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嵐の以東岳(以東岳直登コース:山形県)

2010年 7月 17日

 池袋発の夜行バス。何だかこの前の京都行きのバスより狭い気がする。寝づらさにもだえながら、短い夜が明けました。
 しかし、何だか、山形県、雨!?梅雨明けするんじゃ…!?


 いいえ、それはただのです。夢で雨の山形(水たまりの波紋までリアルに再現されている)を見ていただけです。実際の鶴岡市はひたすら暑く晴れています。


 今日の行き先は朝日連峰。北部の大鳥から登ります。そのため、鶴岡駅前で7時40分まで待ちます。


 待ち時間、便所に行ったり腹ごしらえをしたりしましたが、メシを食べるにもろくなものがない。これはエネルギーを逆に奪う食い物だった。


 鶴岡駅前を発車したバスが、終点の「大鳥登山口」バス停に着きました。ここから、「会員バス」と名乗っているバスに乗るため、1200円の乗車券を買います。…いったい何の会員だろうな。


 これがそのバス。歩くと3時間かかると表記にある、林道を突っ切ってくれます。


 「会員バス」の車窓は素晴らしい。…と思ったけど、耕作放棄地が目立つ悲しい側面も。


 それに、この盛り土は何?まさか、何かを埋めているのでは…!?


 バスが最終地点にまで到達しました。ここからいよいよ、長大な朝日連峰の縦走開始です。


 車道の終点、かつ登山道の始まり。さあ、朝日連峰攻略開始!


 まずは谷川沿いの道を延々と歩くのです。


 しかし、歩き始めて速攻暑さに萎えます。ところどころにある沢だけが暑さに参った身体を癒してくれます。


 涼しげな川の流れ。


 水場では顔で水を飲んでしまうほど喉が渇きます。


 一本目の吊り橋。前を颯爽と若い女性が歩いていきました。速い。


 深い樹林帯。日光はそれほど直撃するわけでもないのに、猛烈に暑い。


 二本目の橋。暑さのため、意外と時間が稼げません。


 川が涼しげすぎます。


 深い樹林を詰めていきます。


 小さな沢が増えてきました。


 この辺りは水筒いらずの道です。飲み水に事欠きません。雨や雪が多いからこそと言えますね。


 大鳥池手前のつづら折の急な上り坂は、至る所にショートカットの踏み痕ができてしまっています。看板にそこを通らないよう注意喚起がなされているも、やはり登山者の数は膨大なので、新しい踏み痕が生まれ続けているようです。


 さて、ようやくタキタロウ小屋に到着。GPSが大鳥池の上を歩いているような指示を出していましたが、小屋前で小屋番や常連の人たちと話をしている間に修正されていました。


 さて、12時も回ったし、行きますか。できるだけ最初のうちに先まで進みたいのです。願わくば、以東岳(いとうだけ)のもう一つ先、狐穴小屋まで。


 タキタロウ小屋前はキャンプが可能です。しかし、小屋の真ん前にある水場のところではないようです。


 大鳥池。対岸に雪渓が見えます。このクソ暑いのに。


 以東岳に向かうコースは二手に分かれます。直登コースと、オツボ峰コース。ふうたろうは直登コース。


 穏やかな大鳥池ですが、何だか、雲行きがさっきから怪しい。


 道がないんですけど。水際すれすれのところを歩きます。


 東沢との出合い。


 少し河原を歩きます。


 と思ったら、深い沢の渡渉を強いられます。ここで靴が決定的に濡れることになりました。
 …買ってまだ1ヶ月ほどなのに、もうひどい状態です。


 直登コースを登り始めて数十分、深い樹林帯の無風状態に、暑さ絶頂。滝のような汗というか、噴水のような汗というか、とにかく凄まじくて、完全にバテました。汗も非常に塩辛い。これはミネラル補給に適した水分補給をしないとだめです。…が、まだ頭の中が冬山のふうたろうは、そんな準備、まったくしてませんでした。


