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山の上にも三年、山の下では残念(秋田駒ヶ岳乳頭山~乳頭温泉縦走:秋田県)

2011年 6月 19日

 夜中、いつものn度寝(nは3以上の自然数)をせずに済むほどよく眠りました。そして、低い天井に頭をぶつけて起床したのが4時過ぎ。外は晴れているようです。


 サクッとカレーを食べ、少し散歩をば。踏み跡があったので、そこに行ってこの小屋と男女岳が見られる場所に立ちました。いい朝です。


 小屋、阿弥陀池、男岳、横岳稜線…。今日はこのまま晴れた空と雲海を見ながら歩けそうですね。
 …(・ε・)ん?


 ヌオッ(゚Д゚;)
 お約束のパターンですか。ひどすぎるガス。


 とりあえず5時22分に小屋を出て、横岳稜線に上がりましたが、これ。\(^0^)/オワタ


 太陽がぼんやり。上空に雲がかかっていないのは確かなのですが、このガスが取れる保証はどこにもないという件。


 横岳。意外と、ガスっていなくても展望は良くなさそうな雰囲気ですが、ガスっているので何も言う資格がないという罠。


 何気に、両側から迫ってくるヤブが鬱陶しい…


 そういえば、小屋を出てくるとき、見かけなかったあの写真家の彼、ここにいました。朝日を撮りに来たんだろうけど、ガスの罠にハマって、登山道に遭難者のようにへたっていました。


 ふうたろうも、彼と共に、少しの間、晴れるのを待つことに。ここは焼森。広い山頂なので、大展望ではありませんが、朝日を見るならここが一番でしょうね。
 …あくまでも、晴れていればの話ですが。


 結局ふうたろうには縁がなかったので、先に進むことにしました。ああ大きい山だなあ(棒読み)


 そして、ふうたろうが移動を始めた途端うっすら晴れてくるという罠。8合目あたりから登ってきたと思われる二人が焼森に向かっています。


 更に、ふうたろうが進む湯森山方面は、浸食がすさまじくて猛烈に歩きにくいという話。


 しかし、時々見かける新緑はやっぱりきれいです。


 湯森山方面はまだガスっています。


 焼森の方もガスっていますが、さっきふうたろうがいたときだけよりはずっと薄くなっています。輪郭が判るもん。


 道が一瞬西方向にイナズマカーブするところ。ちょうど鞍部あたりですかね。もう、天気も回復すること間違いなしです。


 焼森も輪郭が相当はっきり。


 数分おきに見ていきましょう。


 薄くなったガス。


 あんまり変わったようには見えないけど、やっぱり薄くなった。


 更に薄くなりました。


 湯森山に着く頃には完璧に晴れました。さっきまでガスっていた湯森山も、朝日が輝いています。


 しかし、やっぱり鬱陶しいブッシュ。書き忘れていたけど、さっきまでカッパを上下着ていました。シゲクラ尾根や白神岳縦走路みたいに、ミズムシ尾根の餌食に遭いたくないので


 湯森山山頂の東、岩があります。


 昭文社の地図にも書かれていますが、ここからの展望がいい。


 ただ、駒ヶ岳本山の方は、広い湯森山の裾野に隠れています。


 さて、次目指すは笊森山。清々しい笹のトラバース斜面を歩きます。


 残っているところにはガッツリと雪渓があります。


 木道が出てくれば、ほぼ鞍部。ふうたろう、ここで腹が減りました。


 歩いていると飽きません。行動そのものにストレスを消化する力もあるので、下界でストレス食いみたいなことをする必要は、ここではありません。腹が減ったので、食べます。


 さっきまでのガスは嘘のようですね。遙か彼方の笊森山。


 イワイチョウが生い茂る湿原。池塘が少ないのは、雨が少ないからか、湿性遷移が進んでいるからか。東北地方、梅雨入りも遅れていて、このところあまり雨が降っていないようですからね…。


 そして、その少雨の犠牲者が、イワイチョウにくっついていました。カエルのミイラです。


 ふうたろうの遙か前を、さっきミイラを発見したところで抜かしていった女性二人が歩いています。あのあたり、笊森山山頂。


 広い広い尾根歩き。遙か彼方まで低木が広がります。雪の時期に来たら、またそれはそれで素晴らしいのでしょうなあ。


 さりげなく長いこの坂。


 ツツジが、青々としたブッシュの中にあると、アクセントになります。


 あの駒ヶ岳から歩いてきた。


 笊森山まで来ると、乳頭山が直下に見えてきます。直下といっても、まだ1時間半は歩かないとダメかな…。


 笊森山。展望良し。


 笊森山から乳頭山へ、といいたいところですが、今日は乳頭温泉までなので、ハイパーよちよちコース過ぎるのもなんですから、千沼ヶ原(せんしょうがはら)に寄っていきましょう。


