5万の罠(大峰釈迦ヶ岳【八経ヶ岳縦走・前鬼口バス停コース】:奈良県)
比較的よく眠ったような気がします。しかし、喉がヤケに渇きます。そこの水場で汲んできた水が、もう500ml以上なくなっています。
起きたらおもむろに、発泡スチロールの箱を開け、野菜を取り出します。隣で起きた兄ちゃんが、「うおおっーー!」と驚きます。これだけではなく、生卵も持ってきています。発泡スチロールだから割れませーん(`∀´)
でも…
そうした苦労があったからといって、必ず美味いものができるとは限らないのが、世の中の常です。努力すれば報われる、というのは夢物語です(ぇ
…いや、パックのご飯を使い、フライパンも持たずにチャーハンなんぞ努力が足らんのです(滅 圧力鍋を持ってきてご飯を炊けばよろしい(何 固さも自由自在ですからな。
片づけは、荷物がまとまればあっという間です。100リットルザックの強みはガンガン放り込めることですな。ま、それでもきついときあるんだけどね、冬とか(ぇ
外は…晴れています。薄雲がウロウロしていますが晴れています。
兄ちゃんはまだ小屋の中で身支度をしているようで、ふうたろう、景色を見つつ、ちょっと待っていました。別行動とはいえ、追いついたり追い抜かれたり、しつつ行くのもいいよねえ?
仏生ヶ岳の坂を登ります。が、やっぱり巻き道。山頂は仏様の頭の上なんかな?懐を歩きなさいって。
森林がアホほど美しい。これで空も澄んでいたら、景色と森林浴とで、最高の山なんですがね…
気持ちよい樹林歩き。まだ涼しい時間帯。でも、虫は既に活発です(滅
仏生ヶ岳を越えて孔雀岳方面に向かいます。山の名前が、如何にも山岳信仰バリバリって感じですね。
ちょっと登山道から外れて、解放します。が、当然無防備になるので、大小色とりどりの昆虫類にあそことかあそこ(はーと)とかあそことか食いつかれまくりです(滅滅滅
右巻いたり左巻いたり(西側を回る方が多い)しながら先に進みます。アップダウンが少なめで、神室連峰(山形県)とかよりは全然楽かと。
まだ朝7時頃なのに、もう雲が湧いてきています。太陽がモヤッとしています。
展望の良い岩場がありました。まあ、鬱空だから、それなりの、だけどね…
孔雀岳の巻き道に「鳥の水」と名付けられている水場があります。ここの水は昨日の楊子ノ宿のやつよりもうまい。
なお、あの兄ちゃんはここで待っていました。まあ、ほんとのところは、待っていたのか、写真を撮っていたのか、水を汲んでいたのか、休憩していたのか、それら全部なのか、判らないけども。
秋になったらさわやかに過ごせそうですね。虫も少なそうですし。その代わり、人は多いかな…(じと目
似たような景色が続きます。この辺のササ、雨か霧による露をたっぷり纏っていて、足下がずぶ濡れスペシャルです。
今度は、鬱空から雲が湧いてきて、山を覆ってしまいました。もはやここまでか(ため息
立ち枯れ林とくたびれたバイケイソウの向こうに釈迦ヶ岳が見えなくもない。
また兄ちゃんは写真を撮っています。ふうたろうと違って、レトロなフィルムカメラです。フィルムにこだわる人は何か思い入れがあるんだろうなあと、いつも思うのですが、ふうたろうは道具には思い入れがないので、デジタル一眼レンズ一つでいつも勝負(何)しています。
樹林帯主体の山脈ですが、奧茶臼山や熊伏山(ともに南アルプス深南部付近)みたいな展望一切なし系の樹林帯ではありません。
椽の鼻(たるきのはな?てんのはな?)と呼ばれる崩落地に到達しました。ここらあたりから急激に険しくなります。
モチロン、ササかぶりのジゴクアルプス天然水も激しいのです。ずぶ濡れスペシャルです。
釈迦谷の沢が見えます。河原歩き、夏ならしたいよねえ…。冬でもしたいかもしれないけど。
直角の岩場とか。登るところじゃないけど、この大峰山脈はやはりバリエーション豊富です。
しかし、ものの見事に天気が景色を台無しにしている一例ですな(滅 鬱空とガスって、ヾ(℃゜)々
ほんとに、もう少しはっきりした天気であってほしいんだけどなあ…
先を行っていた兄ちゃんがここにいました。写真で作品を撮ろうとしている彼にとっては、今日の天気は「最悪」らしい。まあ、心中お察しします。
これくらいの岩場には鎖はいらない。しかし、岩場はちょくちょく出てきます。気をつけましょう。
いつ着くんだろうと思って進んでいたら、やっと到着釈迦ヶ岳。なんと9時過ぎてしまいましたがな。出発から3時間半もかかりましたがな。思えば、虫とかジゴクアルプス天然水とか、きつい道のりだったなあ(おもひでがぼろぼろ
