5年のアルバム(西吾妻山【グランデコ東大巓縦走コース】:福島県)
会津若松駅。このところ、ここばかり見ているような希ガス。そして、今朝は会津とは思えない気温の高さです。雪が溶けて、水たまりがそこかしこに。3月9日。まだ東北は真冬のはずでは…というのは昔の話でしょうか。
今日はまた男鹿岳じゃなく、猪苗代に行ってから西吾妻山→一切経山と吾妻連峰の縦走をするので、いつもの7時発の電車ではなく、6時36分の郡山行きです。だから、会津若松駅ナカにあるダシの薄いソバ屋では食べることができないので(開店6時半)、わざわざコンビニまで走ってどん兵衛を食いました。
会津は全天曇っているので、東西南北がはっきりしません。というか、会津若松駅で晴れた空というか、暗くない空を見たことがないという罠。だから、どっちに向かって電車が走っているのか解りません。新津(新潟県)の方に流されているのではないかと心配するほどでしたから。
無事猪苗代駅到着。グランデコスキー場行きのシャトルバスが7時45分に出るはずですが、本当に来るのかどうか不安でしょうがないという件。いつも、あんな罠(じと目)やこんな罠(ヴォー読み)でひどい目に遭うので、警戒します。
しかし、無事、バスに乗れました。もっとも、乗客のほとんどがスキー場の従業員のようでしたが(何
便所にこもって15分ほど出発が遅れます。ま、今更のことなので、つべこべ言わず進みます。
ん?(・ε・;)
ゴンドラと第四リフトが強風で止まっているらしい。
…。
第1~3までを乗り継いで、何としてでも西大巓(にしだいてん)の登山口に至らなければなりません。こんなところでくたばるわけにはいかんのですっ!
リフトは乗り継ぎがスキーヤー用なので、離れています。ま、そんなに距離はないので、基本下りですし、サクッと行きますか。
最後の第3リフトを登り終わったら、いよいよ西大巓へ。実は、第4リフトで行くよりも若干標高が高いのです。時間が少しでも稼げます。腹痛で遅れたくらいの時間が。
ふうたろう以外にも西大巓~西吾妻山方面に行く人がいます。もちろん、みんなスキーやスノーボード姿ですがね。
登り始めましたが、雲がなかなか取れません。一応回復傾向にある天気図だったのですが。
ちょうど5年前の今日、やはりここは樹氷が猛烈に美しい世界でした。今年はどうでしょうか。
スキー板の跡が目立ちます。一応、スキー板を担いでわかんなどで登っている人はいます。
明るくなった、と思ったら、突然雲が晴れてきました。山の天気は変化が劇的です。
樹林の間から山頂方面の樹氷が少し見え隠れしていました。どうやら今年も期待できそうですな。
シュプールのあるところないところ、進みたいように進みます。踏み抜くような変な雪質ではないので、快適に進めます(もちろん、踏み抜く場所もあるのですがそれは後で)。
後ろを向くと、猪苗代方面が見渡せます。いや、裏磐梯と言うべきか。
オオシラビソ(マツ科)またはアオモリトドマツというらしいけど、そういう樹林が主体のところで、樹氷は育ちます。
まさに、荒天と深い針葉樹林という、あまり好きな人はいないであろうその条件こそ、人々を引きつけてやまない樹氷の必要条件なのですな。そう思うと、吹雪も樹林帯も愛おしくなりますな。
あそこで浸っている兄ちゃんは、福島市から来たらしい。初心者らしいけど、来てみたかったようで。
ここは下り道を見失うと、特にガスの時とかは非常に危険ですが、今日は天気は安定するでしょう。グランデコに引き返すそうなので、下りには気をつけて。
完全なる樹氷と彼方の磐梯山。夏はここ、どんな風景なんでしょうか。
そして、西大巓の山頂近くになると、西吾妻山の大きいのがどーんと見えます。もう少し左側がどうなっているのか気になりますが、それはもう少し先に行けば見えるでしょう。
さっきの兄ちゃん、ふうたろうの後を付いてきています(写してないけど)。おいおい、おいらの後ろなんて付いてきたら、ろくな目に遭わんぞ(黒笑
そして、あまりの展望の良さにちっとも前に進まないながらも、どうやら西大巓に至ったようです。指導標が埋まっています。
ってことは、このあたりは夏場でも展望いいのかね?
