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太陽と雲と山と人の宴(白神岳蟶山コース:青森県)

2011年 6月 11日

 最近馴染みになったキラキラ号。夜行バスでは中間くらいの安さを持っていて、主要な方面に向かう便がでているので、使いやすくなりました。3列シートではないので寝づらい時もあるかも知れませんが、値段は3分の2くらいで済ませられるので、慣れればこちらの方が得です。…が、従業員たちの働かせられ方も気にはなるところです。
 さて、バスが能代駅前に到着。横手や大曲では小雨がぱらついていたりもしましたが、能代は晴れています…たぶん。


 しかし、どうも不安定な模様です。低い雲がウロウロしています。予報では、青森県(能代市は秋田県)は一時雨が降るとのこと。昨日までの二転三転の予報に振り回されっぱなしという気もしなくもないけど、まあ、ここまで来たらなるようにしかならないですな。


 腹が減ったので、駅前にあった市場に入って、目についたギョーザと白飯を買いました…が、ギョーザの皮がβ(でんぷん)で、10個のうち7個くらい食ってから店に言いにいって電子レンジを借りようと思ったら、従業員が使用中で、いざ電子レンジで温めてもやっぱり具材そのものから不味かったという罠。隣にあったエビフライ10匹でおとなしく手を打っておけば良かったと思わなくもない。
 ちなみに、そのエビフライ、「活け〆エビフライ」みたいなこと書いていましたな…。国産のエビが10匹分で400円弱で買えるはずもないので、ベトナムかタイで活け〆?オーストラリアあたりの天然エビの活け〆??
 ま、今更気にしないと(黒笑


 11時2分能代発の五能線に乗ります。五能線の始発は東能代駅。お隣からやってきました。ん?それとも、もっと先の秋田とかから来てんのかな?


 米代川を越えました。


 長閑な田園風景…と言いたいところですが…


 白神山地一帯は雲がモッコモコ。


 12時3分に白神岳登山口駅(旧・陸奥黒崎駅)到着。もはや、昼から登山もデフォルトになりつつありますね。


 駅から5分も歩かないうちに登山口の看板があります。登山口ではないという件。


 山菜採り禁止の看板。しかし、嚴罪って…(汗


 ひとまず、登山口まで車道歩きです。
 この白神岳は、6年前の夏に来ています。この車道は、十二湖入口のところにあるおみやげ屋さんご夫婦にお世話になって、登山口まで送ってもらったので、当時は歩かずに済んだのです。あのときはとても長く感じたものだけど、6年後のふうたろうはどう思うだろう。


 ええ、距離は短くても、フツーにしんどいですよ(何 暑いし(滅


 どうやら、既に13時前という段階だと、登る人はみんな山に入って下りてきているだろうという時刻。駐車場はほぼ最大量なんではないですか。山頂避難小屋が芋洗い状態じゃなければいいんですがね…。


 小屋で休憩しようとしましたが、水道で顔だけ洗ってすぐに先に進みました。なお、ここの水道は飲用ではないそうです


 もう少し車道があります。暑いので少しでもダルいですが。


 これが、登山届けの記帳場。中に入って、ノートに書いていきましょう。熊鈴も貸し出してくれているそうですが、そんなものは既に無いという件。


 さ、登山口。既に下りてきている人がわんさかいますが、これから登りますか。


 白神岳は深い広葉樹林帯の中です。いくら広葉樹林とはいえ、若干曇り気味な上に深いため、かなり暗いですな。


 しかし、木漏れ日の差すところはとても歩いていて気持ちがいい。


 …と、そのままのすがすがしさで歩けると思ったら大間違いで、空は千変万化。しかも、暗い方へ(滅
 ふうたろうが結局、二股登山道と蟶山(まてやま)登山道との分岐に立つまで、ろくに写真を撮らなかったのは、そういうことですな…。


 6年前に来たときも蟶山コースを辿りました。水場の場所、あるいは存在さえも覚えていませんでしたが、これが最初の水場のようです。グビグビするために、ちょっと汲んでいきましょう。そして、クソ暑いので頭からかぶりましょう。


 二つめの水場。一つめのより、注ぎ口(?)がしっかりしているような気がする。


 これが何か?
 虫が嫌いな人は拡大(クリック)しない方が身のためです。コマユバチか何かの寄生バチに食いつかれた毛虫。残酷ですなあ…。
 まあ、人間の原発や遺伝子組み換えほどじゃないけどね(怒


 これが最後の水場。鉄製の重いひしゃくが置いてあります。底に何か書いてあるので、暇なら読んでみたら?(笑


 最後の水場と、ここに書いてあります。最後なのでしょうな。


 森はひたすら鬱蒼と、そして薄暗く、幻想的なガスがかかっています。新緑の白神、これもまた良しですな。


 時々雲間から日が差すようですが、やっぱり樹林帯。暗いです。


 枝稜線に出ました。蟶山との分岐です。前はこの稜線出合のところに上がってくるのに必死でしたが、今は朝飯前。蟶山にだって行っちゃいますよ。6年前のふうたろうにはさよならだ(何


 そして、行き着いた蟶山の山頂は、チョー鬱蒼とした広葉樹林の中。


 そしてガスっていると。むしろ、ガスっていなかったら、つまんないかもね。


 真っ白い霧に覆われたような感じは続いていますが、若干明るくなったと思われます。


 やはり、青空が出てきました。回復傾向?…か!?