 ずいぶん空には厚い雲が。


 必死に歩いて何とか樹林帯を抜けたら、もうそこにはガスってしまった草原地帯が。


 雨に削り取られてしまった土壌。こうして崩壊が始まる。


 晴れていたら素晴らしい草原に違いない。


 その前にこの暑さがたまらない。


 死にそうな暑さに耐えて登ってきた結果、ここまで大鳥池を見下ろすことができました。


 その草原地帯で、3人パーティのおっちゃんたちが。おっちゃんたちも暑さにバテまくっていました。そして、少しの間、ふうたろうも一緒にバテていました。


 それにしても、雲行きがどんどん怪しくなっていきます。月山の方を見ると(月山は見えなかったけど)何発か落雷しています。


 降ってくるのは時間の問題かもしれない。できるだけ早く、以東小屋に着きたいものです。


 遙か向こうには、雨の流れる様子が。


 一応まだふうたろうの頭に雨は降ってきません。


 景色は素晴らしい。さっきまでと違ってガスも晴れている。でも、急げッ!


 しかし、やっぱりもうちょっと道が続きます。


 さっきバテていた3人パーティのおっちゃんたちは、少し後ろを歩いています。


 おっ!
 小屋が見えてきた!!
 …しかし、ここで雨がポツポツ始まりました。
 待てッ!あと3分待ってくれッ!!


 大荷物を持っている坂道なので、ダッシュはできないけど、気持だけはBダッシュで、何とか小屋に到着。
 ヤバい。もう空が落ちてくる…!


 小屋に入ると、ふうたろうの前をいいペースで歩いて、オツボ峰の方に行った、さっきの若い女性もちょうど到着していたところでした。到着している人はまだ数人で、誰もいなかった2階をその彼女とふうたろうは、とりあえず使わせてもらうことに。
 その瞬間、屋根がスゴい音。遂に空が落ちてきました。間一髪セーフです。


 その後、小屋の周辺は落雷と激しい雹と強風の大嵐。下から雷の音が聞こえるのが非常に不気味です。すぐ横の岩に落ちただろうと思われるような乾いた雷鳴が更におぞましい。


 しかし、そういう通り雨が過ぎると、急激に天気が回復し始めます。そして、虹が出てきました。


 雨はまだまだ降っているも、西の空が明るくなってきました。


 雨などのしぶきと雲で視界は全くなかった周辺の景色も一変。かなり遠くまで見通しが利き始めました。
 結局、この小屋に来た人で雨に当たらずに済んだのは、ふうたろうとさっきの彼女と、のちに紹介する宮城の彼の3人だけ。強運というか悪運というか。


 さあ、これから夕日タイムです。以東小屋の窓からダイレクトに夕日を眺められます。


 雲に大穴が開きます。太陽光線が漏れ出てきます。


 以東岳周辺は雨が止みました。外に出て、山の上まで行く人もいます。あちらからはきれいに虹も見えたそうです。行けばよかったなあ。


 北の方の空はかなりもう青空。あれは鶴岡市上空でしょうか。


 南東方向は雷雲の鉄床雲がホットケーキのように広がっています。


 月山方面も同様。あちらはまだ降っているのかもしれませんね。


 よく見ると、虹が二重になっています。写真で見て初めて気が付いた。


 日本海に夕日が落ちています。


 夏の夕焼けは、実は素晴らしい。こういう雨上がりの時はまさに。


 日本海に四角く太陽が映っているので、ずぶ濡れになって入ってきた他の登山客たちもみんな不思議そうに眺めています。


 誰かがこの太陽を「ハンバーガーみたい」と言っていましたね。


 こうして、一日目が終わります。
 さっきの凄まじい嵐とはうってかわって、燃えるような美しい夕焼け空になって、みんな感動していました。ただ、あの雹と落雷に外で見舞われた人たちは複雑な思いだったようですが。


 朝日連峰縦走作戦1日目が終わりました。午前中の暑さ、午後の激しい嵐、そして夕暮れの燃えるような夕焼け空。自然の激しさを感じます。
 狐穴小屋まで進みたかったのにこの雨で停滞ということにはなってしまいましたが、夕日もきれいだし、小屋で出会った人たちとの交流は楽しいし、不満は全然ありません。
 さあ、明日は主脈を縦走しますぞ。天気はどうなるかな?


天気:晴れ時々雨、雹と落雷と強風とを伴い非常に激しく降る(山形県東田川郡朝日村・鶴岡市、移動中は含まない)

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