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ムダを出さない旅(三瓶山:島根県)

2010年 8月 7日

 吐き気がするほど暑かったおおちキャンプ場。テントの中は30℃に達していたのかもしれない。とにかく暑かった。しかも、朝起きても食べるものはない。昨日述べたとおり、食事を買い損なったので。カロリーメイト1本だけかな、あえて言うなら。


 とりあえず、昨日降りた浜原駅ではなく、江津側に一駅進んだ粕淵駅まで歩きます。キャンプ場からだと、浜原と粕淵は殆ど同じくらいです。


 見晴らしの良い橋を渡ります。このあたりは、普通に散策するだけでうま味のある場所だと、ふうたろうは思います。この前の劔岳…(略)


 粕淵駅に到着。
 そうそう、昨日、19時前にキャンプ場についても管理人が退勤したあとだったので、料金が払えなかったのですが、今朝出発すると、ちょうど管理人が出勤したところで、無理やり払ってきました。ここで謝っておこう、ごめんなさい。


 粕淵駅の横にあるトイレ。女子便所の中にツバメが一匹迷い込んで、外に出られない様子。捕まえて外に逃がしてやろうとするも、逃げ回る。しかし、いずれ疲れる。捕まえたらクモの巣だらけになっていて、クモの巣を外してやった。ちょっと力を抜いた隙に便所の外に逃げていった。達者で暮らせよと思った女子便所だった。


 一人の婆ちゃんが市役所すぐ近くの福祉施設に行きたいと言っている。しかしふうたろうは島根県に降り立つことさえ初めて。地図を見て一緒に探したり、バスの時刻表を睨んだり。あんまり助けにはなれんかったけど、逆にふうたろうは旅の前に力をもらったような気がした。


 バスで定めの松まで行きます。8時11分粕淵駅発。これ逃したらゲームオーバーです。


 草原の中に今日の山、三瓶山(さんべさん)の登山口があります。ここは、登山口を探さなくてもいい、超優良コースです。


 朝方は雲が多くて萎えていたけど、雲の隙間から現れる青空はとても澄んでいます。


 しかし、無風の樹林帯に入ると、そんな爽やかさなんて微塵も感じられません。


 暑くて急坂で、猛烈にしんどい。しかも朝飯食ってないし。水だけはキャンプ場に水道があったので十分汲んでおいたのですが…。


 こんな狭い景色で、今日のふうたろうは満足しないぞ。とりあえず、猛烈に暑いです。


 ようやく展望が利き始めました。ここまでが長かった。


 でも、ちょっと雲が多い。逆に言えば、日差しを遮ってくれているので猛暑から逃れられるという話でもあるのですが。


 向こうに子三瓶山。


 麓の方は晴れています。空も青く清々しい。


 そう思っていると、子三瓶山方面も雲が薄くなったような。


 距離自体はそれほど長くはありません。ただ、高低差で言えば600mはあると思います。余裕で登れると言えば嘘です。


 三瓶山は日本海が見渡せる山です。ふうたろうにとって、日本海というのはまた違った趣のある海でして、太平洋を望むよりも嬉しいのですよ。


 道が平坦になってくると、山頂まではもうすぐです。ゆっくり花でも愛でながら歩きましょう。


 斜面にはギボウシなどが咲いています。雲の境界が下に見えます。


 三瓶山の草原。杁差岳(えぶりさしだけ)などの笹原とはまた違った趣ですな。


 男三瓶山山頂まであと5分の看板。男三瓶山が三瓶山の最高峰です。


 登り詰めて東側を望むと、また草原が広がっていて、その中に小さな三瓶山避難小屋があります。


 山頂はすぐ後ろ。
 家族連れや夫婦で来ている人が3グループほどいました。こんにちはと言うと、必ずこんにちはと返ってくる。北海道から九州まで、山屋共通のコンタクトですな。


 山頂では晴れました。下から見えていた山頂は若干ガスがかかっていたのでだいぶ不安でしたが。


 空が青くて死ぬ。


 ちょっと避難小屋まで行ってみよう。


 使用禁止の小屋。床が老朽化で抜けそうだとか。
 …そんなに老朽化してはいないぞ。
 ところで、今度はイワヒバリか何かが小屋の中で窓に激突していました。捕まえて外に逃がしましたが、これもさっきのツバメみたいに、けっこう苦労しましたぜ。考えたら、全部の窓全開にして逃がせば早かったんじゃん。


 夏の空って感じですね。非常に気持がよいです。


 さて、下山します。
 食料がないので、とてもじゃないけど一周は無理。せいぜい下山路を変えるのが関の山ですな。


 階段っぽくなっている急坂。


 少し下れば深い広葉樹林帯に入ります。


 更に下になると針葉樹林帯なので、沈黙しながら下山。写真撮るものがないと速いものですな。楽しいかどうかは別ですが。
 この、定めの松から入って最初の分岐にある休憩小屋は、板で打ち付けられて使用不可能です。


 さあ、もうすぐ下山。


 登山口近くの刈り込まれた草原。ノビノビダラダラゴロゴロできそう。


 三瓶山を振り返る。左の山が男三瓶山。


 バス停。直近のバスは12時46分大田市方面行き。大田市は「おおだし」と読みます。


 さて、今日初めてのメシを食います。昼なのに朝飯前でよく三瓶山なんか登ったよ…
 なお、ハンバーグのデミグラスソースの中に、細かいみたいなものがイッパイ入っていて気になったけど、食ったあとだったので後の祭り。


 バスで眠りこけている間に、天気が2回ほど変わって、大田市駅に着きました。途中スゴい雨が降っていたような気がするけど…。


 大田市駅周辺も地面が濡れていました。
 とりあえず、食い物を買おう。


 大田市駅前のスーパーで食料などを物色している間に、何だか空が…?


