夏になりきれいな花(美ヶ原:長野県)
始まりは松本駅。
いきなり、一昨日乗らなかったJRの特急券が無効になっていたり、忌まわしいスーパーホテルが見えたりして、相当ブルーでしたが、とりあえず、山ですよ、山。
今日の目的地は美ヶ原。日本百名山#52を、どさくさに紛れて狙います。
登山口は、三城(さんじろ)バス停。季節運行の美ヶ原行き2本のバスなので、この時季を逃すと、登れないと思った方がいい。
タデ河原コース。そういう名前だったかどうか忘れたけど。
道的にはハイパーよちよちコースですが、ふうたろうの身体は鈍りきっているので、たったこれだけの道でも息が上がってしまうのです。天候を度外視してでも、トレーニングコースを作らねばなりません。
ウツボグサ(シソ科)です。アブ系の虫がとまっていますが、その光景は至る所で見られます。
サワギク(キク科)でしょうか。一瞬、沢なんかあったかな、と思ったけど、近くで沢の流れる音がしていたことを思い出しました。地形と花との相互関係ですなあ。
道がシッカリしています。ハイパーよちよちコースたるゆえん。でも、それにも増して、ふうたろうは、ウルトラスーパーよちよちモード。
天城の彼の人にこの写真を送ってみたところ、チダケサシ(ユキノシタ科)だろうかと言っておりました。
しかし、いつもの悪い癖で、葉っぱの情報を入れ忘れたため、不明のままです。これに似た花は、3種類くらいあったと思います。
これは下界でもしばしば見かけるホタルブクロ(キキョウ科)ですな。日が陰ってきて、暗い。
動物の糞にたかる、ガやチョウの仲間っぽい。しかし、ウンコにたかるガとかチョウは、初めて見ました。
ヤマオダマキ(キンポウゲ科)です。一般的にオダマキといいますけど、オダマキは属名だそうです。キンポウゲ科オダマキ属。
尾瀬で、ミヤマオダマキを見たことがあります。
さっきのチダケサシの蕾でしょうか。それとも、違う植物?
近くに、カラマツソウの仲間が生えていましたが、光量が足りなくて撮影できませんでした。
ミネウスユキソウ(キク科)でしょうか。ウスユキソウにも種類があります。
非常に判定が難しいけど、葉柄の色ではアマドコロ(ユリ科)、でも、季節的に判定すれば、オオナルコユリです。ユリ科アマドコロ属。
廃墟になった小屋が現れました。休憩できるかと思ったけど、もぬけの殻でした。
これもまた判定の難しい花ですな。ハナニガナ(キク科)でしょうか。花びらの枚数的に。キク科ニガナ属。
この手まりみたいなやつは、アザミ類の蕾です。アザミはまだ殆ど開花していませんでした。
歩いているうちに空が曇ってきました。絹層雲から高層雲になって、あからさまに下り坂っぽくて。樹林帯が余計に暗くて、テンション下がりまくり。
花の写真が多いのは気のせいではないのです。接近戦なのです。
よく見たら下の方に葉がぼやけて見えますが、オオバギボウシ(ユリ科)でしょうか。細かい分類までは、本当に判らない。ユリ科ユリ属。
シダの方がメインに写っているみたいですが、恐らく、シロバナニガナ(キク科)でしょう。谷川岳では黄色のハナニガナと一緒に咲いていました。
ようやく少しずつ展望が開けてきたと思ったら、空は絹層雲というか、高層雲に覆われているんですもの。ゲッソリ。
俯いて撮る花はよくありませんな。やっぱり、晴れた空の下、空を仰ぎ、足元を見つめる山歩きをしたいものです。
ハクサンフウロ(フウロソウ科)です。断定するのも何ですが、道行く山人もそう言っていましたということで。
これもきっと、チダケサシでしょうね。蕾の状態の時と、様子がガラッと変わるのですよ。
晴れていたら、ものすごく見晴らしのいいところなんだろうなと思いながら、歩いています。
枯れたレンゲツツジでしょうか。枯れているので、花に茶色の斑が入っています。
コウリンカ(キク科)でしょうか。あまりたくさんワッと生えてこないので、ちょっと寂しい。
クガイソウ(ゴマノハグサ科)の蕾でしょうか。暑さで参った古峰山(新潟県)で見かけた、オカトラノオ(サクラソウ科)みたいな形に見えますが、全然違う存在みたいです。
生物相的には、草原になりました。嗚呼、本来であれば遠くまできれいに見渡せる。
まだ3分の1通過していません。
ツツジの仲間なんでしょうけど、花がとにかく小さくて、木本の図鑑がないので、判らない。
判らない。恐らく、バラ科キジムシロ属の植物でしょうけど、特定できません。
花調べもいよいよ詰んできました。判らない。何科の植物かさえも解らないっ!
