これが6月の山なのか…!?(笠ヶ岳笠新道コース:岐阜県)
なんだろう、昨日の夜は星空が見えていて、かつ晴れの予報だったのに、何だかものすごく雲が多いですよ。
4時とかに目が覚めても、あまりに曇っているので、ふて寝してしまいました。
テントを張ったのはこういうところ。発電所の施設の一部でしょうけど、夜遅くに来て朝早く発つのであれば、これほど立地条件の良いテン場はありませんな。まあ、闇テンですが。
それにしても、恐ろしくマズいインスタントラーメン。妙に泡立ってるし。ただでさえない食欲が、更になくなりました。
まずは歩いて数分のはずの笠新道の登山口目指します。ツツジが咲いていますなあ。
後ろから朝一で来たであろうふたり組の男性が。笠ヶ岳か双六岳か、どっちだろう。
笠ヶ岳登山口、あっさり見つかったように思えますが、少し前に変な道が何本かあります。地図はその変な道のことを笠新道だと表記しているので、迷う迷う。なんで、いつも、下界で迷うんだろう。
ニリンソウ(キンポウゲ科)でしょう。群生しているところを見た方がいいですよね。
ギンリョウソウ(イチヤクソウ科)の芽です。嗚呼、そういえばそういう時季ですね。
オオバユキザサ(ユリ科)でしょうか。ちょっと曇っているし樹林の中だしで、暗い。
明るい山野に生えると、図鑑には書いてあるけど、ふうたろうのいる暗いところに生えているチゴユリ(ユリ科)です。たぶん。
登山道の様子はこんな感じ。一応この辺りは雪なんてありませんが…。坂、猛烈にキツいです。
イワカガミ(イワウメ科)ですね。イワカガミを普通に見られる頃に山登りができる、今の自分に少し誇りを感じなくもない。高校生の頃は、図鑑でしか見たことなかったし。
樹間から焼岳などが見えていますが…
それより、時々、急坂のしんどさのどさくさに紛れるかのように小雨降るのやめてほしいんですけど。
この看板、高さが50m前後狂っています。この1800mまでは、看板の方が50mくらい低いです(GPSで確認)。
西穂高岳から北にある穂高連峰はみんな雲の中。やっと樹林が切れてきたのになあ。
開けた斜面の道。つい最近まで雪が積もっていた形跡があるけど、こんな所に雪がへばりついていたら終わっています。
若干青空も見えています。まあ、今日は大きくは崩れないでしょう。それでも、関東地方ではビミョーらしいですが。
ここで1920mの看板。GPSでは1936mを指しています。杓子平までで半分だって。まだ半分かよ!!
そして遂に雪渓が現れました。ここから、アイゼン着用。ただし、断続的なので、脱がなければならない場面もあるかもしれません。
雲間から光が差してきました。これがどちらに転ぶのかなあ。晴れてくれればいいですが。
2000m前後から雪渓が出てきて、徐々に残雪がいやらしくなってきます。そういえば、途中で抜かしたあのふたり組の男性、同じ笠新道を上がっていたけど、全然追いかけてこない。諦めたかな。
でもこちらはまだ曇っていますし、このびっちりとくっついた雪が悲惨です。
おっと!槍ヶ岳が見えてきました。今日あそこに登っている人、いるでしょうか。
雪庇がまだまだすごい笠ヶ岳の稜線…よりもずっと下の杓子平の縁。
天気は回復傾向。しかし、ふうたろうが今直登しているところ、最悪のコンディション。
やっと杓子平まで辿り着きました。とりあえず、この雪庇の右側に行けば、その杓子平が広がっています。
杓子平からは、さっきの急坂に比べたらずっと楽になるでしょう。天気もよくなってきたし、景色見放題。槍ヶ岳の方、よく晴れていますね。
しかし、楽になったと思ったのはつかの間。この展望は罠です。いくら歩いても、あの抜戸岳(ぬけどだけ)と思われるピークが全然近づいてこないですよ。しかもあれがニセピークだったら死ですね。
槍ヶ岳の方はもう完全に晴れています。空が抜けるように青く、山々が輝いています。
笠ヶ岳と、明日下山路にする予定の、クリヤ谷コースの稜線。まだまだ雲が多いけど、さっきに比べたらずっと良い。
後ろを振り返るとだいぶ歩いてはいるはずです。さっきの直登を終えたところがもうあんなに遠いのですから。
槍ヶ岳の方の展望がいいので、そこばかりに目がいきます。っていうか、つらい坂なので、そんなものでも見なければやってられません。
雪の斜面越しに笠ヶ岳なんか見えていたりします。とにかく、数歩歩くごとにゼーゼー。
嗚呼空が青いなあ(棒読み)。
お陰(?)で、太陽がぎらぎら照りつけて、猛烈に暑いです。
西鎌尾根が見えています。結構かっ飛ばして歩いたっけ、雪なかったからね。
前に一人歩いている人が居ますが、豆粒です。結局追いつけませんでした。
向こうに見えている山はどうやら黒部五郎岳。やっと、抜戸岳の肩に到達しました。あ"ー疲れた\(゚皿゚;)/
抜戸岳のピークは、何気に笠ヶ岳と反対方向数十メートルにあったので、見捨てました。さっき前を歩いていた豆粒の人はそっちの方に行ったみたいですけど。
この稜線、この手前のガレ場を除いたらその先ずっと雪っぽいですが?
