沈黙の夏(滅)(能郷白山【能郷谷登山道コース、樽見~美濃市チャリ付き】:岐阜県)
朝起きたら、昨日ホテル2階のベランダに置いてあったチャリがなくなっていたのですが、ホテルのオーナーが「(盗まれないか)心配で夜も眠れません!」というフロントコールがそういえば昨日の夜に入っていたのを思い出しました。そして、結果、食堂の奥の宴会場っぽいところに格納されていたのでしたね。
さて、その食堂で朝飯をいただいて出発します。本当ならもう少しゆっくり食べていきたかったのですが、7時13分発の樽見鉄道樽見駅行きのを逃すと9時過ぎまでないので、イナヅマ食いして出発です。
(Θ_Θ)どよーん
なんか知らんがアホほど曇っていまっせ。しかも、ビミョーに雨がぱらついておりますがな。
チャリを畳んで樽見鉄道に乗ります。この車両も長良川鉄道と同じようにトイレ無し。もよおしたら大ピンチだけど…
無事樽見駅到着。長良川鉄道の半分くらいの距離しかないので、何とかなるって話ですかな。それでも最奥の樽見まで行く電車は多くない。
アメダスを見ると、日照時間がこの西濃~北濃あたりだけ0.0時間になっています。気分悪い(じと目
とりあえず、能郷白山の登山口に向かいます。温見峠までチャリで行ってられないので、能郷谷まで。
それにしても、この西方にある冠山といいこの能郷白山といい、登山口へのアクセスがマイカーしかなく、かつコースも長くないため闇テンのススメもできないという厄介者。
25000分の1の地図を、樽見駅から能郷白山までのルートで確保してあるので、まったく迷うことなく進めます。しかし、破れた輪行袋(輪行とは自転車を電車などに乗せて移動すること)とかスリッパとかがかさばっていて、ザックが意外と重い…
温見峠28km。
行くかそんなところまで(゚Д゚メ)ゴルァ
黒毛の牛たち。写真撮ろうと近寄ると、向こうも近寄ってきます。
かわい~いこうしー うられてゆくよー♪
目が遠くなるほど(何)遙かなる道ですが、神威岳やら夕張岳やらその他北の国の山々よりは道の長さは短い。まあそれだけは認めてやろう。
マイカーがたくさん止まっています。ここがどうやら登山口ですね。
しかしふうたろうはその門を潜って、少しだけ先までチャリを進めます。チャリの特権ということにさせてくださいな。
そしてこの大崩壊ぶちかましたアスファルト。何がどうなったらこうなるのか。
空が突然晴れてきて、今度はギラギラとクソ暑くなってきました。
ちゃんと登れるのか不安になった頃、蛇行を2回ほど繰り返す坂道のところに能郷白山への入口が。
入口のところすぐに沢があります。ここがどうも水場のようなのですが、あまり汲む気にはなりません。ふうたろうは十分な量の水を持っているので、大丈夫ですが。
登山道に入り始めると晴れ間が頻繁に出てくるようになりました。
しかし、今日は猛烈に暑い上にこの坂が鬼のようにきつい。たぶんチャリがなければもっと楽に進めていたのでしょうけど…
なお、ここが昭文社の地図にもある、車道との出合です。その車道は草木が繁茂して完全に廃道となっています。
この登山道は、結局稜線に出るまでが険しいのです。
車道と出合ってすぐ登った辺りから、初めての展望を…
…といっても、この鬱空じゃねぇ…(じと目
車道出合から少しで尾根に出るでしょう。しかし、そこからも中~低木の単調な道が、時に急坂を伴いながら続きます。
雲は非常に多いのですが、なぜか日差しはけっこう強い。闇と炎の属性のブレスで、ふうたろうのHPは削られていきます。
コシアブラの木が思い切り登山道に倒れ込んでいます。誰かが鋸で枝を落としてくれていますが、それがなければなかなか大変ですよ。
たまに展望が開けますが、基本的に湿った空気が流れ込んでいるためか、本気モードの鬱空。疲れた身体に鞭打つ思いです。
疲れたのでカスタード煎餅を食います。英語で"cake"は「お菓子」という意味だし間違ってないよね(ヴォー読み
真正面に白く煙った能郷白山が見えます。今日はこんな天気予報ではなかったはずなんですがね…
精神修行中です。
あの、能郷白山から南西にある1541mピークの方が見ていて美しい…。
下りてくる人が口々に、「ガスってた…」と言います。でも、にわかに晴れそうなそぶりも見せているのが今の空。
ん?(・ε・;)
ヤヴこぎではありません。サンプル用のコシアブラを回収しているのです。ふうたろう、既に体力が尽きかけているので控えたいくらいですが、コシアブラが採れるのはこの季節。何より、能郷白山に来ているのは今だけなんだから!
