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絶好球(鉢盛山・野麦峠スキー場~小鉢盛山縦走コース:長野県)

2011年 3月 5日

 ホテルには、一応軽食の朝飯が付いていました。しかし、食パンとマーガリン、バナナ1本、飲めないコーヒーだけ。サービスなのはありがたいけど、まあ、腹を膨らすくらいのものでしかありませんわな…。
 左後ろに、満面の笑みを浮かべる女の子が写っていますが、これは液晶テレビの画面が映り込んだだけです。


 塩尻駅前に立つと、空は雲ひとつ無く晴天。鉢盛山の上もこうなのだろうか。今はとにかく、こうしてムダに待っている時間がもったいない。こんな時は、本当に公共交通の旅はツラい。


 木曽福島駅に着いても晴天は変わらず。しかしここでも30分ほどのムダな待ち時間が。野麦峠スキー場のシャトルバス(無料)に頼らないとスキー場まで行けないので、この待ち時間は必要悪ということになります。


 バスがスキー場に着いたのは、10時半過ぎ。わかんを履いて、リフト券5回分合計1500円を買って、2本のリフトを乗り継いでいきます。やっとここまで来た…


 1本目のリフトに相乗りした夫婦と山の話を少ししていました。ほんの5分ほどでしたが、旅の始まりを占います。


 スキー場の最上部。やっとスタート地点です。11時2分。


 最上部から、今日の目的地である鉢盛山(右)と、その前に越えなきゃならん小鉢盛山(左)があります。いや、けっこう遠いな…。


 樹林に囲まれていてどこを進めばよいのか迷います。しかし、リフト最上部から北側のゲレンデを少し下れば入口は自ずと見つかるはずです。


 さて、遂に鉢盛山登山口・小鉢盛山コースの始まり。雪と林の稜線です。


 ふうたろうひとり、といいたいところですが、ここはさすがに先客がいます。このわかんの跡にはふうたろうの他に少なくとも一人分があります。


 だだっ広く、雪が吹きだまってできた、半ば雪庇になっているところが続いています。樹林に引っかかれながら歩くか、雪にハマりながら歩くかの違いです。


 しかし、この稜線の東側は、時々樹林が切れて素晴らしい展望が開けます。


 あの遙か向こうに見える山は…南アルプス、かな…?


 しかし、基本的に樹林帯。


 今積もっている新雪の前に、おそらく歩いた人々のトレースと、前を歩いているだろう人のラッセル跡ができています。それをラッセル泥棒させていただきます。


 東側の展望が開けるたびに足が止まります。


 ふと雪の斜面を見ると、陰が穴だらけになっていました。木から落ちてきた雫が雪面に穴を開け、それがこんな模様に…。おもしろいですね。


 展望を遮る樹林ですが、今日のこの快晴の空の下では、それさえも美しい。


 前を歩いている、あのわかんの跡の主に追いつきました。


 わかんの主は新潟県の変わり者おっちゃんでした。今は単独で分水嶺めぐりをしているとか。日本300名山は10年くらい前に終わったとか。


 今日最初の鉢盛山の遠望です。雪を被った針葉樹に覆われた、美しい山です。おっちゃんと2人、写真を撮りまくるのでした。


 急な斜面に稜線の薄い影が落ち込んでいます。


 今日はこういう風景がずっと続きます。


 青い空を突く矛のような、雪と霧氷を纏った木々。


 あれは御嶽山。


 てっぺんまで霧氷の枯木。


 枝先まで霧氷の…ダケカンバ?