 広がる緑の高原。時々、ふうたろう、自分がここにいるのが現実なのか、判らなくなるときがあります。実は、家の布団で見ている夢なんじゃないか、とか。


 千沼ヶ原と乳頭山の分岐のところで、さっきの二人の女性が座って休憩していました。だいたいは乳頭山へ向かうと思っていたのか、千沼ヶ原方面の木道に引っ込んで座っていましたが、ふうたろうは千沼ヶ原に行くんだな、これが(黒笑
 ふうたろうが通り過ぎようとしたら、オレンジみたいな柑橘を突然半分くらい差し出してくれて…。おいしくいただきました(笑


 HP・MPが30%回復した(何 ふうたろうは千沼ヶ原へ。イワイチョウが生い茂る湿原を通っていきます。


 緩やかな笹の下り坂の向こうには、春霞に沈んだ岩手山。


 青々とした笹原が、清々しい。ミズムシはないし。


 この雪渓を下りて千沼ヶ原まで行けば楽なんだろうけど(グリセードして)、罠がイッパイのふうたろうは、どうせ川にぶつかったり、池塘にドボンしたりするので、無難に歩きます。


 立派な雪渓。ここを下りれば本当に楽でしょうねえ。


 しかし、ちゃんと雪渓は登山道に繋がっていました。結果論だけど、滑ってくればよかったなと。行きすぎて右奥の方に流れていく可能性もあったけど。


 千沼ヶ原入口。左に行くと、トラバースして乳頭山へ向かいます。ここの札のところにザックを置いて、千沼ヶ原を散歩しますか。


 ここは池塘が生き残っています。
 …思えば、高層湿原を初めて見たのは、2007年9月9日の苗場山だったような気がしますね。


 この点在する池塘と草の部分の配合具合が良いんです。


 大きな池塘。


 ひとつ樹林の壁を隔てたら、ちょっと衰弱した湿原。下流側はどうなっているだろう。


 こういうスノーブリッジ風のところは、ヅドンと逝きかねないので、注意。


 なんか、かなり遷移が進んでいますなあ。


 ここが下流側の千沼ヶ原。池塘はやっぱり衰退しています。


 ミズバショウの花がニオっているところを、またさっきザックを置いた分岐まで戻ります。


 上りは上りで違う景色が見られますが、何となく、アクセントに欠ける風景でしたな…。


 腹が減ってきたので、最後の食料をこの分岐のところで食べます。あのぶぎゅるぶぎゅるいうガソリンストーブを使って。


 水田のような池塘。稲も元々こういうところ(高層ではなく)に生えていたのですかねえ…。


 さて、トラバースして、300名山の乳頭山撃破に向かいましょう。


 うおーっ!
 これまたすごい雪渓ですな。


 いったい、どこから登れば良いんだろうか。


 ちょうどここですれ違った人がいるので、その人が付けたと思われる滑り痕を上ってみます。ピッケルとアイゼンがあれば余裕ですが、それらがないだけで、ずるずると下方へ引き戻されていきます。


 雪渓はかなり上の方まで続いているみたい。


 左奥の方に、登山道が見えます。


 立派な雪渓を歩きました。転んだら、そのまま下へ落ちていく、ってほどではないだろうけど、転びたくはないです。


 さて、乳頭山へ向けて、Go!


 少し雲が多くなってきましたか。


 どこもかしこも低木と笹が緑に埋め尽くしています。


 笊森山。


 乳頭山、近づいているようで、なかなか近づけない。


 この谷の下にも湿原があります。


 乳頭山、見る角度が変わりました。


 北東を向くと、岩手山~八幡平縦走路の途中にある、三ッ石山などが見えます。


 最後の上りです。


 乳頭山の崖。落ちたら終わりです。


 坂を見下ろし、大展望。遙か彼方に岩手山。


 乳頭山到着。意外と、人が多い。雫石町の山岳救助隊の兄ちゃんが、ここにザックを置いていたので、ちょっとどけてもらいました。そういえば、ブログを書いているとかいってたっけ、彼…。


