日目の夕方の景色は素晴らしかった。来て良かったですね。
 #53飯豊連峰、杁差岳クリア。


天気:くもり時々晴れ(新潟県岩船郡黒川村・関川村、移動中は含まない)

  1. みゃーみ
    12月 11th, 2011 at 19:23 | #1

    今日大石ダムから下山した人と話をしてふうたろうさんはどのコースを歩いたんだろうってことでのぞきにきました。
    いいな、行きたくなりました。今、体脂肪率がヤバイですけどねw

  2. ふうたろう
    12月 12th, 2011 at 00:01 | #2

    しかし、このコースはハンパないッスよ。長いし、険しいし…
    もっとも、あのクソ暑い夏に登ったのがいけなかったのかな…。9月くらいになってから、暑さのほとぼりが冷めた頃に登るといいかもしれませんね。飯豊は暑い。

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