南に会津磐梯山。福島市から来た彼のカメラのシャッターを押して、ふうたろうは撮影モードに入ります。
西大巓の山頂にはさっきのスキーヤーグループ(小山山岳会)や福島市の兄ちゃん、他にも何人かいたようですが、みんなに別れを告げて、この大樹氷原にダイブです(目がハート
ん?(・ε・*)
西大巓から滑ってきますな。地べたを這いつくばっているふうたろうと違って。そういえば、暑寒別岳(北海道)もそんなだったような希ガス(じと目
2011年3月12~13日、西吾妻避難小屋泊まりで、Mariさんを初めての雪景色の山に連れて行くつもりでした。予報も天気図も完璧でした。
…しかし、前日の3月11日、東北地方を東日本大震災が襲いました。いや、東北地方じゃなく、「東日本」を襲いました。
ふうたろうの幻の景色。あれから2年。あの日はやっぱり今日と同じように、ふうたろうたちを迎える準備をしていてくれてたんだろうか。
5年前、西大巓の展望はガスがひどくて、まったくだめでした。目の前にある樹氷がそれと認識できるかできないか微妙なレベルでした。今日の天気は5年前と比べても最高です。ふうたろう、会心の一撃、なるか。
西大巓が遠のいていきます。ふうたろうは西吾妻山に向かっています。さっきの小山山岳会の人たちも同じ方向に向かっています。
シールを着けて登っています。ふうたろうはまだそうやって遊ぶときじゃないもんね。自分なりの制限をかけながら日本300名山撃破に向けて、今は歩くときだから。
でも、みんな楽しそうです。ふうたろうも、いつかああいうメンバーの中で過ごせる日が来るといいですね。
同じメンバーだったら、もっと容赦なくみんなのこと、撮っているだろうと思います。
しかしふうたろうは山を記録として残すようになったときからずっとひとりです。写真にも人はほとんど写りません。
煙霧の向こうに見えるのは飯豊山でしょうか。
※黄砂ではなく砂埃が巻き上げられて起こった煙霧だと解ったのは下山後のこと
あっという間に西吾妻避難小屋が見えてきました。2008年3月8日も、ガスの中、突然この小屋が現れてびっくりしましたね。その日は山頂に行かず、今日と同じ9日に山頂に立って感動しまくったんでしたね。
ハラが減ります。3月6日頃から体調が少し落ち着いた気がします。亜鉛を飲んだからか(ぇ
これが西吾妻避難小屋。2008年3月8日の時と同じように、小屋の周りだけ暴風雪で雪が吹き飛ばされています。1階もちゃんと氷を割って雪を掘れば、入れるようになると思います。
…2011年3月12日、一緒に行きたかったよ。本当に。
…さて、ふうたろうは西吾妻山の山頂は踏んでいこうと思います。当然三角点なんて解らないし、山頂標は深い雪の下でしょう。大雑把でかまいません。
おや。シュプールが盛り上がっていますね。押し固められたところが吹き飛ばされずに残ったのですね。
小山山岳会の人たちはシールを剥がしています。ふうたろうがチョコバーを食っている間、ずっとシールを剥がしていました。
小屋と山頂は目と鼻の先だったと思います。小屋1階の戸を開けたら快晴で、狂喜して山頂に向かったような気がします。
小屋が遠く小さくなっていきます。その遙か彼方に飯豊山があります。そうなんですね、2009年8月12~15日、その飯豊山を登ったのです。この5年の間に、ここから見える日本百名山は全部登ったのです。
ここは冬に来て正解だと思いますが…しかし、改めて、夏にも来るべきだと思います。山は常に変化するのですから。
おおむねこの辺りが山頂ということにしましょう。だだっ広い山頂ですが、安達太良山、会津磐梯山、飯豊連峰、蔵王連峰、天気がもっと良ければ朝日連峰も見えるでしょう。月山も見えるかな?
ふうたろうがこの西吾妻山に初めて登った2008年3月9日、登ったことがあったのは安達太良山と会津磐梯山だけでしたね。あれから、丸5年で、200以上の山を登った。
彼方に中吾妻山と東吾妻山があります。中吾妻山は登山道、ないのかな…?