 ま、一進一退、か、あるいは右下がりの罠、か。


 楓の新緑も美しい。紅葉だけじゃない。


 ちょっとずつ雲が晴れてきているのは間違いないようです。でも、もう少しですか。


 6年前はただひたすら曇りや雨だったと思いますが…、いえ、むしろそれどころではないくらい、荷物の重さに驚くばかり、つらいばかり、でしたか…。でも…?


 今回は、天気もふうたろうも、そうではないようです。山の変化を、自分の気持ちを楽しむ余裕が、あのときよりはできているようですな。


 雲が白神岳を越え、上の方が切れてきています。


 これは、6月の笠ヶ岳再来、か!?


 それでも、まだまだ不安定。しかし、山は状態を楽しむのではなく変化を楽しむものなのだ。


 そして、白神岳主稜線分岐に到達。これを左に行くと十二湖方面、右に行けば白神岳山頂方面。ここまで駅から4時間6分くらいです。


 花はたくさん咲いています。さっきから、チゴユリやシラネアオイ、ダイコンソウなど。花は日記に混ぜると煩雑になる面もあるので、別ページで。


 向白神岳方面の稜線がうっすら見えたり見えなかったり。2005年8月13日は完璧に曇っていたので、全然見えませんでしたなあ…(しかし、当時撮ったなけなしの写真を見ると、微かに見えている。認識と観察力の発展というやつだな(何))


 ここで展望があるとなおいいのだが…。もう少し展望は後のようです。


 (・ε・*)ん?
 ついに小屋が見えてきました。でも…


 実はトイレであったという件。もっとも、ゴールが便所というパターンは、越後駒ヶ岳グシガハナ登山口や、便所参りした雌阿寒岳などでも馴染みがあるので、驚くことは何もない。


 しかし、この白神岳は、ただ小屋と便所とが10~20m離れているだけで、便所ゴールする必要はないのです。


 白神岳避難小屋到着。6年前に登ったことがあるという余裕は大きいですが、難なく来られました。


 小屋は3層。屋根裏みたいなところもあります。


 誰かいると思っていたのに誰もいなかったので、ザックを放り投げて山頂へ行きましょう。小屋とトイレが山頂部分から見えます。


 ガスっていますが、山頂到着。小屋から50mも歩かないかな…。


 この山頂直下のところに、確か隠し通路があって、水場もあったと思います。


 しかし、この雪渓をウロウロするのがめんどくさくなったので、探すのをやめました。6年前は、確かこのあたりの水場から採水したと思います。量が少なくて、汲むのに難儀しましたね。


 ふうたろうは屋根裏3階を取りました。窓がついていて明るいので。景色も見えるし。しかし、外がガスっているので、とりあえず、夜飯のトマトカレーをば。


 メシを食っている間に、夫婦がやってきました。何時頃に登り始めたのか、そういえば聞いていなかったけど、二股コースを上がってきたらしい。とりあえず、メシを食って、話をしていました。
 そしたら、いつの間にか、3階の窓から見る景色がこうなっていました。


 白神岳大開放ですかな?


 これは速攻で山頂に向かわねば。スリッパでダッシュ。


 山頂は西側がブッシュに覆われているので、展望があまり利きません。東側はもちろんOKですが。なので、二股コース側に10mほど進みましょう。ヤブを抜けると、日本海側の大開放です。


 あの、暗く、良く言えば神秘的でもあったガスだったけど、こうしてみると、本当に雲海は素晴らしい。
 なお、この雲は、蟶山あたりを上限にとどまっているようです。そして、それは隙間無く埋まっているので、下界はひどく曇っているでしょう。


 一旦便所参りして用を足します。足の踏み場もないほどハエ(成虫)が息絶えて転がっていますが。


 便所の裏からも雲海を眺められます。しかし、さっきのところほどではありません。
 ここに立っていると、何となく飯豊連峰の頼茂木小屋の風景を思い出します。


 山頂から東~南を見ると、展望が利きます。こちらは朝がきれいでしょうね。


 時間が経ってから、また来ました。さっきのご夫婦と山話をして30分くらい過ごしたでしょうか。その間に、太陽が傾いて雲の陰も変わっています。


 白神岳南方の稜線。


 こちらは白神岳北方の稜線。


 最高の風景。座り込んでマッタリしたいけど、気もそぞろ。


 空の方は快晴。雲の上にいるので、雲が殆どありません。


 (・ε・*)ん!?
 なにやら、便所の方から人影が…?