抜戸岳の方を振り返ってみます。あの日高幌尻岳思い出しますね。マルッキリ冬山ですがな。
岩に雪庇の形で雪がこびりついて固まったもの。乗っても大丈夫そうだけど、ここはどうやって越えたんだっけ。いや、この岩かハイマツの右側は切り立ってて歩けなかったような気がする。
ここまで来るのに相当かかったけど、笠ヶ岳のピークがかなり近くなりました。あとは手前の細い雪道の上り坂を越えるだけですか。
なんか、ふうたろうのいる辺りだけ曇ってない?稜線だから風吹いてきて寒いんですけど。
さっきの難所は、意外とあっさり越えました。五竜岳でさんざんひどい目に遭っていたので、あのつもりで飛びかかれば、結構マシに感じます。
右手に見えるのが笠ヶ岳山荘。もうすぐそこなのに、晴れた砂漠でもないのに蜃気楼のように逃げて行きやがる…。
がぁ…、着いたぁ(゚Д゚;)
当たり前とはいえ、小屋がまだ雪に半分以上埋まってるって、スゴい。これが6月の山なのか!?
冬季小屋というのが裏手にあります。冬でも避難小屋のように使える物置みたいなのが。
でもね、雪でドアが半分埋まってて、開けられないの。(;¬Д¬)
まあ、とりあえず、曇ってるし展望なんか期待できないから、テントでも張って、飯でも食いましょう。まだ15時だけど。
ちょっとカレーの飯が多かったので腹が苦しいです。牛になるの覚悟でゴロゴロしながら、牛肉なんか入っていないカレーがある程度こなれるのを待っています。
DSのドラクエでメタルキング狩りをしながら晴れるのを待っていると、夕方になるにつれて青空が多くなってきました。笠ヶ岳の上にかかっていた雲も青空に徐々に取って代わります。
17時頃にもなると、上昇気流が止まるせいなのか、雲の量がグンと減りました。うん、そろそろカメラ持って歩き回る時間ですよ。
テントを張っているところからは、穂高連峰と、歩いてきた抜戸岳方面の稜線がバッチリ見えます。ここ笠ヶ岳はもう雲から完全に抜けました。
おっと!なんか横をもそもそと動く奴がいるなと思ったら、ライチョウではないですか。こいつはメスですか。
こいつはオスですか。
しかし、ライチョウは所詮は鳥ですか。雪踏み抜いて時々よろけています。光岳で見た時もそうだったけど、ライチョウって意外と鈍くさいのかなあと。
それにしても、いつも近寄ったら逃げられるふうたろう、雪の上に散らかっている虫を食べ続けているライチョウには逃げられることはありませんでした。
って、ここまで来てまさか、こいつらがライチョウではないというオチはないよね?
ちょっと、笠ヶ岳山荘裏の小高い丘に上がってみよう。ガレ場で足元注意だけど、眺めは良いですよ。
太陽のスポットライトに照らされ、ちぎれ雲たちの華麗なるダンス。
笠ヶ岳の表情はスポットライトの色で少しずつ変化していきます。
抜戸岳の稜線、さっきのやつと見比べてみて解ることだけど、太陽の色に燃えていますね。
今回の夕日の写真、絞りを大きく絞って撮ってみました。絞りというものが写真に与える影響の大きさをここで初めて知りました。そして、その結果、ふうたろうのカメラ、画像素子がホコリだらけであることも判明。斑(ふ)の入った写真に悔しさがにじみます。
そういえば、この空、飯豊山の頼母木小屋からの風景を思い出します。
ここには日本海はないけど、日本の低地を覆う日本雲海が広がっています。
抜戸岳の稜線、アーベンロートです。ああなんて贅沢なんだろう…。カメラさえ不調でなければ…。
そろそろ宴も終わりの頃。赤紫色に輝く笠ヶ岳。この見事なアーベンロートも、雪解けとともに見られなくなってゆくでしょう。
今日は予定通り、笠ヶ岳山荘まで来ました。いくつかの難所はあったし、踏み抜きでアイゼンをズボンなどに引っかけたりもしましたが、なんとか事故も怪我もなく、到達しました。
しかし、夜になってすぐ、テントの中がキラキラしていると思ったら、水滴が凍っているではないですか。6月に氷…!これが6月の山なのか!?寒い、寒すぎるぞ。
さあ、明日は山頂を通ってクリヤ谷コースを下山しますよ。
それにしても、カメラヤバい。CCDがこれほど汚れていると、写真がまともに撮れない。
天気:くもりのち晴れ、午前中小雨ぱらつく(岐阜県吉城郡上宝村)