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工場の中に佇む山(青海黒姫山清水倉コース往復:新潟県)

2012年 6月 30日

 夜行バス(西武バス)で直江津までやってきました。バスが空いていれば粟ヶ岳(同じ新潟県)を計画していましたが、いとも簡単にその計画は崩れ去ってしまったので、方向を変えました。
 さて、直江津に着いたのはいいのですが、直江津から電車に乗らんとイカンのです。駅はどこだ?


 遠回りして、線路を発見。夜行バスも、どうせなら駅前で下ろしてくれりゃあいいのにね…。ツアーバスなら、大抵が駅前で下ろしてくれるんだけどな。


 朝飯を食うためにコンビニを探し回っていたのですが、全然ありません。しょうがないので直江津駅の中の売店でこのカップヌードルを買って湯を入れて食べる準備をしていたのですが…
 …なぜか、トイレに行っている間になくなってる…(滅
 どこのどいつか知らんけど、盗んだらしい。そうと知っていれば、ガソリンコンロのガソリンでも入れて置いてやればよかったな(怒 あるいは、靴の中に残っている毛玉や木くず、泥なんかでもいいかね。


 青海駅到着。ここで下りる人は殆どいなかったけど、ふうたろうはとりあえず下ります。


 まずはに向かいます。


 砂利たっぷりの浜。米山(新潟県)の時と違って砂浜に高すぎる堤防とか無いので、すぐに浜に出られます。


 海水に足を浸けるのですが、何気に波を被ります。今回、防水スプレーをぶっかけるのを忘れてきました。


 穏やかな海だあね。


 きれいな海だあね。


 さ、青海黒姫山、ゼロメートル登山開始しましょうか。


 …しかし、ハラが痛い(滅 どうも、高速夜行バスのクーラーが効きすぎていたようですな。痛手ですわ。駅に戻ったらもう一回便所へ。


 家の間を抜けていきます。


 大通りに出ます。これをまっすぐ山の方に向かうと、青海黒姫山の登山口が出てくるはずです。


 電気化学工業の工場・プラントが見えてきました。この敷地内を歩くのかと思ったけど、どうもそうではないみたいですね。


 しかし、道路を挟んで施設が並んでいるため、道路の上にもパイプラインなどが通っていることがあります。


 それにしても、オンボロ工場(失礼)だなあと思った次第です。窓が割れて、ホコリだらけ、錆びだらけ…。よく稼働しているなあと恐ろしいやら感心するやら。


 この町には廃墟や空き家が殆どなさそうです。今までに見てきた町とは明らかに違います。


 青海川を渡るところに大きな池っぽいのがあります。


 青海黒姫山、でしょうか。それにしても、春霞…ですな(滅


 工場の並ぶところを抜けて、両サイド緑の道へ。


 実をいうと、今回、登山口まで無事たどり着けるのか、若干不安なのです。今まであったはずの情報が、ネットの公式ページ(糸魚川市)から消えている、というか、無いものというレベルでなくなっているのです。


 道路脇から撮っているので、どうもアングルが…


 いつ登山道方面に行けるのかと思って歩き続けていると、清水倉のところに分岐があるので、そこへ。登山道の指導標もあるようです。


 実はさっきからこの通行規制が気になっていたのですよ。しかし、これより前にあった2枚の看板ではそのままでしたが、この看板には「解除中」ペタッと貼り付けられています。人騒がせな…(じと目


 橋の手前にカーブと、幅の広いところがありますが、駐車禁止です。ま、車を持たずに歩いて来ているふうたろうには関係ないけどねー(白笑


 春霞と逆光で、鬱病のような景色。この春霞はヤダねー(滅


 登山口には掲示板みたいなのがあります。ホワイトボードです。端っこが錆びて朽ちかけています。これが落ちるのも時間の問題でしょう。


 さて、漸く登山口、登りましょう!


 最初は(も?)針葉樹林帯(おそらく植林)の道。


 大量にミズ(ウワバミソウ)が生えていますが、この山域、「山菜採るな」大蔵寺級拒絶反応が猛烈なので、とりあえず採らないことにします。でも、この辺の人、ミズを食べる習慣なんて無いでしょ。採った形跡ゼロだもんね。


 しばらく歩くと広葉樹林も交ざってきます。


 飲料水の看板。ネット情報をさっき慌てて調べたところだと、飲料水看板はこのずっと上にももう一枚あるようです。


 で?肝心の"水"はどこにあるんだべ?この刈り払われた雰囲気だけがあるところの向こうか?


