雷の宴(鹿島槍ヶ岳赤岩尾根コースfrom簗場駅:長野県)
まったく、寝るだけのためにやってきた旅館。寝るだけなら、ほんとに駅前の安いホテルみたいなのがよいのですが、なぜか今日は何処もホテルが埋まっていて、頼みの綱の松本市内の『飯田屋ホテル』も予約受付からしていない状態でした。しかし、昨日のうちに信濃大町に来たために、1時間ほど早く出発できるというメリットもあります。
駅までは15分歩かなければならないと、旅館案内のページに書いてありましたが、確かに若干遠い。車通りが多かったら歩く気はしません。ホテル内藤相生(甲府)よりはずっと近いという感覚ですが。
免許証を差し込むとタバコが買えるという自販機がありました。まあ、ふうたろうはタバコは一切吸わないので関係ないけど、免許証や保険証などで認証できるようになれば、確かに安上がりだったのではと思わなくもない。
信濃大町駅発南小谷行きの、6時12分発のに乗りました。降車駅は簗場(やなば)駅。今日はここが登山口(の登山口)。トイレ済ませて行こう。
念のため、ふうたろうは、鹿島槍ヶ岳に登ろうとしていますが、目の前には延々と延びる道路と、スキー場があるだけです。
ふうたろうは、あのスキー場を越えて、赤岩尾根を登るルートを辿るのです。
中綱湖(なかつなこ)に反射する天狗尾根がきれいだなあ(棒読み)
この尾根は、小遠見山まで繋がっています。小遠見山は、遠見尾根から五竜岳に繋がっていきます。
\(^O ^)「おはようございマース、おばあ…ぁあ??」
(゚□ ゚;)ヌオッ!
あれ、案山子じゃねーか!!
リアルに、草取りした草の模型まで置いてある…。
まっすぐ歩いていくと、タヌキを捕獲して井戸端会議をしている男女3人がいました。どうも、倉庫の作物をやられたらしい。
その中のおっちゃんに道を教えてもらって、スキー場に向かいます。
スキー場のゲレンデの入口。なだらかに見えますが、それは罠です。
強烈な急坂にあえぐこと30分、車道の真上にやってきます。直接交差はしませんが、トンネルの上を通るような形です。
ふうたろう、既にここでバテまくりです。
しかし、スキー場のゲレンデはまだまだ続きます。しかも朝露で靴が濡れまくり。まさかこの前の金山水虫地獄再来か?!
草の背丈が高くなかったのが幸いで、足首までビチョ濡れにはなりませんでした。
右か左か。どちらでも進めますが、ふうたろうは右に行きました。
この車道までで何気に、400mも登りました。ちゃっかりプチ登山じゃないか。猛烈に疲れました。
スキー場なので、水道やトイレの一つ二つくらいあるだろうかと、進みます。
しかし、建物があるだけで、外付きの水道すらなく、自動販売機さえ止まっているものもありそうです。
昨日雨が降ったのか、この辺り、濡れています。ブヨが頭の周りにたかってきます。
ここは既に登山口です。
…が、この川の上流方向にある登山口に向かって歩いてゆくと、大音響で何かのイベントをやっていました。いや、人が集まっている様子も、そこに誰かが向かう様子も、そもそも何かをやっている様子さえも確認しませんでしたが、音だけが聞こえます。
とりあえず、登山口の駐車場の広さはこんな感じです。工事中でなんとか、という表示があった気がしますが、これからここに工事用の車両が止まり始めるということでしょうか。
簗場駅か信濃大町駅かどこかから鹿島槍ヶ岳方面を見たとき(6~7時)は晴れていたのに、今やメタクソ曇っています。
登山口(まで2時間かかったが)から1時間ほど砂利道を歩きます。砂防ダム工事用の通路になっています。
地図を見ると、西俣出合に水場があることになっているので、飲みたい水を我慢して、必死に歩きます。冷たい水を、さかなのように、顔で飲みたい。
もっている水は、幸い旅館で下剤袋2リットル一杯に汲んできたものでした。その他に、ポカリスエット1リットル分。
既に渇きに耐えかねていて、そうとう水を飲みます。
木や鉄の階段が連続しています。この一段一段が重いです。そもそも、今日のふうたろう、何だか過労です。いつもの倍バテます。
空はガスったり晴れたりを繰り返しています。青空が見えると嬉しいですが、それは一瞬で、あとは猛烈な暑さに死にそうになるだけです。
西俣出合から、高千穂平という場所まで2時間50分のコースタイム。あの高いところ、そろそろ高千穂平じゃない?
