目を開けているだけ
ここは苫小牧沖です。八戸を昨日8月11日22時に出て、今朝6時には苫小牧に着くという素晴らしい時間配分のフェリーに乗ってきました。そうです。交通機関とはこうでなければなりません。ちゃんと、移動が線で繋げられなければ、交通機関ではありません。
その素晴らしいシルバーフェリーに22時前に乗り込んだふうたろうは、10日の夜風呂に入れなかったので、このフェリーの展望浴場を使うことにしました。昨日の日記でも述べた通りこの夏の暑さはヤヴァいので息をしているだけで汗が吹き出すのです。
まず、男湯の暖簾をくぐって脱衣所。裸の男同士がスキンシップしていました。もちろん、受動的にですよ?ふうたろうはそっ閉じして出直すことにしました。
しかし、まもなく船内放送がかかりました。
「展望浴場は、23時までとなります。」
ふうたろうもスキンシップに参加することになりました(滅滅滅
一人旅を始めた2005年の夏、青森県の不老ふ死温泉で似たような経験をしました。封印されていた思い出がしっかりと蘇ったではありませんか。
そんな爽やかな日の始まり始まり。
‥という流れになるはずがありません。西日本は雨にボコられているようですが、北日本は猛暑にボコられています。猛暑が収まったと思ったら100%を超えるような(個人の感想)湿度にボコられます。
それでも!ついに!北海道単独上陸です。2017年5月にやったニセコ連山縦走以来ではないでしょうか。
ドラクエウォークに足止めをくらいながら苫小牧駅に向かいます。空は下層雲がミッチリと覆っていて爽やかだなんてとんでもない話です。
さらにこの、ゴールデンウィーク頃に来たときのようなど茶色の更地を見よ。グリホサートとかの除草剤をしっかり撒いて管理しているのでしょう。
国道に入ってすぐ、24時間営業の山岡家ラーメンがあったので入りました。あんまり使わないラーメン屋なので、勝手がわかりませんで、注文の過程で恥ずかしい思いをしましたが、ふうたろうは元気です(何
食べて出てきたら、空を覆っていた下層雲(層雲(十種雲形の名前))がなくなっていました。空が晴れてゆくときの、自分のすべてを激変させるかのごとくを見られなかったのは残念です。
8時すぎの電車に乗って、札幌まで来ました。札幌にはドラクエウォークのお土産ポイントであるテレビ塔があります。駅から離れているので、この夏に新調した折りたたみ自転車2号でアクセスします。
素晴らしい天気です。そして、もちろん暑いです。何よりふうたろうはこの一桁時に外を散歩できているのが嬉しいです。8時53分ですよ、8時台ですよ。苫小牧を走っていたときは6時台でしたので、もっと嬉しかったですけども。
このあと深川経由で幌加内に向かいます。しかし、電車の時刻が13時過ぎだったので、ネカフェで漫画を読んで過ごしました。何しろ荷物が重いし悲惨な暑さですし、ドラクエウォークで戦闘するために自転車走らせるのもアレですし。
それにしても、空だけは秋っぽい。もちろん、秋(暦)になれば涼しいとは言っていません。
さて、ドラクエウォークとかIngressのような位置ゲーをやっているとおざなりになる写真撮影、やっぱり札幌から深川駅まで全部サボっていました。これは深川駅から幌加内町に向かうバスの車窓。この白い花の畑は何でしょうか。
ここはまだ深川市でしょうか。時々ドラクエウォークのマップを見て確認していましたが、いちいち覚えていません。
幌加内町は日本有数のソバの産地だそうです。たしかに、彼方まで広がるそば畑なんて、ふうたろうは見たことがありません。
着きました、幌加内。今日はここ(バス停)がゴールではありません。そのためには‥
引き続きバスに乗っていきたいところですが、どうやら当たり前のように土日運休のようですね(無表情
でも、そのために自転車があるのです。自転車があれば、あのおぞましい数十キロ車道歩きとかの苦行はかなり緩和されます。思い出しますよねぇ、秋田県の真昼岳の時とか、夕張岳のアレとか、ねぇ‥(後悔はしていない
というわけで、行きますか。
(・ε・;)ん?
