登らなきゃ解らないものだから(浅草岳【五味沢付近から雪中貫きほぼピストンコース】:新潟県)
ホテルの朝食は7時からとアホほど遅いので、フロントに置いてあった200円もする無駄に高いカップ麺を食べ、小出駅に止まっていた只見線7時20分発に乗り込みます。もっとも、平ヶ岳に行くときに浦佐の同系列のホテルに泊まったときは、メシがまずくてコンビニで済ませた方がマシだとか思った気もするんだけどさ。
あのホテル、マジでサービスの質悪い。そして、そんなに安くない(苛
とりあえず、前に進むしかありませんな。電車は後戻りしません。雲は非常に多いながらも薄日が差しているので、鬼の居ぬ間に洗濯の思いです。
電車が終点・只見駅の一つ手前、…大白川駅に到着です。田子倉駅はどうやら廃駅が決定したそうです。こうして、どんどん山へ公共交通でアクセスする方法が狭められていく。
思えば、歴代政権は自動車(企業)優遇でしたからね。エコカー減税、高速1000円(民主が出したと思われているようだが、政権交代前に自公政権がやったものだ)とか、もっと昔でいえば国鉄の民営化もそうかもしれない。ああ、十勝三股の自立型駅標(駅名書いている札のこと)の裏に書いてあったこと、思い出すね。
さて、メシもろくに食ってなくてリキ入らないけど、天気がいつまで持つかは未知数ですから、行きますかな…。
斜面の上には何かピンク色のものがありますが、全部カタクリでした。そうか、もうカタクリの季節か…。
大白川駅周辺は集落はありませんでしたが、少し奥に行ったところに集落があります。
今日はメシもろくに食っていない上に、心の中は空とは違って真っ青状態です。このところ、ずっとうかない毎日ですがね。
田んぼの畦に、カンゾウ(山菜になる!)が生えています。これも採取して検査したいけど、あからさまに人の土地だしなあ…。
道路のカーブに婆ちゃんと工事現場のおっちゃんがいて、声をかけられました。
ええ、ふうたろうは浅草岳まで行くんです。行ってきますね!
コンクリート製の立派なトンネル。…トンネルというのかな、こういうのも?
しかし、このトンネル、チョークで壁や天井に何かを書いたあとが、ある。まるで連なる山脈(ちょうど越後山地みたい)を描いたように。
…どうやら、コンクリートに入ったひびの長さと幅を表記しつつ、チョークでひびに沿って線を引っ張っているようですな。だとすると、このトンネル、ひびだらけですやん。よく崩落せずに済んでいるもんですな…
さて、山の神トンネルです。シューパロトンネル(北海道空知支庁、2310m)ほどの長さはないけど(600m)。
トンネルの向こう(東側)には破間(あぶるま)川ダムというのがあります。
ふうたろうの背丈の倍はある雪壁。立山室堂まで行かなくても十分です(何
この破間川ダムに浮かんだ氷を楽しむスポットになりそうですな。
空は薄日が差し掛けている曇り空だけど、晴れたらここもきれいでしょうね。
だけど、ここがダムだということだけは忘れちゃいけない。只見線で大白川まで来たときに破間川を右手に見てきた。傾山(宮崎県)の帰りにヒッチハイクさせてもらったおっちゃんの言っていたとおり、砂がたまっている。流速が落ちれば砂もたまる…
今は雪解け水で水かさが増しているだけですが、仮に…仮に、あの2011年7月30日の只見川の大水害が、あのおっちゃんの言ったとおりの話だとしたら…
でも、そんな証明、どうやってやればいいんだ?
