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今はなき人と街

2012年 11月 3日

 夜行バスが30分弱早く、大阪駅周辺に到着しました。
 …しかし、ここ何処だ?こんなところ、見たこともない。


 ひとまず地下に下りてから案内に従って歩いてもう一度地上に出ると、いつの間にか大阪駅。ふうたろうが大阪にいた頃は行動範囲が狭かったので、市内や区内でさえも知らないところが山ほどあります。


 7時5分発の福知山線に乗って三田駅へ。父方の実家があるところ。20年前、ここにはこんなペデストリアンデッキはなかっただろうね。地上にはロータリー、空中にはペデストリアンデッキ、という形が流行ってきたのは最近のことだと思います。街から駅へのアクセス、あるいは駅から街へのアクセスが非常に不便になって、ちょっと降りて何かしよう、という気力も失せます。ただ、三田市は人口も一気に増えたから…


 駅から父の実家はどうやって行くんだっけ。もう、20年以上この辺りの道は歩いていない。祖母ちゃん(10年ほど前に他界)がまだ入院すらしていなくて、おはぎだのを作ってくれた20年以上前、ここまで迎えに来てくれたこともあったっけ…。帰りは遅くなっていつもふうたろうボーイは力尽きていたっけ。


 静かに流れる武庫川(むこがわ、ふうたろうも今知った)に朝日が反射。
 実家に戻ればクルマで高速に乗って来てしまうこともできるけど、自力で来ないとこの景色は絶対見られない。自分の足で歩かないとこのストーリーは絶対書けない。


 どこにいるのかわからない どうやらここは地図にはない場所のようだ(ドラクエ7風に)
 ローソンの前でカップ焼きそば(焼いてないけど)を食っている風景は、ヤヴと暑さと虫にケチョンケチョンにやられた福井県の山のことを思い出しますね(じと目


 大盛りのカップ焼きそばを、気持ち悪くなりかけながら食べきったら、祖母ちゃん家を探さなきゃ。でも、あのローソンまで来れば、何となくわかる。クルマで来ているときに通っている場所だから…。


 祖母ちゃんちには喪服姿の親戚の人々が集まっていました。ふうたろうはほとんど名前も知らないし、初めて会ったかもしれないくらいだけど、山の話とかで盛り上がったりして。
 一流は場所を選ばない(`・ω・´)
 =つ☆)゚3゚)ブッ¨:∴
 …散歩でもしましょうか。まだ法事の始まりまでには時間もあるし。


 ふうたろうは小さい頃、この三田(さんだ)がとても好きでした。実家のある南港(大阪市住之江区)にはないものがぜんぶある、ふうたろうの欲しいものがいっぱいある、この三田の田舎町が。


 雨が降っても、母親にせがんで(←こら)数時間散歩したものです。そう、この池の側を通って。あの池向こうにあんな建物があったかどうかは覚えていません。


 三田小学校が、池のすぐ側にあります。その横をまっすぐ西へ。ここがいつもふうたろうの散歩道の黄金街道でした。


 秋には銀杏が生り、小さくてとても食べられたものではないけど、生きている木が実を落とすことに感動しましたっけ。春も秋も、夏も冬も、キノコや落ち葉や蒸した夜や雪景色…。


 思い出の詰まった景色。


 しかし、"黄金街道"を抜けるとそこに現れるのは、変わり果てた風景。ここに住んでいる人たちが悪いのではない。なぜここに人が集まったかが問題なわけで。三田市の中心街を見れば、そこにこれほどの人の雇用はありそうもない。三田駅から快速などに乗れば40分で大阪駅ですから、きっと所沢や飯能(埼玉県)などのようなベッドタウンの位置づけなのでしょうね。
 …でも、これはベッドですか?最初はハンモック一つ張っていたところに、いつしかみんながテントだのバーベキューコンロだのを持ち込んで、すっかり変わり果ててしまった河原のようです。
 懐古趣味だけでこんなことは言わない。大阪で働くなら大阪に住んだ方がいい。地方都市がタコ部屋のようになって、ただ寝に帰るだけ、そこに基盤となるものは何もない。タコ部屋労働者が行くのは、見れば判るほどに大型スーパーやメガモール。地域を支えてきた多様な店や工場は姿を消す。ふうたろうは取手(茨城県)にいたときも所沢(埼玉県)にいたときも、ずっとそれが嫌でしたから。


 …今日は旅に来たわけではありません。メインは法事。法事を行うお寺のすぐ側は、まだ田んぼが残っています。もう変わらなくていいですから。


 お寺で般若心経を読み上げます(墓参りと順番が逆になりますが)。般若心経(はんにゃしんょう)は、書いていることが解れば一緒に唱えられるけど、解りもしないのに唱えたくない。どこかで講習を受けないと、たぶん理解できないだろうけども。仏教やキリスト教の格言は、ふうたろうは好きです。優先順位は低いけど、学ぶ機会があれば、ね。


 もう11月なのに紅葉何それおいしいの(じと目)状態。
 むしろ新緑の季節みたいにアオアオとした楓(じと目


 法事が終われば会食。集まっている人は10人ほど。こぢんまりしすぎですが、それも仕方ないのか。
 家庭にはいろいろ問題があって、どうもバラバラになっている気がする、というのはかなり前の日記にも書いた気がします。確かに、今の状態を見るとバラバラになってもしょうがないし、ふうたろう自身もこの親戚の集まりに責任を持つことはできない。でも、ふうたろうが小さい頃、いとこのHさんのチャリの後ろに乗って(←こら)、今朝ふうたろうが迷っていた辺りにあった(今はないらしい)本屋に行ったことはお互い忘れていない。
 …ま、今はそれ以上を述べるのはやめときますか。


 食事会です。会食、というと法事だから縁起でもなかったかもしれませんか。それほど量は多くはありませんが、これほど多くの食べ物を見ると食欲は…


 ところで、いとこの息子たちが暴れています(笑
 2歳のYくん、ふうたろうにやたらとなついてくれたのですが、帰り際になったら、まるで一人闇の中の渦にでも飲み込まれていくかのように泣き叫ぶのですな。
 …大丈夫。死にゃあしない(ぇ


 帰りは家族と一緒ですから、クルマで実家へ。しかしふうたろうはつくづく思うけど、やはりバスと電車の旅が性に合います。
 …クルマが文明の象徴だとすれば、バスや電車は…生きていることそのものの象徴かもしれませんな。もちろん、ふうたろうにとって、ですよ?


 明日は金剛山などに行こうと思っていましたが、家族集合した珍しいときでもあるので、たまには…そちらに合わせますか。


天気:晴れ時々くもり(兵庫県三田市・大阪府大阪市各区)

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