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地獄のゴルフ場(男山、大怪我で脱出:長野県)

2014年 1月 19日

 昨日の夕方、即興で決めた山行に出かけるため、6時過ぎに家を出ました、が…?
 ヌオッ(゚皿゚;)
 ガスがまたメーターのところで止まってやがる(滅滅滅
 夜な夜な、いや、朝っぱらから復帰のボタンを押して、そのまま出かけました。
 大宮駅でホットドッグを2本、食って新幹線に乗り込みます。駅弁は高いし不味いので却下。


 このきっぷを見て「おっ!?」と思う人はいますか。「東京都区内」から「東京都区内」の乗車券は、実はふうたろうも初めて見ます。しかし、JRの約款では間違った買い方ではないはずなので、試してみました。
 この結果、目的地駅である小海線信濃川上駅までの往復を買うより(3590円×2、600kmに達しないので割引なし、中央線回り、新幹線回りとも乗車券代同じ)、小海線周りの乗車券一枚を買う方が安いのです(6620円)。そして、大宮から佐久平までの新幹線を使うと、中央線に比べて1時間早く、信濃川上駅に着きます。一方、帰りは川上村村営バスが小淵沢行きの電車に合わせていることもあって、中央線周りの方が1時間ほど早く東京に着きます。
 もはや、おあつらえ向きな条件としかいいようがありませんな(左うちわ


 佐久平駅。
 去年12月8日、浅間山に行くときにハマった駅ですね(ヴォー読み
 忘れもしませんわ(じと目
 ところで、強い寒気と気圧の谷のせいで、本来はそれほどでもない雪雲が、浅間山にゴッソリかかっています。


 新幹線駅の佐久平駅。


 小海線の佐久平駅ホームからは八ヶ岳が見えます。


 昨日の夜から今朝にかけて、雪が降りました。日本海側だけでなく太平洋側にも降りました。関東平野も、埼玉県などではうっすら積もっていたようです。


 信濃川上駅到着。


 バスは小淵沢から来る電車に合わせてあるので今はありません。しかし、駅から直接男山に登ることができるので心配ありません。


 潰れたAコープ。人口が減れば、買い物をする人も減りますから。


 駅前の小さな店でアイスを買い食いします。
 うひょ~!寒いッ!(笑


 男山の登山口に向かいます。


 川を渡ります。何とこれ、遙か北部の上田市を流れる頃には大河となっている千曲川です。


 長野県は落葉松が多い。


 さて、30分弱歩いてきて、男山登山口発見。この看板、雪に埋もれて判らなかったじゃないか…


 男山に取り付く前に、尾根を乗り越さなければなりません。この辺りのルートは、昭文社発行の「山と高原地図」の金峰山が載っている地図にあります。


 男山の指導標があるVIP待遇です。しかし、ふうたろう、あんまりスピード出ませんね。


 尾根を乗り越しました。道なりに進めば…いいのかな?ここから指導標が消失します。


 あくまでも林道なので、作業路として枝分かれてしている部分もあります。そして、それに迷い込んだら…


 (Θ_Θ)どよーん
 …復帰するのが大変です。


 さっきの分岐、轍のある方に素直に進んでいればよかったようですね(じと目


 男山が見えます。意外と近いのか?登山口から2時間と書いてあったけど…
 もっとも、既に1時間たっていますけどね、あんな罠のせいで。


 雪山の風景です。300名山が終わったら、こうして自分で山を探して歩くことになるんでしょうね。どういう山登りをこれからやっていくんだろうね。


 恐らくここが林道の終点。雪に埋もれていて舗装の有無は解りませんが、恐らく砂利道が続いていたでしょう。車はもちろん、登山口にゲートがあるため、普通は入れないはずです。


 林道終点からの上り坂はかなりきつい。確かにこれだとまともに2時間かかるでしょうし、山と高原地図のものでは3時間扱いになっています。雪道ならなおのこと時間がかかるはず。


 男山直下の稜線に出たのが12時11分。登山口からあんな罠含めて2時間。上出来でしょう。


 しかし、稜線に出ると雪が一気に深くなりました。川上村や南相木村などでもこんなに降るんだと、ちょっと驚きました。


 初めての展望。佐久平駅から見えなかった浅間山は、今も見えません。


 吹きだまっている雪を踏みしめ、男山へ最後の上り。あの分岐からほんの数十メートルなんですがね。


 男山山頂に立つと、ほぼ360度の展望です。まずは方向的に八ヶ岳が目に飛び込んでくるはずです。でも、今日は寒気と気圧の谷の影響で雲がかかっていますし、恐らく雪も降っているでしょう。ちなみに、新幹線で高崎を通ってきたとき、赤城山なども分厚い雲に飲み込まれていました。


