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湿った南風(九州からの道)

2008年 8月 16日

※記録:8月18日22時台

 加古川あたりで目が覚めてしまったような気がします。ムーンライト九州号は冷房が利きすぎて、寒すぎる。
 かくして、大阪に降り立った僕は、そのまま環状線内回りに乗りました。東海道線前半を避けるため…。


 去年、屋久島・開聞岳から帰る時と同じように、大和路線を使って名古屋まで向かいます。時間は多少かかりますが、東海道線の気怠さを考えるとこちらの方が精神衛生上良いです。
 これはたぶん、大和川なんだろうな。
 去年は「自信を持って歩いてやる」みたいな大きなことを日記に書いていたような気もするけど、今年はそんな大きなことを書けるほど強気にもなれねぇや。


 気が付いたら眠っていて、亀山駅で車掌に起こされました。
 そうか、もう亀山まで来たのか。腹が減っているので飯をここで食べるつもりだった。37分の待ち時間は貴重です。


 去年は雑貨屋みたいなところで買い物をしていったので、今年はその左隣(店から見れば右隣)の食堂で天丼。
 はっきり言って、油臭い、かなりイケてない代物でしたが、店主たちの人間味はありがたかった。
 僕が抱えているバカでかい荷物が、みんなの興味をそそるのは、去年と変わりません。


 亀山から名古屋に向かうにつれて、人の数が増えてきました。鳥羽(三重県)などから人が集まってくるんでしょうね。そして、名古屋からはひたすら地獄街道・東海道線です。
 豊橋を超えたら混雑は激しくなり、浜松行きの列車に駆け込む乗客の目つきがヤバくなってきました。
 浜松から熱海までに島田で乗り換えると、そこ始発の熱海行きに乗れるので、再び乗客が駆け込み乗車を始めます。
 浜松発、興津行きの電車内では、僕の目の前に妊娠しているっぽい女性ひとりと、顔が赤くなって辛そうな女性ひとりがいました。座席には肥満気味の男性が、携帯ゲーム(DS?)で必死に遊んでいました。
 島田駅に着いたら、その肥満気味の男性、目の色変えて、Bダッシュ。他の人もその男性ほどではないけど、ダッシュを始めて、3両編成の熱海行きは一瞬で満載。
 僕は荷物が大きいので、走れば周りを巻き込んだ大惨事になりかねないし、第一走る気力なんかない。この疲れた2人の女性が座れるようになれば、せめて良いかな、などと思う程度。
 しかし、僕の後ろをぐいぐいと押してくる人々。
 みんな、僕がはっきりと感じた2人の女性同様、満員電車に疲れ切っているのは判るけど、もうちょっと周り見ようぜ。
 かくして、帰りの東海道線、東に向かうにつれて、再び心が腐乱してくるのでした。
 熱海駅に着いたのは16時10分。
 島田の時に乗ってきた人とは違う、しかし、その時以上の数の人が、15両(?)編成の電車に乗り込み、ここもまた満員御礼。
 僕の目の前で、川崎のボーイスカウトの子供らがデカいザックを背負ったまま暫く立っていて、どう考えても迷惑でした。僕の左手ではベトナムかどこかの人がガチャガチャ喋っています。僕の右手では、通路に荷物を置きながら網棚に載せようかどうか迷っている女の子らがおりました。
 見かねた僕は、まずボーイスカウトの子どもたちが背負ってるザックを網棚に乗せてやろうと言いました。…が、「大丈夫です」だって。
 大丈夫じゃねぇだろ…
 暫くして、床に荷物(5人分くらい)を積み上げていたようですが、周辺は狭かったろうな。網棚はまだ空いてたぞ。ボーイスカウト、どんな指導してんだ?
 次に打てる手だては、力及ばない女の子らの、重めの荷物を網棚に上げること。あまり若い子に話しかけたくはないのだが、仕方ない。2人分網棚に上げて、僕が川崎駅で南武線に乗り換える時に下に降ろすまで責任持ちましたさ。
 え、僕の荷物?
 …そんな重いもん載せたら、乗客の頭に降ってきた時どう責任とるか。ボーイスカウトの子どもが持っていた荷物よりは大きいからな。
 それに、僕の荷物は車両の一番奥に置いていたので、基本邪魔にならないようにはしといたさ。
 ただ、座る席を探すのに車両を行ったり来たりする怠惰な人々には邪魔になったでしょうな。
 川崎駅に着いた時、ようやく6時間の倒壊道線を抜け出すことが出来ました。礼を言われる覚えはないけど、女の子たちが荷物の上げ下げに礼を言って、僕はバツが悪そうに立ち去りました。
 所沢に着いたのは19時6分。昨日の朝9時10分に高原を出てから、34時間。前半の九州はともかく、いや、名古屋まではともかく、最後の7時間は阿鼻叫喚。気怠い薄曇りの空に辟易しながら帰りましたとさ。


 今回の旅は、何だかいつもの山行の延長みたいでした。特にビッグイベントがあるわけでもなく、ヒル繋がりの明治大ワンゲラーたちを除いて、衝撃的な出会いがあったわけでもない。
 やっぱり、心が腐乱したまま出ていったからかな…。
 それとも、直登と下山のメリハリがついていなかったからかな…。
 それともそれとも、今の旅にいよいよ満足できなくなってきたからかな…。
 何にしても、少々不完全燃焼。最後の毒素に耐えることも出来なかったし。
 課題を残す旅であった…。

天気1:晴れ(三重県亀山市)
天気2:くもりのち雨(埼玉県所沢市)

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