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夕焼けにゃんにゃん(餓鬼岳・中房温泉より丸山新道コース:長野県)

2011年 10月 1日

 ムーンライト信州が定刻通り到着し、穂高駅ではゾロゾロと人が下りました。5時駅前発の中房温泉へのバス、そこそこ満載だったような気もしますが、ふうたろうは爆睡。さすがに、5時間寝とりませんからな…
 そして、バスの中では冷えるので、身震いしながら起きたら、そこはもう中房温泉。なんと!雨が降っているではないか…


 雨が降っているので、みんな着替えなどを屋根の下でやりたいと思い、トイレや仮設テントなどの下はごった返します。せめて、座る所くらいほしかったけど、そういうところを確保するには、けっこう時間がかかりました。まあ、しょうがないよね…
 それにしても、ここにいる人の99%は燕岳に行く人かな?


 中房温泉にバスが着いたのは6時だけど、MERUNの食パンなどで腹ごしらえとかして、ダラダラ過ごしていたら7時を回りました。雨が降っているし、眠いので動きが鈍いのですよ。まさか、雨が降っているなんて想像していなかったもんだから。
 そして、7時半頃に、登山届けカードを書いて出発、と相成ったわけですが、予想通り、餓鬼岳方面、つまり、東沢乗越方面に進む人はいなさそうです。それとも、ふうたろうよりもずっと先に出発していると考えてもいいのか?


 どうやら、この鉄の階段が付いているところから、登り始めるらしい。ほんとに、あれだけ人がわんさかいて鬱陶しいくらいだったのに、こっちには一人もいないって、どういうことよ?


 猛烈に薄暗い樹林帯の中。晴れるのだろうというのは、何となく予報から理屈では判っても、この状態から晴れの天気なんてものが想像できないのですよ。


 そして、進むと一回目の橋を渡ります。


 しかしその橋、渡しの木の板が腐っている上に斜めになっていて、気をつけても滑ります。またふうたろうに沢靴で歩けというのか?


 天気は悪くてどんよりだけど、沢の色は驚くほど清々しい。


 この木の階段も、いつヴァキッと逝くか判ったもんじゃない。


 (・ε・*)ん?
 ふと、空の色が青くなったような…?


 しかし、谷の奥手の方は濃い霧の中…。


 空は徐々に明るくなってきているようです。いつしか霧雨もやんで、同じくもりでもさっきまでとは重さが違う。その代わり、坂がキツくなってくると。


 明るくなってくると、何となく霧の樹林帯は幻想的になっていきます。坂はキツいけど。


 ん?(*・3・)
 この松の実みたいなやつ、誰かの食いかけですな。かさを剥がしてみると、中には種がいっぱい詰まっています。炒ったらふうたろうでも食べられるかな?


 ブナ平到着。けっこう急坂だったので疲れました。でもまだまだ、序の口。人には全然会いません。


 やっぱり景色は幻想的なまま。


 しかし、天気の変化は急激に訪れます。北燕沢出合間近のところで。


 北燕沢出合、の標。ここからしばらく沢を歩きます。


 石を飛んだり浅瀬を渡ったりしながら、上へ上へ進みます。


 紅葉はというと、一部しているやつもいるようないないような…。要するに、まだ早いということです。


 道は、パッと見、判るかな?丸印はそこかしこに打ってあるので、迷うことはないはずですが。


 水量が多いのか少ないのか、渡渉には多少の靴ぬれを伴います。靴の濡れはふうたろうにとって大敵なのになあ…。早く靴、交換せねば…。ソールも剥げかけているし。


 渡渉を繰り返し、ひたすら河原を歩き続けます。人の歩いている気配はまったくありません。


 丸印はくどいのではないかと思うほどたくさんあって、助かっています。きっと、迷いやすいルートなので、登山整備をしてくれている人が、気を遣って印を多めに付けてくれているのでしょう。ありがたし。


 また砂防っぽいのが現れましたが、その砂防、左半分が倒壊しています。それとも、倒壊したんじゃなくて、川幅が崖崩れで広がったってこと…?


