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山と化学と幸せと(幌加内三頭山:北海道上川)

2023年 8月 13日

 夜中、蒸し暑いかと思いきや、寝袋を持ってくるの忘れていて寒いほどでした(真顔
 しかし、湿度は120%くらいあって(個人の感想)皮膚の表面がいつもウルオッていました。
 これらの試練がふうたろうに課せられた結果、さっさと起きてさっさと登ってこの基地(テント)を逃げ出すのが吉、という結論に至りました。
 昨日、札幌市内のまいばすけっとと深川駅チカのコープさっぽろで買い込んでおいた食料(ツナ缶とドライサラミと菓子パン)をテントの中に転がしておいたので、昨日の夜に引き続きそれを食べました。サラミとツナ缶の塩味が異常にウマく感じるのはなぜでしょうか。
 なお、昨日の夜食べたうずまきパンのカラ袋に数十~数百のアリが集っていました。自然を満喫できる今に、ありがたかった気持ちをここに表現します!アリがたかっただけに(真顔


 だいぶムダな前口上でしたね。
 5時10分、登山口の入林届?みたいなのを書いて、いよいよ出発。


 しかし、この雨煙別コース、ダートの車道歩きじゃね?政和(せいわ)コースはどうなんですかね。


 ドラクエウォークの天気を見ていると晴れのようなのですが、全然日差しがあるようには感じませんし、むしろガスっています。湿度は120%くらい(個人の感想)なのでたぶん層雲に巻かれているだけで、太陽が登ってくれば晴れてくるのではないかな?


 政和コースと合流しました。恐ろしくガスっていますけどね。


 その合流地点が丸山分岐、5合目だそうです。つまり、全行程の半分がシャドウ歩きでしたね(じと目


 (・ε・;)ん?
 これはササが花を咲かせようとしています?
 竹とか笹とかって、花を咲かせて一斉に枯れていく、というイメージがあります。枯れるんですかね、これから?
 2013年8月に宮崎県の大崩山に登ったとき、ササヤヴゾーンを覚悟していたところ、きれいに枯れてなくなっていて肩透かしを食らいました。あんな感じに豪快に枯れるんですかね?


 見晴台、とやらに着きました。オールホワイトです(無表情


 水のコロイド粒子の先に太陽が自己主張ガンバっています。たしかに、心なしか熱エネルギー(ありがたくない暑苦しい)を感じます。


 7合目、だそうです。深山オンコだそうです。


 丸山分岐であざなわれたルートは、とにかくウルオッていました。雨なんて降っていない(ドラクエ予報で晴れ)のに、水滴が襲ってくるんですよ。


 しかし、ここで山の質的転化が訪れようとしています。


 一寸先は白闇だった視界が、一気になにか別の世界に変わろうとしています。


 期待に胸を膨らませながら登ります。


 そして一気に視界はフルカラー。


 量より質への転化です。霧は気体ではなく、液体の水です。非常に小さな水滴となって空気中を漂っているだけです。質量の小さなその水滴は空気(主に窒素や酸素)の分子運動に支えられて落下することなく小さな水滴のまま空気中を漂います。その水滴は、高校化学で習うコロイドと呼ばれる状態になっています。この水滴が光を乱反射するので、数m先は白い闇(じと目)になります。


 しかし、気温が上がる、気圧が下がる、空気中の水のモル濃度が下がる、などの要因で湿度が100%を下回ると、一気にその水滴は蒸発します。蒸発すれば、澄んだ空気になります。だから、変化は激変。だから、ふうたろうの心は準備する間もなく一気に沸騰するのです。


 8合目。霧に覆われていた頃のことなんて、忘れるほどよ。


 つらい過去の傷も、幸せな現在や未来が癒やしてくれる。


 短時間短距離の登山ルートで人生を例えるのはアホですが、ふうたろうは、さっきまでのオールホワイトのことなんてもう忘れて写真を撮っています。長い人生も、そのように生きたいものです。


 一頭山、だそうです。この山、双耳峰どころか三耳峰(そんな言葉はないと思うが)のようです。


 一頭山から見えるピークは二頭山、でしょうか。


 この景色を何という感情で表現したらよいのか、今までも、もちろん今も、実はわかりません。ただ「きれいだ」とか「感動だ」とかそういう表面的な感情でないことは確かです。強いていうなら、「幸せである」です。山でこうして生命活動を営んでいるときは、死にたいという感情は湧きません。
 だから、言おう。幸せだ、と。


 傘が反り返って裂けたきのこ。あいつに見せてやりたい。きのこ好きだからな、あいつは。


 二頭山からは最後の三頭山が見えます。さて、最後の攻めですな。


 登頂しました。ふうたろうの山の黄金時代ならば、これくらいの山なら2時間半もあれば登り切っていたと思います。でも、3時間かかりました。体力も気力も、落ちました。


 でも、まだ、幸せを感じられる火種が心のなかに残っているのなら、幸せの火を再び灯すこともできるかもしれません。


 しかし、幸せだなあ!ここ!テント泊して、夕方も夜も朝も、夢も現実も、幸せに浸りたいですな!


