事故処理へ(一切経山【慶応吾妻山荘・家形山コースほぼピストン】:福島県)
「便所の貧乏神様」降臨から連続している時間の中で、ふうたろうは再び福島を訪れます。今年何回福島県に流れてきたかもう判らないですなあ…。
空は、天気予報で下り坂と言っていたように、薄雲がウヨウヨしています。あまり気に入りませんが、今日は3月11日の遭難時に放置してきた荷物を回収することが目的なので、文句言ってられません。そのために今日は無理言って休みをもらったのですから。人の多い休日に行くのは色んな意味で辛いですからね。
さあ、昨日から開通したといわれている磐梯吾妻スカイラインで浄土平までタクシーで特攻するのですじゃー!
ん?(・ε・;)
ヌオッ(゚皿゚;)
磐梯吾妻スカイラインは、16時半~8時半まで通行止めだそうです。今何時?
6時半です。
タクシーの運転手は何となくぶっきらぼうというか、あまり一緒にいて楽しい人ではなかったけど、せめてこの通行止めの情報くらいは知っていてほしかった(←責任転嫁
知っていれば、タクシーに乗らずに別の方法を考えていた…か?
タクシーで8時半まで待つとか、ただのマヌケでしかないので、自分の足で登るんですよ。ゲートからだとスカイラインの車道を数百メートル歩いて登山口に至るのがベストでしょう。
どう考えても損した気しかしないのでイライラが収まりません。しかも、さりげなく靴下(登山用厚手)忘れてるし(滅滅滅
荷物は空荷に近いので、それでも楽に登っています。まあ、気持ちは25kgくらいの重さあるけど。
しかしね、なんのためにこの4月になるまで待って、平日に休みまで取ってきたのか解ってるのかと。ホントに現在進行形で犬死にしています(滅滅滅
無用の長物(`皿´)磐梯吾妻スカイラインをかわすように登山道が走っています。ふうたろうはしっかり登山していますああ奇特だなあ(歯ぎしり
似たような景色の中を登っていくことになります。景色そのものは悪くありませんが、荷物が気がかりで気が急きます。
少しオープンな場所に出ました。景色は下りでも見ることになるでしょう。イヤでもね(じと目
しかし、ウルサいほど慶応山荘のリボンがぶら下がっています。こんなたくさん要らんでしょうが。
天気はこの上なくいいので、登山としてはストレスなく歩けます。しかも、雪のしっかり締まっていて踏み抜きませんし。
さて、この辺りからふうたろうはいつものように道なき子の人生やりますかな(黒笑
本当は25000分の1の地形図を持って進みたかったけど、残念ながらこれから取りに行く荷物の中(残っていればの話ですが)に入っています(涙
とりあえず昭文社の地図とコンパスで進んでいます。
正規ルートの方はここまでの展望はえられません。そもそもトラバースルートなので、雪庇もありません。
植物体を踏まないように、慎重に進むしか…そして、岩の上を飛びます。
なお、平らな尾根なので、このコースは簡単ではありません。変な尾根に入り込めば帰らぬ人になります。
程なくして慶応吾妻山荘近くの平原に出てきました。昭文社の地図だけでは地形を把握できず、辛いです。
しかしこの平原最高です。慶応吾妻山荘に泊まりに来て、東吾妻山域一帯を総なめしたいものです。
慶応吾妻山荘はルートから外れていることになっていますが、雪があればすべての場所が道として使える可能性を持っています。道なき子の人生万歳(恍惚
この辺りから正規ルートと合流します。ま、ここまで雪があると何が正規なのかよく判りませんがね。
吾妻山の裾野と福島市街が見えます。…が、なんだかさっきより鬱空度が上がってきましたね…(Θ_Θ)
それでも天気は上々、なかなか坂が急なので大変ですが(アイゼンもピッケルも使っていない)、ズカズカ進みますよ。
