遠く見えるは和賀岳の蜃気楼か(和賀岳白岩岳・錫杖の森コース:秋田県)
格安バスが秋田県の大曲駅前に着きました。予定より1時間も早くに。普通の路線バスならあまりないような気もします。
でも、遅れられるよりはずっと良い。早ければ、行動に余裕も出ますから。
とりあえず、朝飯を漁りに、どこかコンビニでもないか放浪します。運良くローソンを見つけたので、どん兵衛インスタントうどんとブルガリアヨーグルトを食べ、偏った栄養を摂取しておきます。ついでに、昨日の夜はできなかった歯磨きを、大曲駅のトイレでテキトウにやっておきます。
電車で角館駅へ。
実は、角館まで直行するバスも存在しました。しかし、出発地が浜松町で、しかも到着は遅かったんじゃないかな…。ツアーバスは叩かれることがあるようだけど、通常の路線バスにはない路線を運行し、到着時刻(出発時刻)のバリエーションを増やしてくれているのはとても助かります。ツアーバスという制度はともかく、路線を選べるのはそれなりにメリットがあるはずです(そもそもJRが夜行列車を切り倒してきたのにも問題があるのですが)。
と、角館駅の前でそんなバス問題をブツクサ言ってもしょうがないので、アイスクリームでも食べておきますか。さっきから惰性でものを食っているようで、非常にみっともないですが。
3月10日に森吉山に登ったときは、ここは1~3mくらい雪が積み上がっていたのに、今はその面影もなし。いやあ夏は来ぬ(棒読み)。
で、そこにいるタクシーに乗って
=つ)゚3゚)¨:∴
そんな甘ったれたことが許されるかっ!
…線路沿いを歩いて、とりあえず線路の東側に向かいます。
踏切を渡ったら更に東へ向かいます。車が通らない道は歩きやすいなあ…。
空が晴れてきたようです。大曲に着いたとき、いや、4時半頃にバスが錦秋湖SAで休憩を取っていたときから既に、空はひたすら低い雲で曇りまくっていて、(Θ_Θ)どよーんだったんですよね。
ふうたろうが思うに、この雲の上から見れば雲海になっているかと。どんよりしてはいるけど、日が昇るにつれて消えゆく雲です。
北花園大橋を渡ります。なんだか、両足小指が当たるところが痛い…。靴下脱いだら、若干ずれてやがる…(滅 靴ひもを少しきつめに縛っておきます。
田植えが終わった田んぼ。上の水田から下の水田へ水は流れてゆく。
青い用水路。水の色。濁った感じもするけど、青はきれいな水でないと出ない色。
小学校ですが、どうもここをデマンド乗合タクシーが走っているようです。もちろん、土日運休で使い物になりませんがね。
家の庭みたいなところにウドやらうるいやらが繁茂しています。これは、去年、秋田駒ヶ岳生保内コースを辿ったとき(田沢湖駅から歩き)、ふうたろうが不用意に触ってザックリ刺されたイラクサではないですか?アホほど痛かったのを今でも覚えています。
空はすっかり晴れたようです。小さな店で500mlの飲み物を一本補給したら、店主のおっちゃんが道を教えてくれました。…が、口で説明されて理解できるはずもないという件。いや、ふうたろうは地図が正しいと思っているので、地図のとおりのことを言っているのだろうと思っていたという罠。ええ、罠です(きっぱり
さて、先に進みましょう。そろそろ、山道へ突入できるでしょう。
こんな碑まであったら、ここはメインストリート、なんてね(てへっ
ウワバミソウ(イラクサ科)が生えています。では、こいつを採っていきましょうか。今回のサンプルですね。秋田県側のサンプルです。
とりあえず、朽ちて垂れ下がった看板には「大石」と書いてあるので、そちらに向かいますか(右)(本当は左に行ったけど、やっぱりやめて右へ進んだ)。
確か、さっきの店のおっちゃんの話によると、「白岩岳」の看板があると言ってた。でも、どう考えても、ない。
けっきょくさっきの碑まで戻ってきて…
別の方に進んでみる。これで行き着けなかったら、かなりピンチだけど…
ふうたろうはしんでしまった(画面だいだい色)
どこからともなく声がする。ふうたろうよ、まだ死ぬときではありません…(略
…さっきの道で、奥に進んでいくと、ミズ(ウワバミソウ)を採取しに来た角館在住のご夫婦に出会いました。そこで道を聞いたら、この先は行き止まりということだったので、全滅確定です。ご夫婦は、登山口の入口の林道まで連れて行ってくれました。
ふうたろうはよみがえった(命の石が砕け散った)!
確かに、白岩岳の看板があります。…もう、何も言わず、迷うことなく、無難な道を行こうと思います。
ご夫婦には飴などをいただきました。
時既に11時半。角館駅を出たのが7時半。平岡駅を出てヤヴの中4時間迷いまくった熊伏山を思い出しますねえ(棒読み)
入角川の林道を奥まで進むこと40分。白岩岳の看板あり。看板を無視して進むと、この周辺の地図の破線はハイパーデタラメゾーンなので、ろくなことになりません。ええ、もう信じませんよ。
しかし、この看板の通りに進むと、道が二叉に分かれていて、案内なし。もはや勘に頼るほかないですが、まっすぐ進めば…?