 流木みたいなのがそこかしこに散らばっています。いつしか、この沢は大暴れしたんだろうなあ。


 渡渉の連続もなくなってきて、歩きやすくなってきました。そろそろ、沢詰めが終わりですか。


 ここが沢の終点。一旦休憩しましょう。


 ジゴク銘菓の母恵夢まんじゅうを食います。


 ナナカマドの紅葉は全然進んでいません。今年はちょっと紅葉、遅いと言っていたからなあ…。しかも、何となく、枯れの斑が入っていて、汚い…(滅


 尾根っぽいところを登っていったら、今度はトラバース気味に登っていきます。
 このあたり、25000分の1の地図さえもアテにならん。地形が細かすぎるわい。


 急な谷筋の坂が続きます。荷物がクソ重くてしんどい。水3リットルと、ポカリスエット900ml、カロリーメイトゼリータイプ3個(約650g)、牛乳200ml、を、水分として担いでいます。まあ、普通なのかな?一般人の装備、知らんので。


 魚眼レンズで覗いたような谷筋の樹林帯を上がります。


 ガスがモヤモヤしてはいるけど、その境界すれすれにいるような感じですな。


 そうそう、蔵王連峰南部の、不忘山に登っているときのような。


 どうも、雲海の水面(?)が見え隠れしている…


 そろそろ、この急坂も終わりかな?


 終わりのようだ。そして、周りの景色が、ガスから抜けてすっきり。


 やっとこさ東沢乗越。いや、長かった。でも、ここまで来れば、あとは横移動だから…
 …と、四国山地でも同じことを言っていたような気もしますけどね。


 そして、ササが覆い被さっている道がお出迎え(棒読み)


 ああ紅葉になりかけの樹林がきれいだなあ(棒読み)


 樹林が切れると、真後ろに見えたのは、燕岳の稜線でした。


 若干紅葉が進んでいるところもあるけど、基本的には鈍い。


 紅葉よりも、秋の空を楽しみましょう、今日はそれしかない…


 赤じゃなくて黄色の黄葉もいい。でも、何となく、秋になりきれていない…


 黄色くなりかけながらも、枯れたような木々…


 何となくぼんやりしているけど、これはカメラのレンズが濡れているとかじゃなくて、薄くガスがかかっているのです。


 尾根を挟んで南や東側に雲がたまっていて、それが時々登山道あたりにまでわき上がってくるのです。


 北~西方面は、高瀬ダムのある谷になります。こちらは恐ろしく晴れ渡っています。


 東沢岳のハイマツ越しに、岩山っぽいのが見えています。あれが餓鬼岳なのかなーっと思っていたけど、どうやらあれは違うらしい。


 おお、たまたまアタリのナナカマドが。


 もうすぐ東沢岳山頂です。


 あの見えている岩山は、ケンズリ。昭文社の地図には「剣ズリ」と書いてあります。25000分の1にはカタカナで「ケンズリ」。


 裏銀座縦走路が思い切り晴れ上がっています。あの稜線を、今日歩いている人は最高なんだろうなと。たぶん、今朝の雨も、あそこでは降っていなかったはず。


 ストレートに広がるハイマツ絨毯。


 雲を抱え込んだ燕岳。


 そして、東沢岳から見渡す、東餓鬼岳の尾根。


 景色は抜群です。ものすごーく遠くにケンズリがあります。


 さ、じっとしていても風に吹きさらしでクソ寒いので、餓鬼岳に向かいましょう。


 さらば東沢岳。


 東沢岳を通過すると、すぐに樹林帯へ。


 稜線漫歩という言葉を知らないらしい…


 樹林帯を過ぎたら、いよいよケンズリの手前にある岩場ゾーンへ。ふうたろう、何だかこのあたりから足が上がらなくなってきたんだけど?


