山恋しければ人恋し(鍬崎山リベンジ【あわすのスキー場~ゴンドラ山頂駅コース】:富山県)
池袋発の夜行バスに乗ったら程なくして、強烈な胃ムカムカ症候群発生!また何か変な感染症にかかったのかと思ったのですが、とりあえずプリンペラン2錠の国家総動員(違)で弾圧(全然違)しました。
夜中、バスの中がひたすら寝苦しいので、気がついたら富山というわけではありませんでしたが、一応少しは寝たようです。それでも睡眠不十分、体調回復不完全。とりあえず、残りの睡眠不足は5時39分発立山行きの富山地方鉄道の車両内で補うこととします。
立山駅到着の時の雰囲気は、4月13日に来たときとは全然違います。駐車場にはたくさんの車が止まっていて、そこからケーブルカーとかに乗っていく人多数。
ふうたろうの今日の目的地は鍬崎山。4月13日に落胆して帰ったアレです。とりあえず、上りはほとんど同じコースを辿ります。
ただし、リタイアしたときの下りと同じ道。なぜなら、あの時の上り道は発電所の水道管横の階段を上るというオゾマシいルートだから。
さて、あわすのスキー場入口です。もちろん雪なんてこのクソ暑いのにあるはずがありません。
削り取られたような跡があります。片付けの跡か何かでしょうか。
スキーヤーが去ったスキー場では、雪の代わりにワラビが覆い、スキーヤーたちの代わりに山菜採りの人々が腰をかがめます。
ふうたろうはワラビ採りもしたかったけど、まずは鍬崎山。今日は必ず取るぞ!
スパッツを忘れたあの4月13日に比べてふうたろうのスピードは上がっているでしょうか。残念ながら歩く場所も雪の有無も違うので比較は単純にはできません。
スキー場を登り切ったところにはコゴミが生えまくっています。しかし開ききっているものがほとんどで、食べるには不適当。
いや、雪が消失した今、横にあるボロっちい登山道を使うことができます。
あの時は一面の雪原だったはず。でも今はただのヤヴというか…。
基本的に同じ道を通っているので、特に目新しいものもなく、眠気解消には繋がりませんなあ…
ここでおにぎり(コンビニのだけど)を食って休憩。
なお、この真ん前の広場にコゴミが大量に生えていて、食べ頃のもあったので、自分が食べる分くらい確保していきました。
ここから急登が始まります。何となく荒島岳を思い出すような登山道です。
これはモミジガサ(キク科)、すなわち、山菜のしどけでしょうか。でも、よく解らないので採らない。
新緑が思い切り萌えています。そばにコシアブラがあったので、少しいただいていきました。分析に回せる量は確保できなかったので、この後にどのくらい見つかるかで結論が変わります。
イワウチワかトクワカソウか、違いがよく解りませんがあります。
葉の基部が円形・くさび形のものはトクワカソウ、ハート型のはイワウチワ、のようです。だとしたら、これはイワウチワか。
あの時より雪はずっと減ったはずですが、それでもまだまだ残っています。
大品山(の肩)に着くとほっとしますが、それは罠です。
鍬崎山にふうたろうも向かいます。勝負はまだ始まってすらいませんから。
ずいぶん雪が溶けて、歩きやすくなった部分もある一方で、ヤヴが飛び出しているところもあります。
今日の天気は下り坂。絹雲がウロウロしているのが気になります。
見覚えのある場所です。雪のあるなしでがらっと変わるところに、見覚えのある場所が出てくると、ぎょっとすることがあります。
下り坂でもまだまだ天気は持ちそうです。しかし、今日は日帰りの準備しかしていません。
断続的にやってくる急坂。体調が思わしくないのでなかなかテンポよく上がれません。
見上げるような急坂。でもここはまだリタイアした地点より手前です。
さて、急坂が一旦終わると、いよいよふうたろうのリタイアした場所が目前となります。
緩くなった坂がすぐに急になり、尾根も細くなります。鍬崎山が本気出し始めます。
木が減ってくるので、奥大日岳方面の稜線がハッキリ見えてきます。…が、何ともアクセントのない景色で、こないだの備後吾妻山の方が…
前をおっちゃんが歩いています。地元の人らしいですが、今の季節は登るにはもう遅いといっていました。遅い…?残雪期登山として、という意味でしょう。
いや、この鎖の付いているところでした。これでは確かに登れるはずもありません。
確か、諦めたとき、こういうアングルの写真を撮ったような気がします。
1756mピークです。おっちゃんが言うには、「独標」と呼ばれているようです。
まだまだ天気は持ちそうです。そして、ギラギラと照りつける太陽で猛烈な暑さです。
目の前にヤヴが迫ってきます。ちゃんと夏道があるので、ヤヴ漕ぎはせずにすみますが。