階段が取り付けられています。でも、もう少しだと思うと楽?しかも、途中で抜かしていったおっちゃんと少しだけ話をしたので、MPが少し回復。
高千穂平に到着です。休憩を入れて2時間強。コースタイムはだいぶ甘めに付いているようです。助かった。
高千穂平で20分くらい休んでから、再出発。
(・ε・)…が、その前に、さっきのおっちゃんが引き返してきました。
「30人くらいのロングがいたのでやめた!」
だって。
まあ、団体は疲れるかも知れないけど、引き返すまで嫌うこともない気がするけどなあ…。
またトラバース。しかも鎖付き。でも鎖なんか持たなくても歩けます。
とりあえず乗越で一休みです。ここまで簗場駅から6時間20分。まあまあの健闘です。しかし、バテました…。上りトータル1500mくらいですか。
ところで、ここで地図を広げながらチョコチップパンを食っていると、何やら見覚えのある顔が。
なんと!南アルプス荒川三山の、中岳避難小屋で一晩一緒になった雨女と自分で言っていた方(また名前聞いてなかったなあ)がそこを歩いているではありませんか!思わず二度見してしまいましたがな。
乗越から小屋を見ると、スゴい登下降のルートに見えるけど、15分ほどもあれば着く冷池山荘に到着。
彼女とは小屋の大混雑の中で、はぐれました。ふうたろう、テントの受付をして、10分弱離れたテン場に移動です。
ガスっていますが、とても展望の良いテン場です。東向きのところにふうたろうはテントを張ります。
西向きなら劔岳や立山が一望できます。が、今はガスっています。
あの爺ヶ岳南峰の肩辺りに種池小屋があります。2008年11月1日、あそこでテントを張って過ごしましたね。きれいな雪景色でした。
遠くに雄大積雲が発達を始めています。でも、こちらは大丈夫か?
起きあがるとトウガラシオイルの真っ赤にぷかぷか浮かんだ、レッドカレーの鍋がある。
しかし、食い始めてすぐにハラが一杯になる。食欲は不安定です。何せ、このテン場、直射日光がキツくて、テントの中は猛烈な暑さです。蒸し焼きにされます。中で休む気にもなれません。
この通り、彼岸まで1ヶ月を割ったというのに、日差しがしこたま強い標高2400mの稜線。
でも、やっぱり疲れているので、横になろう…。もう今日はこの先五竜岳方面に進むのは諦めていますから…。
そして、ウトウトしながら…
ん(・ε・)
小雨ですな。これは先手を打って、外にあるスリッパなどを取り入れて、テントの窓も閉めよう。
すると、18時頃になって、ビー玉みたいな雨が降ってきました。目が覚めましたな。
さっきまでみんなドンチャン騒ぎだったテン場は、雨とともに静かになりました。雨様々ですな。
この、大町市あたりを中心としているような、巨大な積乱雲が発達を続け、夕日に不気味に輝いています。そして、暗くなって…。
…さて、ここから宴の始まりですな。今日は雷の写真を撮影してみましょうか。人生初の(何
しかし、連続シャッターで撮影するも、殆どはこんなマックロの写真か、先の2枚のようなCCDのシミのようなものばかり。
けども、頭の固かったふうたろう、やっと三脚を出して、シャッタースピードを30秒にして撮ることを思いつきました。もっと早く気付けよ!
いちばん美味しい時間帯を逃してしまいました。雷は徐々に弱まりつつあります。
鉄床雲を横に走る稲光。
ふうたろうは稲光を写真に収めることができるようになった。写真家レベルが1上がった!
宴は終わります。急速に積乱雲が衰退し、雷はピタッと止みました。真上で鳴られると雨が降ってくるので撮影どころじゃないけど、このくらいの距離感がちょうど良かった。
というわけで、五竜岳の縦走は諦め、冷池のテン場で今日の行程を終わったふうたろう。雷を鑑賞して、明日の鹿島槍ヶ岳ゲットに備えて寝ます。
ところで、テン場からトイレの距離、聞きしにまさる遠さです。
ヾ(℃゜)々なんでトイレ行くのに往復10分以上かかるんじゃ。しかも、数十メートル下山までして。
…明日は晴れるかな。後立山は、ふうたろうの天敵です。天気が悪いか体調が悪いか運が悪いかのどれかです。いいことありますように。
天気:くもり時々晴れで夕方一時雨、雷を伴い一時強く降る(長野県大町市・富山県中新川郡立山町)