キキョウの仲間っぽいですが、同定できません。紫色のやつです。
シシウド(セリ科)の仲間のようですが、同定できません。やっぱり、花は花を目的に探さないと、無理かなあ。
美ヶ原高原は、2000m付近が草原です。それが維持されているものなのか、自然にそうなっているものなのかは判らないけど。
美ヶ原最高峰の王ヶ頭(おうがとう)はすぐそこです。松本市内からでもこの電波塔は見えていた(と思う)。
王ヶ頭に到着。1時間40分ほどで到達しました。ウルトラスーパーナマクラふうたろうにはかなり堪えましたが、着きました。
ハクサンフウロですね。王ヶ頭の碑のある近くにありました。道行くおっちゃんが貴重そうに写真をば。そのおっちゃんに、ハクサンフウロを教えてもらったのです。
テガタチドリ(ラン科)でしょうか。確か、後述のおばちゃんが教えてくれました。本来はこんなに薄い色じゃないんだけどねえ…とか。
多少ハラが減っていましたが、山頂でマッタリするのが好きなので、しばらく写真などに明け暮れていました。
王ヶ頭ホテル前に、休憩所があります。そこで、昼飯にしましょう。
昼飯はお約束の辛ラーメン。フリーズドライの具が少し入っているのですよ。
今日はスープまで飲み干せませんでした。何だか、体調ビミョーです。
青い空に小鳥が大量に飛翔していたのですが、星の写真を撮ったときと同じように、CCDのゴミみたいになってしまいました。
美ヶ原東方面は、低い雲にさえ覆われています。あまり向こうには行きたくないなあ。
王ヶ頭ホテルの広場から、北を見晴らしてみました。雲で覆われていなければ、四阿山とか見えるんでしょうね。
四方晴れたので、きょろきょろしながら、写真の枚数が稼がれていきます。さっきの絹層雲(高層雲)は八ヶ岳の方にいってしまったようです。
草原の向こうに針葉樹林。ってことは、やっぱり刈り取られたのかな、針葉樹。
やべっ!
美ヶ原にまで来て、またもやスーパーヤブ漕ぎの刑になるところでした。
ところで、ここが王ヶ鼻ってことはありませんよね?
ええ、違いました。工事現場みたいなところじゃなく、ちゃんと展望台みたいな岩場でした。
王ヶ頭の雑踏より、こちらの方がいいんでしょうね。みんなここに結集しています。チャリで登ってきた兄ちゃんらとか。
松本市が一望できます。朝だったら、もう少しガスが少なかったか?
美ヶ原の南斜面は、何気に断崖絶壁。ふうたろうが三城から登ってきたことを知った人は、褒めてくれていましたから、ふつうはあまり登らないのでしょうね。
このあと、ずっと縦走してしまおうかと思いましたが、時間的にも体調的にも諦めることにしました。美ヶ原美術館方面へGo!