…かなりひどい曇り具合ですな。これが樹林帯の山頂だったら納得しますけどねぇ…
下の方がうっすら晴れたかて、なあ?それに、晴れたとしても、ハイパー鬱空Todayだから、マイナス思考にしかならないという罠。
さっきの三角点の写真に写っていたご夫婦に、なぜか信州小布施の羊羹をいただきました。ふうたろうって、そんなにいつも物乞いのような風貌なんかなあ…
前鬼・小仲坊のコースには、なんとヒルが出るのだと、さっきのご夫婦に教えてもらいました。アブアブぶんぶん丸に加えて、ヒルヒルちゅーちゅー君(ぎみ)までいるのか。夏山はオワッてるなあ(滅滅滅
今のうちに装備を調え、釈迦ヶ岳を出発。時間的にはビミョーに危なくなってきましたな。
また、ササヤヴつゆだくゾーン。でも、この辺は人が多く歩くっぽいので、露払いがされています。先人に感謝(何
きれいな笹原なんだろうけど、曇っている(ガスってはいない)ので、ビミョー(真顔
後ろを振り返ると釈迦ヶ岳の上がモヤモヤしていますね。晴れても鬱空なので、…。
ブッ¨:∴(゚ε゚;)
これもまたひどい…泊まるにはエネルギーが要るわ。
深仙で10時21分。前鬼口に14時58分には着いておかないとゲームオーバーなので、改めて考えるとかなりヤヴァイ状態。4時間37分しかない。
スピードを上げます。少しマジになります。大日岳、登れるらしいけど、すっ飛ばします。そもそも、鬱空の中登る気はないというか。
というわけで、22分で(休憩含めて)前鬼の鞍部に至ります。やればできるじゃーん(何
さ、ザクザク下りましょう。ヒルゾーンが待っているかもしれないけど、立ち止まれないかもしれない…
階段が出て来ました。下りは濡れてさえいなければ、まあ大丈夫ですな。
更に階段が続きます。前を行っていた兄ちゃんがそこでまた写真タイムしています。もうこの辺に20日程度滞在しているらしく、モノクロ写真を撮りまくっているそうです。
これにカメラを向けていたようです。
…好き嫌いがあるので、魅力を感じなければ、そもそも撮る対象として選ばないもんね。ふうたろう、兄ちゃんが撮影していなければ、今の気持ちと天気と状況であれば、スルーしていただろうなあ…。
そういえば、ヒルはいませんね…。上から降ってくるとか脅されて、ガクブル((((゚Д゚;;))))だったんですが。
石垣が積んであります。ここに誰か住んでたの?
…歴史(文化的な意味での)に興味を示さなければ、この山はひょっとしたら修行かもしれませんな。
小仲坊到着。宿坊らしいです。中に坊さんのようなおっちゃんがひとりいました。
トイレで顔洗ったりして、これからまた長ーい車道歩きです。7~8kmはあるでしょうから。
そして、あの橋を渡れば、あとは右岸を延々と前鬼口バス停まで。ええ、延々とね、延々と。
さっきは涸れていた沢だと思いましたが、いつの間にか水が流れています。伏流してたんですかね?
きれいなチョウが。夕張岳(1回目)のトナシベツ川沿いの林道にもソックリなのがいましたっけ。
ああそういえばあちらの車道歩きは10kmだったなあ(棒読み
兄ちゃんとはここでお別れです。ふうたろうは、林道・車道歩きも登山のうちです。
兄ちゃんは仕事を辞めて写真とかを撮り歩いているそうです。お金は使う時間もないほど働いて貯まっているそうです…。ひどい労働実態ですな。昨日、夜の楊子ノ宿避難小屋で、そんなことを話していました。
さっきの最奥部の駐車場より少し下ったところに、テント一張り。今日はどこ行ったんだろうね。ナントカ山岳会とか書いてあった気がしますが。
さあ、斜度のある林道を下ります。トナシベツ川沿いの金山林道と違って、足に負担がかかります。
前鬼川は切り立った谷間の渓流です。普通に沢登りしたら、かなり楽しめそうというか、胸焼けしそう(何
しかし、崩壊寸前の吊り橋で、上に乗っかる気が知れません。危ない橋は渡らない。文字通りの意味です。
でも、その吊り橋から見える前鬼川のゴルジュはきれいなんだろうなと、林道から眺める流れを見て思ったり。
あそこは完全にハコになっています。流れはそんなに激しくなさそうなので、浮き輪でも持って泳ぎたい(ぇ
前鬼川の林道、これは歩いた方がいい。王滝川(長野県御嶽山山麓)みたいに、楽しい。できれば、沢を歩くとか、ね。完全防水の一眼レフとかあったら、飛び込み放題かも(黒藁&目がハート
ん?(・ε・*)
その、ハコの浅くなった下流のところに誰かおりますな…。
ふうたろう、道草に誘われ、沢まで下りてしまいました。いや、これは水遊び場でしょ!
