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きたなごり雪街道の果てに(石狩岳シュナイダーコースリタイア:北海道十勝支庁)

2012年 5月 1日

 やはり眠れない夜は続く。おそらく、何気にソラナックス断薬を続けているためだと思わなくもない。
 ともあれ、今日で北海道合宿の前半が終了します。食糧が尽きているので、石狩岳に登れても登れなくても、一旦戻らなければなりません。最後の一食、トムヤムクンを食します。


 実は、トムヤムクンはやたらと生臭かったという罠。後味が悪く、気持ち悪さが続きます(滅


 沢を渡渉し、シュナイダーコースにとりつきます。
 …が、昭文社の地図どおりに進むと、コースがどうもでたらめ。ルートが見あたらない。でも、おそらくこの雪の下に埋もれているんだろう。


 しかし、この急斜面を登れば登るほど、笹ヤブみたいなもの、イヤ笹ヤブそのものが、出て来ます。


 いくら何でも、こんな急坂を無理やり登るようなことはないだろうに…


 右をふと振り向くと、10mほど向こうにリボンが見えます。どうやら、25000分の1地形図のルートが正しいようですね…(¬_¬;)


 雪が腐った超イヤらしい尾根の道を進みます。テントを張っていた川沿いよりもずっと空気が生暖かい。


 木の間から石狩岳が見え隠れしています。


 落葉広葉樹林の疎林に日が差します。それだけ見れば清々しいのですが、雪質は世界一悪い。やってられません。


 樹林のないところも時々出て来て、石狩岳の稜線がよく見えることも。


 場所によっては踏み抜きの浅いところがあります。そういうところをうまく踏み続けられれば、案外あっさり前へ進めます。


 しかし、進みたい方向を、岩や木が塞いでいることも多く、そんなにことは単純ではありません。回避したところでヅボッというのはよくあることです。


 ああ雪と青空が清々しいなあ(棒読み)


 見えているとなりの峰の1291mのピーク。あれより上に来るまでに、かなり時間がかかりました。雪質の悪さは、本当に辛い。


 こういう稜線上の岩とか、辛いにも程があります。この岩は、奥から手前の方向に上っているのですが、ふうたろうは左(北東)を巻いてきました。しかし、これを見る限り、右(南西)を巻いた方がよかったと、通り過ぎて初めて、思うのです。雪庇の向こうは覗けませんからね…


 徐々に石狩岳稜線が迫ってきます。


 1291ピークの向こうに、昨日まで戦っていた相手のニペソツ山山塊が。岩間温泉に下りてくるときに大展望だっだ1618ピークの斜面もよく見えています。


 登山道の上は中途半端に雪が溶けています。ふうたろうが今歩いているのは、おそらく空中…。


 この雪斜面は厳しい。登ったところが岩で塞がっていて、斜面も急で、かつ、道も判らない。


 何とかさっきの斜面は登り切ったものの、更にこの後もイヤらしい雪斜面が続くようです。タイムオーバーしそうだし、危険そうだし、ここで撤退を決めます。
 …なんだか、つまらん状態のまま引き返すハメになりましたな…。


 さ、撤退を決めたらさっさと下山しよう。どっと疲れが出て来ましたわ…。


 何とも、足場の悪いところですなあ…


 雪が柔らかすぎて、いつ踏み抜くか、いつ滑るか、まったく不安でしょうがない。


 半分くらい下りてきたところで小休止。たけのこの里でも食いますか。


 中身の入った瓶ジュースか酒かが、落ちていました。中身はいったい何だったんだろうね。割ってみる勇気はまったくありませんでしたが。


 延々と下りてきて、あの地図デタラメゾーンまで来ました。今度は25000分の1の地図およびリボンの方向どおりにやってきましたが、やっぱり雪で道がよく判りませんでした。めんどくさいので、方向感覚だけで直接真下へ下りることにします。


