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焼山号に乗って(火打山焼山縦走コース:新潟県)

2010年 8月 21日

 長野市内のホテル、自彊館(じきょうかん)前。いつも天気が悪くて意気消沈しがちな出発の朝ですが、今日は珍しく晴れています。


 さて、長野駅。駅前にサークルKがあるので、朝飯を買ってから乗り込みましょうか。


 米の飯は食っておきたいので、ネギトロ(風味)の巻きずしを。それとカスタードクリームのパンケーキみたいなのも食いましたか。


 妙高高原駅から笹ヶ峰行きのバスではグースカ。気が付いたら殆ど笹ヶ峰の駐車場でした。


 …そう、ここはふうたろう、一度来ています。2008年9月13~14日。非常に苦しい記憶が蘇りますが。一緒に来ていたツレがいつまでもグズグズしていて、出発が遅れまくっていましたか…。
 でも今日はそんなことはない。快活に出発、のはず。


 最初は樹林帯。エンジンが順調に動かない登り始めは、ある意味試練です。


 前に来たときはこの辺りの景色はまったく覚えていません。ただただ、しんどいだけ。


 この沢から記憶が蘇ります。ここは水場となる沢が流れています。出発直後なので、水を水筒に補給、などという必要性はほとんどないのですが。


 それでもやっぱり沢に下り、水を飲みます。そして、空けたペットボトルに水を汲みます。


 沢を過ぎると急坂の連続が始まります。ここから300mほどの高さの急坂と、残り120mほどのやや緩やかな坂です。火打山に向かう最大の難所、なのかもしれませんなあ。


 背の高い木の樹林帯。


 新しくなっている木道。すれ違うのは少し大変です。まあ、この時間帯に下ってくる人はそう多くはないのですが。


 笹ヶ峰を8時13分に出て、この富士見平到着は10時7分。1時間54分なら大健闘でしょう。この調子で、火打山を越えて焼山の先を目指します。


 富士見平で休憩をしていると、何やらゴミが散らばっています。よく見ると、何と、そのゴミは土に埋まっています。これはひどい。こういうことするのがいるから、レクチャーだの登山規制だの、言い出すことになる。まさに、悪貨が良貨を駆逐する。


 天気が、以前登ったあの時と同じです。富士見平辺りで後ろからマックロの雲が追いかけてきましたっけ。


 しかし、この辺りから展望が利き始める頃でもあります。あの急坂の連続を越えたあとなので、なかなか嬉しいのです。


 背の低い木々が覆っている火打山の山腹。


 進む先はまだまだ晴れています。


 高谷池ヒュッテ。完全予約制、らしい。ここで泊まろうと思ったことは一度もありませんが。山行で予約の必要なシステムを使うのは、失敗の原因にもなりかねませんから。


 ヒュッテでペプシコーラを。300円しますが、こういうのをこういう場所で飲むと、うまさひとしおです。


 お約束の辛ラーメンですが、これ、純粋に韓国で作られて輸入されている製品らしく、買ったときには気が付きませんでした。どうも、日本語の袋のラーメンに比べて、かなり不味い。残り3袋ほどあるけど、正直食いたくない。
 念のため、韓国だから、という意味ではない。


 ラーメンの汁を飲みきることができませんでした。ペプシコーラのペットボトルもあることなので、一本廃液用に消費しましょう。
 ところで、高谷池ヒュッテには水場があることになっていますが、その水場はあまりきれいではありません。池塘から水を引いてきているのかもしれませんが…。


