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雪まみれのススメ(南木曽岳南麓上り専用コース:長野県)

2012年 1月 28日

 久しぶりの早起き。…いや、先週末、茨城に行くときにも早起きはしたのでしたね。山に行かない時間が長いと、記憶まで怪しくなってくるほど、上の空状態が続きます。
 さて、今日は3週間ぶりに山に向き合える日が来ました。しかし、名古屋駅前に夜行バスが到着したら、何だか小雨がぱらついています。そういえば、強烈な寒気の影響で、東海地方も雪がなんとかとか。


 名古屋から南木曽に向かいます。恵那や瑞浪まで行く高速夜行バスもありましたが、そちらは30分以上も早く着いてしまい、寒い駅(の中に入れるかどうかも怪しい)でかなり待たねばならなくなる上に、トータルで見た値段はそれほど変わらないので、わざわざ名古屋まで行ったのです。
 それにしても、この曇天を見よ!


 しかし、北上するに連れて晴れてきて、南木曽駅に着いた頃には、薄い雲が少しある程度になりました。
 この辺りもうっすら、雪ですね。


 今朝の登山口は、尾越バス停から額付川(ひたいづけがわ?)沿いの集落を遡上して、南木曽岳山頂めがけて直登する、南麓です。このバスの始発は8時15分。名古屋から来ればダイヤが丁度良いのです。


 南木曽駅前の自販機に、恐ろしく気味の悪い、でも、人工甘味料は入っていない、飲み物があったので買ってみましたが。味は、するようなしないような。


 バスが動き始めてしばらくして、渋滞に引っかかりました。路線バスが渋滞なんて珍しいと思ったら、トラックがこの凍結した道で動けなくなったとかで。


 尾越バス停に着いたのは、30分ほど遅れた9時過ぎ。いやはや、今日はそれほど急がなくてもいい日程だから良かったものの…


 さて、今日は山頂の小屋まで行けばいいくらいなので、3週間で鈍ってしまった身体を慣らすための山行です。若干雪がありますが、所詮は太平洋側ですから、大丈夫だろうと思って進みます。


 気温は低い(さっき道が凍結していたくらいだから)ので、雪は溶けずに残ります。


 小秀山を思い出すような風景です。イメージ的には、小秀山を舞台峠から歩くようなものです。


 しかし、ナマクラの身体、思うように身体が動きません。よろしくないですね…


 そして樹林帯へ。


 この辺りにキャンプ場があるようですが、冬で閉鎖されています。常識的に考えてこの時期に理由もなく雪の上でキャンプする家族なんてものがいるはずありません。


 キャンプ場のような公園のようなものがポツポツあります。ちょっとですが、ここをショートカットしてしまいましょうか。


 いよいよ、雪が深くなってきました。ツボ足で、若干歩きにくい、か?


 堰堤にも雪がびっしり。


 川の石に積もった雪が模様になっていてきれいです。


 筋状の薄雲はいいけど、これがこの後太くなるのか厚くなるのか広がるのか、どれを採ってもイヤな予感しかしません。


 そして、山麓避難小屋。ここは登山口の避難小屋です。中で寝泊まりできますが、緊急時以外使うなと書いてあります。


 なお、車が入れるのはここまで。これ以降は、みんな歩きです。
 ああやっと平等になったなあ(棒読み)


 ここに、「金時の産湯の池」とか書いてあります。戦時中の木材採取で池が消滅したと書いてあります。ああ、あの戦争ね(軽蔑するような目
 ところで、途中、あからさまに書き換えられたような部分があるんだけど、下は何が書いてあったのか、無性に気になります。都合の悪いこと書いてあるのかなあ(棒読み)


 …ま、それはともかく、いよいよ出発します。ここから山道。
 でも、雪が積もっているので、あんまり雰囲気は変わらない、かも?


 樹木に雪がたくさん着いているので、これがふとした拍子に、大量に落ちてくることがあります。クッキー食べているときに降ってきたら防御しきれません。まあ、クッキーじゃなくてもいいんだけどさ。


 丸太橋。…だと思います。
 これ、滑るのも怖いですが、縁にせり出している雪の上を踏んだら、1月寒さ真っ盛りの沢の中にヅドンです。あの、三峰山(三重県)の福本登山道(ニセ)で落ちたときとはわけが違いますよ。


 ここが、どうやら上り専用と下り専用の分岐らしい。しかし、下り専用の道には踏み跡はなかったな…


 倒木。げんなりしかけましたが、上手くすり抜けられるようになっています。奧茶臼山や日向国見岳とは大違いだなあ(棒読み)


 金明水は、もはや看板だけ。


 さっきからこのルートがかなりしんどいなあと思ってはいるのですが、本当にきついのはこれからです。この坂、45度くらいあるんではないですか?