 浅間山はさっき述べたとおり、雲に覆われています。雪も降っているでしょう。


 金峰山や瑞牆山(みずがきやま)などの奥秩父主稜線は晴れています。思えばあの辺りは百名山初期、一人山行初期に行った山ですから、色んなエキスを十分吸い取りきれないままなんだろうなと思います。もう一度行けば、きっと別の認識が広がるに違いありません。
 なお、右奥には富士山が見えています。あちらも晴れていますね。


 あの白いところはみんな畑作地帯や牧草地帯でしょうか。ここ一帯は高冷地農業で有名な場所です。このあたりのキャベツやレタスなどの箱をよく見かけますね。


 男山は険しい岩山です。足を踏み外して滑落したら、まず命はないでしょう。運良く助かっても大怪我…で済むか?


 男山の山頂の標が雪に埋まっていたので、拾い上げて立てておきました。でも、春になって雪が溶けたらまた倒れるんでしょうね。


 登ってきた方向を振り返ると、遠くに200名山の一つである御座山(おぐらさん)が見えます。2009年12月19~20日、あの日も今日のような天気で猛烈に寒かったですね。山頂の小屋に泊まっていましたが、寒さにびっくりしましたっけ…。


 さて、天狗山方面に縦走しましょうか。


 しかし、この尾根、かなり雪が深いんじゃないか?これは…いったい…


 おおっーー!(目がハート
 エビのシッポではないタイプの霧氷だわ!


 このタイプの霧氷を見るのは、2008年12月23日に山梨県内の滝子山に登ったとき以来です。


 この辺りの木の霧氷はとてもきれいです。しかし、ちょっと針葉樹が多くて光が足りないのは残念かも知れません。


 こういう撮り方もありますね。氷の花見です。


 さて、次々すすみましょう。そこに見えているピークは1810mあまりのピークです。


 そのピークは通過せず、北側をトラバースするのですが、これまた雪が深くて深くて…


 尾根に戻ると岩場の雪がイヤラシくてイヤラシくて…


 稜線南側(川上村側)には段々になったゴルフ場があります。展望いいですね。


 あの奥のピークが男山。手前(右)のピークは、霧氷がきれいだった辺りです。


 北東を向くと御座山。あちらも岩山です。特に南相木村側の登山道はけっこう険しく、難儀するでしょうね、今でも。


 そしてこの尾根、ふうたろう最大の天敵の一つであるシャクナゲのウルトラデラックスヤヴ漕ぎゾーン。シャクナゲにはイヤなイメージしかありません(苛


 おっーー!(目がハート
 天狗山がチョー美しい。しかも、今日は空気も澄んでいるし。


 山裾も入れときますか。でも、その山裾でひどい目に遭うことをまだふうたろうは知らない(じと目


 ここは雪がガッツリ積もっている上に岩場の急坂。慎重に…


 …これは、無理に縦走すべきじゃなかったのでは、と、うすうす感じていたのですがね…。時間が足りませんよ。


 男山、離れたようで、まだ全然。


 雪の深さ、このピッケルの長さが55cmなので、そのくらい積もっていると言うことです。55センチ分すべて沈むわけではありませんが、けっこう潜ります。はっきり言ってけっこうきつい。


 景色はいいのですが、ちょっと焦り気味。


 1797mの垣越山付近。この辺りになると、深いところでは70cm程度積もっています。70は少ないように見えますが、新雪の70はかなりきつい。


 冬枯れの樹林の向こうに天狗山が。


 雪が深い。でも、エスケープルートがはっきりしない…天狗山を抜けないと、コースがないことになっています。


 山の中にある指導標には色々書いていますが、この雪では…


 天狗山までもう少し、のようです。


 ところが、どの辺りだったか記憶が定かではありませんが、木の枝につまずき、右膝を岩か何かに強打しました。ものすごく激しい傷みが襲います。


 とはいえ、天狗山を抜けないと下山路が…(このカンバンのあるところで負傷していたのかいなかったのかは記憶が定かではありません)


 これを見ていたときは事故を意識していなかったので、膝の強打はもう少し先だと思いますが…


 この時点ではまだ転けていなかったかな…


 それにしても、完璧な青空ですね。


 この景色を見た前後でしょうか、転けたのは。


 恐らく、これが無事なときの最後の1枚。


 ここに下り道の分岐があるようですが、昭文社の地図にはこの道はありません。使えるかどうかはアヤシい。


 とりあえず、天狗山を越えようかと思います。
 実は、強打したのですが、そんなに怪我をしたという意識はありませんでした。痛みもすぐに引いてくるだろうと。


 でも、膝に妙に生暖かい、かつ濡れた感触を覚えたとき、まさかと思ってズボンとタイツをあげてみると…


 見せることはできませんが(写真に撮る余裕も無い)、かなり深手の傷を負っていました。激しく出血しているわけではありませんが、止まることなくにじみ出しています。これは、天狗山を越えることはできない。でも、その判断はもう少し早くてもよかった。