 さて、何だかタバコを吸う人が何人かいるようなので、行きますか。


 池塘が広がっています。


 高層湿原の中を抜ける木道。すれ違いがだんだん難しくなってきます。


 水田の原型か、などと、あの時も思ったっけ。


 空が青い。雲があってもこういうアクセントが素晴らしい。


 火打山方面。広い高層湿原です。


 池塘に火打山が映っています。


 池塘に浮かんでいる水草の諸々がまたいい。


 ワタスゲと火打山。


 鏡のような池塘。あまり風がありませんから。


 池塘を過ぎると岩ゴロゴロの歩きにくい道。さっきの風のないのが今度は猛烈な暑さとして帰ってきます。


 崩壊した斜面からどこかの山が見えます。


 殆どの人はこの道を空荷で上がります(火打山は日本百名山)。ふうたろうは焼山を越えて縦走するので、人の数倍の荷物を持っています。それだけが理由ではないと思いますが、コースタイムオーバーも甚だしい。


 ライチョウ平。ライチョウがいるのでしょうね、ここ。


 何だか火打山方面が猛烈にガスってきました。


 何か感じ悪いなあ。でも、今日の目的は火打山じゃないから、いいですかね。


 木道の急坂。ここまで来ればあと少し。


 ガスの上は澄んだ青い空。ガスがあると、空がよりいっそう青く見える。


 それが見える場所は火打山の山頂でした。


 しかし、山頂には、風上で連続で喫煙するふたりの男がいて、非常に迷惑でした。去り際に注意していきましたが、あとでその注意は全くのムダだったことが判ります。
 とりあえず、その迷惑な連中のためだけに火打山を足早に去ることにしました。


 ここからは未踏の地。まずは影火打山に向かいます。


 影火打山の山頂は何処にあるのかよくわかりませんでした。知らない間に通過していて、草地のなくなっている場所が一箇所だけあったので、そこで、火打山でできなかった大休憩をば。


 北の空はまだ晴れ間が見えます。


 上空も晴れたり曇ったり。


 南斜面のガスがひどい。
 しかしそれもそのはずで、ふうたろうが今座っているところ、ひたすら湿度の高い熱気がモンモンと上がっています。多少曇ったくらいでは暑いのなんの。


 晴れ間が時折出る稜線。急坂の連続で、疲れてきました。


 鞍部はすぐそこに見えます。…が、それが遠い。


 稜線を挟んで右側、即ち北側が今度はガスでいっぱいです。そしてそのあと、そのガスが稜線全体を覆いきってしまい、テンションが下がります。


 焼山にさしかかろうとした頃、少しだけ焼山が見えてきました。


 後ろを振り返ると、影火打山が少し頭を出しているように見えます。あの鞍部がガスの通り道、だったのかもしれません。


 ガスの上は、やっぱり澄んだ青空。


 上の方のガスが薄くなってきました。太陽が見え隠れして、何気に猛暑がぶり返してきました。


 焼山の下に何だか草がなぎ倒された箇所が。誰かがテントを張っていたのではないでしょうか。


 さて、焼山の急坂は火打山のあれとはレベルが違います。まるでよじ登るような急坂、絶句です。


 しかも、展望がなかったら絶望です。


 しかし、やっぱり、ガスは少しずつ薄くなっています。


 そのガスを抜けて見る青空と太陽と上層雲は最高です。


 ここからひたすら空を仰いで歩き続けます。


 輝く太陽。


 しかし、急坂はひたすら続きます。ペンキのマークはあるのですが、時々見失いそうです。


 山頂三角点まであと少し。お鉢に着きました。


 細いので滑落注意。


 ガスの雲が連なっています。山頂三角点は山頂の標よりも少し手前にあります。


 真夏の山。


 これが山頂の表示板。ちょうど2400mの焼山登頂。


 眺めは抜群です。遮るものは時々かかってくるガスだけ。しかしそのガスさえ遠ざかってみると風景のひとつですから。


 雲が流れます。


 動きがダイナミックです。


 時々大きい雲がやってきて周囲を呑み込んでいきます。


 日本海側に広がる雲海。残念ながら、靄で日本海までは見えません。


 焼山で一番高いところの岩場。


 山頂の表示板はその手前。


 青い空と雲海。


 およそ山頂で1時間マッタリしていましたが、実を言うと、体調が少しおかしい。そして、出発してすぐ、腹が痛くなってしまいました。
 そういえば、今朝、ホテルの冷房をかけっぱなしで寝てしまって冷えていましたっけ。