裸足になって沢に入ろう。スリッパは林道のザックの中に置いてきてしまった!
ご夫婦で写真を撮っておられるところをおじゃましまくりです。ここはちょっと左の岩が出しゃばり過ぎかも。
やっぱり、奥さんが撮影していたこの場所が一番いい。何気に、岩のところにツツジが咲いているんですよね。
これは浮き輪持ってきたいなあ。犬鳴山(大阪府)のイモ洗い状態とは違うし。
下りの時はロープを使わせてもらいましたが、上りでは要りません。おそらく、白い紐の方は、あのご夫婦が取り付けてくれたんでしょう。
さっき、すぐに下りられるほど低いところに川があったけど、トンネル一つ二つ抜けただけでなんかまたすごくなってきましたな。
どうやら、さっきの水遊びのゴルジュから先、デッカい滝になっているようです。これが、不動七重滝です。
そこの河原の上を、人が歩いています。この沢はアタリかもしれませんな(゚∇゚*)
そばに小屋っぽいものがありますが、ドアすらほとんど開かないので、栃尾辻のところにあった避難小屋よりも使う気になれません。
不動七重滝を過ぎたあたりから気力が尽きてきました。それより下流側はダムの横を走るクネクネ道が延々と続いているだけだからです。
時間は…ふうたろうの歩く速度が70m/分くらいで、残り1500mくらいであれば22分くらいで到着するはずです。地図を見ればまさに1500mくらい…。がんばりましょう。
最後の谷です。ダムは本来前鬼川。それに注ぐ支流が数多くあり、その谷が出てくるたびに道は蛇行します。
あそこに橋が見えますね。あの袂辺りに前鬼口バス停があるはず…!
ようやくゴール。時刻、14時41分。17分前に到着なので、ベストタイムですな。
店はどうも潰れているっぽいけど、自動販売機だけは使えます。いや、さすがに助かります、この販売機!ま、無ければ持っている水を飲むまでだけどね(しれっ
14時58分前鬼口発杉の湯行きのバスは、終始ふうたろうひとりでした。長い長いバスで、30kmくらい走っているんでしょうねえと、運転手。
バスが新伯母峯トンネル(大台ヶ原へのスーパー林道分岐あたり)を過ぎ、国道169号線が谷を螺旋状に回り終わった辺りから、雨が土砂降り。確かに、前鬼口近くの林道を歩いていたら、また遠くから雷鳴が聞こえてきてたもんね…。
杉の湯では止んでいてホッと胸をなで下ろします。土砂降りの中バスから放り出されたらたまったもんじゃない。
ところで、169号線沿いを流れている吉野川、なんだか、荒れていません?
なんか、あの親水公園っぽい建造物が、まるで座礁したようになってませんか?
いや、それとも、この赤茶けたところは、本来水に浸かっている場所…?
去年9月に猛烈な雨で甚大な被害の出た地域の一つだったはずです。去年4月に伯母子岳や護摩壇山に登ったときの、風屋貯水池付近は、その被災地の中心部に近い。どうなっているんでしょうね…。
乗り継いだバスが近鉄大和上市駅に到着。さあ、ひとまず天王寺(阿部野橋)に向かいましょうか。
特急なんてものに乗ってみます。しかし、500円払った割に20分ほどしか早まらない。何事も経験ってことで。2両編成の特急なんて聞いたこともないですわ。
去年、N民連青年部の交流会から帰るときに立ち寄ったあのスーパー銭湯を使います。そういや、先週末は札幌市の桑園駅前の似たような施設で過ごしていましたな…。ミサイルふうたろうここにあり(何
で、ハラは減っていたのでメシを食うのですが、少しでも期待してしまったふうたろうが愚かなのであって。どうやったらこれほど不味く作れるのか理解できないくらい不味くて、ザンネンな気持ちになるのでした。
が、このスパーワールド、尋常じゃないくらい人混みです。アホほど儲けているんだろうなあと。
20時半頃、地下鉄御堂筋線動物園前駅(名前、長っ)を出て、20時50分頃中津駅。夜行バス乗り場はそこからすぐ近くにあるのです。大阪駅の雑踏を通らなくてもいい…。帰りはこのように、何の問題もなくスムーズでした。大都市発の夜行バスは、なんだかんだ言っても時間を潰す施設が見つかれば、楽ですね…。大阪、少し見直しましたわ。ま、あのメシの不味さは心底ザンネンでしたがね。移動手段が限られる地方都市ではこうはいかない。いいところはあるけどね、モチロン。
それと、今回は5万分の1の地図を完全に見くびっていました。予想以上に長くて、けっこうピンチでしたから。あの車道なんて軽いだろうと思ったけど、普通に2時間半かかる道ですからね。シミュレーションは大事です。
#62大峰八経ヶ岳2回目クリア。
#168大峰釈迦ヶ岳クリア。
天気:くもり時々晴れ、夕方雨で激しく降る(奈良県吉野郡上北山村・十津川村・下北山村・大阪府大阪市浪速区)