 しかたがないので戻ります。しかし、下り道こそ地獄でした。痛い。出血しているので傷を庇わなければなりませんし。持って来ていたはずのテーピングも紛失しており、手当もできません。


 カンバンがあるということは道が続いているということだろうと、信じて下ります。もう、それしかあるまい。


 しかしその道は、倒木の激しいルートでした。いや、ルートと言うよりも、ただのヤブです。まだ雪があるために生ヤブ(何)よりはマシ、レベル。


 脚を負傷しているので、自分でも信じられないほどスピードが遅いのです。普段なら転倒しないような場所でも簡単に転倒します。転倒の度に受け身を取りながら、ダメージをかわします。そして、降り立ったのがこのゴルフ場。


 このゴルフ場もなかなか地獄でした。雪の量やしまり具合にかなりムラがあり、歩きづらい。


 この程度の坂が、この脚では辛い。悪魔のゴルフ場でした。


 段々畑ならぬ段々ゴルフ場を抜けて、車道に出てきましたが、ここもまだ雪があってアイスバーンです。


 本当にびっくりするほど歩くスピードが遅くなっています。16時台の、川上村村営バスには乗っているはずだったのですがね…
 →川上村へのアクセス(長野県川上村ホームページ内)


 雪はなくなったように見えますが、時々氷に覆われたブラックバーンがあります。最後の最後までアイゼンが脱げない(脱ぐのも辛い作業だったりする)。


 この看板を見たところでやっとアイゼンを脱ぎました。
 ところで、あの段々ゴルフ場って、マレットゴルフ場だったんですね。


 バス停はどこだろう。バスの時刻、正確には覚えていないけど、あまり待たなければいいな…


 時刻表を見ると、概ね1時間待ち。まあ、やむを得ませんね…どこか店を探して、せめて傷の手当てをしなければ…血が流れっぱなしも辛いですからね、少しだとは言え。


 バス停の近くの小さな店には傷テープはないということだったので、1km程度離れたところにあったスーパーまで歩きました。タクシーを呼べばよかったか?たぶん、この距離では来てくれない。


 スーパーで傷テープと各種食料品を買い込んで、帰ることにします。傷を見ると改めてその深さを思い知らされます。これは縫わなきゃならないレベルでは…などと思いつつも、病院なんかどこにあるか解らないし、明日の朝、東京で行くしかない…。


 信濃川上駅の切符売り場は閉まっています。もっとも、ふうたろうは周遊きっぷの形で買っているので、使うことはありませんけどね。


 帰りは、膝の傷の痛みが徐々に増していきます。小海線から中央線に乗り換えて甲府駅で一旦降りて、駅ソバをすすります。それから新宿まで特急かいじで座って帰ったのですが、新宿駅に着いて下りるときにはびっくりするほど痛くなっていて…さらに、池袋で東武に乗り換え、家に帰ってきてから、ざっとシャワーを浴びたら、痛みはさらに↑
 熱を測ったら37.3~6℃くらい。膝が炎症を起こして熱が出ているのかな。これは明日、病院行かないとまずいけど、どこに行けば…
 あわよくば何事もなかったように出勤して、治るのを待てばいいと思っていたのですが、どうも無理っぽい。


天気:晴れ(長野県南佐久郡川上村、長野新幹線・小海線・中央線など)

  1. kirisame
    1月 26th, 2014 at 23:02 | #1

    こんばんは
    これが最後の日記か・・と思って読んでいたらご無事の生還なによりです。
    あのコースは夏でもやらしい。ビバークなんかしたらクマがやって来る。

  2. ふうたろう
    1月 27th, 2014 at 00:14 | #2

     kirisameさん、こんばんは。
     死ぬかと思うほどのことではありませんでしたが、あれがもっと奥深い山の最奥部だったら、大変なことになっていたかも知れません。
     確かに、更新にはだいぶ時間がかかりましたし、何人かの人は、「とうとう死んだか」と思ったかもしれませんね。

  3. おのちゃん
    1月 31st, 2014 at 16:42 | #3

    男山へ着くまでの「あんな罠」って何ですか?

  4. ふうたろう
    1月 31st, 2014 at 20:58 | #4

     道を違う方に行ったことです。

  5. sky
    2月 5th, 2014 at 17:19 | #5

    男山に行こうと思って最新の情報がないか調べていたらこのページにたどり着きました。
    お大事にされてください。

  6. ふうたろう
    2月 6th, 2014 at 00:59 | #6

    skyさん
    あの山は雪に埋もれると侮れません。お気を付けていってらっしゃいませ。

    コメントありがとうございました。

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