Home > ふうたろう旅日記 > 黒い雪をかき分けて(磐梯山裏磐梯コース:福島県)

黒い雪をかき分けて(磐梯山裏磐梯コース:福島県)

2010年 12月 18日

 懐かしい磐梯山に行きます。何故か、特にあの裏磐梯ですが、何度も行く機会があって、ものすごく好きな観光地であるわけではないけど、何度でも行って良いなと思う場所のひとつです。そして今日、もう何度目になるか解らないけど、行きます。
 しかし…!
 アブねぇ…、今日はたまたま池袋経由で行ったけど、新秋津経由で出発していたら、武蔵野線の立ち往生をくらっていたかも知れん…。


 しかし、宇都宮あたりでおかしいなと思ったら、こともあろうに乗る電車を間違っていて、1時間以上猪苗代到着が遅れること決定。何という体たらく…。
 しかし更に、磐越西線が信号機トラブルとかで止まっていて、何で今日はこんなに鉄道がひどいんだろうか…。


 遅れた磐越西線が西進すると、景色が白くなりました。そして、吹雪模様。確かに今日は日中までは冬型の気圧配置が続くと言っていましたか。


 猪苗代駅到着。何時にバスがあるか解らないけど、とりあえず、きょろきょろと探して…。


 どうやら、バス、12時50分にあったようです。遅れた磐越西線はそのギリギリに着いていたので、飛び乗った感じでした。
 ところで、たまたま一緒に乗り合わせたおばちゃん曰く、11時19分猪苗代着の会津若松行きは運休だったようです。一体今日の旅はどこまでひどいんだ…。


 バスが裏磐梯高原ホテルに着きました。裏磐梯スキー場がオープンしていれば送迎バスが出ているのですが…。


 少なくともシャトルバスっぽいものは走っていなさそう。厚い雲が行ったり来たりする中、車道歩き。鳩待峠や水窪に比べれば屁の突っ張りにもなりませんが。


 バスに乗っているときから気にはなっていたけど、吹雪をもたらしていた雲が切れてきました。ひょっとしたら、到着が1時間半遅れたのは、それほど悪いことではなかったかも知れません。


 スキー場まで900mの看板。バス停からスキー場までせいぜい1~2kmくらい。しかし、時間が時間だけに、日没までもう3時間切っているだけに、ちょっと慌てたいような。


 名も無い池。この辺りは火山性の池・沼・湖が多い。


 スキー場はやっぱりオープンしていませんでした。準備に当たっていたと思われるおっちゃんたちが何人かいたので、そこで思いもよらず登山届けを出すことに。


 広大なゲレンデが広がっています。人のいないスキー場ってのは不気味ですなあ。


 あの遙か彼方の斜度がキツくなるところを越えれば、やっと出発地点に立つことになります。


 さっきまで青空だったのに、ちょっとまた雲が出てきたなあと思いつつ、まあそれもお楽しみかと気持ちを切り替えて進みます。


 スキー場のセンターが遥か後方に。だんだん気分がノって来ました。


 初心者用だと思われるゲレンデを上がれば、あのキツい坂を巻いて登れます。どのくらい積もっているか解らない、雪崩を心配しなければならない坂をわざわざ上がることもないし。


 この期におよんでこんな所を歩いているのはふうたろう以外にいない。


 ここから吾妻連峰などが見えるはずですが、雲の中。


 リフトの上部。スキー場が終わります。


 ここが出発地点。鳥海山の時もそうだし、いつもそうだけど、リセットボタンは自分で押すのが、ふうたろう山の基本となってしまいました。
 念のため、やりたくてやっているのではありません。ただ、やった結果、色々思うところがあるだけの話です。


 さて、今日はいつものように暗くなるまで歩き続けますよ。通ったことのある道でもあり、装備的に避難できるものでもあるので、絶対的な自信があるからです。


 当然、踏み痕はまったくありません。おそらく、この新雪が積もる前に何人かは歩いているとは思いますが。


 途中の銅沼(あかぬま)に行くまでに小さな沼がひとつありますが、水深が浅いのでもう凍っているでしょう。この辺りは火山に伴う湖沼が多く、楽しめます。


 しかし、今日は楽しむのと同時に、雪が思い切り積もっているので、足元はもとより、頭上というか目の前の雪にも注意です。この木の枝に積もった雪が道をふさいでいますので…。