 空は澄んだ青をしているのに、ちゃんとその中に雲がある。青一色はつまらない、というか、それが本当に青いのかどうかすら、感覚としてわからなくなる。変化と対比があるから、青空の青も、そして雲の白も、存在を主張できるのだと思います。


 山頂標にほおずりしたら下山開始です。ここは二頭山。


 北国の強い日差しに身を焦がされながら下山です。先程からふうたろうは幸せ感を文章で連発していますが、現実はそんなバラ色空色緑色ではないです。際限なく喉が渇くほど汗だくで、1.5Lのスポーツドリンク(みたいなやつ)が蒸発するかのごとくなくなっていきます。


 「つらい過去」を「幸せな今」から眺めるのは、幸せなことです。「つらい過去」に負けていたら、「つらい過去」が潜在的に準備していた「幸せな今」はなかった。


 雲海も晴れてきて幌加内町の里も見えてきました。
 うん、登ってよかった。


 かといって、積極的につらい中に身を置きたいわけではありません。マゾじゃないし。結果的につらかったり、思い返せばつらかったり、そういうレベルの適度なつらさが、できればいい‥
 でも、雲の上を歩く山の上でしか、人からの孤立や束縛から逃れられなかったことは、「そういうレベル」のつらさとはいい難いかもしれません。慢性的な苦痛であり、ふうたろうを確実に冒していたと思います。


 下界に降りて、この旅を終えたら、また孤立と束縛の苦しみは襲ってくると思います。でも、こうして山に登ったら幸せになることを言語化したので、つらいときこれを読みかえして、思い出してほしい。それでも、思い出せないなら、それはかなり重症かもしれません。


 登ってきたとき、あんな反射板には気がついていませんでした。


 霧の中に再突入しました。もちろん、ふうたろうは大丈夫です。


 濃霧と水滴の中、行きは余裕なかったので撮っていませんでしたが、今こそ、きのこをば。


 あいつに図鑑持たせて登ったら、あいつ喜ぶだろうな。山できのこ探したがってたからな。


 きのこは肉厚で超立体的です。写真はチョー撮りづらい。


 丸山分岐を過ぎ、また雨煙別コースを下って湿っぽいベースキャンプに戻りましょう。


 もう、ここも晴れています。樹間から幌加内町の里が見えています。


 いい天気です。天気予報は雨予報を五月雨式に撃ってきますが、今日はまだ大丈夫そうです。たぶん明日もまだいけるかな。


 ‥シャドウ、長いね(呆然


 さて、登山口のテントを撤収しましょう。アリがたい(滅)あの袋はどうしますかね‥


 林道のダート(国道から登山口までの)は、尖った石ころがたくさん敷き詰められていて、はっきり言って自転車のタイヤ的に苦行です。パンクとかしたら\(^o^)/オワタですからね‥


 クルマ中心ノ世界ニモマケズ、自転車ヲ漕ギ、幌加内町カラばす二乗ッテイク‥


 (・ε・;)ん?
 大豆畑と思われるところで農薬散布。何の薬剤を撒いているのでしょうか。ホクレンはグリホサートのプレハーベスト(大豆収穫前の散布)を行った大豆については、共同計算(ある一定の期間に組合員が出荷した同品質の農畜産物の価格を、その期間の平均価格で精算すること)扱いしない、としました。
大豆の収穫前散布ホクレンが事実上禁止に(農民運動全国連合会ホームページ)
 なので、プレハーベストにアドバンテージがあるような場合でもない限り、グリホサートを撒くことはない、かな?わかりませんが。
 でも、北海道の大規模農業を考えると、ホクレンもよくその決意をしたな、と思います。農薬をみだりに多用するのはどうかと思いますので。


 深川駅に着きました。ここから旭川まで電車で行くかバスで行くか、ですが、バスで行くことにしました。


 深川駅。昨日、目一杯撮影をサボりましたんでね‥


 時刻表的は、2時間に1本程度あるような感じのシルエットですが、この空知中央バスの路線バス以外にも、沿岸バスの都市間バスも使えるようです。この深川十字路バス停は、深川駅改札出てから歩いて5分前後だと思います。


 旭川駅着きました。駅前の広場は、古い旭川駅駅舎のときにもあったと思いますが、ここまで広くなかったですね。
 で、忘れてはいけません。ドラクエウォークでは、各地方6駅ずつのスタンプラリーがあります。旭川駅はその一つです。他には札幌、稚内、釧路、帯広、函館です。たぶん、近畿や関東なんかより遥かに難易度高い。特に函館と稚内がヤヴァい。これ作ったやつ、テストプレイを車に乗ってやってないだろうな!?


 ふうたろうは、大きい駅は嫌いです。駅は電車に乗るために、車両にアクセスするためにあるものです。駅の敷地や建物内を延々歩かされるのは勘弁してほしい。札幌駅以外、そんなにでかい駅、いらんだろう?帯広駅でもでかいと思っているのに。


 ところで、ふうたろうは日本の都市の中でどこが一番好きか、と聞かれたら、今いるこの旭川市と答えます。でも、それについては、また次の機会にしますかね。


 この満足感のある登山は、去年の夏に島根県隠岐郡西ノ島町の焼火山(たくひさん)に登ったとき以来です。しかも、今年の三頭山は焼火山と違ってガッツリ登山。アリがたい()テント泊もしっかりできたし。
 何より、今年の夏の旅は、久しぶりに山の幸せを思い出せるものになりました。本当に、来てよかった。


天気:晴れ(北海道雨竜郡幌加内町・深川市・旭川市)

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