 河原の平地の雪原は、相変わらずウルトラ踏み抜きゾーンでした。


 さて、テントに戻ろう。


 さっきの坂を見上げてみれば、改めて猛烈な急坂であることが判ります。


 このカオティックな状態の荷物を、全部ザックに詰め込むのですが、雪が溶けてくっついてくる&濡れてくるので、始末に負えません。


 戻る頃になって看板を見つける。雪道は登山道(踏み跡)がなくなりますからね…。


 猛烈な暑さの中、踏み抜きに耐え、靴の中の濡れに歯を食いしばりながら、下山します。


 林道との出合はもうすぐ。遠くの山はもう霞んでいます。暑いんです。


 ふうたろうを拒んだ石狩岳。しかし、このシュナイダーコースは上るに値しない、つまらんルートですな。リベンジしたくない。次はどうやってこの山を撃破するか、ですな…。


 昨日見たこの登山口付近は、まだまだ雪があったと思いますが、一日にしてここまで溶けるとは…


 しかし、肝心の林道の雪は、山の上以上に残っていて、激しく歩きづらいという罠。


 一応この雪にも踏み抜かない目があります。しかし、見た目では殆ど判りません。道路の端の側溝みたいなところの跡とかなら、あるいは…


 これは林道を下流側から上流側に向かって捕らえた写真ですが、右を進むと、ユニ石狩岳方面に向かいます。次、下山あるいは上りで使うのなら、この道でしょうな…。シュナイダーは却下。


 きたなごり雪街道に辟易していたら、ユニ石狩岳登山道出合を過ぎて間もなく、雪が消えました。これで歩きやすくなるスピードアップ?


 そこら中の雪解け水のたまり場に、ムチン質に包まれたカエル卵がゴロゴロ。
 そういえば、礼文島の鉄府巌神社の下の浜にあった、うち捨てられたシンクの中にもカエルのムチン質がありましたっけ。いや懐かしい(白笑


 ヌオッ(゚Д゚;)
 ううむ…、やっぱりしばらくはきたなごり雪街道から逃れられないのか…


 しかし、弱点のあるきたなごり雪で、うまくかわせればあるいは…


 おっ!
 真新しい轍ができています。これは、ここまでは車が入ってこられるレベルの雪しかないという証拠。後はスピードアップして下山できますぞ!


 確かに、きたなごり雪は姿を消しました。


 そうだったね、ここは湿原地帯でしたね。雪解けで水かさが増しています。驚くほど清らかな池塘の水に感心します。


 …(¬_¬;)
 やっぱり右読み立入禁止ですかね。


 林道の工事というか、大規模な森林破壊が行われています。ここまで破壊する必要が、あるのか?
 ふうたろうは、登山道さえ開けていればそれでいいけど、林道管理に当たっても、林道の幅だけ空いていれば、あとは退避スペースがあれば充分だろう。


 立派な橋が。音更大橋です。


 音更大橋の上から音更川を眺めます。向こうには石狩岳連山が。


 さっきから、空にはずっと薄雲がかかっていました。しかし、また4月29日同様、いきなり雲が厚くなって…


 今日や今後の天気は、まだ確認できていません。とりあえず、雨に撃たれるのは勘弁なので、進みましょう。


 雪のない、基本的に下り坂の道では、1時間で5~6km進めるようです。ここは十六の沢川林道出合。ここから右に行けば、またニペソツに戻れます。


 ところで、25000分の1の地図に、「石狩岳橋」と表記のある橋がありますが、それは間違いです。石狩岳橋はもう一つ手前、十七の沢川に架かる橋で、石狩岳橋の表記のある橋(十六の沢川にかかる)は「新音更橋」です。国土地理院に報告した方がいいのかな…?


 湿地には水芭蕉が群生しています。ここ数日で気温がガッツリ上がり、雪解けも進んだので、さぞ慌てたことでしょうね。


 が来れば思い出す遙かな…(略)
 暑いなあ。どう見ても今の雰囲気は、晩夏なんですよねえ…(じと目
 ん?(・ε・;)


 ヌオッ(゚皿゚#)
 ミズバショウの花がニオッているところにペットボトルが放り投げられているではないか!