 鎖があります。でも、この鎖場は、なんとか頼らずとも登れます。


 樹林の隙間から見える景色は、何だかもやーん(Θ_Θ;)としていますなあ…


 ガスっぽい雲が行き来しています。空はまだ青さを辛うじて残していますが、ふうたろうが山頂に着く頃はどうなってますかね…


 この雪がたんまり積もったハシゴ状の足場を進みます。


 晴れていれば展望は抜群のはずですがね…


 この鎖、ふうたろうが安平路山に登っている間に、Mamiさんが登りなおしたと言っていたやつだと思います。いやいや、これ、雪まみれで上りなおすとかいう次元とちゃいますやん(吐き気


 ああ雲がダイナミックに動いているなあ(棒読み)


 ああ絹層雲の暈がきれいだなあ(棒読み)


 ああ雪山のガスが幻想的
 …なワケないやろが(゚Д゚メ)ゴルァ


 このうすら青い景色を見ると、このガスの上は晴れているっぽいんですが。南側は絹層雲がばっちり覆ってますけどね。


 そして、必死のぱっちであの心臓キラーの急坂を登り切ったら、幅狭くラッセルされた雪道が。この山頂付近の尾根、鬼畜じみた雪の量です。ハンパないっす。


 そして、薄暗い樹林帯の山頂とか。静かな山頂っていう味わいではありませんね(じと目


 ふうたろうはこの山頂の向こうに続く道を進みます。ふうたろうの今日のゴールは、避難小屋です。
 しかし、数人すれ違った先達の話によると、どうやら小屋までのトレースはないそうです。まさか、このおぞましい雪(腰まであるところもある)を、ラッセルせえと?3週間ブランクでハイパーナマクラモード・ふうたろうが?


 乗鞍や御嶽が見えるという展望台は、ただのホワイトスクリーンという罠。
 ああ山頂10m手前でガスった毛勝山の時の達成感を思い出すなあ(棒読み)


 …確かに、道は判るけど、古いトレースは深い雪に埋もれてますわな…。げろりんちょ。


 ああ、避難小屋、見えてきましたね。あと20mくらいかな…。


 …なんて思いながら、この5m手前に接近するまで、どんだけ苦労したかっ!腰までのラッセルで、ひっくり返ったらもう終わりレベルですがな。


 ふうたろうの這い蹲(つくば)った跡。こうなると、人間もウンコに湧くうじ虫ちゃんたちも、やることは一緒だなあとか思ったり(黒笑


 小屋の前までちゃっかりラッセルして、体中雪まみれになりました。オーバーパンツの表面で、体温で溶けた雪が再凍結して、ゴワゴワになっています。でもやっと着いた。バス停から6時間後の15時。


 メシには若干早かったので、雪で完全に埋まっていた展望台までの道を、スコップでラッセルして切り開いてから、いつものスパゲッティモッツァレラチーズのトマトソース粉チーズ&タバスコドヴァッ・スペシャルを食べます。ハラが減ったので、とても美味いのですが、今日は更に生スパゲッティを使っていますので、いっそう美味いのです。生スパゲッティは、ゆで時間も早いので、冬はきっと重宝します。夏なら腐れるだろうけどね…(滅


 ん?(・ε・)
 外が晴れてきましたね。今度は見せかけじゃないッスよね?


 でも、まだメシが終わってませんよ。
 とりあえず、このソウルの込められた生スパゲッティの能書きがおもしろくて、-5℃以下(たぶん)の小屋の中で一人笑っています。


 さ、メシ食ったら、寒いのを圧して、さっき道を切り開いた展望台まで行きますよ、と。
 ほら、雲に隠れてはいるけど、木曽駒ヶ岳や空木岳などの中央アルプス連峰がありますよ


 この方向は、あのウルトラデラックスハイパーヤヴこぎゾーン・アトミックスペシャル(なんのこっちゃ)の安平路山界隈ですな。あの吐き気をこらえた安平路山。たぶん、あのあたりだけを歩くなら、今の方が歩きやすいんじゃないかなとか、思ったりもするのはふうたろうだけか。


