男鹿川林道（滅）の写真 …と生物学的愚痴（何
男鹿川林道の奥で全滅しました（滅
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| アルバムの場所： 冬山きらきらセット |
| 何と明るい朝なんだ… |
今日は、一応仕事はあったけど、やる気が湧かないレベルではさほど変わらない。労働密度が低すぎて、疲れます。
ふうたろうは、仕事が大方終わった16時過ぎから、昨日と同じように、生化学のタンパク質のところを見ていました。DNAの翻訳ではなく、タンパク質の異化のところ。生化学の分野では、とにかく、糖質・タンパク質・脂質、のそれぞれの異化と同化は基礎です。しかし、ふうたろうは不良なので、好きなところからやっています。異化や同化で出てくる物質の大まかな流れは覚えていても、具体的に、例えば、フマル酸だったかオキサロ酢酸だったかはあんまり覚えていません。だいたい、本見て思い出します。
今日は、やっぱり名前だけは覚えていた、尿素回路―別名をクレブス・ナントカ回路とか書いてあったけど、忘れましたな―を見ていました。
この尿素回路は、要はタンパク質を分解・エネルギー源にしたときに出てくるアンモニアという有害ゴミを、有機酸や別のアミノ酸に載せて、中継を重ねるたびに酵素で別の有機酸やアミノ酸に載せ替えながら、エネルギーを使って害の少ない尿素という形に化学変化させて処理するという過程です。無尽蔵に周囲に水があった水生生物はこの尿素回路は途中で途切れているらしく、アルギナーゼという尿素を作るところの酵素がないらしい。アンモニアのまま水中に放出すればいいからです。カエルは大人になるときにこの酵素が作れるようになると言うから、進化を個体の成長の中で行っている気もして、胸がときめきます。
アミノ酸は、異化（分解）すると、エネルギー（ATP)ができます。しかし、ブドウ糖や脂肪酸の異化と違って、アンモニア処理の分だけ余分にエネルギーを食います。だから、タンパク質を摂りすぎてもエネルギーの浪費になります。糖質や脂質も、バランス良く摂らなければならないという、栄養学と孔子の教えですね（何
次いで、分解に関わる物質、ピリドキシン（ビタミンB6）についても少し見ていました。随分複雑な反応をしているように見えますが、ピリドキシンが変化したピリドキサールという小さな分子と、大きな酵素そのもの（タンパク質）が、まるで機械のように分子を引っ張ったり押したりして、アミノ基やカルボキシル基（COOH）を外したりしているようです。そして、その作業は、忠実に化学の法則に従っています。
ふうたろうは、こういう基礎的なことは、本来なら、今の職場でも役に立てられる話だと思っていました。ふうたろうが今の職場に入った頃には、国民の関心は、中国その他から入ってくる輸入食品で頻繁に検出された、農薬やカビ毒その他のような、化学物質を摂ったらどうなるかというところに、あったからです。単純に、疫学調査（統計学的な処理）で、経験則的に、これは毒性がある確率が高い、というのではなくて、論理的にこれは毒性を持っている可能性が高いので、より深く研究せよ、と言えるのは、毒性学・薬物代謝学のいちばんの基礎となる生化学の役割だったと思うのです。
でも、それが活かされる、いや、そのような理屈が通用することは、ありませんでした。目の前にあったのは、基準値に従って分析をすることが、分析屋の仕事と割り切らねばならない環境でした。理念がそうなのではなく、分析屋をやっている限り、そうならざるをえない、ということです。昔は、それでも血眼になって勉強したけど、今はその体力も気力もやりがいも、当時には遠く及びません。毎日の労働時間が一刻も早く終わってくれることを祈るくらいしか、できません。
…ふうたろうのいる職場は、分析屋と言っても特殊。本来なら基準値どうこうじゃなく、先進的な安全性学を取り入れ、分析で判明した検出量から言えることを、内外のデータ・知見を使って、具体的に提案できる立場にあるはず。そういう共同・団結を他団体や科学者とで、できるはず。しかし、それは幻であり、ふうたろうがそういうものに加われるチャンスは見えませんでした。
今、化学物質のことは忘れ去られ、放射性物質、とりわけセシウム137の量に注目が集まっています。わが職場でも、知り合いの学者とともに現地調査などをやっているようですが、放射線分析には関わっていないふうたろうは何となく置いていかれているような気さえします。
ふうたろうは昨日、静岡の無農薬茶の話からプロテアソームの話に入ったのでしたね。理屈だけで言えば、農家を理論面で応援できる何かに、生化学という学問は活きるはずです。農薬という物質そのものの直接的・間接的な影響を、虫や病気に強いという意味やその生命力の起原を、理解するという点で。
それでも、あんまり自信ないですな、今のところは。独りで山に登り続けるような、ある種閉ざされた世界で生きている気分です。
天気：くもり、一時小雨ぱらつく（東京都板橋区）
覚え書き：新潟県で地震