素直に景色を楽しめば悩むこともないけど、耳を塞いでも聞こえる声がありますから。
…さあ、いよいよ登山口です。
あそこに雪が乗っかった橋がありますが、雪壁に阻まれていくことができません。あそこから登るのが本筋なんです。
雪壁の低いところから入っていきましょう。たぶん、ここは斜面を削って駐車場にしているんだと思いますけど…
ここまで歩いてきて、空に青さが戻ってきました。ふうたろうの心の青さは少し褪せました。
あの穴の下は沢が流れています。ということは、このくぼみを含む谷筋の雪はスノーブリッジです。
この辺りのコース取りはかなりテキトウです。でも、高積雲が多少張り出している程度、天気は、気休めとは解っていても、いい感じですから、赴くままにガンガン進みます。
ふうたろうらしい直登コース。まあ、急坂やアップダウンを避けるように歩いているのですがね。
この木を見た瞬間、頭の中をしばらく、「だんご3兄弟」が流れました(笑
ヌオッ(゚皿゚;)
ウルトラデラッ(略)ヤヴ漕ぎゾーンだった。
手をひっかかれたり
木に頭をぶつけたり
枝に金テキ食らったり(滅
…しました(涙目
9年前に買ったポンコツコンデジでトクワカソウ(イワウメ科)かイワウチワ(同)を撮ってみたら、ものの見事に後ピン(滅滅滅
両側切りたっていたので逃げ出せなかったウルトラヤヴ漕ぎゾーンから、何とか脱出。さあ、行こう(`・ω・´)キリッ
シュプールや踏みあとはトラバースしてるけど、ふうたろうの道なき子の人生コースはやはり直登でしょう(ぇ
守門岳がガッツリ。しかし、空の雲も増えてきてしまいました。残念です。
ふうたろうの踏みあと。アイゼンも、わかん(持ってきてないけど)も、ピッケルも装備していません。今年1月20日に歩いた三郡山~石射太郎(千葉県)よりも楽に歩いています。
この浅草岳に登る尾根は階層的です。何回も尾根が合流して、最後の最後まで主稜線に至れません。でも、かなり来ました。
この一帯は登りは楽に行けますが、下りはけっこう難儀します。25000分の1の地図を読んで行きましょう。
ショートカットできるところは思い切ってがんがんやりましょう(黒笑
展望はいいですが、尾根と雪庇の間に隙間が空いていることがあるので、そこに落ちると厄介です。
ところで、クソ暑い。あの、死闘の景鶴山みたいに、頭をピッケルのように雪に刺して冷却します。
下層雲(中層雲?)が消え始めました。まさに、鬼の居ぬ間に洗濯!
雪解けが進んだために枝が飛び出し、道を塞いでいます。
ああ春だなあ(ヴォー読み
ふうたろう、ここまで晴れるとは思いませんでした。日焼け止めの準備はまったくしませんでした。ランチュウになること必至。
雪庇の上にシュプール。雪庇と尾根の間にはハイパー落とし穴があるので注意です。
ふうたろうのシュプールでないのはいうまでもないことです(上りだから
守門岳の向こうには雲が控えています。雲そのものは南から北に流れていますが、気団は西から東へ動いているので、アレがこっちに来るのも時間の問題でしょう。
…といっている間に、上層の絹層雲が空を覆い尽くしてしまいました。短い人生だった(違
前方に4人くらい人がいます。ふうたろうが道なき子の人生しているときは別として、この展望のいい尾根に出てきた辺りから人と遭遇するようになってきました。最初に会ったおっちゃんが言うには、ここは山スキーヤーのメインルートらしいのです。
ということは、ここは一般コースですな。道理で三郡山~石射太郎縦走コースより楽なわけで(ぇ
越後山地は広大です。秋の空気の澄んだ日に来れば、彼方まで広がる錦の絨毯が…(目がハート
はて、アレは何山でしょうか。浅草岳ではないっぽい(方角的に)。
南西の空がどす黒い。でも、山々のスカイライン(古語の山の端のこと。道路のことではありません)くっきりしています。
この辺りでスキーを履いた4人のおっちゃんに追いつきました。そして、ふうたろうは先に行きます。
広大な雪の山並みが見渡せます。最高です。空が黒いので水墨画のようですね。
発達した雪庇が前岳まで続いています。しかし、雪庇と尾根の間には、深い亀裂が多数あります。雪で隠されているのでとても分かり難いのです。
前岳直下まで来ると、その向こうにようやく浅草岳の山頂が見えるようになりました。ここも利尻富士みたいに前ピークに山頂が隠されて無限の上りを味わうような山ですね。
浅草岳の南北の主稜線には切りたった崖があるようです。只見町(福島県)側から登ればこれを見ながらハイキングを楽しむことができるのでしょうけど、只見町側からの登山道は、水害の影響でかなり損壊しているようです。しかも、田子倉駅はもう…
針ノ木岳の山頂から見た黒部湖のように、只見湖も鳥のように見えます。
浅草岳最後のちょい上り。油断しているとこれがものっそいきつかったりします。
時刻13時前。さすがに昨夜の雪やガスの贈り物である霧氷は崩れ去っています。由布岳(大分県)の霧氷はガス冷凍庫(何)が、ふうたろうが登頂する昼まで保冷してくれていたので見られたんでしたね。
山頂到着です。
そういえば、さっきまで燧ヶ岳(尾瀬)が見えていたのですが、今は…?
山頂にはふうたろう以外に5人くらい人が集まっています。何と、ツボ足(わかんとか、ましてやスキーなんか履いていない足)組もいるではありませんかっ!!
5人組(後で違う二組がたまたま一緒だっただけだったことが判明)の中の最年長のおっちゃんが、大福をくれました。美味し。
ところで、よく見たら背景に対して保護色になっていますね。
大福をくれたおっちゃんを少し追いかけて、お茶をくれた兄ちゃんはスキーだったのでほっといて(ぇ 下山開始っ!