また王ヶ頭が見えてきました。王ヶ鼻までの片道は20分くらいらしいです。
イタドリっぽい草がたくさん生えている横を歩きました。電波塔が目立つ。
王ヶ頭ホテル前を再び通過していると、考古学者みたいなオーラを放った夫婦連れのジーサンに話しかけられました。
「生物系か、地質系か」
やぶから棒になんかと思えば。地質系ですが何か。
いや、今日の写真を見ていれば、生物系ですよね。うそつきふうたろう。
岩山が好きなのですよ、ふうたろうは。岩登が好きなんじゃなくて。
…と、この看板の前後でそんな感じの出来事が起こったのでした。
遙かに続く草原。何だか体調がビミョー。スポーツドリンク飲んで美術館まで行かないとね。これがもっと険しいところなら、ビバークか、下山しながら考えるか…。
さっきの美ヶ原の看板を過ぎてしばらくしたところで、ミネウスユキソウやテガタチドリなどを教えてくれた、中高年の山好き夫婦と出会いました。
晴れたり曇ったりを繰り返しながら、牧草地広がる中を突き抜ける砂利道を歩きます。60個の百名山を登ったというふたりは群馬県在住だそうで、東北地方は制覇したらしい。たくさん山の自慢話を聞かされたので、当然、行きたくなりました。とにかく、鳥海山と早池峰山は素晴らしいらしい。
遙か彼方に美ヶ原のモニュメントがあるみたいですが、名前すら忘れました。願いのなんとか…って?
だって、飯豊山の情報をいただいているところだったんですもの。
この、山本小屋というところで、ふたりと別れました。美術館までもう少しです。嗚呼、名残惜しい。
牛伏山というピークまで、ほんの少し上り坂。ヒール靴の人だって歩いています。来る場所を考えないと、さすがに怪我すると思うけどなあ。
王ヶ頭まで見渡せる平原。こういう地形は、案外見る機会が少ないかもしれない。
隣でカップルがいちゃついていました。
「さっきまで寝ていたよ。」と笑いながら言っていた岡谷から来たという兄ちゃんがいました。てっきり車なり休憩所なりで寝ていたかと思ったのですが、岡谷ってことはまさか、本当に家で寝てて、さっきここまで来た?
牛伏山から美術館までのコースタイムが30分と出ていたので、兄ちゃんと話していた15時37分、焦りました。携帯の時計が目に焼き付くほどに。バスは16時30分が最終。
木道をカメラ抱えて歩きました。
前から、迷子を捜しているかのような、バスガイドさんっぽい人が歩いてきました。
元々、高層湿原だったのかな、ここ。沼みたいなのが埋まったようなあとですよね、これ。
手つかずだった頃の美ヶ原、どんなだったんだろうねぇ。
げっ!
ちょっと待て、ここまで来て行き止まりってこと無いよな!
…ええ、ちゃんと木道は右に抜けていました。焦ったぜ…。
美ヶ原美術館は、実は、産経グループが建設したものらしい。フジのマークがデカデカと描かれておりましたさ。でもなんで、フジサンケイがこんな所に美術館なんぞ?
ふうたろうは松本まで下山しました。例の、100%キャンセル料を取られることになった、スーパーホテルに、ぶっきらぼうに金を置いてきたあと、変わってしまった松本の風景を眺めていました。
この西口って、たった10年前は、こんなに近代化していなかったんですよ。
ガラス張りになってしまった松本駅。ふうたろう好みではないなあ。
今日も少しだけ夕焼けになっていましたが、昨日の所沢の空にはかないません。空を見るなら、松本の市街地より、所沢のふうたろう展望台付近の方がいいなあ。
このあと、あずさに乗って、22時半頃に家に着くように帰りました。まあ、車内でも色々あったけど、今日は長いから、もういいや。
92枚も写真を貼ってしまって、花も調べたので、だいぶ時間がかかりました。
#52美ヶ原クリア。
天気:晴れ時々くもり(長野県松本市・小県郡和田村・武石村)