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冬山の現実(岩木山弥生コース:青森県)

2010年 11月 20日

 6時12分の電車に乗らないと弘前(ひろさき)駅前始発のバスには間に合わないので、5時過ぎに起きようとホテルに備え付けてあった目覚まし時計を使おうとしたら、余裕でぶっ壊れていて、見事に寝坊しました。日長の短いこの時季の明るい時間帯に出発というハメに。でも、2本目くらいのバスにはなんとか間に合いそうで、これならリカバリも利くだろう。


 そうそう、この7時10分発の、快速大館行きの電車に乗るのです。駅前のファミリーマートでグラタンとパンか何かを買って、待合室でガツガツ。何気にコンビニの飯って味の割に高いなあと思いつつ。


 青森から弘前の間は40分程度。弘前の情報は、職場にここが地元である人がいるので、ある程度聞いておきました。
 しかし、弘前駅前、取手駅前よりは良いじゃないか。寂れた感じもしないし。


 まあ、それはともかく、空の様子はまあ、可もなく不可もなし。


 昨日の夜もう一回悩んで、この岩木山を2日間コースにすることに決めたので、今日はゆっくり山頂の避難小屋目指して小屋に泊まって明日の朝下山後、Bダッシュで北海道入りしようと考えています。
 というわけで、何やら不安な始まり、岩木山弥生コースの始点である弥生バス停。


 登山道に入るまでに広大なりんご畑を通過します。コンクリートで固められた農道を歩かせてもらいます。


 もう11月も下旬となれば、とっくに弘前みたいに寒いところでは収穫も終わっていると思いきや、まだたわわに実った木が残っていると来たもんだ。でも、今年は異常気象で、本来は収穫が終わっているはずなんだと、地元のおっちゃんが教えてくれました。


 驚くことに、弘前からは岩木山だけかと思ったら、八甲田山も見えるようです。まあ、今立っているここは弘前市ではないけども。


 ところで、岩木山の周りが白くなっているんですけど。岩木山が白いのではないことが問題です。


 りんご畑の外れに、超小粒のりんご様のものが鈴なりになっている木を発見。これは何だろう。りんごの原種かな。


 嗚呼、いわゆる「滑走路」ですな。大地が広いって素晴らしいよね。ふうたろうはこういうところに長く居たことがないから。


 ところで、どさくさに紛れて小雨がポツポツしています。この辺のどこかに気圧の谷があるのか知らないけどさ。


 りんご畑を抜けて、登山口に近づきます。まあ、登山口まで行くのも登山ですから…


 左にちょっと荒れたような道があり、右には普通の道がある。大きいつづらと小さいつづら、どっちを開ける?みたいな。
 いや、これは普通の道を行くべきです。小さいつづらを選べと。


 晴れ間は常にどこかに見えています。だから、どさくさに紛れてポツポツされるとよけい鬱陶しく感じます。


 弥生登山口、一合目に到着。これから、山道に入ります。


 青空の下の冬枯れの道。ふうたろうの好きな道。


 どんなに寒くても、この冬枯れの落ち葉の上を歩いて青空を仰ぐと、温かい気分になりますね。


 しかし、今日は実際に温かいような。ほぼ真夏と同じ格好で歩いていますがな。


 天気も良いし、これは岩木山、もらったかな。


 沢を越えます。


 ここでツルッといくとけっこう痛手を被るのでしまっていきます。


 沢を越えると、ひたむきな上りが始まるでしょう。この弥生コースに限らず、岩木山は独立峰で、どこも直登のようです。でも…?


 2合目。まあ、楽勝ですな。こんなハイパーよちよちコースだと、山頂もあっという間であろうと。


 3合目。こんな感じが続きます。


 ちょっと坂がキツくなってきましたか。


 4合目。雪の重みでか、標が傾いでいますな。


 何気に、落ち葉がまんがのように滑りまくりで、ふうたろう何度か転けそうになっています。


 樹間から弘前(ではないかもしれないが)の町並みっぽいのが見えたり見えなかったり。


 上りはキツくなる一方ですが、それは全然余裕です。まだ晴れてもいるし…。


 しかし、5合目の標を見る頃には、雪が一面覆っています。


 何がしんどいって、この辺りから登山道がむき出しになってきていて、雪が足場を思いきり隠すこと。


 遂にピッケル様の出番でござる。


 雪道になって、途端に足どりが重くなりました。揚げた脚も雪の中に沈んでしまいますから…


 しかし、上に進むに連れて雪の深みが増してきます。この時季の雪ですから、まだ雪質が湿って重く、濡れる濡れる…。


 そんな泣き出したい状態に、岩木山の真上をガスが覆うとか、もうね、拷問ですよ。


 それでも雲の中に入るまでは景色を楽しむことはできます。一応。


 呪いの雲の下の町。


 しかし、遂に出てきたこのウルトラヤブ漕ぎゾーンが。雪が積もるので、枝やらササやらが登山道に倒れ込んできます。もうね、この瞬間からこの山は二度と来たくない山になりましたよ。


