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生活も、食料も、山まで破壊するTPP

2011年 11月 17日

 今日はいきなりコアな話から始まる。
 今日は、TPP(環太平洋経済連携協定)の学習会だった。…といっても、誰も専門家ではないので、みんなでテキストを元に学習するという形に近かった。講師役を務めてくれた板橋区のK産党地区委員長も、A旗やTPPパンフなどを元に、話を振るにとどめていた。むしろ、それくらいの方がみんなが自主的に、パンフレットや新聞記事などから問題点を拾い出すので、この学習会を企画する段階から、いいと思っていたのだ。


 TPPの基本原則は、関税および非関税障壁の撤廃です。貿易の自由化なんだそうで。
 でも、貿易の自由化なんて言えば聞こえがいいけど、実際はいくらでもいちゃもん付けられるようにすることだと考えるべきです。今日のパンフレットおよび新聞記事でも、主たる内容はまずは農業と食の話だったので、そこから入ります。
 まず、関税が撤廃されるので、安い農産物が日本に入ってきたら価格競争で確実に負けます。それは、今まで国産小麦や国産大豆の自給率は10%あるかないかという状況が物語っているのではないでしょうか。米も価格で言えば圧倒的に安くなる(確か5kgで300円台くらいだったか?)ので、日本で5kg平均2000円前後の米が、この不況で金がない国民の前に太刀打ちできるとは思えない。
 そこで、あたかも、安いものが国民の利益になるかのように言われていることが問題です。これはよーく考えてほしい。
 5kg300円の米を買ったとしたら、その300円はどこに行くのか。当然、アメリカから買えばアメリカの農民に行くわけです。そのアメリカの農民が日本の米を300円買えば、元通りになります。…が、そんなアホなことは起こりませんよね?
 代わりに、日本の工業製品がアメリカで売れるから日本にとって有利だとすれば、それは日本にとって有利なのではなく、日本の工業製品を売っている企業にとって有利なのです。しかも、日本の工業製品を売って諸外国で儲けている多国籍企業は、どういう企業だったか?派遣切り、雇い止め、それらを平気でやってきた企業だった。日本のためというお為ごかしで儲けを得、それら大企業合計で200兆円を超える内部留保を蓄えてきたわけです。
 カネの流れを分かりやすくすれば、日本の農民から日本の多国籍企業にそのまま滑っていくということじゃないですか?ま、これは今に始まったことじゃないけど。
 TPPではその他に、非関税障壁として、各国の法制度にまで、国際機関に訴えることができる可能性もあります。韓国の例では皆保険制度に対してアメリカの保険会社が、日本でも食品添加物の扱いに対してアメリカが政府を上げて、規制緩和を要求してきています。仮に日本で皆保険制度が破壊されたら、今でも病院に通えない人がいるのに、その状況たるや、想像を絶するでしょう。
 TPPの害悪は、枚挙にいとまがありません。次のリンクに代えておきます。
 →TPPは「壊国」だ!政府がTPPの害毒を列挙(新聞「農民」10月31日号:農民運動全国連合会発行)
 …しかし、こういう他人事的な書き方では、人は意外と動かないのかもしれないと思うのですよ。なので、ふうたろう、自分の問題に置き換えて書きたいと思います。
 食の安全問題で言えば、日本の農業がTPPの中で外国に太刀打ちできると仮定して、大規模化を進めるとしたら、確実に農薬依存型の農業にならざるを得ないでしょう。
 ふうたろう、いくらやる気を失ったクソ労働者でも、畑の土の中に農薬の成分が残っていることくらい覚えています。元の農薬が化学変化を受けながらも、長い間土の中に残留していることも覚えています。そんな化学汚染を、未来永劫続ける気ですか?「化学物質の利用も程度もん」なんて誤魔化されても納得できませんわ。
 北海道で、カボチャからヘプタクロルが見つかった時、被害を受けるのは農家。ヘプタクロルを作ったのはどこだっけ?どうもアメリカの企業らしいけど、そういうのが責任を取るという話は聞かないでしょう。あとで何かが起こっても、この福島の原発の話ひとつしても、責任を取るべき者が完全に、あるいは可能な限り、逃れているのが現状ですから。
 それから、日本の農家がオーストラリアやアメリカに敵うわけはないので、日本の農村、とりわけふうたろうが登山基地としているような中山間地のような場所では大規模化さえ不可能なので、100%死ぬ。経済力が失われた場所がどうなっていたか、ふうたろうはこれまで200以上の山を登ってきて、しっかり見てきました。農家だって生活物資を消費するわけだから、消費者になるわけです。農業に関連する業者だっているわけです。農家が消費するものを売る商店や生活用品製造業者、病院、交通機関、そういうものを根こそぎ奪うのがこのTPPなのです。
 まだまだあるぞ!森林管理という側面で言えば、外材に日本の材木は敵いませんから、日本の山は、とりわけ植林地帯は荒れていくわけです。また、農家たちは雑木林を大事にして、落ち葉などを堆肥にして使ってきたそうですから、化学肥料多投の大規模化は間接的に、日本の森林の崩壊を進めるかもしれません。それが、今年、紀伊半島や只見方面などで起こったような土砂災害を増加させる可能性だってありませんか?人の命も、その営みも、交通機関も、失われてしまう。
 これでは、ふうたろうの登る山だって、登れなくなってしまう!
 人の生きる営みが奪われ、人の生きてきた土地が奪われる。それがTPPだと、ふうたろうは言いたいと思います。一部の投資家や大企業の儲けのために、ましてや殆どの人に生活の糧も行き渡らないようなTPPなんてものは、まさに、百害あって一利なしです。したがって、ふうたろうはTPPには強く反対します。


 …長くなったね。でも、せっかく今日、学習会なんて大仰なもの開いてやったんだから、日記として書いておかないと、ね?


天気:また平日だけ晴れ、夜はくもり(東京都板橋区)

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