展望は抜群。新緑が萌えてくるともっとすごいことになりそうです。
春の鬱空に戻りましたね。さっきの道なき子の人生やってたときは、朝日連峰もガッツリ見えるほど澄んでいたのに。…むしろ春であることを疑うほど、ね…。
どうやらこの尾根を進んで一切経山すぐ北にある五色沼の縁に至るようです。
そして、五色沼の北側の縁に到達。今は凍っていますが、「五色」と言うからには時間帯によって色が変わっていくのでしょうね。思えば、火口原湖にはそういう名を冠したものが多いような気がします。日光白根山にも五色沼、ありましたよね。裏磐梯にもあったかな。
この碑に、遭難で亡くなった仲間の追悼と小言が書かれています。
「山を愛するものは決して山で遭難してはならない」
まあ、正論だけど、遭難したくてする奴はこの世にはいない。人間すべてを予見できれば、社会悪なんてとうの昔になくなっている(それを駆逐する人間が多数派になるため)。
ふうたろうも奇しくもここで遭難する前までは、遭難なんてよほどテキトウなことしている人にしか起こらないと思っていました。が、色んな要因が重なって起こるのが遭難だと、自分がそうなって初めて知りましたから。
見る角度で構図の変わる風景です。あの真正面の堂々たる山が、ふうたろうをけちょんけちょんにもてあそんでくれた一切経山です。
ここからは3月10日に歩いた道です。でも、あの猛吹雪の時とは風景も気分もまったく違います。同じ場所とすら思えないほどに。
今のところ足跡はふうたろうのもの一つ…。やっぱり、人でなし街道まっしぐらなんですかねー
あの3月10日はブリザードだったところです。いや、同じ場所だというか、同じ地球だとさえ思えないかも(笑
F値をかなり上げて撮っていますが、ゴミが映り込んでいないというすばらしさ。実はこないだピンクの納豆容器と一緒に秘密道具を手に入れたのです!
ふうたろう、ツボ足ピッケルなしで歩き続けています。アイゼンくらい履けばいいのですが、裸地もあるし、履くのめんどくさいし、一応歩けるからと思っているうちに、もう山頂直下(笑
この辺り、覚えていますとも。あの岩、あの辺りから雪が吹き飛ばされて積もらなくなってきて、10cmの岩を垂直に投げたら坂を駆け上がっていくようなオゾマシい経験をすることになったのですから。
元々この辺りに雪が少ないのは、やはり日常的に風が強くて、冬型などで低気圧が発達したときには暴風雪になっているからでしょう。
そしてあの日、暴風に引きちぎられそうになりながら辿り着いた場所…
もちろん踏めなかった山頂三角点。今回はさりげなく踏んでおきます。これで258個目の300名山です。
さて、山頂で遊んでいる暇はありません。登山者が意外とそこら辺にいたのでびっくりしましたが、気にしてられません。ザックを、あのとき置いたロープの遙か向こう側まで入っていって、回収しなければ!
ありました。そのままの状態で残っています。しかし、ここまでヤヴになっているところに置いていたのなら、そりゃ残っていますわな。
とりあえず、解体しましょう。110リットルのザックにみんな詰め替えますから。濡れているものは袋に入れ、100リットルザック本体も中に入れてしまいましょう。
しかし、荷物は入り切りませんでした。今日持ってきた食料やわかんなどの装備品もあるし、ここに放置した荷物の量もハンパないですから。そして、担いだときの子泣きじじいときたらもう…
こんなに重い荷物は担いだことがありません。とりあえず、次はピッケルを拾いに行きます。登山道付近に置いてきてしまったので、誰かが持っていったかも知れないけど…
いや、気を利かせてくれたどなたかが、杭にくくりつけていてくれました。けっこう錆びていますが、サビ取りをして焼けばイケる?