…ふうたろうの山は一期一会。
山頂は近いですか?
登ったあとではどこが山頂かよく解りますが、見えてすらいない山頂なんか、登ったこともないうちに解るはずもない(じと目
後ろを振り向くと大きな前山。あの前山に至るのが本当にきついのです。どこの山も「前衛峰」というのがだいたいはあって、地獄の門番だったり思いがけないすばらしい山だったり、いろいろです。ここの前山は、山頂を避けて登山道が付けられていて、至ることは、基本的にはできません。
地図を見ていると目前に迫った感じがします。しかし、今日のこの疲労感は尋常じゃない…
カタクリが満開です。一輪しか撮ってないで何を言うか、という感じだけど。
雪渓の近くは雪解け水でぬかるみがひどくなっています。去年4月に買って、数ヶ月でボロ靴になってしまったふうたろうの登山靴では、ハイパーぬかるみは強敵です。
最後だけ雪渓を登ります。靴が夏仕様なので滑りますが、無理やりキックステップして、アイゼン(持ってきてすらいない)もピッケルも出すことなく登ります。
この先、国境稜線を冠山まで縦走できるかどうか見てみましたが、踏みあと無しです。雪ありまくりのシーズンに進むしかないですね…
っていうか、神社は扉が閉まっているという件。御利益も無し(何
ブッ¨:∴(゚ε゚;)
…何じゃこの山頂は。冬に来いという話か。
温見峠の方に進んで少し良い景色でもないかと思ったけど、そのまま温見峠までヅドンしそうなのでやめました。
さ、やっつけ仕事だったけど、山頂はあんまりオモシロなさそうなので戻りますか。
これから、もう誰もいなくなってしまった道を下ります。
まあいつものことだからなあ(ヴォー読み
下り始めたら天気が良くなってきましたか?前後に人がいないので、写真も取り放題です。
新緑も見飽きました。っていうか、この低木ブッシュはふうたろう、好きではないんです。
さ、前山の南西側を巻いて下山します。道は一本しかありません。
煙っていた能郷白山はいつの間にか晴れ渡っています。今日はしっかりハズレを引いてしまいましたな…(滅
でも、前山より少し南東側の急坂からの展望はすばらしい。能郷白山の山頂まで行くのは修行ってことでOK?
新緑の山々を上から一望する。紅葉もいいけど新緑はもっといいかも。いや、初冬~冬はウイルス性胃腸炎のトラウマがあるだけで、ふうたろうは元来冬山や秋山が好きなのであった。
ずっと続く低木樹林帯。やっぱりここは、あの扇ノ山(鳥取県)のブナ林には敵いませんな。越前冠山や金草岳はその点草原が美しかった…。
さて、沈黙の春を謳歌する(何)ふうたろうは、廃車道の出合までやってきました。ぶっちゃけ、体力が尽きかけています。
猛烈な急坂でしたね、登山口から尾根までは…。踏ん張りがきかなくなってきているので、滑るんです。
能郷白山から脱出します。
そういえば、最後(ふうたろう除く)の初老夫婦が下山しているところをだいぶ前に抜かしました。ちょうどネマガリタケを採っていたみたいですが、その辺、おいらが先にいただいちゃったごめん。
カスタードせんべい食って体力回復させ、沈黙の夏の道を歩きます。暑い。
自然に還るとはこういうことを言うんですかね。小綺麗な道路を見るより気分いいかも。
朝は完全にガスっていたあの山々も、今は晴れ渡って…というほどでもないか。
この沢が実は若干深くて、ふうたろうのボロ登山靴だと水が浸入してしまう恐れがありました。チャリであれば車輪で乗り越えられます。
ああ愛しの(略
ゲートです。チャリのおかげでだいぶ楽をした気がします。本当に気だけかも知れないけど。
ふうたろう、猛スピードで樽見駅まで戻ります。そこまで戻らないと、郡上市まで逝くに行けませんから。
樽見駅付近は元々本巣郡根尾村樽見。それが今は本巣市に合併して本巣市根尾樽見になっています。ひとまずその樽見駅付近まで戻ってきて、今度は峠越えで美濃市(長良川鉄道美濃市駅)を目指します。
「関(市)34km 山県(市)26km」って書いています。少なくとも山県市(美山町)は貫かねばならないので、目が遠くなります。気も遠くなるのはもちろんですが。
国道だというのにここだけ田舎道で狭い…
