吹雪行軍のススメ(三本杭御祝山コース:愛媛県)
気が付いたら船内放送で、5時半の知らせです。快適に、よく眠れました。しかし、昨日の夜には大分県でも雪が降り始めており、今後の天気が不安です。ひとまず、宇和島に急ぐことにします。
昨日までの予定では宇和島駅から歩き始め、宇和島市のホームページによれば毛山付近に避難小屋があるというので、そこで泊まって、次の日、三本杭に登って下りてくる、という手筈でした。しかし、どうも滑床渓谷という、宇和島から見れば三本杭や鬼ヶ城山などの裏側に当たる場所から登る方法があり、しかもそちらにはバスもあるようなことを示唆しています。確かに、毛山で泊まってしまうと、次の日の三本杭はなかなか遠いですし、また表に引き返してこなければならなくなります。だったら、滑床渓谷まで行って…
宇和島市上空は、まだ晴れ間が見えています。夜明けが遅いので暗いけども、確かに、青空が見えています。
南国の木が植わっていても、今は目一杯冬の風が吹いています。時々雨交じりの雪もちらついて…
宇和島自動車(バス会社)に電話したら、滑床渓谷に行くには、「虹の森公園」で下りればいいとのこと。どこの道を通るのか見当がつかないし、ヤケに運賃や乗車時間の値が小さいのは気になっていましたが、まあ、バス会社が行けるっていうんなら、行けるんでしょう。
そして、その始発のバスが10時34分なので、今から3時間もこの吹きさらしの宇和島駅で待つことになるという罠。
じっとしていられないので、周囲を歩き回ってみるものの、東京でも10時くらいからどんな店も開店し始めるので、ここで開いているなんてことは…(滅
空が晴れたなと思ったら、雲がワーッと近づいてきて、猛烈な雪が降ってきます。そんな状態になり始めたのが、9時頃でしたか…。
一瞬晴れ間が出て、意外と崩れないのかと思ったけど、それが罠であることは、次以降の写真が証明しています。
宇和島自動車の受付のネーチャンに言われるがままに「虹の森公園」に向かったら…
ヌオッ(゚皿゚;)
何じゃこの雪はーーーーーー!!!!
しかも、どう見てもこの虹の森公園って、「渓谷」とはほど遠い地形してません?こんな施設が平地の上にでんと建っているわけだし。
…どうやら、ふうたろう、ハマったようです。ここから更にバスを乗り継げば、滑床渓谷のそばまで行けるようですが、完全に交通計画のミスです。これでは、登山口に着くのは13時は過ぎる…
それでも、さっきの「おさかな館」(水族館)の受付のおっちゃんにかなり助けられ、滑床渓谷にある森の国ホテルの係員のニーチャンにもかなり助けられ、ふうたろうはこの町営バスに乗って、行く決意を固めました。
なお、写真の時刻表を見れば判るけど、松野町コミュニティバス、日曜と祝日は運休です。土曜日は走っているみたいだけどね。
椎葉村村営バスと同じように、バスの運転手と乗客、および乗客同士は、概ねみんな知り合いです。ふうたろうがあのバカでかいザックを背負って乗り込んだ上に、この吹雪の中を三本杭まで上がって、更に山の上で泊まるなんて言うことをやろうとしているもんだから、絶対変人として噂されることでしょう。
まあ、それは冗談ですが、気をつけて行ってこいよと、運転手も含めて、みんな送ってくださいました。どうもありがとう。
下車は、終点の大高橋バス停。
しかし、終点の大高橋バス停から滑床渓谷の三本杭登山口となる、万年橋までは小一時間かかります。雪が降って、この大荷物、ですからね…。
ここを、岩手県の山、そうだな、五葉山に登っていると言っても、三本杭という名前を出さなければ、騙せそうですな。
…何でこんなに雪降ってんだよ。
向こうでは地吹雪になっています。いやあ、こないだのニセコ並みにすごいことになっておりますなあ…。
森の国ホテルまで2.6kmですか。まあ、30分程度でしょうな…。この荷物では、それほど早くは歩けない。
25000分の1の地図にないルートがわんさとありそうですな。25000分の1の地図は、そもそも登山用の地図というわけでもないので、しょうがないんだけどさ。
ああ、森の国ホテル…
このホテルに泊まって、明日は滑床渓谷周遊のハイパーよちよちコースにしてしまいたい、という衝動に駆られています。
しかし、そんな甘えは許されない(キリッ
万年橋まで到達したら、このまま急上昇です。
万年橋から御祝山へ。
…に至るには、この何本も地図にない林道を横切る必要があります。とにかく、御祝山までは尾根沿いに急上昇(何
林道の開発速度って、すごいなあ(棒読み)
登山道に沿ってできている林道とか、ちょっと萎えるかも。しかし、それで治山していて、国産木材が自給され、諸外国の森林資源をカネで漁るようなことがないのであれば、それでも価値はあるんだけどさ。
さっきまでのところは、木にたっぷり雪が着いていたけど、ここはないね。気温が下がってきたのか。
この御祝山の標のある付近、道が分かれているのですが、この標が指す方向って、よりにもよって、ヤブこぎっぽくなっているのですよ。雪を纏ったヤブというのはとてもタチが悪くて、ポケットが少しでも開いていればそこから、ザックは雪まみれ当然、カメラバッググチョグチョは必然(滅