大きめの絹雲が来ては過ぎ去り、出ては消え、を繰り返しています。
前を行く人の足跡。ふうたろうもつま先を雪に差し込みながら進みます。アイゼンはしていません。
逆にこういうところでアイゼンして、引っかけたり雪団子で滑ったりして転んだら大変です。
ここもなかなかの難所と言えば難所かも。両方とも切れ落ちていますから。
あれが、最後なのかな。いつの間にかあの山頂らしい頂点がなくなっています。
とりあえず今はこの歩きづらい雪の尾根を、腐った鰯のような目をして登ります。
ふうたろうの歩いているところは雪庇の上、なんでしょうね…。歩きやすいからみんなもこちらを選んでしまいます。
南西には鉢伏山。あそこも登ってみたいですね。できればもっと早い時季か、新緑がより盛んな時季に。
あそこで何人かの人がごそごそしているように見えますが、山頂ですかね。
どうやら、Top of Mt.Kuwasakiらしい。真正面に薬師岳が格調高く据わっています。
ダンジョンのボスを倒しました。しかしリレミト(ダンジョンを即座に脱出するための魔法)は現世では使えないので、歩いてダンジョンの外に出なければ(下山しなければ)ゲームオーバーです。
左から、奥大日岳、剱岳、立山、などのネームバリューのある山々と、その周りに控える多くの山々が並んでいます。
ふうたろう、この剱岳近辺はガスっている記憶しかないので、あまり大した想い出がないんですよね(じと目
鉢伏山方面。左には有峰湖があります。あの奥には薬師岳への最短登山道が存在するようですが、ふうたろうは使ったことありません。
さて、この山頂、実はけっこう暇なので、少し腹ごしらえしたら下ります。
今立っているところがちょうど境界くらいに、地上にはエアロゾルがたまっています。
若干怖いオープンゲレンデです。慎重に下りましょう。
っていうか、今日は体調不良も睡眠不足も祟っているので、すべての感覚が鈍っていて、恐怖心もその例外でなくなっています。
さ、下りはザクザク行きましょう。
登りで出会った単独の、地元のおっちゃんとすれ違いましたが、体調が悪い、と、テンション上がらない様子。本人も半ば諦めている様子ですが、諦めきれない気持ちもあるのか、上に向かっています。
この辺りで、ちょうど大品山を鍬崎山の方に下り始めた頃に追い抜いた3人組の人々にまた出会いました。どうやら、体力がなくなって引き返すようです。
ふうたろうも暑さその他で体力が失われていますが、今は脱出の時なので、向かうところは下山口ただ一つです。
もう、ここに来ることはまずないだろう…。鍬崎山はただ一本の登山道しかないのです。
今度はこの急坂を下ります。もちろん、アイゼンはなし。ピッケルはずっと持っています。
どこもかしこも、目に焼き付くほど何度も通って、見てきたような希ガス(じと目
大品山が目線の位置に来たくらいで、あの団体さんたちに追いつきました。団体さんたちもまた、途中で引き返すことになったそうです。何やら、足が攣ったとかなんとか…?
お先に行かせてもらい、大品山手前。もう、登り返しが精神的にキツい頃になってきています。集中力がなくなり、心ここにあらず。
大品山の看板が折れて抜け落ちていたので、差し込んでピッケルで押し込んでおきました。
ダケカンバが美しい。
このすぐ先に、山岳部の学生たちがたむろ…じゃなかった、休んでいました。彼・彼女らのあまりの若さに、ふうたろうは驚くのですが、最近は中学生と高校生の区別が付かず、高校生と大学生の区別が付かず、つまり中学生と大学生の区別が付かず(違)、ふうたろうがどんだけオッサン化してしまったのかを痛感するのです。
ああ可愛くないクソジジイになってしまった(ヴォー読み
学生たちと少し喋っている間に、さっきの団体さんにまた追い抜かれ、大品山は人でイッパイになっていました。が、人のいない隙を狙って撮ったなけなしの一枚。
道はとても単調です。というか、ふうたろうの心が単調になってしまっているのです。何この猛烈な疲れは!?
これは、コシジオウレン(キンポウゲ科)?オウレンの仲間です。
瀬戸蔵山に到着。ここから直接下界に下るルートが存在していたようですが、通行禁止になっているようです。
でも、ふうたろうはもう疲れたので、今日登って初めて存在を知ったゴンドラを使ってしまおうと考えています。
ひとまず休憩します。
三股山荘(北海道十勝支庁。すぐそこの三俣山荘ではありません)の娘さんにいただいた、大阪名物岩おこし。
ああふうたろうはどこから来てどこへ行くんだろう(棒読み
瀬戸蔵山の山頂は静かです。まあ、もう14時半回っていますし…
ところが、親子3人(少年連れだった)、ふうたろうが来たときに、立入禁止の方向に下山していきました。大丈夫か?