さて、山頂に戻ってきました。たった100mほどの緩い坂でしたが、この大荷物にかなり苦しい思いをしました。恐るべし、事故処理…
ゆっくりしてる暇はありません。今日中に帰宅せねばならないので、なんとしても帰りくらいはバスを使わないとすってんてんになってしまいます。
しかし、荷物が重い、重すぎる…しかも、同じ道を戻るというのがけっこう苦痛だったりします。
この道、確か来るときはまだ凍っていた気がしますが、今はぶよぶよにとろけています。かなりぬかるんでいて歩きづらい…
そして、五色沼の北の縁に上がるまで、緩やかな上り勾配と長い雪トラバースが待っています…
ここで一切経山と五色沼の展望とおさらばです。
じゃあねばいばい(棒読み
荷物が重い。雪道じゃなければ重さが直接脚にかかってきて大変だろうなあと思いますが、よく考えたら下の方は雪ないんじゃなかったっけ。
この辺からそろそろ右側に下っていくんですよね。急坂なんですよね(ため息
ここを左寄りに下ればいい。それにしても、下界が遠い…(遠い目
正規のルートは踏みあともイッパイ。道しるべのリボンもイッパイ。
当然壊れた橋なんか早池峰平津戸(略)よりひどいので雪のところを歩いて向こうに渡りました。さ、先を急ごう。
といっても、そんなに急げない。しかも雪がかなり緩んで、ハマります。だいたい、行きよりも荷物が30kgくらいアップしているのに、無事で済むはずがないという件。
帰りに振り返ってみようと思っていた景色ですが、荷物が重くて辛すぎてどうでもよくなっているという罠。
この辺りは来るときも通っているので目玉白く濁らせながら歩いています(滅
そして、スカイラインを横切って下り始めると始まる、ウルトラデラックスハイパーぬかるみゾーン。F=maという力学の公式がありますが、当然m(質量、aは重力加速度で一定)が50kgから85kgになっているわけですから、地面に対して水平方向にも1.7倍の力がかかるわけでして(滅滅滅
…その力に摩擦力が負けて、ものの見事にストーン ブッ¨:∴(゚ε゚;)と転けるわけです(証明終了・滅
登山口まで戻ってきました。ここまで来れば一安心か。
ふきのとうが生えていたので、どうせならサンプルとして集めて帰りますか。
無用の長物・スカイライン(怒)がクネクネクネクネ曲がってウザいのです。
そして、バス停到着。次のバスは1時間40分後だけど、まあ、そんなもんだよね(ヴォー読み
ハイランドホテル花月なつかしいなあ(棒読み
とりあえず、中であの日と同じアイスを食べて旅愁に浸っておきました。
そして、1ヶ月一切経山の暴風雪で熟成されたお菓子を食います。これも拾い食いというのかな(黒笑
それにしても荷物デカい。ピッケル2本とか、どこのヘンタイだ(滅
ん?(・ε・;)
ヌオッ(゚皿゚;)
…ここまで来る朝一のバス便があるじゃないか…(壊滅 今日は何のためにタクシーを使ってきたんだよ!しかも、あまり感じよくない運転手だったし(←八つ当たり
バスが来るまで暇なので、ここでも少しふきのとうを集めておきます。あんまり数なかったけどね。
バス停の裏の方には地図を見るとゴルフ場があることになっています。これ、そうだと思いますが、雑木が生えて、機能しているのかどうか怪しいんですが?
福島駅に転がってきたら、メシ屋。「さぼてん」とか「マクソ」とか興味の湧かないチェーン店がそろっていて大変助かりましただって残り一つの食堂以外悩む必要がないんだもん(ヴォー読み
なお、そこでメシ(エビフライ定食)食ってたら、変なおっさんが入ってきて話しかけてくるので、追い払っておきました。言動などが変わっているだけなら「個性」で済ませられるけど、関わられたくないとき(メシ食ってるときとか、疲れているときとか)にめんどくさいのはマジ排除。そんなところで迎合してもしょうがないから。
とまあ、後半は疲れることの方が多かったけど、荷物は無事回収できました。さりげなく一切経山も踏めたし、まあ、こんなもんですかね、罠も含めて。
#277一切経山クリア。遭難事故処理無事完了。
あ、100リットルザック本体は、110リットルのザックの中に押し込んで帰りましたが、もうあれはぼろぼろすぎて使うのがはばかられますので、帰ったら処分しましょうかね。
天気:晴れ(福島県福島市・耶麻郡猪苗代町、東北新幹線など)
ザック、ピッケル、そのままあったんですね。
回収、お疲れ様でした。
一切経山クリアで良かったですね。
テントとかって使えそうなんですか?
ピッケルは誰かに持って行かれていると思っていましたが、杭にくくりつけられていました。荷物の方はかなり分かり難いところにあったので誰も見つけてすらいないと思います(見つけられないように、スカイライン開通後すぐに来たんです)。
テントや寝袋、無事でしたよ。寝袋はヤバいかな、と思ったけど、いけそうです。