 休憩中にマッタリと話し込むのが好きなふうたろう、30分くらい油を売っていましたっけ。
 ま、そろそろ、出発しましょうか。11時は回っていますから。


 ここ、スキーをしたら気持ちが良いそうです。さっきの山岳救助隊の兄ちゃん談。


 続々上ってくるわ、人々。


 ふうたろうはこれから田代平方面に向かいます。


 抉れた道を、傾いた木道が通っています。


 ここで左に行くと一本松沢コース。黒湯に行きます。右に行くと、田代平山荘(避難小屋)に行きます。


 展望は良いですが、抉(えぐ)れていたりブッシュが深かったりすると、すぐダメになります。


 ぽちっと田代平山荘が見えています。暗かったら、ここ歩くの大変だろうなあ…。昨日、無理して来ようとしなくてよかったですわ。


 田代平山荘。正面から撮ればよかったけど?


 小屋正面に池があります。採水できる?いや、あのオプタテシケ山縦走路の一味トウガラシもどき水はもう要らないわ。


 さ、田代平へ。


 ここも水がない。遷移が進んでいるのかな。


 湿原というより、もう乾いてきているような雰囲気。時間の経過と共になくなる、それが湿原なんだけどさ…。


 乳頭山が遙か奥に見えます。イワイチョウの絨毯、田代平より。


 ひとつだけあった大きな池塘。


 乳頭山が少しだけ反射しています。


 さ、湿原の宴が終わりました。これから、蟹場(がにば)分岐まで歩いて、蟹場方面に下山します。


 あっという間に深い樹林帯。ブナがきれいです。


 このあたりで盛岡から来たおっちゃんに出会いました。長靴姿で、もう歩き慣れているという感じですね。立ち話をしていると、蚊やら芋虫やらが飛びついてきます。


 これはザゼンソウの葉かな。


 蟹場分岐。
 しかし、ゴミが多い。ずっと言わなかったけど、この秋田駒ヶ岳一帯はゴミが多い。岩手県側はさっきの兄ちゃんも言ってたけど、ゴミ拾いを彼らがやっているそうです。しかし、こちら秋田県側、上りの中生保内登山道とかとあわせて、めちゃくちゃゴミが多い。ザックの後ろに下げてあるドンキホーテの袋がみるみる膨らんでいく。


 ボロボロの木道。木道くらい、壊れても構いませんが…。


 この、「自然の恵みに感謝し、ゴミは持ち帰りましょう」という看板も空しく、そこら中にたばこの吸い殻や飴の包装、ビニール袋、なぜか使い捨てのラテックスゴム手袋とかも落ちています。たばこの吸い殻は手が臭くなるので、途中で拾うのをやめました。鉄のあの鋏がないと無理だね。


 下が見えてきました。そろそろ下山です。


 蟹場と大釜に分かれる道がありますが、まっすぐ行くと大釜、右に曲がると(よく見ると屋根が見えます)蟹場です。ふうたろうは、まっすぐ進んで大釜に来ました。そこには、大釜温泉があります。


 乳頭温泉バス停も、大釜の湯が近いです。毎時30か35分に、田沢湖駅行きがあります。時間にして40~45分ほどだそうです。


 ふうたろう、大釜温泉ではなく、奥にある孫六温泉に行きます。どうせなら、一番美味い(たぶん)ところへ。


 しかし、砂利道を遡上しなければなりません。暑い。


 やっと着きました…と思ったら、まだここは違うみたい。


 田代平山荘から西へ300~400mくらいのところにある分岐から下りてくると、この水場のある登山口に降り立つはずです。でも、ふうたろうは田代平をうろつきたかったので、あえて蟹場まで行きました。疲れました。


 さて、ここで、拾ったゴミを晒します。どうですか、このゴミの多さ、そして、種類。吸い殻だの手袋だの、人間の傲慢さの表れですね。なお、山頂で会ったべつのおっちゃんも、ゴミ袋一杯に、土の付いたペットボトルなどを拾って下りてきていました。ひどい。


 これが孫六温泉の宿。泊まりにも来たいですね。


 そして、汗を流しましょう。ここは洗い場。


 ここが露天風呂。最高のロケーションではありませんか。ふうたろう、近代的な施設なんか要らない。自然破壊やゴミを、この自然から遠ざけてほしい。


 風呂から上がってきて、またバス停に戻りますが、バス停に荷物を置いてから蟹場も見に行ってみました。その蟹場温泉がこれです。…孫六でよかったね。


 乳頭温泉のバス停。


 バス停前の風景。秋田駒ヶ岳、グッバイ。


 乳頭山の山頂で話していた神奈川から来た60くらい(本人たち談)の女性二人が、熊出没で乳頭温泉側に引き返してきたので、バスの中で二人の武勇伝を聞かせてもらっていました。ま、話せば色々あるので、思い出したときにでも書くとしますか。
 そして、バスが田沢湖駅に着いたら、メシです。駅前食堂で玉子丼を注文して食いました。それにしても、メシを作ってもらえるって、本当にありがたいことですね。