 とりあえず、まだまだ雲と太陽と山頂の宴は続くので、楽しみまくります。


 しかし、西方に薄雲が現れ始めました。


 まあ、これはこれ、ですかな。気圧配置的にはここまで見られれば十分ですか。


 実は、さっきの人影はご夫婦ではなく、なんと、18時を回って登ってきた若者たちでした。東北大学の仲間らしく、今朝、雨の中仙台を出発してきたらしい。ここの展望がいいので、呼び寄せたのです。


 ここの景色は最高です。珊瑚の研究をしているという彼が、ドデカい広角レンズのついた防水ケースに入ったカメラで撮影を始めました。


 遠近法で写真を撮る小学校の先生もいましたが、ふうたろうのより上手く撮れているといたという件。


 しかし、太陽と雲と山と人の宴。今宵は楽しく過ごせそう。


 どうやら、満足したようです。お疲れさまでした。


 雲の向こうに落ちていく夕日。


 いつまでも明るい、北東北の6月。もう19時はとうに回っています。


 この後、少しもそもそしてから寝袋に入って寝にかかりますが、20時過ぎ頃に目が覚めます。いつもの、気分の悪さで。あまり無理して寝ようとしても具合は良くならないので、外に出て行って、山頂から月に照らされた雲海を眺めていました。かの学生たちは、一人誕生日の人がいるというので、21時まで盛大に祝い事をやっていました。21時を過ぎても騒いでいたら注意をしようと思いましたが、ほぼきっちりそのあたりは弁えてくれたので、嬉しい限りです。
 ふうたろうが再び戻ってきて小屋に入る前に、ちょこちょこと下界の話もしながら、過ごしました。こうやって出会いを楽しむことも、山の宴といいます。
 先週の木こりのMさんの話もそうだけど、今日話した小学校の先生も教師という職をやりがい持っているようで、かっこいいですね。山のテンションに絶対値を付けて更にマイナスを付けたような目をしたふうたろうとは全然違う(滅
 さて、明日はこの雲海を、朝日バージョンで見られるでしょうか。


天気:くもりのち晴れ(秋田県能代市・青森県西津軽郡岩崎村、移動中は含まない)

  1. みゃーみ
    6月 16th, 2011 at 07:54 | #1

    全開の毛勝三山は手持ちの地図がとぎれてしまいました。

    今週末、どこへ行こうかと思案中でしたので、白神だけはちょうど地図をみていたところ。

    なので、いつもより現実感が伴い(行ったことないけど)楽しかったです。

    たまには頂上にとまりたいな~。優雅な山行でうらやましいです。

  2. ふうたろう
    6月 16th, 2011 at 08:08 | #2

     山頂泊のススメです。
     山頂近くに泊まるのは、非常に安心感があります。登山前や下山後に泊まると、何となくサボっているような気になります(黒笑

     白神岳、なかなか晴れないらしいけど、奇跡を信じていってらっしゃいませ。いいですよ!ただ、十二湖縦走は、かなり大変だと思います。車があるなら、縦走はどのみち無理ですけど…

  3. みゃーみ
    6月 16th, 2011 at 19:12 | #3

    私の持っている地図では十二湖方面は2010年は通行できないとあったような。。。。
    小さい字で。

  4. ふうたろう
    6月 16th, 2011 at 23:15 | #4

     んーーー2009年の地図では、特に何も…???

  5. ☆Pegasus☆
    6月 24th, 2011 at 12:10 | #5

    この白神岳、いいですね♪

    なんかのんびり登山できるような気もするし、小屋もトイレも整備されてて、
    あとは、その水場から滾々と湧いてれば最高~♪

    樹林帯のブナ林?が霧に包まれる景色は私は好きで、幻想的だと思います♪

    まさかのお天気好急変~♪
    足元には雲海が拡がり、沈む夕陽を見ているひと時は、とても贅沢な時間ですね(*^_^*)

  6. ふうたろう
    6月 24th, 2011 at 12:14 | #6

     水場は下の方にしかありません。水を持って上がる体力がない人は、それが大変でしょうけど、お互い、その辺大丈夫ですよね(笑
     この森はブナでしょう。東北はブナが多いみたいです。カエデとかもありますけど、あれもまた新緑がきれいな木ですよね。

     雲海は、運ですよね。ちょっとそれが高いところになると、ガスですからね。あの夕方は、晴れてくれたからこそマッタリできたんですよねー

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