 どうやら、脊振山(福岡県)の椎原峠の水場級のガセネタを掴まされたようです。


 気を取り直して再出発。しかし、いよいよ暑くなってきましたな。


 道は一本。迷うことはない。地図を見てもたぶん現在地は特定できないでしょうけど、踏み跡はしっかりしていますから。


 斑の入った葉の植物。高校の生物で、「細胞質遺伝」という分野を習ったのを思い出す瞬間。


 このルートは、これでもかというほど道の木や岩に赤いマーキングが施されています。迷いたくても迷えないという件。


 こんなところに要らんだろ、と思うようなところにトラロープとかあったりします。


 展望っぽいものが、初めて見える頃。


 緑の美しい今日この頃。でも、猛烈に暑い。


 ようやく2回目の飲料水看板。写真の枚数が夕張岳の時より少ないので早く到達しているように感じるけど、それは罠です。気分的にはこの暑さと急坂は鬼畜です。


 今度は水が汲めました、が、よく見たら汲んで一度ごっくりと飲んでしまったボトルの底に粘土の粒子がコロコロしていたという罠。


 2回目の飲料水(っぽい)看板から先は、若干フィックスロープ(固定ロープ)の出現率が高くなります。でも、殆ど頼らなくても行けるレベル。頼らないで登ってみましょう。


 ここにもフィックスロープがありますが、頼らず登ってみては?三点確保の練習をしてみるといいです。


 雪渓が出て来ました。ここで今日4人目の人と出会いますが、この先も悪路だそうで…。老夫婦でした。旦那のストックが曲がっていました。ふうたろうは木の棒で進んでいるので、折れても構いませんがね。


 雪渓はいいとしても、倒木は辛い。それでも、船形山(山形県)や和賀岳(秋田県)よりは全然マシ。夕張岳はそういう意味で言えば、舗装道路でしたなあ…(遠い目
 ん?ってことは、夕張岳は舗装路50km歩きか!(違


 えぐれた道。ぬかるみゾーンです。


 険しい雪ヤヴぬかるみゾーンを抜けると、いきなり開けます。あの中央左のピークが山頂ですかね。


 展望はいい…のですが、鬱陶しい春霞が(じと目


 山頂付近も低木に囲まれていて、周りを見通そうと思うと突き出ている石灰岩の上に立たないと無理です。


 折れた碑のところに立つと、糸魚川市街が見えます。


 まともにヤヴに埋まるとこんな感じ。かなり歩きにくい。


 展望は本来は良く、北アルプス白馬岳近辺や、頸城(くびき)アルプス(火打山~雨飾山)も見渡せます。


 糸魚川市街地と日本海ですが…、この春霞、何とかならんですかね!


 ブツクサ言っている間に、山頂。12時1分到着ですから、登山口からは2時間44分、海岸からは4時間16分(休憩や便所を含む)。


 石灰岩を採掘しています。この山もやはり武甲山と同じ運命を辿るんですかね。でも、有限な資源に頼るだけではいつかは滅ぶよ?


 空は早くも薄雲で覆われてきています。でも、経験的に一度目の薄雲でそのまま天気が崩れることは少なく、一旦は晴れるはず。


 とりあえず、昼飯を。ガソリンストーブに火を点けます。薄雲を貫く日差しが暑い、いや、熱い。


 折り重なる山々が見渡せる場所。こういう展望の山は、夏~冬に来たいね。春は新緑と残雪を楽しむに限るわ…


 空を見上げると、少しだけ霞が薄いような気がするので、空ばかり見ているというふうたろう。この鬱病みたいな空気はマジでいやだ。


 鱗雲がいい…


 そろそろご飯が温まったようなので、タイレッドカレー(ツナバージョン)を食べます。最近、いなば食品からタイカレーのレッドとグリーンの缶詰が売られるようになったのですが、ありがたいことに鶏肉ではなく鰹のツナなのですよね。ふうたろうも安寧に食べられる、すばらしい商品です。鶏肉が入ると、どうも鶏肉がいやなだけでなく、生臭くてね…


 山頂に、クレオソート(木材が腐らないように塗っている薬品)を染みこませたような材木が転がっていました。誰が担ぎ上げたのか知らないけど、かつては山頂の標だったんでしょうかね?