 今度は黒いブラックホールに怯えながら、泥の上をできるだけ沈まなさそうなところを選りながら、ペットボトルのサルベージに成功。
 しかし、この林道はゴミが多い。おいそれと一般人を入れるんじゃないよ。奥まで歩く気力のあるやつは、決してこんなところにゴミを捨てたりなんかしない。


 入山した4月28日はこの辺りも雪がけっこう溜まっていたけど、今はすっかり消えています。そりゃ、川が増水して濁流もするわな。


 国道まで出れば、あとは十勝三股バス停まで行けばいい。でも、一日一本の15時57分発の旭川(層雲峡経由)行きまで時間があります。


 木は冬枯れのままなのに、気温だけ真夏。遮るものもないという罠。殺す気か。


 遙かなるシャドウ。といっても、さっきの林道に比べれば糸くずくらいの長さだけど。


 十勝三股です。しかし、まだバスまで1時間半あります。


 ふうたろうはこの小屋、「三股山荘」に目をつけていました。戻ってくることになったら絶対入るんだと。


 入ったら、何ともいい雰囲気よ!
 …と思いたいんだけど、その前にずぶ濡れの靴(靴下)を脱いで、ものを片してからでないと、とても入れないっす。
 注文は、食パンとカボスおよび梅のシロップ。これが非常に美味い。


 これはピスタチオアイスクリーム。こいつはちょっとぼそぼそしていたような舌触りで、正直微妙かな。でも、梅やカボスのシロップがうまかったし、店の雰囲気も恐ろしく良いので、問題なし。
 それから、ここには色んな客が来るらしく、その客が店の一角を借りて小物を販売しているようです。シカの角を彫って作った飾り物など。ふうたろうはそれを一つ買っていきます。もちろん、ふうたろう用ではなく。


 ここは元々、十勝三股駅、つまり、鉄道が走っていたところのようです。それがどんどん廃線になって、今に至ります。古い地図を見ると、ふうたろうが聞いたこともない、想像すらできない場所にたくさん鉄道が走っていたのです。


 その裏には、闘いの狼煙を上げる鉄道ファンが何かを書き残しています。
 鉄道ファンは分割民営化阻止へ…
 国鉄の民営化は、国鉄の労働組合を弱体化させるためだったと聞いています。決して利便性向上や財政再建のためなどではなかったということですね。現に、利便性は下がっているし、財政再建どころか、廃線や第三セクターへの売却は止まるところを知らないではないですか?


 三股山荘のお母さんが見送ってくれました。ふうたろう、そのもてなしに感謝し、次なる地へ向かいます。今日はひとまず、層雲峡に行って、明日はニセイカウシュッペ山の偵察にでも行こうかと思います。


 ん?(・ε・)
 ここは層雲峡ではありません。三国峠の茶屋(?)です。


 どうやらバスがオーバーヒートしかけているようです。暖房をかけるとオーバーヒートが若干弱まるそうで、がんばってこの峠まで上がってきたのですが、遂に限界が来たようでして。


 しかし、ふうたろうは日頃止まらない場所で今日は止まれたことにむしろラッキーと思うのです。こういうのは楽しめた者が勝つ(キリッ


 さて、層雲峡のバスターミナル到着。ここで宿を探そう。
 …というか、実は、ここにユースホステルがあることを、さっきの三股山荘で聞いていたので、それを紹介してもらいました。


 …が、実は坂を相当上がったところにあるという罠。荷物が重い。まさか、山登りの残りをすることになろうとは…(滅


 ふうたろう、車道を遠回りしてきましたが、実は、バス停からダイレクトに上がってくる近道があったという罠。まあ、こういう罠は日常茶飯事だよねえ(滅 っていうか、バス停の観光案内所の係員に聞いたとおりに来たんだけどね。


 ユースでチェックインし、風呂に入ったり洗濯物をセットしたりなどし、飯を食いに出かけます。層雲峡の中にも観光客用の商店街があって、そこの創作イタリア料理屋でロコモコ丼なる、ハンバーグに乾燥野菜をまぶした豪華なご飯ものを注文。これがまたバカウマです。


 あとは、ユースに帰って、無事に明日を迎えるだけ。明日も天気は良さそうなので、うまくいけば、ニセイカウシュッペ山、行けちゃう?(笑


 結局ニペソツ山一つしか登れなかったけど、あの山がクリアできただけでも、実は大きい。石狩岳はコースがたくさんあり、シュナイダーを失敗しても、大雪から縦走することもできます。景鶴山みたいに同じところを攻めないとだめなんてものでもないので、何とでもなります。ええ、このくらいの失敗はどうってことないんですよ。そもそも、ふうたろうには今や多岐にわたる支援があるのですから…。
 #160ニペソツ山クリア。


天気:晴れのち時々くもり(北海道十勝支庁河東郡上士幌町・上川支庁上川郡上川町)

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