なんかあそこに、幌加内の冬つえーアピールがあります。2018年降雪量12m75cmだそうです。
今、それ見たくないんですよ。暑さと湿度が際立つんで。
そう遠くない未来に、地球の気候はかなり変わるでしょう。この10年くらい、暑さの異次元的な変動があったと思います。今年の夏はそれを象徴するかのように、特に秋田・青森、北海道を見ていると、平年の最高気温を5~10℃上回っています。台風の影響はあるかもしれません。でも、台風が来るたびに何週間もそんな気温になっていましたか?
そば日本一の牙城
‥って書いてあります。ここで磨きや抜穀などをやっているのでしょうか。それにしても、ノリが体育会系ですな。
幌加内バイオ企業組合という名前からくる威圧感のスゴさよ。バイオ企業って‥何をやっているんだろう。農業や食品加工をやっているようには見えないです。
都市間バスや妻の運転する車に乗っているときに、よくこのような道を通り過ぎます。でも、自分で直接風を切って走るのは、ひょっとしたら今回が初めてでしょうか。
この夏、北海道を旅先に選んだのは、ドラクエウォークの件もありますが、北海道を自力で走りたかったのです。
自力。電車やバスを使わない、という意味ではなくて。一人で旅をするということです。今は自転車を持っているので、理論上任意の場所で自走もできます。これに、あの山の黄金期はどれだけ憧れたことか。あの頃手に入らなかった開放感です。もちろん、失ったものがないわけではないのですがね。
さっきからずっと、苫小牧にいるときから気になっていたのですが、バッタがバタバタ()死んでいます。
北海道の大規模農業は、本州のレベルではありません。本州の稲作農家が北海道の田んぼを見ると、その1枚あたりの広さに驚くそうです。国の施策(品目横断的経営安定対策)でも、支援の対象となる営農規模面積が、北海道以外の4haと北海道の10haとで分かれています。ここから先は想像でしかありませんが、そんな大規模な農地に撒かれる農薬の量も多いことでしょう。これだけ暑ければ虫も湧くでしょう。
この北の大地の、環境水や水道水の農薬(特にネオニコチノイド系)を測定してみたい。苫小牧の茶色になったあの土地のことも考えると、グリホサートも測定してみたい。
山裾まで続くそば畑。見ているぶんにはうっとりします。でも、目に見えない農薬などの環境汚染、耳に届かない農家たちの苦労の声があるのでしょうね。いつか、日本一の牙城の城主たちの声を聞ける日がくればいいですが。
この黄色の花はオオハンゴンソウ(キク科)でしょうか。きれいな花ですが、日本の生態系を脅かすおそれのある特定外来生物のひとつだそうです。目を開けているだけでは見えない何かが、この景色の向こうにはたくさんあるのでしょう。
ふうたろうはずっと一人旅をしていますが、まだ目を開けているだけ。たぶん、この先に人の話に耳を澄まし、想像力を研ぐ過程がないと、旅のレベルは上がらないような気がします。
今回のサブイベントである山食いの対象はここです。幌加内三頭山。朱鞠内・名寄方面にもう少し進むと政和(せいわ)というところがあって、そこには道の駅もあるので、たぶん多くの人はそこから車でアクセスしてくると思います。でも、ふうたろうは違いますよね(じと目
はい、雨煙別コース、いきましょうね。
いとしのジャリー道を進んだ先に登山口。駐車場らしきものはないので、ここを北海道の登山者がファーストチョイスすることはたぶん(絶対)ないでしょう。なので、ここで闇テンのすゝめです。
ところで、さっきのオオハンゴンソウの大繁茂していたあたり(国道)も含めて、このあたりのスマホの電波(au)はかなり悪いです。地図をさっさとダウンロードしておくべきでした。ただ、この登山口は比較的電波が通ります。
ふうたろうは、体力と精神力が全盛期の1ppmになっています。ちょっとしたことに疲れてしまいます。荷物が多少重いくらいで自転車を漕いで進むことを躊躇するようなショボい存在になっています。あと、スマホの充電(モバイルバッテリーも含めて)も気にしながら動いているので、2連泊でテントとかやるわけにもいかず。ネカフェで漫画も読みたいですし。
一人で生きていたあの頃とは、本当に何もかも、変わってしまったのですね。今やっている旅は、当時のふうたろうからすると、旅ではありません。ただのなんちゃって趣味です。
その事実だけは、やっぱり悲しい。
天気:晴れ(北海道苫小牧市・札幌市中央区・深川市・雨竜郡幌加内町)