暑さとの死闘(愛鷹山:静岡県)
始まりはすべてが最寄り駅から。いざというときのため、便所に行く余裕を持たせるため、等々の理由で、少し早めに、静岡県三島市の、三島駅に8時36分に着きました。今日の目的地は予告通り、愛鷹山(あしたかやま)。
当然、三頭山の時のように、カメラ忘れてダッシュ、ということがないように、忘れ物をしないシステムとして、カメラケースのベルトをリュックにくくりつけておきました。
…というわけで、武蔵野線・南武線・東海道線のすべてでグースカ。
三島駅上空は晴れているみたいです。34分の待ち時間のうちにトイレを済ませ、この「ぐりんぱ」とかいう遊園地に向かうバスに乗り込みました。
春から初秋にかけて、このぐりんぱ行きのバスは、十里木(じゅうりぎ)というバス停を経由します。関東地方から公共交通だけを使っていくなら、ぐりんぱ行き、十里木降車をお薦めします。このバスは、愛鷹山登山口バス停にも停まるので、使えます。
暑そうにユリがうなだれています。僕の掌くらいの大きさはあると思います。
十里木バス停から西へ500mくらい歩くと、越前岳の登山口が現れます。遙か遠くに電波塔。あの電波塔まで、人工的ではあるけど振り返れば大展望の道が続きます。
坂はきつくない。9kgの荷物を持っていても、特別息が上がる、ということはない。でも、猛烈に暑いので、さっきのユリのように、うなだれてしまいます。まだ登り始めて10分経ってないような…。
振り返れば何とゴルフ場!
富士山麓は開発され尽くしていますね。日本の象徴が聞いて呆れます。
…本来なら、恐らく写真右手に富士山が見えると思うのですが、大きな雲が覆っていて、判りません。
でも、僕の頭上は晴れているので、気分もそこそこ爽快。…暑いけど。
でも、越前岳方面は、この通り。屋久島の時を思い出しそうです。
越前岳(愛鷹山最高峰)登山は、十里木からだと600mアップ程度。楽なもんです。だから、道もこの通り、平坦。草原がきれいです。
馬の背という、三角点のある場所です。ここで1098m。本来なら展望もいいんでしょうけど、雲が…ね。
それに、とどまることを知らない、汗。
馬の背を越えると、一気に樹林帯に入ります。その直前に、写真を撮っておきます。数少ない風景になりました。
樹林の中は日も当たらないので、さっきよりは多少涼しいけど、それでも、猛烈に暑い。多少涼しいというより、焼け石に水、というべきかも知れません。
一瞬視界が開けたと思ったら、崩落地。山はいつかは崩れていく運命にあります。
越前岳登頂は12時前。1時間半ほどで着きました。
でも、やっぱりガスがひどくて、視界ゼロ。ちょっと悲しいですね。
昨日買い込んでおいた、「辛ラーメン」。下剤袋の水を使って作り上げました。
大量の汗で塩分諸とも失っているだろうから、汁も全部飲み干しました。
50分くらい粘っていると、ガスが一瞬晴れました。南方の展望を拝むことができました。
…まぁ、これだけ見られれば、じゅうぶんですね。
ちょうどこのころ登頂した中高年の人たちはレジャーシートを広げて昼飯。僕はそろそろお暇します。
向かう先は割石峠。鋸岳まで行ってから下ろうと思っています。しかし、このルート、さっきまでの道と違って、草刈りはあまりされていません。もちろん、やる人がいなければされなくて当然なのですが。
呼子岳手前の、分岐の看板。呼子岳はこの看板から数メートルのところにあります。
呼子岳は展望も何もないただのピークです。ここで一応最後の記念撮影をしてから下るのですが…。
遠くから、雷鳴が…?
見ての通り、さっきよりもガスが濃くなってきました。雷鳴もはっきり聞こえてくるようになりましたし、キケンです。
鋸岳の分岐に来ました。鋸岳に行きたかったけど、雷鳴を聞いて行く阿呆はおりません。
そういえば、呼子岳よりずっと前ですれ違った兄ちゃんがいたけど、あのまま越前岳に登ったんだろうか。ヤヴァくね?
割石峠から下の道は、涸れ沢のルートです。岩がごろごろしていて、靴底がヤヴァイ、僕の古い方の登山靴では、滑りやすくてしょうがない。とにかく、歩きにくい。
イワタバコです。去年、裏妙義に登った時も見かけました。しかし、雷までセットで来なくていいよ。
稲光はまだ見ていませんが、あまりだだっ広いところには居たくないですね。でも、なぜかこの涸れ沢ルート、何度も沢横断をさせます。直登・直下山がいいんですけど…。
この写真の方が正直なのでしょうか。実際、地面はこんなに暗くないし、空はこんなに明るくない。でも、この愛鷹山にはそれだけ大きな雲がかかっていて、今にも天から崩れそうになっている、ということなのかも知れません。
涸れ沢の水たまりに、波紋。
雨といっても、そんなに強くはない。雷の割に、それほど強く降ってきません。
雨は一時強く降ったようですが、樹林に守ってもらいました。不幸中の幸い、かな。
ただ、その樹林は、人がゴミを捨てるところも隠してしまっています。自動車が入れるところは、すべてゴミが散らかっています。
マイカーは入れなくするといいよ。わざわざタクシーやバスでゴミを捨てに来る奇特な方はいらっしゃいませんから。
このあと、偶然御殿場駅行きのバスに当たって、直行で帰りました。電車の乗り心地は、富士登山客で混んでいてかなり悪かったですが、それでも、座って帰れました。
最後の電車、西武池袋線。池袋発車からひばりヶ丘まで、夕焼けが死ぬほどきれいでした。北~東の空は雷光きらめく大荒れで、その対照的なところが何とも…。
でも、建物が邪魔です。電車の窓が邪魔です。
やっぱり、都会キライ。
今日で、日記1000日目。1000日目は必ず旅日記で飾ろうと思っていました。日曜日だということも解っていたので。叶って良かったです。天気がやや崩れようとも、都会の毒息吹にやられようとも、僕の旅は何時だって勝ち勝負さ。
そういえば、西武池袋線で、あの夕焼けで、おばちゃんと仲良くなりました。もちろん、一期一会でしたが。
よかよか。ふうたろう絵日記1000日目、ちゃんと有終の美で飾ったじゃないですか。もちろん、まだ続けるけど。
天気:くもり時々晴れ、のち時々雨、雷を伴う(静岡県三島市・裾野市・富士市・御殿場市・埼玉県所沢市、その他移動中を含む)