 燕岳が遠のいてゆく。あっちには、かなりの人が入っていたと思う。そして、恐らく有明山には餓鬼岳よりも少ない人しか入っていないような気がする。


 あの岩、越えんの?まじで?


 ふうたろうは足が上がらない。なんか、妙に喉が渇くし、疲れる。こんなところ、いつもなら猿になっとるのだが…


 ギラギラ太陽。


 東面はガスりまくっています。雲の上面すれすれを歩いているみたいで、雲海みたいにきれいにも見えないという件。


 (・ε・*)ん?
 何だこの輪は。新手のブロッケンか。後ろにある岩がブロッケンになっているのか?


 表面張力でこぼれ出さない水のように、ガスも決して東沢側(縦走路の西側)には流れ込まない。


 雲の芸術、絹雲の舞。


 岩の芸術の前に、ふうたろうぐったり(滅


 あの手前のふくらみさえも、全然近づいてこない様子。


 燕岳と東沢岳は、少しずつ離れているような気がする。赤牛岳から水晶岳に向かうときのことを何となく思い出す。なげー(ため息


 ハイマツの中のトラバース。何だか頭がモヤモヤというか、くらくらする。高山病かな…?


 歩いてきた尾根は、丸山新道というそうです。その、丸山新道の凶悪な岩場。しかし、これは序の口です。


 くもりと晴れの境界はこんな立派な光の宴を繰り広げてくれますか。写真には写らないかと思ったけど、けっこう写っていますね。


 化学で言う、チンダル現象ですな。


 またブロッケンもどきが。ほんとは雲海を撮りたかったんだけどね。


 いつまでも遠い、ケンズリ。見えてんのに、全然近づいてこない。


 やっとケンズリトラバースにかかったと思ったら、崩落地。


 そして、深い樹林帯の上下トラバース(ゲロゲロ


 この展望を見る頃には、ふうたろうはもう燃え尽きかけていました。坂と樹林帯のコンボにめった打ち(滅


 ああ岩場と疎林と羊雲がきれいだなあ(棒読み)


 この頼りないハシゴは…


 ケンズリの核心部ですか。岩場が連続します。樹林帯の連続よりはずっとましですが。


 燕岳の尾根の向こうに、槍ヶ岳の矛先が見えています。


 ケンズリの山裾に広がる樹林帯。紅葉したらきれいなんだろうなあ…


 ひとつ、ケンズリの尾根を乗越すと、美林が広がっていました。あれは、西餓鬼岳の尾根です。


 う~ん…餓鬼岳は遠そうだ…(=_=;)


 空は微妙に高曇りだけど、よく見たら、もっと北の日本海の方が晴れ上がっていますな。何となく、今年の正月に登った白石山で、奥多摩雪ちらつきーの、志賀高原晴れまくりーの、というレアなハズレを引いたような、屈辱的な天気を思い出しました。


 続く岩場の上り下り。


 崖状の岩場を進んでいきます。


 この木、腐ってますよ。


 スーパーマリオのアスレチックフィールドみたい。


 岩の突き出た見応えばっちりのルート。でも、足が上がらない。キツい。


 ちょっと離れたところからでも、目立つんだ…この赤ペンキは。


 まだケンズリ、越えられないのかな。


 餓鬼岳小屋、遠い…(==|||)


 こまめに上り下りを繰り返す。


 別天地に見えるも、ふうたろうはもうグッタリでござる。


 やっぱり、寝不足のせいかな?それとも、日頃の栄養不足?あるいは、もうトシか…


 そして、そんな疲れたところに、樹林帯の中を猛烈に下って猛烈に上るという、サディスティックなルートが。怒りに身を震わしながら歩くふうたろう(死


 これが恐らく最後の上りだと思いたい。


 いや、ホントによく歩いた…


 ぽつんと餓鬼岳小屋の屋根が見えます。


 一旦テン場を通り過ぎて、小屋へ受付しに行かねば。


 実は、テン場がけっこう混んでいて、斜めの所しか残っていなかったので、小屋泊も考えました。しかし、素泊まり料金が6500円という北アルプス価格なので、思考がストップ。更に、「自炊するところがありません」とかぬかしよる…(怒
 なるほどこやはくのひとはひつぜんてきににしょくつきかかくでとまるんですね(棒読み)