 彼方に御嶽山が見えますか。小秀山の時は真ん前に御嶽山があって壮観だったけど、ここは色んな山が遠くに見えます。右手には乗鞍岳があります。


 そして、雲が切れて日が差したり差さなかったり。オレンジ色の空が。


 こちらは、額付川方面への、下り専用登山道に繋がっていますが、誰も歩きたがらない、猛烈な深雪ゾーン。
 …ん?(・ε・)


 なんか、あの鞍部にも小屋っぽいものがあります。でも、あんなところまで小屋の探索するほど、ふうたろうは勇者ではありませんから。


 この展望台で夕暮れの山々を眺めるとしましょう。


 雲がどんどん高くなってきていて、摺古木山付近も見えてきました。


 日没近し。しつこく残っているガスが赤や黄色に輝きます。


 一瞬たりとも同じ色はありません。


 もっと金色に輝いていた時もあったけど、撮り切れませんでしたか…


 いよいよ終わりかな。


 遠くの中央アルプス北部の山々が薄ピンクに染まっています。でももう、宴は終わりかな。


 西の空も日が落ちきったため、雲の輝きもなくなりました。


 思いの外苦労しました。身体慣らしとか、無難だとか、かなりなめていた南木曽岳ですが、急坂と深雪、なかなか防御力が高いじゃないですか。っていうか、明日、ラッセルで上の原コース、下山ですか、という話です。行けんの、ホンマに?!


天気:晴れ時々くもり(長野県木曽郡南木曽村、移動中は含まない)

  1. NYAA
    2月 1st, 2012 at 21:35 | #1

    生パスタは、答えてくれたかにゃー♪

  2. ふうたろう
    2月 1st, 2012 at 22:35 | #2

     空腹がむしろ応えてくれたんだにゃー♪

  3. 匿名
    2月 5th, 2012 at 00:07 | #3

    もう20年以上も前、オフロードバイクツーリングで南木曽のキャンプ場を利用した事があります。
    そのキャンプ場からさらに奥に行った所に、避難小屋があったのを覚えています。
    昨年の夏、木曽温泉旅行した時、この避難小屋を探そうと思ってましたが、時間が足りず出来ませんでした。
    私の記憶の中にある小屋、おそらくこの小屋だと思います。
    その時、ここに泊まればよかった~と悔やんだ想い出が蘇りました。
    でもその時は‘緊急時以外使うな’というような看板は無かったと思いました。
    なんせ昔の事ですから(^_^;)

    今回もウルトラデラックスハイパーラッセル(?)お疲れ様でした(^_^;)
    夕暮れの刻々と変化する雲の色彩がさぞ癒してくれた事でしょう。
    「氷点下の寒空の中、夕焼け空をじっと観賞出来るのは至難の業」とボソッと聴こえてきそうですが・・・
    その余裕があるのがふうたろうさんですから(^^♪

    小屋の中、-5℃以下とはいえ、テントに比べたら有り難いものですね。
    さぞ美味しいパスタは身体を温めてくれた事でしょう(^-^)

  4. ふうたろう
    2月 5th, 2012 at 19:44 | #4

     こんばんは。

     えーっと、コメントを書いてくださった人の名前がないので、誰か解りませんけど、20年以上前にオフロードバイクということは、今40~50前後の方…?そして、温泉旅行とくれば…

     たまに、クッキーという機能がおかしくなって、今まで自動入力されていた名前が消えることがあります。おそらく、初めての方ではないでしょう、ご不便おかけします。

     本題に戻りますが、その小屋は、「非常時以外使用禁止」などと書いています。ケチくさいなあと思いながらですが、まあ、麓に泊まる必要もないので、そのまんまスルーしてきましたが… たぶん、利用者のマナーも悪くなったのではないですかね。麓にあるならましてや。20年経てば、建て替えもしているかも知れません。20年以上前なら、ふうたろうは小学生…山に目覚めるなんて思いもしなかった頃ですわ。

     そして、さっき、敗退して逃げ帰ってきたふうたろうが行っていた山ですが、さすがに会津や那須の奥山、南木曽なんかとは比較にならないくらい厳しかったでございます。いや、きっと、林道の長さが違ったのかと。気温はたぶん-2℃くらいで、寒くはなかったのですが、その分雪が重いのなんの、豪雪で深いのなんの、でした。南木曽の時のパスタも旨かったですが、今回のパスタも、空腹のあまりイナヅマ食いでございました。

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