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鍋忘れは吹雪よりも強し(景鶴山富士見峠コース:群馬県)

2012年 3月 24日

 気が進まないときもある。それは、仕事に対してたまーに積極的になるのと同じである(違
 冗談はさておき、今日は出発が本当に億劫でした。ましてや、晴れる見込みはほとんどないと判っているだけに、余計。
 ただ、東京出発時には雨は止んでいて、沼田駅に着いたら、この通り日も差して…


 …いるのは実は罠だったりします。
 この後、バスに乗って尾瀬の入口、戸倉スキー場までの道中、霧雨が降っていました。どうせこの後は寒気が入り込んで日本海側は崩れるという雨週末の法則。
 今回の目的地・景鶴山は豪雪地帯である越後の山塊の端ですから。


 戸倉スキー場到着。去年来たときは、おそらく東日本大震災の影響でしょう、スキー場までバスが来ていませんでした。今年はここまでこられたので、それだけでも30分~1時間近く短縮できたと考えられます。


 人の数はそれほど多くもないみたい。今日はコンディション激悪っぽいですからね…。


 去年、鍋忘れ全滅の時と同じルートを辿ります。あの時鍋を忘れていなければ、今ふうたろうはここにいないのに。


 悪いと思っていた天気は、意外といいのか?晴れ間も見えますな…


 そして、去年と決定的に違うのは、今年のこの道は踏み跡があること。


 スムーズに進んでいるようなので、休憩も余裕を持って取れます。札幌で買った六花亭お菓子を尾瀬で食います。


 実にスムーズに1回目の橋を渡りました。
 ん?(・ε・;)


 …ライターがそういえば入っているんだろうか。猛烈に心配になってひっくり返してみたら、ぶぎゅるコンロ・改が入っている袋に同封されていました。アブネえ…(脂汗


 たくさん付いていたスノーシューの踏み跡の主はあの人たちでしょうか。富士見下のところ、中高年登山家たちがむちゃくちゃたくさんいます。


 ふうたろう、去年はここに来るだけでもかなり大変だった記憶があります。ええ、もちろん、鍋忘れ全滅なので、記憶は殆ど封印していますが。


 富士見下すぐ上のところで、あの先駆者たちの足跡が途切れています。みんなここで先に進むのを諦めたのでしょうな。その理由はきっとすぐに判るはず。


 遠くが霞んできました。霞むというか、煙るというか…


 どう見ても、雪と風が、つまり、吹雪になりつつあるという件。


 しかし、時々晴れ間が見えるので、吹雪もまた良しと、吹雪がゲリラ豪雨だとしたら鍋忘れは直下型の大地震レベルですな(怒
 あのね、去年のあの鍋忘れは、本当にへこみましたのですよ。気が付いたのは夕方で、帰りのバスなんて間に合わない。メシではなく、行動食(要するにお菓子類)で飢えをしのいで夜を明かし、朝一番(といっても9時か10時くらいの)バスで帰ったのですよ。あんな過酷事故があるか
(▼皿▼)Ψ
 しかも、みんな自粛とかで客が来ないから、その辺の温泉も開いてなかった記憶が(ドスの利いた棒読み


 …という忌まわしい思い出しかないこの道に、今は吹雪だけという、実に可愛い気象だけが、しかも晴れ間があるなんて、もう何も…


 とはいえ、雪道がしっかりしてきているので、進む速度は遅くなっています。ポンヤオロヌップ川沿いの道と違って延々と上り坂なので、あれよりは厳しい道です。


 田代原にさしかかろうとした頃、道がもはや不明瞭でどうにもこうにも。
 …といいたいところですが、雪に埋もれた場所は、歩くところが道になるということなのです。地形に従って歩くと。


 もちろん、田代原が道なはずはありませんよ。夏に足を踏み入れたら怒号が飛んでくるでしょう。


 今は広い雪原ですが、雪がなくなればここは高層湿原なのでしょう。どういう風景なのか、想像つきません。夏の尾瀬なんて、あの2006年の夏に行ったのを最後に、二度と行こうなんて思いません。尾瀬まで来て池袋を味わいたくありませんからね…(じと目


 それにしても、雨週末(週末を狙ってやってくる低気圧のこと)は本気で腹が立つ。山だから天気が崩れるのではなくて、低気圧が週末に来るから雨や雪に降られるので。去年10月辺りからこんなのばかりですな…。晴れていた休日は数えるほどしかない…


 …などと、いろいろぼやきながら歩きます。この景鶴山には、かなりダークなイメージがつきまとっているので(鍋忘れだからね)、しかも、元々それほど乗り気だったわけでもないので、7割苦行。


 まあ、それでも晴れ間が出れば嬉しい、ってか…。


 富士見下辺りまでのルートとは相当雰囲気が変わってきました。雪がしっかり積もり、吹きだまりが生じ、沈むところとそうでないところが出て来ます。足の置き場に気をつけないと、ただ疲労するだけになります。


 そして空は再び雲に覆われて。


 止み間はもはやないっぽい、湿った雪がガンガン降ってきます。また、あの日高山脈と同じ、温→寒の最悪パターンですか。


 ガスっているんじゃなくて、吹雪になっています。吹雪だけならまだしも、気温が高いので、ジャケットにびっしりまとわりつきます。


 ああきたなごり雪だなあ(棒読み)


 吹雪の中、波打った雪の上を、しかも上り坂を、歩くのはかなり苦行です。この富士見小屋に辿り着いたときは、ようやくひと息付けられると思ったものです。


 …が、富士見峠はいよいよ吹雪もひどく、まさにやる気なし状態(滅 今からこの吹雪の中テントを張って、しかも氷漬けのエビみたいになったわかんや登山靴を素手で外して、程よくすべての荷物が雪まみれになってから悪あがき的に雪を払い、雪を招き入れながらテントを張って(滅)…
 書いてて悲しくなってきますね。何が悲しいって、雨週末の法則が。たまにこういうことがあるなら許せるけど、3月に入って全部がこのパターンというのは、しかも全国的にというのは、日本海を全部埋め立てて低気圧が発生しないようにしたいくらいムカつくのですよ(▼皿▼)Ψ


 雪まみれの刑に遭いながら何とかテントの中になだれ込み、いつも通り雪でスパゲッティを茹でます。ペットボトルの水は飲み水用なのですが、今日はあまり喉が渇きませんね。この水はどうやらふうたろうと同じように尾瀬と首都圏を2往復することになりそうですな(滅


 今日のメシは野菜付き。アスパラガスと青梗菜(ちんげんさい)の花芽です。こいつをスパゲッティに入れて食べると、かなり美味い。気温がそこそこ低くないとできない、まさに冬山の特権。
 ああでもこれから夏に向かうんだなあ…。メシ、どうしよう。


 夜になると、雪の激しさはハンパなくなっていました。これは、景鶴山に行くどころか、富士見峠から下山できるかもアヤシい(雪で道や地形が変わる)レベルです。テントはどんどん雪に埋もれていく…。怖いことに、星が見えているのに猛吹雪という罠。
 まあしかし、日高山脈みたいに真性きたなごり雪でスパゲッティを茹でなくていいのは助かりましたけど。
 ふうたろうのぶつくさ登山1日目が、雪のどさくさに紛れて終わろうとしています。


天気:くもり時々雪、風を伴って強く降る(群馬県利根郡片品村、移動中は含まない)

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