 最高の強さで輝く太陽。


 氷の花を咲かせる森の木。


 透かして輝く氷の一粒一粒。


 青い板の上に広がるある種の化学物質の結晶のような霧氷。


 開けた雪の斜面からは遥か遠くの南アルプスまで。


 木々は静かに雪を纏って佇む。


 樹林の隙間からは、これもまた雪を纏った御嶽山。


 再び続く雪庇。


 同じ景色、でも、まったく同じものはない、飽きない景色。


 小鉢盛山はいつの間にか通過しましたか。おそらく、札やら何やらは、あったとしてもみんな雪の中でしょう。いや、ここは夏は通れないのか。


 小鉢盛山を下りきったら、次は大御所の鉢盛山への坂が始まります。


 太陽の熱で溶けた木の雪が再び凍ってつららに。周辺の木がみんなそうなっているので、まるでオバケみたい。


 鉢盛山の坂は急です。しかも、雪が滑ります。晴れた空の後押しがなかったら、これはイライラの絶頂でしょう。


 しかし、坂がキツい分展望も良い。


 この稜線からは、南から順に、御嶽山、中央アルプス、南アルプス、八ヶ岳、浅間山、などが少なくとも見えます。乗鞍岳は西側を被い続けている樹林に隠れています…


 いよいよ山頂近くなので、木にまとわりついている雪や霧氷の量も多め。あの遠くからモノトーンのまだらに見えていたものの正体はこれです。


 いつしかあのおっちゃんと別れて、ふうたろうは一人歩いてきました。おっちゃんはずっと下の方を、鈴の音だけ響かせながら追いかけてきています。


 先頭はこの新雪と景色を、誰よりも先に独り占め。


 樹林が少し疎らになってきました。


 垂れ下がったまま固まったオバケのようなつらら。


 氷の花散り始めのダケカンバ。


 樹氷のシルエット。


 素晴らしい雪の斜面。


 そして、鉢盛山山頂到着。突然北東から北の展望が開けます。


 さっきの稜線とは別次元の樹氷群。


 どこを見ても「スゲー!」としか言えないふうたろう。


 そして、遂にお目見え穂高連峰。


 遥か遠くに妙高高原。後で追いついてきた新潟のおっちゃん、それを頸城(くびき)アルプスと呼んでいました。


 足跡はふうたろう一人分。


 樹氷と穂高連峰のコラボ。


 …と思っていたら、反射板(滅
 でも、まあ、これはこれで、あってもいい。それほど視界の妨げにはなってはいない。


 やっぱり美しい樹氷林。


 しかし、西の空には絹層雲が広がってきました。宴も遂に終わるのか。


 しかし薄雲は薄雲で、快晴の空にマンネリ化をしたとも思えていたふうたろうの心に転換を図ります。


 ふたたび、鉢盛山に広がる樹氷林と遠望の穂高連峰。


 うすく霞む御嶽山。


 南にも樹氷。そして、木曽山地(中央アルプス)。


 穂高連峰は何度見てもいい。


 日の陰ってきた樹氷林。


 さて、そろそろ小屋に向かわないと、もう16時過ぎてしまいました。山頂近くにある鉢盛山避難小屋ではなく、まだ向こうにある波田町避難小屋まで行く予定なのですから。


 おっちゃんとここでお別れして、判りにくい道を探します。


 雲がどんどん西から覆ってきます。


 ここからのルートは、樹林と雪で相当判りにくくなっています。GPSがないと、道を探すのは相当ツラいと思います。尾根沿いといっても、その尾根がどこか判らない。丸い斜面だから…。


 樹氷三兄弟(何


 GPSの軌跡を頼りに、何とか鉢盛山避難小屋。しかしここは今日の最終目的地ではありません。それに、雪に埋もれてとても掘り返せる状況では…


 松本盆地が見えます。


 すっかり絹雲に覆われた空ですが、快晴とは違った趣のある、別次元の美しさを持った空です。


 さて、深い樹林帯に入りました。


 HPが減ってきたので(何)行動食を食いましょう。


 ここに下山路の分岐があります。しかし、ここを下っても、交通機関がないので地獄を見るだけです。


 空はさっきよりも多めの雲に覆われているようですが、展望はやっぱり抜群。


 こんなに開けた場所でも、もうかなり暗くなっています。


 そろそろ波田町避難小屋に着きたいのですが…。


 ま、もうちょっと楽しんで行こっか。


 うっすらと夕焼けになった絹雲。


 真っ青の空とはまた違った夕方の空。


 谷はもう真っ暗でしょう。


 崖に佇む冬枯れの木々。


 もうずいぶん日が陰ってしまいました。


 でも、着いた!


 しかし、ドアが雪で埋まっている。


 スコップで掘り返した。スコップは雪山の必需品です。


 さあ、ハラが減ったので、外の景色も放ったらかしにして雑煮ならぬ、モチのうどんスープ煮。


 うどんスープ煮を食ったら寝袋に入ったけど、結局眠れなくて、外を見ました。曇っているかと思ったら晴れていたので、三脚を持って小屋の外に出ました。


 松本盆地がきれいに見えるので、夜景を撮りましょう。


 空も雲の割に星がなかなかきれいです。冬枯れの枝と一緒に撮ると、模様になってなおきれいです。


 オリオン座が流れています。3分ほどシャッターを開けっ放しにしたので星が延びていますが。


 これでもかと言わんばかりに晴れまくった山は、今年初めてです。でも、空には既に絹層雲まで広がってきていますので、明日の天気はかなり不安です。ガスの中歩くのかと思うとちょっと萎えますが、それでも行くしかない。
 もっとも、明日がだめでも、今日が充分すぎるのでもう満足ですけどね。


天気:晴れ、午前中は快晴(長野県塩尻市・南安曇郡奈川村・木曽郡木祖村・東筑摩郡朝日村・波田町、移動中は含まない)

  1. 3月 12th, 2011 at 23:24 | #1

    この山は以前地図見たとき林道ゲートの鍵を借りるみたいなこと書いてあってめんどいなって思ってたんですけど、野麦峠のスキー場から行けるんですね。

    さすがに自分は突っき抜ける勇気はないですけど、来年の冬にでも同じ道辿りたいです。

  2. ふうたろう
    3月 13th, 2011 at 09:07 | #2

     人知れず、予約無しで行ける山というのが理想です。鍵借りるとかはもはや論外で、闇テンもできやしないのです。

     この山は冬でないと展望が怪しいかも知れませんね。3月21日までスキー場は開いているらしいですが、今年は足(膝)の完治が間に合いませんか。
     いい山なのでぜひ天気のよい日を選んで行ってくださいね。

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