青空のありがたさ(飯豊連峰中北部:山形県・新潟県)
昨日の夜(?)は17時半頃に寝袋に入っていました。それから約10時間以上、寝袋の中で気色の悪い悪夢にうなされながら、何度も目が覚めながら、最終的に起きるべき時刻になると眠いというありえない話。
とりあえず、とっとと湯を沸かして、朝飯。そういえば、タンパク質が足りてないな、と思ったのは、3日目の今日だったりする。
御西小屋は大日岳(飯豊連邦最高峰)から最も近い山小屋で、飯豊連峰最奥地点(小屋番のじっちゃん談)らしい。ふうたろうも最奥で眠る(眠れなかったけど)とは何とも素晴らしいことじゃないか。
…って、オイ!!台風8号の残りっ屁・温帯低気圧は過ぎたんとちゃうんか!
とりあえず、信じられないくらい、曇っていて、まだ霧雨が降りまくっています。昨日の風雨に比べたらマシだけど。
大日岳への道のりは、ムダに辛いものになっています。展望がない、足元びしょびしょ、風が強い、寒い。
大日岳には56分で着くという、驚異的なスピードでした。予定コースタイムは2時間です。
でも、空荷で、見るものが何もなければ速いもんですよ…。
ふうたろうの霧雨で曇りきった眼鏡は、青空を認識できないまま、大日岳の標を捉え、記念撮影。
曇りまくっていますね。
諦めて帰ります。何だか、谷の方(昨日歩いてきた方角)が少し晴れてきているようにも見えるんですが…。
ところで、ふうたろうの身体が汗と湿気でエラいニオイしているからって、ハエがよってたからんでもええがな。
大日岳から御西小屋に戻ってきて荷物を整え、8時過ぎ、小屋を共にしていた数人と共に出発。
しばらくして、天狗の庭。
これだけ曇っていたら、もうどこでも同じに見えます。
でも、基本的にはくもりです。
うおーーーーー!!!
がすーーーーーー!!!!!
御手洗の池だそうです。
しかし、お手洗いするにはあまりきれいな水ではないというツッコミをしておきたいです。
天気は晴れたりくもったりを繰り返すようです。何気に、情景一致ですね。
ところどころ、雪渓が残っています。利尻山でもほとんどなくなるらしいのに、飯豊山はスゴいね。
深い谷。雪や雨水が削って作っていくのだろう。
とりあえず、ガス晴れてください。
これは羅臼岳かどこかでも見たことがあるような気がします。後述。
ニセピークで休んだ後、再び上って烏帽子岳到達。やっぱり微妙に雲が晴れない。
梅花皮(かいらぎ)岳に着きました。ここで、ふうたろうと抜きつ抜かれつしていた、京都の単独行の彼に、完全に抜かれました。
また、ふうたろうと同じ頼母木(たもぎ)小屋まで行くという父と子と出会いました。この親子は梅花皮小屋でお別れでしたが…。
梅花皮岳から梅花皮小屋への下りは、けっこうあります。ガスで見にくいのは、人によっては功を奏すかもしれません。
左にうっすら梅花皮小屋。飯豊連峰にある小屋の中で、最も大きい小屋ではないでしょうか。
梅花皮小屋から梅花皮岳を見上げますと、なかなか壮観なのですよ。朝夕はきれいでしょうね。
昨日の昼は袋の焼きそばでした。袋焼きそばは汁が出なくていいのですが、やっぱり温まるものと言えば、ラーメンですよね。
しこたまハラが減って、喉が渇きまくるので、牛のように食ってから水を飲みます。ここは水の出がいいので、飲み放題。
でも、どこかからポンプで汲み上げているのかな。
石転び沢と呼ばれる、厳しいルートが、梅花皮小屋から麓の飯豊温泉まで続いているようです。上ってきた勇者がいるようですが、バテバテでした。
梅花皮小屋と梅花皮岳。確か、パンをくわえながらカメラを構えていたような気がする。
梅花皮小屋から直登の北股岳。上りはたぶん屈指のきつさじゃないですかね。でも、長くないのでそれほどバテることもありません。
そして、上りきっても、晴れませんでした。
そろそろ、門内岳。手前にやぐらっぽいものが見えるのは、なんだろう?