一部、こうやって少しだけ景色が望めるところもあったりするけど、天気も悪いし、基本樹林帯、だからなあ…
でも、今日はこういう天気だからこそ、展望もない樹林帯を登り、晴れると言っている明日に展望を賭けているのですね。今は充電の時。
この道はとても道案内が充実しています。あの日向国見岳はルートファインディング(道探し)できなければお亡くなりになりますが、ここはそれほど神経を使わずに歩けます。
さっきから雪が止んだかなと思ったら、青空が少し、見えていますね。昼(夕方)は一旦、雪が止む予報でしたからね。
御祝山到着。こいつ、あのヤブ手前の標から、だいぶかかりました。どこまで続くんだ、この急坂の雪道は…、と思いつつ歩いて、ようやくです。つくづく、25kgの荷物を背負って登る山じゃないなあ、と。
御祝山からはダラダラとした尾根の登りが主体です。この辺りは、場所によっては吹きだまりがあるのですが、まあ、そこそこのスピードで歩けます。こないだの鈴鹿藤原岳くらい(いやアレはキツかったか)。
三本杭手前まで来ると、ひとつピークがあって、そこからトラバースするルートに出ます。いや、そのはずです。しかし、この辺りから雪がいきなり深くなってきて、登山道が埋もれきっています。こういうときはやむを得ないので、尾根沿いを歩くに限るのですが…
そちらは雪ヤブゾーンなのです(ため息
この雪ヤブゾーンの雪深さは、かなりキツい。腰くらいまでの雪にヤブが絡まっているので、あれは進めないっす。
しかし、この振り返ったときの風景は、なかなかじゃないですか。
おっと、見えてきました、三本杭山頂が!今日は山頂を踏んでから熊のコルにあると思われる黒尊小屋に行くか、踏まずに行って、明日戻って踏みに行くか、を考えています。
これは、晴れたらかなり壮大な景色になるだろうなあと思いつつ、雪に埋もれながら歩いています。
これは、絶対青空がほしい。ここは晴れたらめちゃくちゃきれいですぞ。
この辺りまで来ると、着雪ではなく、霧氷(エビのシッポの手前)です。大気中の水分、とりわけガスっていたらそのガスが急速に霧氷を成長させるようです。
…(じと目
おまえ、これ、どうやって通れっちゅうねん(゚Д゚メ)ゴルァ
こじ開けて通りましたがね…
それに、この西の空にかかっているおぞましい雲、何さ。真っ黒すぎて笑えるんだけど。
というわけで、とりあえずダッシュで山頂。山頂でマッタリはこの際諦める。
ハラも減ったし、今日は、この三本杭手前の、土佐伊予国境稜線で、闇テンのススメですじゃ(`∀´)
夜は再び雪が強く降り始め、テントが埋まっていきます。まあ、こうなることは判っていたので、明日の天気に期待するしか、もうないですよねえ?明日の朝、ミラクルマジックを見せてくれますか?
天気:雪時々止む、強風を伴い強く降る(愛媛県宇和島市・北宇和郡松野町、移動中は含まない)
あの日向国見岳はルートファインディング(道探し)できなければお亡くなりになりますが、ここはそれほど神経を使わずに歩けます。
お亡くなりになりそうなので新登山口からピストンですw
これは、絶対青空がほしい。ここは晴れたらめちゃくちゃきれいですぞ。
この写真、晴れてなくてもすごくきれいです。グラデーション。四国の山は車があってもアクセス悪そうです。最近研究中。
雪なしで、車ありだったら、三本杭はたぶん往復5時間あれば充分です。宇和島側のスーパー林道から、八面山や鬼ヶ城山などを踏みつつ登るといいかと。
なお、滑床渓谷側から、雪無し状態で登るのも楽だと思います。ふうたろうの雪あり状態は、周囲に誰もいないくらいのことですから、ね?ほら、ふうたろうの常識は世間の非常識だって(黒笑
滑床を愛する会の藤井です、ご無事で下山何よりでした、冬山を楽しんでいるベテランに車に乗って降りませんかとは失礼で一人で降りました。
私はあの後1月に持病悪化のため入院手術、昨日退院して自宅療養しています。
貴方のブログみて羨ましく思いコメント入れました、私も元気でしたら2,3回は南予アルプスに行っているのですが秋から調子が悪く今年の冬は本当に寂しい思い出病院の窓から雪景色眺めていました、春には少しずつ鬼が城山系で楽しみます。
ぜひまた春、夏の南予アルプスに遊びに来てください。
こんばんは。お久しぶりです。その節はいろいろなお話、ありがとうございました。
正月の山行は、どこでも親切に対応して頂きまして、本当に充実したものになりました。今まででいちばんにいた日だった、と言っても過言ではありません。
たかが四国の山の雪、なんて思っていたら、相当深いところもあって、驚きました。でも、今年の登り初めに相応しいいい山でした。
腰の具合が悪いとおっしゃってましたね。心中お察しします。健康は当たり前のようにあると思わず、気をつけながら、悔いなく山に登りまくりたいと思います。そして、藤井さんも、一刻も早くよくなって、また南予アルプスなどを駆け回れますように。
春や夏の宇和島もいいでしょうね。夏の九州は何度も経験があって、春の四国も何度も経験があります。いろいろ思い出が詰まっているところなので、300名山が終わったら、季節別の名山紀行でもやりながら、参りましょうか。
四国で残っている300名山は、あとひとつ、三嶺です。