樹氷の間を抜けていきます。しかし、この樹氷のそばは、さっき書いたように、ヅボッとなることがあります。ハマると抜けるのが辛いので、君子危うきに近寄らず、で夜露死苦。
真正面が中大巓。西吾妻山から真北。そのてっぺんまで上がる必要はないので、上手く巻いて進みましょうか。雪道なので自由自在。
気温が上がっているせいなのか、標高が若干低いせいなのか、樹氷がハゲています。
東西(中大巓より家形山)の稜線に出ると、米沢の方が見えるようになります。しかし、今日は霞んでいますね。
しかし、この山は本当に広い。下手な方向に行けば帰らぬ人になるでしょう。
真正面が東大巓。その右に、昭元山、烏帽子山、ニセ烏帽子山、家形山…と続いているようです。
稜線…というにはだだっ広すぎるけど、出ると、蔵王連峰が見えます。不忘山から、痔に耐えながら縦走しましたね。そして、気温が上がって、2月下旬だというのに樹氷が全部崩壊していましたっけ。
よく見れば、米沢の東側にも無数の山があります。日本1000名山(仮)樹立の時には来ることになるでしょうか。
それにしても、遠い。写真撮りまくっているために遅いのもあるけど、見かけだけでも十分遠い。下界ではここまで見通しのきく場所はありませんしね。東大巓までざっと3km。
後ろを振り返ってみました。中大巓はあの吹きだまりの向こうかな。
シュプールは古いのがありそうですが、基本的にトレースはふうたろうのもの一つ。
中吾妻山。いつかあそこも歩いてみたいけど、来られるとしたら、やっぱり冬かも知れませんね。
東大巓までは坂がきつくないので、それでも楽に進めてきました。
無風快晴なら、ここでテントを張って星空を眺めながら夜を過ごしたら最高でしょうなあ。
あ、これを見れば解る。
左から西吾妻山、中大巓、藤十郎、そして手前の小ピークですな。
東大巓の北側に明月荘という小屋があるらしい。でも、ルートから外れるので却下。テント持っているのでそれで十分です。
東大巓の山頂を越えないと、次のルートが見えません。キツくもないので、行きましょう。
山頂、この辺りですかね。記念撮影しておきましょう。札も何もないけど。
東吾妻山の山塊がはっきり見えてきました。いわゆる観光地なるところ。西吾妻山はどちらかと言うと奥地という雰囲気です。
ものすごくいい眺めですね。でも、ここはホワイトアウトしたら一気に暗転します。ガスった時はここにはいたくない。
中吾妻山の尾根。東大巓から伸びているので、ようやくこれを後ろに見ることができます。
すっかり日が傾いてしまいました。ふうたろうの影がこんなに長く。
突然強い風が吹いて、地吹雪が巻き起こります。でも、その様子を写真に撮るのは難しい…
ああ、いよいよ樹氷ゾーン終了か。
ん?(・ε・;)
バキッ(心の折れる音
さて、あの昭元山と烏帽子山が見えるこの雪庇のところで、テントでも張りますか。ちょうどシュカブラができて雪の凹んでいるところはいい風よけになりますから。テントの高さ1mくらい、凹んでいるんですよ。
このようにハマっています。なお、この下は「庇」のようにはなっておらず、吹きだまって積もった状態です。だから大丈夫。さすがにそこまで罠にハマるの大好きじゃないので。
夜飯は富山県の北アルプスの水を使ったどこ産のか判らない国産白飯と、三陸沖で捕れた鯖の味噌煮レトルトを食います。今日はスパゲッティは無しです。
ところで、このいかがわしい白飯(大体どこも安物はそんなものだけど)、ケースがデカすぎて鍋に浸からないという罠。河原でゾンビごっこした金剛堂山の時とかを含めてずっとチャーハンしてきたので、米をこうやって温めるの久しぶりなのでしたね。
短い行程のくせにやたらと長かったですが、今日は思いでぽろぽろ(ぼろぼろかも知れないけど(滅滅滅))山行。でも、天気はいいし、樹氷やシュカブラはきれいだし、すばらしいですね。過去を振り返りながら山を登るのもいいものですしね。
明日は過去5年から現在へバトンを渡し、一切経山クリアで締めましょう。
天気:快晴、朝のうち雪で強風を伴う(福島県耶麻郡北塩原村・猪苗代町・山形県米沢市)
思い出にひたる一日でしたね。
こんなうつくしい雪の世界、見飽きた感があるだなんてうらやましいです。
しかしこれからすごい天気になるんですよね。。。ここはガスったらわたしなんぞ即遭難。
次読ませて頂きます!
実は、おおむね10日が荒天になることを予測していました。が、あそこまでひどくなるとは。まじで春一番をなめておりました(滅