 というわけで、ふうたろうは斜めのテン場にテントを張って、レトルトのカレーにチーズとタバスコとガラムマサラをぶっかけて食い、ついでにコーンフレークも食い(もちろん牛乳がけ)、腹ごなしに餓鬼岳山頂に向かいました。この黄色の標から5分ですって。


 しかし、空は層積雲がモッサリ(滅
 でも諦めない。去年、水晶小屋から見たあの夕焼けは、層積雲の間に挟まれた状態から見えたもの。今日はちょっと厳しいかも知れないけど、最期まで見届けるとしよう。


 立山の方面が、こちらより若干天気がいい。


 ふうたろうの視線がこちらに集中。


 赤くなってきたぞ…


 おっと、東の空が今度は微かに火を放っている。


 炭が少し燃えている程度、だけど。


 来るか?


 来そうだ!


 その調子!!


 もう少し!


 どうやら、これが精一杯みたいだ。


 でも、よく燃えてくれた、この状況で。
 なお、餓鬼岳山頂は、このときふうたろう一人でした。一人で夕焼けにゃんにゃん(何


 もっと西の方、笠ヶ岳とかはひょっとしたら、あのダイナミックな夕焼けが楽しめているのかも。誰かは楽しんでいますように。


 餓鬼岳に到達しました。しかし、本番は明日。しかも、今日の様子だと、天気もどうなるか微妙です。天気がよければ、餓鬼岳の北西にある唐沢岳まで行ってから、白沢の方に下山しようと思います。でも、雨だったら…
 考えとうないね(滅
 ふうたろうは、19時くらいには寝ていました。隣かその隣くらいのテントが大騒ぎしていたので、黙らしておきましたが。時間に限らず、このクソ狭いテン場で大騒ぎすんなよ。


天気:雨のち晴れ、夕方から時々くもり(長野県南安曇郡穂高町・大町市、移動中を含まない)

  1. みゃーみ
    9月 4th, 2012 at 21:11 | #1

    お疲れさまでした。ガキか焼山か霞沢を考えておりのぞきにきましたよん。
    ガキ岳こちらのコースは長丁場で辛そうです(汗
    テンバも斜めなんですか?白沢往復なら日帰りもいけそう。
    唐沢岳は魅力的だけど、一人では不安だし。。。

    炭が少し燃えている程度の写真すきですw

  2. ふうたろう
    9月 4th, 2012 at 23:42 | #2

     白沢コースと丸山新道コース、見比べてるんですね。

     …どちらも良いところがありますけど、白沢コースは沢道が終わったらあとはつまらないんじゃないかなと思います。まさに有明山のあの中房温泉からの道みたいで。
     あるいは、楽しいか否かではなくて、足に負担かけないかどうかで言えば… やっぱり急坂ガッツリの白沢コースは、特に下山はやばいんじゃないかなと思ったり。

     唐沢岳、不安ですか?そんなに難しい場所ではありませんよ。おいらはたまたま岩の上に座り込んだりしていますけど、そんなところ、行かなくても大丈夫ですから。とはいえ、それでも唐沢のみならず、この餓鬼岳はアプローチ、長いですよね。日帰りじゃなく、膝の温存を考えるなら、テント一つ持って登った方が結局は安全かもしれませんよ。唐沢往復+白沢下山で、15時くらいになったんでしたっけね、ふうたろうの足で。10時間以上行動してます。

     山の上から見る夕焼け・朝焼けは特にきれいですよね。おいらは、山で夜や朝を迎えられる喜びを、いつも感じながら寝てますよ。

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