でも、このすぐ奥には畑や人家があります。代々耕してきた土地や、住んできた家を、ああそうですかと売りさばけるわけがない。そんなのは「公共の福祉」ではないと俺は思う。
さて、坂がいよいよ急になってきました。ヘアピンカーブなんかもあったり。そして…
地蔵様。
ああふうたろうのこれからの旅を見守ってくださいませ…
そのお地蔵様のいらっしゃるところが、尾並坂峠(おなみさかとうげ、おなべざかとうげ)。ふうたろうは峠越えを果たしました。
「これより先は」じゃねえんだよ。これより前も先も、ずっと、チャリで山際すれすれを走ってきたんだよ(ぺっ
武儀川の源流。これからこの川がぶっとくなるまで走り続けるんですよー(棒読み
…耕作放棄地だ。こんな中山間地で農業を続けるのは大変でしょうな。都市には車があれば出られるでしょうけど、そもそも農業で生計が立てられないなら、農業を選ばない生き方をするのが多数になろうて。
この辺りには今の農政を作った自民党(ずっと政権を取っていたのだからそうなる)のポスターがたくさんあって、複雑な気分になりました。
集落に自動販売機があったので喉を潤します。店はほとんど開いていないようでしたし。っていうか、あったか?
…そろそろ日が落ちますね。
地図が、昭文社の50000分の1の地図の裏にある、30万分の1のハイパー広域地図しかありません。しかし、何となく現在地は解るような気がします。
でも、今この分岐だと、美濃市までは、尾並坂峠から、まだ半分来ていない…
全力疾走で、関市との市境に到達。約9kmを30分弱。意外と進みませんな。
遂にマックラになって、美濃市に行きたいのに看板が一切出てこなくて(こんなところまで登山道と同じかよ(゚Д゚メ)ゴルァ)、方向感覚だけで闇夜のススメ(滅滅滅
でも、このバス停の路線図を見ると、近からず遠からず!?
再び軽い峠道みたいなのになり、それを越えて脇道に入ると、なんだか嬉しそうな看板が。…でも、ふうたろう、尽きかけているんですけど。
その看板があるところは「市場」という信号で、そこにはファミリーマートがありました。そこで道路地図を買うのですが、何とも店員の兄ちゃんがしっくりこなくて、ついイラついてしまいました。いかんいかん。
道路地図を見ると、美濃市まであと少しでしたので、ひたすら走り続けました。感覚で近道だと思った道は、地図で確認した上で特攻。そしてやっと美濃市駅まで1kmのところまでッ…!
写真撮るエネルギーも尽きかけているのでこれくらいのぶれは勘弁ですわ。
しかしそのあと1kmが、また坂とかいう罠で、疲れました。でも、辛うじて20時前に到着。電車は…20時1分発美濃白鳥行き。…行っても宿が取れるか、あの民宿さとう?悩んだ末、我が愛車を畳んで電車に飛び乗りました。
座席に腰掛けたらふうたろうは燃えかすになっていましたが、とりあえず、民宿さとうに泊まれるかどうか、いや、何とか泊めてもらわないとヤヴァイ。燃え尽きるのはその電話をかけてからです。小声で電話しておきました。
美濃白鳥駅到着。何とかここまできた…。それでも、電車に乗って、樽見→岐阜→美濃太田→美濃白鳥と来るよりは1時間半早いのです。
民宿さとうに泊まることはできました。とりあえず、エネルギー切れ起こしているので遅すぎるけどメシ。
駅前にマルモ食堂ってのがあって、そこで出されたウナギ丼が信じられないほど美味い!ボリューム満点!!
…と思ったら、もう22時回っていて、今晩胃もたれフラグが立ったと言うことで、ちーん…(滅滅滅滅滅滅
民宿さとうにはかくして泊まれました。しかし、I知学院(札が貼ってあった)の学生が20人くらい来ていて、日付が変わってもずっとウルサい。この頃の学生はこうも常識を失っているのかと呆れかえるしかなかったのですが(さすがに最後は注意した。もちろん、上川での教訓は覚えている)、それ以上に胃もたれスペシャルが辛かった…。寝られない。
そんな厳しい一日が、終われないまま終わりました(何
#182能郷白山クリア。
天気:くもりのち時々晴れ(岐阜県大垣市・揖斐郡徳山村・本巣郡根尾村・山県郡美山町・武儀郡武芸川町・美濃市・郡上郡白鳥町・福井県大野市)