エアロゾルの中ですから、上を仰げば、層が薄くなる分青く見えるかも。
またさっきの団体さんに追いつかれました。ここで、ブルーベリーをいただきましたが、けっこう効きます。有機酸が美味い。
その団体さん、「高志(こし)山の会」というそうです。何でも、かなり歴史と権威のある会らしいです。
ん?(・ε・;)
この案内板、説明間違ってない…?
黄葉はこの説明であってるけど、紅葉は色素もその生成も全然違うはず…。
ふうたろうはコシアブラを探しています。コシアブラに関しては食べるためではなくサンプルを集めるためです。
どれも背の高い木に萌えているので採るのに難儀したというかほとんど採れなかったけどなんとか少しだけ集めて、ゴンドラ山頂駅。ふうたろう、MPが尽きました。
ゴンドラ山麓駅の構内でリフト代を払ったときに、隣にあるクレープ屋の割引券をもらったので、折角だし使っときました。
が、数時間前からの営業らしく、クレープ生地を扱う手がスゴかった…(アヴラ汗
ま、クレープ(イチゴと生クリームの味)の方は、普通に美味かったけども。
山の会のメンバーのほとんどは、今日ここのキャンプ場で大宴会をするそうです。しかし、メンバーの一人が諸事情で今日中に帰るそうなので、なんと、北陸本線の水橋駅まで送っていただけることになりました。おかげで交通費はかなり安く上がったし、何より、山の話とかいろいろできたし、楽しゅうございました。
山の話は生きている実感を与えてくれますね!
水橋駅はふうたろうが先週マッタリ過ごした備後落合駅(広島県)には遠く及ばないけど、田舎駅です。ふうたろうが先週しんでしまった三次駅より、ずっと田舎駅です。
ホームの端から毛勝三山が見えます。
富山駅に戻ってきたら、まずは風呂屋。富山駅と福井駅と越前大野駅と上川駅と桑園駅は近くに風呂屋があるのですばらしい。そのほかは知りません。
そして、風呂に入ってさっぱりした後、2011年6月5日にも立ち寄った、枡天という居酒屋に入ります。
マスターはまだ元気です。今日は何を食べさせてもらえるかと思ったら、鯛の白子の煮付けが出てきました。初めての時はカワハギの肝の刺身をいただきましたね。
なお、この居酒屋にはメニュー表や価格表というモノは存在しません。一応表のショーウィンドウに2500円の刺身&酒のメニューがありますが、ふうたろうが酒を飲むこともなければ、ご飯無しで耐えられるはずもないので、イレギュラーになるのですね。
マスター、寿司頼みます。
とりあえず、左からサヨリ、ヒラマサ、カワハギ。中央手前のはガリです。
甘エビ。同時にしめ鯖も注文したけど撮る前に食っちまった(滅
そのしめ鯖、これまた生臭くないからスゴいのです。
ヒラメ。淡泊な味ですな。
マスターに、遠回しに手で食べてほしい的なことを言われましたので、郷に入っては郷に従えです。右に倒して、右手でつかんで、ネタに醤油を付けて、一気にイくと。マスターがコハダで実演してくれました。
カニです。カニかまじゃありません。
この居酒屋は、失礼ですが、まるで本人の楽しみでやっているように見えます。アカペラで歌を歌うし、山好きを看板に掲げてるし、ふうたろう以外にも今日は4人客が来ましたが、いつの間にか話し合ってるし。
マスターは煮物を隠していました(笑
若竹煮を最後にいただいて、結局4時間半居座って、夜行バス乗り場に向かいます。
朝の体調の悪さは、夜には回復した模様です。というか、今日は山よりも山の後の方が楽しかったですな。会のメンバーや枡天のマスターやお客さんたちとの会話の方が。
人恋しさは年を取ったせいか。
#282鍬崎山クリア。
天気:晴れのち時々くもり(富山県中新川郡立山町・上新川郡大山町・富山市)
300名山があと残り18座なの?
ビックリしました。
今年中に終わるんじゃないの。
いろんな面で凄すぎです。
chiakiさん、純粋な300名山の方が、残り18です。200名山が後19残っているので、合計37です。
まだまだ先は長いんですが、よく見てみたら、もう大きな山はそんなに残っていません。去年みたいな毎回数十キロを歩いたり、というのは今年はできないかも知れません…