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活性酸素

2006年 4月 18日

 イライラしている自分に気をつけてみると、息が荒く、早くなっています。その分、無駄な代謝をし、酸素を消費し、活性酸素種(スーパーオキシドアニオン・過酸化水素・ヒドロキシルラジカルなど)の絶対生成量を上げています。そして、老化を早める…、何と非生産的なことでしょう。
 交感神経が働き、戦闘態勢(?)にはいれば、酸素消費量も上がる。理屈に適っていますね。いったい何と闘ってんだか…。

 実は、今日、帰りの電車の中で、老化と遺伝子の関係を書いた本を読んでいました。そこに書いていたのは、C.エレガンスという線虫から、メチルビオロゲン(C12H14N2)という化学物質(除草剤のパラコート)に対する感受性の高い個体を選び出して、その感受性が高くなる原因遺伝子(あるいはタンパク質)を特定するということでした。メチルビオロゲンに感受性が高いというのは、メチルビオロゲンにさらされると死にやすいということです。この感受性の高さは電子伝達系といわれる、ATPを作り出すタンパク質に異常があるものだそうです。その異常のため、そのタンパク質は活性酸素をたんまり作り出し、組織を冒す(老化を早める)ということのようです。(この辺の話のつながりがビミョー)
 余談ですが、このメチルビオロゲンはもともと、活性酸素(スーパーオキシドアニオン)を、身体の中にある酵素の存在下で連鎖的に作り出す働きがあります。僕はかつて、ESR(Electron Spin Resonance:電子スピン共鳴)という装置で、スーパーオキシドアニオン生成量を測ったことがあります。方法は簡単。マウスの肝臓から採った酵素(語弊あり)とメチルビオロゲン(パラコート)とスピントラップ剤(DMPO:ジメチルピロリン-N-オキシド)を混ぜてESRにかけただけ(超語弊あり)。確かに、スーパーオキシドアニオン(O2・-)の生成量は他の幾つかの農薬(クロルピリホス・シペルメトリン・フェンバレレート・キノクラミン・ジチアノン・クロルプロファムなど)にくらべてハンパじゃないくらい多いです。
 …要はこの本、活性酸素が老化を早めるということを示唆しているわけです。

 この「活性酸素」「スーパーオキシドアニオン」「パラコート」などの言葉を聞くと、大学院時代の嫌な思い出が蘇ってきます。教授に注文を頼んでいた試薬の名前が(教授側で)間違えられていたことなんか、悲惨の極致です。気づいたのが修論締め切り1ヶ月前。あり得ねぇ!!

 今日も幾つかイライラすることがあって、僕の電子伝達系の酵素(シトクロム系)はきっと活性酸素をバラバラと作り出してくれたことでしょう。何時間寿命縮まったかしたら?…それ自体また腹立たしい。呼吸鎖の連鎖反応のようにイライラも連鎖、活性酸素生成も連鎖。うげ。

天気:晴れ(茨城県取手市・東京都板橋区)

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