 岩と雲海と広大な青空を眺めながら、岩陰で…(規制)。ただし、ティッシュは袋に入れて持って帰ります。本当は携帯トイレがいちばん良いのですがね。持ってきていませんでした。


 ここは焼山のお鉢の中です。噴煙や水蒸気は上がっている様子はありません。


 さっきまでなかった上層の絹積雲が湧いてきました。


 まあ、上を向きっぱなしというわけには行かない、けっこう険しい道ですので、手足を使って焼山を西側に抜けます。


 鎖やロープなどがある岩場。滑落や落石に厳重注意。


 上層雲が近づいてきました。


 西側も雲海。


 飛行機の窓から見るような広い空。


 焼山の荒々しい岩と砂利の斜面。


 焼山の稜線と鱗雲(絹積雲)の境界がくっきりしています。
 とか何とか言っていますが、道迷い注意。


 金山方面もガスが切れてきました。最初はあれが雨飾山かと思っていましたが、そんなに近いはずもないし、方向的にも違います。


 落っこちてきそうな大岩。横の長さが10m以上あるんじゃなかろうか。
 しかし、空に浮かんでいるようで、妙に不思議な気分になりました。


 天空の城、焼山。


 空と岩の境目がたまらない。


 気持ちの良い天気。これ以上何もいらない。


 雲海に突っ込もうとする太陽。


 稜線を駆けめぐる雲の帯。


 岩と鱗雲。


 いつまでもこの場にいたい。


 ただただシャッターを押すしかないふうたろう。


 山肌がオレンジ色になってきました。


 雲海も少し橙色を帯びてきました。


 金山方面。


 低木が出てきました。


 宴もそろそろ終わり。木が高くなってきました。


 西日の明るい樹林帯に突入。嗚呼、素晴らしかった…。


 泊岩、だそうです。60分?ここが泊岩ではないんだね?


 (・ε・)あれ?
 泊岩、やっぱりさっきのところだったのか。
 テント張れそうなところ、あとは富士見峠辺りでしょうか。とりあえず進んでみましょうか。


 分岐が出てきました。笹ヶ峰・金山方面に向かいます。


 おっと、日が沈みますぞ。しかし、夕焼けが素晴らしい。


 富士見峠に着く前に水場を。


 モミジカラマツか何かの草やぶをかき分けて、この雪渓に降り立ちます。


 雪渓の水を500ml分ゲット。できれば沸かしてから飲みたい。


 登山道に戻るのがまた大変で、ぬかるんでいました。
 登山道に戻ると程なくして(20mくらいか)富士見峠。


 テントが2張りほど張れそうな場所に、何とガス缶がひとつ捨てられていました。持っていきたかったけど、それよりもブヨが数百匹レベルでたかってきて、こいつを拾うだけの心の余裕がありませんでした。


 ハイパースウォームとの戦いに勝てないまま、何とか無理やりテントを設営して、中に逃げ込みました。日が落ちるまで、いや、落ちても、しばらく外からヴンヴン音が聞こえます。実におぞましい。
 しかし、奇跡的にかまれた場所は少なくてすみました。頭にタオルを巻いていたのは効果絶大です。スウォーム耐性が高いです。


 何とか富士見峠まで来ました。何処まで行けるのか正直未知数で、寝床は少し不安でしたが、富士見峠のテン場(?)はそこそこ平で展望も良いです。
 ただ、今日はこの近辺に人は居ないようです。また、ハイパーマニアック街道まっしぐらふうたろうのようです。
 それにしても、焼山の空の美しさは凄まじいですね。これだけでもう十分来て良かったと思えます。でも、まだ明日、雨飾山までの縦走が待っています。


天気:晴れ時々くもり(新潟県中頸城郡妙高村・妙高高原町・糸魚川市、移動中は含まない)

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