 そしてガスに巻かれるか巻かれないかの瀬戸際とか。


 7合目の標を見落としたのだと思いたかったけど、ちゃんと7合目の標が見つかってしまったので、がっくりしているところです。


 しかも、霙っぽい雪か雨が降り始めたとか、泣きっ面に蜂。


 さらに雪が本気になって降ってきたでやんの!


 よく見えないけど8合目の標です。9合目ではないです。っていうか、何処にいるか解るけど、解らないことにしておきたいくらい頂上が遠いです。


 雪中ウルトラヤブ漕ぎゾーンは涙チョチョギレます。


 死にそうになっているところに一筋の光が。


 しかし、しょせん一筋の光でした(滅
 岩木山は直登だと言ったけど、この弥生コースは、8合目~9合目で、色々巻き道を通ります。そして、この雪の中なので、イヤラシい雪トラバースです。もうね、終わってるね。


 やっと9合目。念のため、背中には20kg超えた荷物がくっついているので、かなりダルいのですよ。靴は濡れているのでよけい重いし。


 それでも、晴れていれば気にならない苦痛ですが、晴れそうで晴れないこのもどかしさが延々と続くところが、実におぞましい。


 嗚呼、青空が透けて見えるなあ(棒読み)


 何処に登山道があるのか既に解らないくらい積雪しています。だから、かなりテキトウに登っています。


 どうやら、山頂の避難小屋と神社の集合体が見えてきたようです。しかも、晴れている!?


 これは晴れを期待できるか!?


 …まだちょっとガスっぽいので、とりあえず小屋に入るか。


 何だかゴタゴタしているけど、ふうたろうひとりが寝るくらいの板の間というか横になれるスペースがあるのでそこで大風呂敷広げましょう。
 とりあえずハラが減ったので、山頂三角点を踏む前に、カレーうどん雑炊を食うと。


 カレーうどんを食っている間にガスったので、しばらく地図見たりして明日以降のことを考えていました。そしたら、ちょっと晴れ間が出てきて…。


 小屋の周りをウロウロしつつ、山頂三角点を何となく踏んだことにしておきました。雪に埋もれて何処にそれがあるのかよく解らんのでね…。


 ここが晴れていてくれれば、雲海が超キレイなんだけどね。


 夜になったらなったで星空とかがきれいなんだろうけど、ガスっているもんで…。


 鰺ヶ沢や五所川原方面の夜景は見事です。今夜はこれを楽しむとしよう。


 冷たい強風が吹き付ける山頂の避難小屋で一晩を明かすことになりました。今日歩いた感触で、明日以降の行程が何となく想像付きそうです。
 とりあえず、百名山撃破を優先し、明日から明後日にかけて八甲田山参りをしよう。23日は雨の予報なので、大千軒岳は予報が変わらない限り行けないということになりますが、それはそれでしかたがないね…。何しろ、今はもう北国では冬なのですからね…。
 今日はもう寝よう。


天気:くもり時々晴れ、一時雪(青森県青森市・弘前市・西津軽郡岩木町)

  1. みゃーみ
    12月 1st, 2010 at 21:25 | #1

    やっとゆっくり読むことができました!
    登るにつれどんどん冬山に変わり過酷になっていったのですね。
    微妙にうっすらと晴れ間なんかあるから期待も残っちゃったったりして。。。
    晴れてなくても雲海は超きれいです~。
    お疲れさまでした~。って今頃コメントですみません。

  2. ふうたろう
    12月 1st, 2010 at 22:31 | #2

     読んでもらって、
     コメントまでもらえたら、
     やっぱり書いていて良かったと思います。

     そうなんです。
     微妙な晴れ間がイヤラシかったですねえ…
     雲海も夜景ももっとガツーンと見たかったです。

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