4度目の正直で、やっと登山口到着。12時半のこと。行動開始から5時間かかってやっと登山口という、とんでもない現実。
地面に座り込んでチョコパイを食いながらしばし放心状態。鳥海山で登山口に着いたときの気分と殆ど同じという件。登山口にして下山した気分です(滅
まっすぐ進むと、ブルドーザの痕と交差します。その向こうに登山道の踏み跡が見えるはずなので、そこを登ります。ええ、このくらいの小細工で迷わないッスよ(白笑
何やら看板。どう見ても一本道で来たはずのところに、3個くらい違う名前が付いているんだけど…?
どうやら、あまりの一個はヤヴの中という罠。どこに続いてんだよ、これ…。
しばらく進むとまた看板がありますが、ここは2+1。右にある、日高神威岳の山頂の看板みたいにまっぷたつに割れた板には、「水場」と書いてあります。この先には水がないとかも書いているように見えますが。
…もちろん、水場に続く道なんて、ない。
ヽ(゚Д゚#)ノ
水は一応持ってきているので、ガッツリ登りますよ。さあ、この新緑にチカラを分けてもらって!
¨:∴(゚ε゚;)ブッ
倒木…しかもめちゃめちゃデカい木が倒れてやがる…(滅
ヤヴァイ倒木はさっきのとこれ2本で済んだかと思いますが、倒木は辛いですね。最凶の障害物の一つですね。
これは…!コシアブラです。この辺りで採取していきましょうか、秋田県側のサンプルとして。
…何となく山頂近し、という雰囲気がしませんか。ええ、そろそろ山頂でないと、ふうたろうはもう無理。
なお、ここはビミョーに白岩岳山頂でもないらしい。展望台らしい。
白岩岳到着。14時47分らしい。まだ遙か手前の前衛峰ですがな!
さて、休んだらまだまだ先へ進まねば。道のりは永遠とも思われるほど長いぞ。
白岩岳山頂の少し東に、何かアンテナみたいな建造物があります。東北電力の所有物らしいけど、結局何だろう?
ところで、この白岩岳から錫杖(しゃくじょう)の森方面に向かう縦走路、アホほど荒れています。倒木はすごいし、マイヅルソウなどの生え方からして、殆ど使われていない道っぽい。
15時回って16時も近いという頃であれば、さすがに日も傾いてきますって。樹林帯も明るくない。
コシアブラの若芽、可愛らしいですな。ここではサンプルは要らないので、愛でるだけで行きます。
和賀岳の稜線が見えてきました。さっき白岩岳山頂の手前で見ていたのは、羽後朝日岳。
そろそろ錫杖の森。地図を見ても岩場や急斜面になっているので、ロープを誰かがかけてくれています。
…。
これは…。どこが上でどこが下なのか判らないほどひどい道ですな。というか、崩落したところを無理やり通るような…
そして、錫杖の森。随分手前の断崖を越えるのに時間を食いましたな。
無理やり木や笹に捕まりながら下りてきて気が付いたのですが、ロープが切れているじゃありませんか!どうしてもロープが岩にこすれて切れていくんでしょうね。
すごい断崖絶壁。たおやかな東北の山にもこんなところがあろうとは…
そろそろふうたろうの体力が尽きそうです。どこか平らなところに当たるまで進まないと…テントが張れない。こんなヤヴの中でテント張りたくない…。
と思ったら、小杉山手前の986mの地図上の表記の辺りに平らなところがっ!あの商店のおっちゃんが言っていた平らな場所とは、ここのことだったんだな。
ムシはアホほど多いけど、とりあえずテントを張り、ちょっと休憩。メシを作る気が失せるほど疲れましたわ。
倒木になっていたコシアブラをちぎり、いつものパスタとチーズとタバスコとで食う準備。
そうそう、今回は入角川付近で3本だけミズも採ってきたので、それも付け合わせの野菜にしましょう。
というわけで、迷いまくって汗だくになりながら、何とか錫杖の森は越えました。明日は2時間ほどで和賀岳に到達したら、岩手県側に下るのですが…その道がまた怪しいです。羽後朝日岳方面の尾根はおっちゃん曰く、危ないので行けないとか言ってたし。もう一本は沢に下って上り返す変な道だし。不安たっぷりですな。
ま、なるようにしかなるまい。だめなら、また秋田県側に戻るしかない。
天気:晴れ、朝のうちくもり(秋田県大曲市・仙北郡角館町・太田町、移動中は含まない)
今から地図見なくちゃ。明日が楽しみだ~。どうなるのかな。どこ歩くのかな。
そうそう、和賀岳はこれからの脱北計画の逃げ場所には最高の位置なんですよ。ある意味、切り札です。それどころか、「北東北」と書いて「きりふだ」と読んでもいいくらいです。だから、地図で和賀岳チェックは重要なのです(キリッ
もう3日(後半)付は終わっているので、概ねルートも判ると思います。みゃーみさんがピストンで登るなら、岩手県側からをおすすめしますよ。軽い渡渉とかも含めて、楽しいかと。