逆転負け(鍬崎山リタイア:富山県)
何となく夜行バスが富山駅前に着いて、何となく(ってほどすぐに見つからなかったけど)富山地方鉄道に乗って立山駅まで来ました。7時半。
しかし、ここまで来てなんと、スパッツを忘れていることが判明。雪山登るのに、しかも新雪三昧なのに、どうするんじゃと。
いきなりテンション下げながら今日の目標である鍬崎山に向かいます。まずはいつもの車道歩きから。
しかし、どうも近道へおいでと、この樹林尾根が手ぐすね引いています(違
立山カルデラを流れる川は真川というのでしょうか。そこにかかる頼りない地鉄(富山地方鉄道)の鉄橋が見えます。
地図を見るとこの辺に道が分かれているようですが、見当たりません。デタラメスペシャルというか、まあこんなもんです。
王道を進みます。さっきの近道以外、ここは昭文社の地図にも載っているルートですから。
ついに雪道突入。ここからふうたろうは裾を気にして歩かねばなりません。
発電設備のパイプラインのようです。地図を見るとこの上の方にある貯水池から繋がっています。
そのすぐ横の階段を上がっていくのですが、ふうたろうのザックだと狭い…
このハシゴがけっこう怖いのですが、それ故に写真撮り忘れました。
ハシゴを登って扉を潜ったらパイプラインの反対側に出て上昇を続けることになります。
次第に平坦な道のりになります。
実はふうたろうよりも前に上に向かっている人がいるようで、ふうたろうはそれを追いかける形になっています。
北東方向に奥大日岳が見えます。あそこも新緑の時などに登ってみたいですね。同じ北アルプスですが、笠ヶ岳山麓の新緑が忘れられません。
ふうたろうのいるところは新雪がどっさり。恐らくあの奥大日岳はもっとどっさりでしょうけどね。
さっきのパイプラインに繋がっていた貯水池。揚水発電…ではないか。普通の水力発電か?
しかし、特に厄介なところはなく、順調です。この調子なら山頂もたやすかろう…
ふうたろうは高低差を避けるために、トラバースします。しかし、あんまり楽にならないという件。
とにかく尾根伝いにどんどん進みます。大品山まで行けばあとは鍬崎山まで一気です。
空にうろついているちぎれ雲も少なく、小さく、なってゆきます。雪原が恐ろしくきれいです。
スパッツなし男はラッセル泥棒させていただいています。全部ではないけど。
冬に一瞬逆戻りした山の森がとても明るい。っていうか眩しい(じと目
踏みあとが右行ったり左行ったりすることがあります。そういうときは、ふうたろう自身の道を行くのみです。
こんなに天気の良い雪山はそう見られる物ではありません。しかし、ここ数週間、出血大サービスが過ぎます。きっと何かあるに違いありません。
さあさあ、どんどん進みましょう。テンションはいつの間にか回復。
ローパスフィルタの掃除をしておいたので、恐れずこんな写真も撮れます。しかし、露出がうまくできませんな。もっと修行しなければ。
1429mの小ピークに到達しました。ここに荷物を置いて一気に鍬崎山を取りに行きましょうか!
先行者のおっちゃんに追いつきました。そりゃ、ラッセルしていたのですから、追いついて当然です。しかし、おっちゃんはこの展望の良いニセピークで引き返すそうです。
これはクラックです。新雪に埋まっています。しかも、その新雪はいよいよ腐ってきていて、靴底に団子になって滑りまくります。踏み抜くし団子になるし、最悪の雪質に、突然足が止まるようになりました。
暗転してイヤなムードが立ちこめます。このまま同じような雪質が続けば、登ることは不可能です。しかし、どうも同じような雪質が続き、道は更に険しくなりそうです。
とりあえず、あの樹林帯の向こうにある1756mピークまで行ってから考えましょうか。
何とか這い上がってみたけど、その上はさらに平均台レベルの雪尾根。
…諦めるしかない。こんな腐った雪の上、何回滑落死してもおかしくない…。
そう思うと急に身体から力が抜けていきます。ええ、ちょうど去年のゴールデンウィークみたい。
急坂を下ります。人が下りた跡、雪玉が転がった跡、無数に付いています。
…本当はあれくらいの場所、プロなら容易に通り抜けられるのだろうな、とか思いながら引き返します。ふうたろうはザイルをまともに使えないので、どうにもならない…。
美しい雪原と影絵を前にして、暗くなるふうたろう。所詮は中途半端な独り身。
帰りは少しだけ通った場所を変えてみる。悪あがきにすらなってないけど、気持ちだけ慰めてみようと必死だったり。
…まあ、しんどがっているだけではしょうがないので、とりあえず今日は下山することを考えましょうか。
110リットルのザック、1429m小ピークに数時間置き去りにしていました。すまんかったの…。
雪が波打っています。少しの溝を見つけては流れる、雪の下の雪解け水のせいでしょうか。
気分が悪い…。とりあえず、ソラナックスを飲んでいなかったので、飲んでおきました。すると少しマシになりましたが、気のせい?
さ、大品山に別れを告げれば、あとはあとは粟巣野集落に向かって急降下です。
来るとき、こんなところ通ったっけ?それくらい雰囲気が変わっています。
ここは確か、雪が大量に積もって埋まっていましたよね?気温が急上昇したのでしょうね。
行きに撮れなかったハシゴの写真。何気に途中に枝が張りだしていて邪魔をするのです。
このスキー場を下れば、粟巣野集落に下りられるはずです。行きましょう。
スキー場の下の方ではふきのとうが大量にあったので採取していきました。もちろんアレです。
ところで、よく見たらこの網、すべて破れています。元々何があった場所なんでしょうか。
疲れているので超特急で下ってきました。真川大橋を渡っています。
立山駅について靴などを履き替え、荷物を整理したら、今日の夜帰ることに決め、バスのチケット等処理しました。ずいぶん余分な出費がかさみ、また凹みました。
このあと、富山駅まで戻り、3時間半ほどの時間を、ラーメン屋と銭湯とJRの待合室で潰し、夜行バスで帰宅です。
今日のリタイアはなんか、ものすごくがっかりです。
天気:快晴、朝のうちくもり(富山県富山市・中新川郡立山町・上新川郡大山町)
OK、コメント入りました。ありがとね。
無事が何より、次回のトライに掛けましょう。
次は新緑の時季にでも狙います。
コメントの方、了解しました。あとで確認します。