 青空が広がってきました。西から移動性の高気圧が張り出してきているので、天気は回復に向かっています。


 銅沼(あかぬま)到着。


 磐梯山山塊の、櫛ヶ峰などが見えています。天気はだいぶ良くなりました。


 この、銅沼は、文字通り、銅のように赤茶色をした底質に覆われたきれいな沼です。しかし、2004年10月10日に来たときは2001年9月26日に来た時より少し濁ったような感じがしていたし、だいたい今は冬で凍っていて、その底を拝むことはできません。


 磐梯山山頂の方はまだガスっているようです。まあ、今日はあそこまでは天地がひっくり返りでもしない限り行けませんので。


 さ、銅沼でいつまでも油を売っているわけにもいかないので、出発しましょう。


 すっかり青空の勢力が強くなった空。


 でも、銅沼を越えると更に雪のヤブが厳しくなります。それに、日も暮れてきました。


 夏道どおりには進めません。笹や小枝が雪の重みで倒れ込んできて、道が完全にふさがっている場所も多数。一体今日はどこまで行けるのか。


 そうこうしているうちに、早い日没が訪れてしまいました。


 櫛ヶ峰。彼方に夕焼けになった雪雲の欠片が。


 そして、辺りは真っ暗に。それでも、ヘッドランプも点けずにばく進するふうたろう。


 向かうは弘法清水。まあ、どう考えても今日中にそこまでは行けそうもないね。夜飯も食わんといかんし。


 というわけで、テキトウに平らな場所で、且つ見通しも良いところでビバーク。
 と、簡単に書いているけど、さすがに真っ暗な中を雪の急坂は楽ではありませんでしたね。


 見晴らしが良いというのはこういう意味です。このロープの向こうは90度の崖でして。ハイリスクハイリターン。…ってほどでもないか。


 あの大千軒岳の林道に続いて、二匹目のドジョウを掬おうとしています。月とちぎれ雲を撮影すると。


 ちょっと風が強く、木がぶれてしまうので、ビミョーな写真になってしまいましたが…。
 月明かりの撮影に飽きたら、エンゲルスの『自然の弁証法』の訳本を読んでいました。まあ、睡眠剤が効いてくるまでのほんの少しですが。それにしても、寒くて寒くて…。


 ともあれ、今日、とりあえず、登り始めることができてよかった。あの電車が遅延したときはもう駄目かとも思ったくらいでしたから。
 それに、今日はメシ後の体調悪化もなく、快適な山旅を過ごせています。感謝感謝。真冬のテントの中でモソモソできる、幸せで贅沢なひとときを過ごします。ちょっと寒いけど。


天気:雪のち晴れ(福島県耶麻郡猪苗代町・北塩原村、移動中を含まない)
覚え書き:黒磯駅で駅ソバ

  1. itochan
    12月 20th, 2010 at 11:22 | #1

    こんにちは!
    裏磐梯から磐梯山に登っているんですね。
    裏磐梯高原ホテルのすぐ近くに裏磐梯物産館ってのがあって、そのはす向かいに裏磐梯茶屋という美味しい珈琲が飲めるお店があります。五色沼散策ルートの出口(入口)になってます。
    残念ながら4月までは冬眠?中ですが・・・。
    何度も足を運んでいるあたりなので、コメントしちゃいました。

  2. ふうたろう
    12月 20th, 2010 at 12:14 | #2

     こんにちは。
     ふうたろうももう少し余裕のある行程を組めればよかったのですが、今回は後述しますが、特に慌てた終わり方をしてしまったので、着替えすらまともに出来ないまま電車に乗り込んでしまいました。
     このあたりはなぜか縁深いので、また来ると思います。コーヒーは飲めませんが、マッタリと磐梯山を友人たちと過ごす日がまた来れば、そのときにでも…

  1. No trackbacks yet.
Comments are closed.