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旅の意味、それは旅であること

2022年 11月 26日

 ふうたろうは、3年以上まともに使わずに薄暗い部屋に放置していたカビ・サビでイッパイのカメラ(SD1Merrill)を抱えて、昨日の夜から旅というか散歩にでかけました。ここは茨城県筑西市の玉戸駅前、チェーン店街の一角です。昨夜はここにあるネカフェに寝泊まりしていました。


 3年以上も持ち歩かなかったカメラ、しかもSD1Merrillというマニアックな一眼レフですから、すでに操作方法を忘れています。そもそも、このカメラ、こんなに重かったっけ?
 ‥と思っている間に、担いでいる輪行袋を踏んで、まばらに人がいる駅前で大転倒。
 日本300名山やっていた頃のふうたろうはもういない。


 ところで、雲行きが目一杯怪しいです。これから笠間芸術の森公園と大洗マリンタワーと北茨城市の六角堂とアクアマリンふくしまに公共交通と自転車で行かねばならないので、雨に撃たれるのは勘弁してくださいオナシャス!


 笠間芸術の森公園に着きました。笠間駅から茨城交通バスが電車到着に合わせて待っていてくれたので、それに乗りました。公共交通機関からこんなおもてなしを受けるなんて、全くもって稀有でありませんか。


 ここ、2003年8月25日頃に、付き合い始めたばかりの元カノ(3人目)と来たことがあります。あの頃は2人目の元カノの影響も受けていて、自分の気持ちをひたすら空回りさせていたと思います。人に対する優しさとか愛とか、その言葉だけ聞けば聞こえはいいですが、どこか独りよがりで思い込みの強いものだったと記憶しています。
 でも、そういう頃があってもいいでしょう。それに、優しさや愛を失うくらいなら、そのほうがまだ‥


 そうそう、あの当時、笠間じゃなくて、友部からバスに乗ったような気がしています。でも、もう19年前‥記憶は曖昧ですね‥(遠い目
 それにしても、バスの本数が山手線並に多いですね(真顔


 ‥遂に雨が降ってきました。これから大洗と北茨城といわきに公共交通と自転車で行かなければならないのですけど?!


 ところで、今回のチョイスはドラクエウォークの「おみやげ」があるところです。ドラクエウォークは位置情報を使ったガチャゲーで、47都道府県それぞれに4ヶ所ずつ設定されています。例えば北海道なら宗谷岬や五稜郭がありますし、東京都であれば東京タワーや高尾山、島根県なら石見銀山や隠岐の島というふうに、現地にいかないとお土産(電子情報)が得られません。
 なんとなくIngressのようなところもありますが、位置情報ゲームとしてはIngressの足元にも及ばないと思います。位置ゲーの良さをもっと活かして、そのうちプレイヤーにストーリー(IngressでいうMission、オリエンテーリングのような)を作らせるとかあっても面白いかもしれません。ガチャとレベル上げ、アイテム集めなんかにとどまっていたらもったいないですよ。


 さて、大洗まで来ました。雨はすでに小降りになっていて少し晴れ間も見えかかっています。
 大洗といえば、ふうたろうにとっては何と言っても北海道の玄関口です。新幹線と急行はまなすで行き来するようになる前は、ここから船に乗って、なぜかいつも曇りか雨の苫小牧に行くところまでがセットでした。


 大洗港の近くに2階に行きづらいショッピングセンターみたいなダンジョンがあります。この写真を見てもわかるように、階段が目立つところになくて、足元をしらべないと進めないのです(何


 敷地内には二次元のラッピングを施したバンがありました。駅にも似たような女の子の絵がいっぱいあったので、何か、推しているのでしょうね。ガールズパンツァーとか書いてあったような気がします。そういえば、戦車だかなんだか、軍事関係の絡みがあるとかで、平和関係の人が何か言っていたような‥。
 まあ、こういう系統のアニメにミリタリーのバンドルとか、嫌いな人にとっては絶対相容れないでしょうね。気持ちはわかります。


 昼飯を済ませたら、ただ電子情報を得るだけでは味気ないので、大洗マリンタワーの写真でも撮っていきましょう。はい、もちろん、撮るだけですが。


 ところで、大洗は行きはよいよい帰りは怖いところでした。これからのぼうけん(ドラクエ風)への無限の期待が湧くところであり、ぼうけんが幻となって無間の絶望が待っている日常に引きずり込まれる門でもありました。
 ふうたろうは、無限の期待と無間の絶望が糾える縄のようだった当時と、その2本の縄が完全に紡がれ抑揚のなくなった今と、どちらが幸せなのでしょうか。
 あの頃は、行く先々がぜんぶ新鮮で、ワクワクして幸せでした。
 今は、無間地獄から開放されて少しは生きやすくなりました。