 14時前の大田市。東側から巨大な積乱雲。


 とりあえず、さっきのスーパーで買った、島根県産のメロンでも食べよう。


 電車の中では、職人堅気な感じのする牛乳屋の、低温殺菌牛乳を飲み、パンを食べました。
 「木次」は「きすき」と読みます。


 14時20分頃に大田市駅を発車した途端、ものすごい雨が降ってきました。さっき東側からのし掛かるように迫っていた積乱雲のデカいやつですな。


 でも、降り方は局地的。すぐ向こうは晴れているでやんの。ここは波根駅だけど、波根駅と大田市駅の間くらいに積乱雲の中心があったみたい。


 ふうたろうの乗った電車は出雲市駅止まり。大田市を14時40分に出る何とかライナーってやつに乗れば、出雲市で降りなくてもよかったんだけど。まあ、ちょっとでも旅は楽しんだ方が勝ちだからさ。
 ところで、山陰本線のどこかで、よりによって3箇所くらいで落雷したようで、電車が遅れています。またかよ(゜Д゚#)


 嗚呼、外はめっちゃ晴れてるなあ(棒読み)
 しかし、晴れた空、きれいですね。これは本当。川面も静かで、何川か解らないけどさ。


 ところで、出雲市駅から女の子ふたりの4人家族が乗り合わせました。その女の子ふたりは、何やら床をじっと見ています。
 …どうやら床には大きなカメムシが一匹いるようです。
 このカメムシ、ふうたろうたちのいるこの辺りを、飛ぶわけでもなくウロウロしています。とっつぁんが危うく踏みつぶしかけましたが、カメムシは何とか逃げ延びました。そしてその足で、ふうたろうの座っているボックス席の真向かいにいる若い女性のキャスターつきバッグにクライムオン。さっきまで口を開けて眠っておられた彼女も、必死で攻撃ですわな。まあ、ふうたろうのようなカメムシのようで、また登ってくるのですな。いや、スゴいq(^Q^)p
 とりあえず、カロリーメイトの空きパックでこのカメムシを剥がして、外に逃がそう…と思ったら、この列車、窓がはめ殺しであります。更に、今まで長らく停車していてうんざりしていたのに、あと1mでドアのところまで走っていったところで発車しやがるでやんの(滅
 …その結果が、このパンの空袋に捕獲されたというわけです。
 そしたら、この一部始終を見ていた、さっきの姉妹の妹君が、「かわいそう…」と小声で不安そうに言うのですよ。可愛いじゃないですか。このカメムシめ、幸せですの。下手したら、ピレスロイドでぶち殺されてるよ、大人相手だったら…。大丈夫、この期におよんで殺しゃしないって。
 ふうたろうは何が嬉しいかって、ふうたろう自身忘れている、生き物に対する心ってのを、あの子が持っていて、表現したということですよ。とっつぁんは「余計なこと言うんじゃない」みたいなこと言ってたけど、とんでもない。
 今回に限っては、このカメムシは福の神ですな。…次の駅で袋をひっくり返してバイバイしました。


 米子駅到着。遅れて到着。遅れても1時間半は待たないといけない、ヒマ地獄。
 しかし、何やら駅前の大通りが封鎖されていて、イベントが…?


 祭をやっているではないか。みんな元気に踊っている。いいですな。


 さて、また今度も祭っぽいですが…
 ここは米子駅を出発し、伯備線中間地点の新見駅。30分の待ち時間があったので外に出て何か買えないかと思っていたところにこれがあったのですよ。
 橋の上に屋台が並んでいました。


 おや?花火ですか。これはいいときに来たもんですな。8月上旬は地元の小さなお祭りが開かれているのですかね。ふうたろう、大きくて有名なものより、所沢でもそうだけど、小さな地元の祭の方が好きです。


 花火が連発しています。不景気で花火を揚げられなくなっているという話を聞いたことがありますが、こういう地元で活躍する企業や消費者の景気を回復させないと文化まで奪われるということなんですかね…。


 これが、橋の上の屋台で買ったオムソバ。500円は安くないけど、祭価格です。電車発車前に駆け込み食いしました。


 駅から花火が見えます。駅員や車掌も見とれます。ラッシュで首が回らない山手線や埼京線では考えられない光景です。


 今度は赤。


 今度は肌色(?)


 ふぅ、まったく、旅ってのは帰るまでが旅なんだなと、改めて感じさせられますね。電車での移動を、例えば新幹線や特急でサクッと済ませてしまうのもひとつの旅のしかたではある。でも、こうして何度も立ち止まらなければ見えないものには、お宝が潜んでいたりするんだなと、これもまた改めて思う。
 主作用と効率だけを考えるなら、ふうたろうの今日の行動も昨日のキャンプ場ももっと効率的で快適にできる。でも、そんな主作用と効率はあくまでもすべての中の一部。ホテルに泊まって特急で移動するのは、例えば花の香りそのものを楽しむのではなく、花の主たる香気成分だけを楽しむようなもの。それは、とても効率が良いようで、実はとても楽しむ効率は悪いのだと思ったりもします。まあ、使い分けですがね、結局は。
 このあと、岡山市内の安ホテルで宿泊です。
 #126三瓶山クリア。


天気:晴れ時々くもり、にわか雨で雷を伴い強く降る(島根県邑智郡邑智町・大田市・鳥取県米子市・岡山県新見市、移動中を含む)

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