奥に小さく見えるのが、門内岳の上にある神社です。
門内小屋。あまり大きな小屋ではありません。できれば、頼母木まで、やっぱり行きたい。水場も近いらしいし…。
門内小屋のテント場は小屋から10m(高さ)くらい下ったところにあるようです。
御西小屋で一緒だった初老の夫婦はここでテント泊。ふうたろうはお別れをしました。
胎内山、と書かれた標がドスンとあるだけの、しょぼいピークです。笹薮に覆われています。
そんなところで、呑気に水を飲んだりして油断していたふうたろうに、景色が一変しました。
飯豊連峰中部の方も見え隠れしています。
スゴいですな、14時半を過ぎた頃から急に、です。
テンション上げて写真も撮っていきたいところでしたが、ちょっくら事件がありまして。小屋に着いたら述べましょう。
北地神山に着いたらもう目と鼻の先です。
でも、ここで油断したら…。
草原の中を優雅に駆け抜けて…
なんて状態ではないのです。
実は、雨でふやけた右足がエラいことになっています。これは、でも、さっきのちょっくらした事件ではありません。
道がないらしいけど、この先はどうなっているんでしょう。頼母木山北の分かれ道右方向?
着いた!!
今日は6時半頃から歩き始めたので、トータル9時間半。いや、よく歩いた。
で、さっきのちょっくら事件は、頼母木小屋を使おうとしている人たちが、さっきの胎内岳付近で「騒ぎます」とふうたろうに宣言していたことだったのです。山小屋で騒がれたら寝られやしないぞ、と。
ふうたろうは結局テント泊を選んだのですが(テントも持ってきていた)、実際はそんなに不安になる必要もなく。仲良くなってしまえば、それほど大きな問題になるものでもなく。騒ぐと言っても、みんな結局21時前には寝たみたいですから、問題があるわけでもなく。アホの空回り。
それより見てみな。雲が晴れて、頼母木山がきれいに見えているぞ!
幻の杁差岳(えぶりさしだけ)は、まだその姿を完全には見られないようです。
頼母木小屋の看板と洗濯物。隣のテントの兄ちゃんが竿代わりに使っています。
トイレが変わっています。
まさか、人力発電ってことはないですよね?
どうやら、バイオトイレの攪拌を人力でやるみたいです。前に20回、後ろに10回。
みんなで晴れたことを喜んでいたら、幻の杁差岳が見えてきました。今日、あの向こうの大石ダムから上ってきたおっちゃんがいました。
西に傾く太陽に照らされたふうたろうのテント。
フライとかをみんな使うみたいだけど、ふうたろうはよく解らない。無くて困ったことは特にないし。
遙か北北東に朝日岳。
…という結論に至るまでに、何人の山男が議論したことだろう。5~10人がふうたろうの地図を見ながら、鳥海山?月山?蔵王山??とか。ふうたろうもさすがに蔵王はないだろうと思ったけど、先輩方の意見に耳を傾けていました。
結論的には、方角からして、朝日岳ということで落ち着きましたが、蔵王山と言っていたおっちゃんはバツが悪そうでしたな…。
違うおっちゃんが、西の空に目を向け、二王寺岳(にのうじだけ)を教えてくれました。素晴らしい景色です。
杁差岳も夕日に輝いています。
西の空を見過ぎて、目がくらんでいます。
あふれ出た蒸気が西から東へと移動しては消えていきます。右から、杁差岳、鉾立峰です。更に左には大石山があります。
便所の側にそっと咲くフキの仲間。夕日に照らされて輝いている。
っていうか、ビミョーな取り合わせですよね。
こんな空は、かつて見たことないですね。空が眩しくて見ていられないなんてことはなかった。
みんなでこの空を見ました。小屋の中で騒ぎますと宣言していたおっちゃん、ビールを持って出てきてしまったと。飯豊でこれほど晴れたことはない、と。
これを見られただけでも、ふうたろうは来てよかったのだと思います。
小屋番のおっちゃんにそそのかされて、頼母木山に向かって少し登り始め、そこからの夕日を撮ることにしました。スリッパで行ったのは失敗でしたが。
小屋の窓まで輝いていたので、びっくりしました。今のカメラでは撮りきれない。
そして、日が暮れたら新潟市の夜景。大きい街なんですね、新潟。
ふと、新潟市が原爆投下の対象になっていたことを思い出したりしました。
今日の行程、序盤から中盤はさっぱりでしたが、終盤、驚きの回復を見せましたね。天気。お陰で、終盤で写真、ものすごい数撮りました。本当に、頼母木小屋まで来てよかった。杁差岳も見られたし。おっちゃんたちはおもしろいし。
明日はいよいよ、杁差岳に登って下山しますが、小屋の中で飲んだくれていたおっちゃんの一人にそそのかされて、彼が登ってきた道を下ることにしました。そう、大石ダムコース。これを下れば、完全縦走になるのです。長いぞ!覚悟はいいか。
天気:くもりのち晴れ、朝のうち強風を伴った霧雨が降る(新潟県新発田市・岩船郡黒川村・関川村・山形県西置賜郡小国町)