 さ、12時40分頃、下山始めです。


 天気はやっぱりもう一度回復。


 石灰岩質の山頂付近。歩きにくい。


 このヤヴもなかなか鬱陶しい。


 再びあの抉れた雪渓に戻ってきました。


 新緑から深緑へ移行している森の木々。


 鱗雲が舞う空。


 低木・高木交ざる山腹。


 ふうたろうが下山するまでは持ちそうな空模様です。今日は下り坂で、明日は雨…


 薄雲に太陽が遮られると、少しだけ涼しくなったような気がする。


 林床にはシダ植物が生い茂る、明るい広葉樹林。気持ちいい。


 道が整ってきました。そろそろ、登山口、近いか。


 そして、ふうたろうが下山するときに登ってきていた人のものと思われる車がありました。その駐車スペースは、がんばれば2台止められないこともない…。


 リサイクルセンター(産廃処分場)で掃除をしている労働者の向こうには大きな黒姫山の岩壁。


 登山口すぐ下の橋から青海黒姫山。


 青海川と青海黒姫山。今朝は逆光で、まったく見るに堪えない写真でしたが、今はイイ感じです。


 あそこにも削られたところがありますね…


 キンケイギクの咲く土手から青海川。


 立派な山容の青海黒姫山。


 岩壁を眺めながら進めます。


 この防空壕みたいな穴はなんだろう。昔はここに人が入って、石灰岩を掘っていたのかな?


 切り立った岩壁。


 空には絹雲がダンス。


 これで岩壁は見納めですかな。


 この辺りで、チャリで散歩しているおっちゃんが声をかけてきます。やっぱり、この辺の石灰関係の労働者だそうです。
 …そうだよね、そうでなければ、ここで他に仕事なんて無いよね。


 電気化学工業…デンカの大きな工場。


 原子力ムラに比べれば全然大したことないというか、デンカに失礼なほどですが、一つの企業や産業に頼っている町には住みたくないですな。農業は未来永劫、人が生きていく限り必要な産業なので例外ですが、工業は技術・経済の発展やその需要ですぐに情勢が変わりますから。日本では炭坑なんてもはや生きているところがないじゃないですか。
 それに…石灰は有限な資源ですから、今の内に関連する新産業・技術を打ち立てておかないと、未来はないのではないかと思います。持続可能な発展を目指してほしいと思います。
 …それは、山のためにも、ね。


 一番奥の大沢バス停。15時30分のバスに乗れなくもないけど、乗ってもそんなにメリットがあるわけでもなし。ならば歩いていこうと。
 なお、そこの時計は止まっています。


 老朽化しているのか、ただ古く見えるだけなのか判らないけど、再びデンカの工場の横を通ります。


 中部北陸自然歩道、ですか…。武甲山の時も思いましたが、山自体が工場という感じがしますね。


 駅に戻りました。さあ、帰りましょう。最終列車になりますから、遅れないようにしないと。


 糸魚川駅まで来ましたが…体力が急激に失われています。ハラが朝に引き続いて痛いような腰が痛いような。そして、身体がだるい…。プチ熱中症か、あの水に中ったのか(滅


 大糸線。糸魚川~南小谷間は初めて乗ります。田舎の鉄道って、乗ってて清々しい気分になりますね。学生の頃、上田~松本の往復するのは、遠回りしているようでかなりイヤでしたがね…


 その大糸線、頚城大野か根知あたりで、一人を残して全員下りてしまいました。一人、ふうたろうみたいに疲れ果てたような兄ちゃんが長い座席に横たわってラリホーマ(深い眠り、ドラクエの魔法)状態でした。


 ゆっくり走る一両編成の電車。左奥には白馬岳近辺の山が見えますか。あのあたりは、猛ダッシュで登りましたよね。本当に必死に登りましたね。2010年のあの年は…本当に泣きながら登りました。思い出します。ふうたろう31歳の青春(何


 山だけ登るのでいえばそれほどでもない青海黒姫山でしたが、やっぱり下もしっかり見て歩いておかないと、山に登った気がしませんね。山の中の自然だけなら、どこ登ってもある意味同じ。変化の要因は多い方が楽しいものです。積極的に、とは言わないけど、下界歩きも大事にしたいものです。…まあ、車運転するのが怖いとか抜かしていたふうたろうなので、言い訳とも言えるんですがね(じと目
 帰りは、松本からスーパーあずさに乗りますが、ちゃんとクーポン券を用意していたので、昨日乗ってきた夜行バスくらい安く帰れました。経済的にも得点は高いですな、今回の旅は。
 #261青海黒姫山クリア。


天気:晴れのちくもり(新潟県西頸城郡青海町・糸魚川市)

  1. みゃーみ
    10月 29th, 2012 at 09:04 | #1

    今頃よんでます。遡ったら読み抜かした日記がたくさんあって。
    行く時は6月にしようかな~と思いました。

  2. ふうたろう
    10月 29th, 2012 at 11:02 | #2

     お互い、そういうことはかなり多くなってきていると思います。行動時間が長いですからねー(笑 しかも、mixiは過疎化してますからね。
     快復したら、ゆっくり行ってくださいな。

     おいらは300名山、あと56個です。

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