彼方に3人。あの3人と、これから先、しばらく一緒に進むことになります。大福をくれたおっちゃんとは自然と離れたけど、このときはまだあの3人とおっちゃんとさっきのスキーの人が別グループだとは想像すらしていませんでしたから。
高層雲が頭上を圧迫し始めました。もう、天気、持たないかも知れない。
前岳より。あの雄大な岩壁も見納めです。最後に山彦をぶつけておきます。山彦が届くと何かが崩れる音が一緒に聞こえてきましたが、まさか…ね?
ここから見ると、あの1484.7mピークは雪に支えられているかのような風に見えますね。
尾根で、やはり雪庇の隙間にハマった人がいました。Kさん。そういえば、ふうたろうも4年前に日高幌尻岳(北海道十勝支庁)に登ったとき、かなり危険な目に遭いましたね。
ついに小雪が舞い始めました。14時くらいまで持つだろうと、上りで最初に会ったおっちゃんと話していたとおりの結果になりました。
下りは3人組が歩いてきたところを下る感じになりました。なお、3人は毛久里(これで「もっくり」と読ませるらしい)山の会…だったかな、山岳会を結成していて、そのメンバーらしいのです。
二人の名前が出てきましたが、もう一人とても物静かな兄ちゃん、Aさんがいます。ふうたろうと実は同い年。さりげなく笑顔を見せてくれます。
雪解けが激しく進んでいます。小雪は舞っていても、雪の温度はすぐには下がらない。
上りにはこんな崖はありませんでした。明らかに違うところを歩いています。まあ、道なき子だからね…ふうたろうは。
位置的にはあの向こうの樹林帯の中をほっつき歩いていた模様。こんな黒ハートな池は見ませんでしたよ(黒笑
地図にも名前が載ってないけど、白崩沢にある滝のようです。地図とコンパスであの滝の位置から現在地を割り出せるのですが、できますか?…といっても、そんなに難しい技術ではありませんが。
小雪・小雨ぱらつく中、一同下山口へ。ふうたろうはどこに下りていくのでしょう?
ん?(・ε・;)
あの橋は…ふうたろうが上ってきたときのやつと似て非なるものですな。どうも、尾根一つ分、破間川上流側にいるようです。
沢にはオンボロの石橋が架かっています。あの東日本大震災で打撃を受けたのでしょうか…。
車道に降り立ちました。通常ならふうたろうはまた駅(バス停)まで戻っていくのですが、今回は相乗りをお願いしました。高速代くらい全額払うつもりで。それでも、実は電車代に比べて5000円程度安くなります。第一、このおもしろい皆様と一緒に過ごせるのなら、運も実力のうちとしてもいいでしょう…。
帰りの車道をサボったので、ふうたろう単独社会見学はできませんでした。ふきのとうを集めたり潰れたホテルに焦点を当てたりするのもふうたろうの山行の一部です。…が、たまにはいいよね?神様も許してくれる(何
みんな空腹でボロボロだったので、パーキングでメシです。ふうたろうは鮭フライ定食を注文しましたが、後悔するかしないか境界値(滅
最終的に新前橋駅まで送っていただきました。割り勘で支払った金額は、とても言えないくらい安い額でした。本当に5000円も交通費が削減されました。恐ろしい事実です。しかも、速い…。そりゃ、普通の人ならあんなところ公共交通だけで行きませんわな…。高い、遅い、不便、アプローチ長い…。
今回の浅草岳は、正直失敗する覚悟でした。先週の鍬崎山断念に続いて2連敗を喫し、その失意のまま北海道に突入し、悪天候でひどい目に遭う予定(確定だと思っていた)です。
が、蓋を開けてみれば、今日は天気も安定。出会いあり。交通費削減のボーナス付き。山頂はガッツリ踏んで景色も堪能しまくり。男鹿岳や野伏ヶ岳に続く快挙と言っても言いすぎではありません。思えば、今週末の天気が二日とも良ければ、毛久里の人たちには会わなかったわけですから、何があるか解らないというものですね。
#278浅草岳クリア。
天気:くもり時々晴れ、昼過ぎから雪か雨(新潟県北魚沼郡小出町・入広瀬村・群馬県前橋市・東京都板橋区)
4/20土曜は天気が良かったのですね。
もっくり、前橋ハイキングクラブのSリーダーが口にしていて聞いた事があります。
最近前ハイの人で入った方もいるみたいです。
前橋まで乗せて貰って良かったですね。
しかも面白い方達と楽しい時間が過ごせて良かったですね。
浅草岳はまだ行った事がないので行きたいなぁ。
もっくり、有名なのですか。僕が知っている山岳会は、日本山岳会と勤労者山岳連盟くらいです。…あまり入りたい、とは思わないですが…。もっくりは人数も少ないために、大きな総会などをしなくても良いところがいいと、本人たちも言っておられましたが、組織たるものの宿命かも知れませんね。
浅草岳はヒメサユリでも有名だそうですよ。ピンク色のユリです。