 田沢湖駅前の風景。


 田沢湖線鈍行盛岡行き最終列車が17時10分という、すさまじい路線で(新幹線は遅くまである)、盛岡に到着。4時間半も時間をもてあますので、ウロウロとおもしろそうな店を探します。
 北上川に架かる橋を渡っていると、地元の若者たちが、「岩手山が見えている!」と、携帯を取りだして写真を撮っています。盛岡市民のシンボルなのですね、岩手山は。


 結局ふうたろう、おもしろそうな店は発見できず、ミスタードーナツというオチで。ここに金を出しても、店番やっているネーチャンたちの給料が上がらないことは判っているけど、休憩場所が他にないですがな。
 結局、20時までここで粘りましたが、それが限界。あとはもうひたすらその辺りを徘徊するのが限界。夜行バスの22時半までが猛烈に長かった。
 山の上にも三年、山の下では残念(爆滅


 連続攻撃でここまで来たけど、さすがに、夜行連発は厳しいです。金曜と月曜も移動に使うことになるので、実質山行間隔が3日しかありません。
 とはいえ、これからふうたろうの夏です。だから、今よりももっと激しく行くのです。思い切り登って、思い切り出会って、ね。
 #141秋田駒ヶ岳クリア。
 #236秋田駒乳頭山クリア。


天気:晴れ時々くもり(秋田県仙北郡田沢湖町・岩手県岩手郡雫石町・盛岡市、移動中は含まない)

  1. ☆Pegasus☆
    6月 24th, 2011 at 12:38 | #1

    私は白山でオプティマスストーブがガソリン漏れで、尾瀬でコールマンストーブがガソリン漏れを起こし、共に火だるまになった事があります。
    その後、ストーブは治りましたか?
    共に使用出来なくなってしまったので、今はEPIガスストーブを使ってます。

    秋田駒ケ岳は、もう10年位前の6月上旬に登った事があります。
    あの時は、阿弥陀池周辺に高山植物が咲き乱れ、夕方になり急に霧が晴れて来て、お花畑奥に沈む夕陽がとても綺麗だったのを覚えています。
    翌朝には、足元には雲海で、登る朝陽を拝む事が出来ました。
    縦走はしませんでしたが、いつか乳頭山へと誓いました。

    千沼ヶ原湿原も綺麗ですね♪
    乳頭山と乳頭温泉、セットで行ってみたいです(^^♪

  2. ふうたろう
    6月 24th, 2011 at 13:09 | #2

     ガスストーブ火だるま事件!
     やっぱり通る道ですよね。
     そういえば、修理してませんわ…(滅

     乳頭山の縦走、最初の山行で一気にやっちゃいましたわ。贅沢なところを一番最初に食べちゃったので、次はどうするか、という感じですね。
     夜行バスで行ってしまえば、そんなに遠くも感じません。ぜひもう一度!

  3. 6月 24th, 2011 at 14:08 | #3

    朝帰りの夜行バスは月曜ツライっすね。 お疲れ様です。

    秋田駒ヶ岳&乳頭山はずーっと行きたいと思ってる山。

    8合目までや乳頭温泉はバイクで行ったことはあるのですが、今思えば登っとけばよかったなと後悔。 そのときに白神岳は登ったんですけどね。

    早く東北めぐりできる日が待ち遠しいです。

    今週末も北東北ですか?
    雨予報じゃないけど、雨の爪痕がヤバそうですね。

    自分は日曜に近場の山にでもいこーかな。

  4. ふうたろう
    6月 24th, 2011 at 20:47 | #4

     月曜は確かに眠いッス。帰ってきてから寝れば良いんですけど、外が明るくて眠れないという罠。

     東北巡り、あの程度の地震(余震)だったら、まだできるんじゃないですか。ふうたろうは交通機関が止まったらアウトなので無理かも知れませんけど…。

     そうです。今週末も北東北…というか、焼石岳です。夏油温泉から登ろうかなと思ってます。マッタリ一泊してね。

     日曜日は全国的に曇りというか、台風がどんどん近づいてますよね。

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