 ‥次にやってきたのは北茨城市大津港駅です。ここから海沿いにある六角堂というところに向かいます。
 それにしても、ドラクエウォークでもIngressでもそうですが、行ったことのある場所を再訪させることが本当に多いものです。経験値が増えると旅のスピード・到達力は確実に伸びますが、経験値のなかった頃の無限の期待というものは徐々に感じにくくなります。だから曲解を恐れずに言うと、未経験はプラスのパラメータだとふうたろうは思います。


 大洗の食堂(ダンジョンの一角)で食べた地魚の海鮮丼(新コロの後遺症で鼻は利かなかった)に醤油をかけすぎて塩辛かった上に、常磐線の暖房がベギラマだったのでのどが渇いていました。この自販機は人工甘味料がイッパイのドリンクがイッパイあったので、この70円の闇鍋ガチャを回すのはやめておきました。ドラクエウォークのガチャみたいに目当てのものが当たらないのは目に見えている‥


 六角堂に向かうのですが、小高い丘を迂回して、かつ少し上ることになります。SD1Merrillを腰に巻き付けたカメラバッグに入れていると、歩いたり自転車を漕いだりするときに激しく干渉してくるので、無駄に体力を消耗します。それでなくてもここ数年で運動量が激落ちくんになって体力は最盛期の1%以下になっているのに‥
 いったい、ふうたろうは何をやっているんですかね‥


 落ちたのは体力だけではありません。撮影スポットを嗅ぎつける力とか、人の息遣いやその風土を感じ取る力とか、旅で必要としていたあらゆるパラメータが下がっています。


 それでも、写真撮れそうなところを必死で探しているのが自分でもよくわかります。あの頃の感性を取り戻したいんですよね?
 でも、たぶん難しいと思います。あの頃と違って、人と関係を持ちたいと思うパラメータがいっそう下がっています。何なら、1ヶ月くらいなら誰とも話をしなくても生きていけそうな気がするくらい。
 なら、なんで日記書いてるんだって?それは、旅の意味そのものだからです。旅をして、言語化して残しておく。記憶ではなくて。


 さて、六角堂で写真を撮れなかった、と言うか、現物を見てない気すらしますが、とりあえずドラクエウォークの六角堂のお土産だけは確保できたので、近くにある(と思っている)アクアマリンふくしまに向かいます。本数の少ない常磐線を待って大津港駅から泉駅辺りまで行って、そこから自転車で向かうのと、このまま六角堂からダイレクトに自転車で向かうのとで、そんなに時間が変わらないようですので、ダイレクトにアクアマリンふくしまに向かうことにしました。
 しかし、これが想像以上に遠く、小さな峠道も地味にきつく、途中で真っ暗になると「何をやってるんだろ」感が湧いてきます。カメラバッグも重いので股がサドルにいつもよりより食い込んで痛い。


 自力で目的地に向かう尊さは、かけがえのないものです。たかが観光地(だろ?)のアクアマリンふくしま(すでに閉館事時刻過ぎている)でも、たかがドラクエの土産でも、自力で行くだけで十分意義のあることだと感じます。
 今はその感度さえも以前より下がってしまっている自分に愕然とします。茨木のり子ばりに、ちゃんと自分の感性に水やりをして「自分の感受性くらい自分で守」らないといけませんね。ふうたろう絵日記を書かないとと、いや、書きたいと思ったのは、そういう理由もあります。


 18時ちょっと前に、アクアマリンふくしま到着です。常磐線で泉駅まで来てそこから自転車で来ても10分程度早くなるかどうかでしたね。時間的にはそれほど変わらなくても、やっぱり自転車で走ってきてよかったと思いました。到着したときの喜びは、距離の長さ、峠を上がるときの息切れ、カメラバッグから受ける力積という"不快感"が準備したのだと言っても言い過ぎではないと思います。


 今回は、Ingressをやめてから初めての遠征です。しかも山に登るでもなく。目的はドラクエウォークということにしていますが、ドラクエウォークは目的としてはちょっと弱いと正直思います。ならば、やっぱりこの旅、遠征自体を目的にしていこうと思います。ふうたろうのこの遠征の原基となるものは、高校生の頃からやっていた「枠外への散歩」です。それは公園へ遊びに行くとか通学するとかの目的で何処かに足を運ぶのではなく、目的がない場所を通ることです。山に登ってもIngressをしても、その感覚を何処かで持っていたからこそ、山を登っているときだけ、Ingressの画面を見ているときだけにとどまらないものを感じて、ふうたろう絵日記を書いてきました。
 ドラクエウォークをダシにして外出、結構ではないですか。関東から熊本県の住宅地や青森県の工業地帯にいきなり散歩に行くのはさすがにふうたろうでも難しいですが、メインをなにかに据えて行けば、それらもきっと大きな経験になります。
 だから、旅に出たい。そして写真を取りながら、言語化したい。


天気:曇り時々雨、昼過ぎから時々晴れ(茨城県筑西市・笠間市・水戸市・東茨城郡大洗町・北茨城市・福島県いわき市)

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