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2012年の山たちへ捧げる

2012年 12月 27日

 今年も残すところあと4日ほど。信じられないけど。
 3年目になりますが、1年の山たちを振り返りたいと思います。皆さんの応援のお礼もかねて。
 …母方の親戚が集まっていた大分県から一人四国に渡り、吹雪の中を突き進んで登った山…。バスの行き先は明後日だったし、南国の雰囲気を感じないほどの激しい雪。スパゲッティをゆでるための水の確保には困りません。
 しかし、山頂では恵まれなかった天気も翌日は回復し、雪と青空とシュカブラと霧氷の最高傑作を独り占めできました。
 三本杭(愛媛県)、1月5日。


 三本杭を下山してもまだ登るべき山が近くにあります。交通機関が大変難しく、平日の休みを取らないと行けません。それに、そこから向かうルートは上りも下りも険しいもの。特に帰りは遭難寸前。早速1月早々徒渉まで味わうとんでもないハイキングになってしまいました。普通の人は往復30分で終わる山なんだけどね。
 南予篠山(愛媛県)、1月6日。


 またもや雪に深く埋もれた山…積雪厳冬期は行ける場所も限られます。そして、その限られた場所でさえ簡単には登れません。腰より深く埋まる雪にもがきながら小屋まで行き、無事一泊山行を果たしました。はるか彼方の御嶽山や中央アルプスが凜々しく、黄金色に輝く冬雲が美しかった…
 南木曽岳(長野県)、1月28日。


 冬の時期にしか、積雪期しか登れない。そう聞いて向かったら、本当に吹雪でした。一晩で30cm、いや50cmは積もったでしょうか。アプローチの林道にも厚く雪が積もり、しかも湿った雪!平地を歩いていても急坂を延々と登らされているような厳しさ。とても登れませんでした。
 男鹿岳リタイア(福島県)、2月5日。


 厳冬期の2月。とても日本海側の山は攻められない。でも、2月にもなると太平洋側の山でもハンパないほどの雪が積もります。またもや誰もが近寄らない雪山…。一気に数百メートル登って再び数百メートル下り、また数百メートル登る。わかんを履いても30cmの沈み込みは当たり前。気温は糖分の多いシロップでさえも凍るほど。しかし、一見死の世界のそれは、同時に美の萌芽でもあった。霧氷と朝焼けの輝きの前ではそのつらささえも厭(いと)う気になれない。
 黒法師岳(静岡県)、2月18日。


 黒法師岳から一気に縦走。この季節に歩く者はやはりいないだろう…。足跡すらないそのルートには夏道が存在するようだが、今は厳しい冬。踏み抜きは50cmも当たり前。つらさに顔がゆがんでも、それでも雪と光の輝きを見たら、どうしても「行かなきゃ良かった」と思うことができない。長い下りに足が震えても、その震えの記憶さえ心地よい。
 寸又高塚山(静岡県)、2月19日。


 伊那松島にいる友人に会いに行きたかった。前日というか、当日の0時を回ってから決まった山行だった。ふうたろうの行く道はどの山でも茨の道(公共交通で行くため)。いったいどこを通っているんだ!?片手に林で拾った棒を持って山頂部に達すると、「ただ者ではない」扱いを受けたがどういうことか。しかし実際道がなくキツいところもあった。普通の人たちはクルマで来て山頂まで少しの雪遊びで到達できるのに、ふうたろうはすずらんの里駅から歩いていた!遅れてごめんよ、kazくん。
 入笠山(長野県)、2月26日。


 インフルエンザにかかってブランクを作ってしまった。でも、ノロわれるよりマシ!タミフルなんか飲まずに治して、翌週末は涼しい顔して道無き道を歩く会(黒藁
 …震災から1年。この日だけはどうしても東北に行きたかった。でも全国的に低気圧の通過で天気が悪い。特に福島は悪い!最大に妥協して向かった秋田県。どうせなら誰も通らない尾根なんか通っちゃったりして、悪のりしようではないか!
 阿仁森吉山(秋田県)、3月10日。


 厳冬期の北海道は経験したことがあるか。いやまだ無い。どうしても行きたい。去年の夏蹴落とされたあの山へ。でも、夏に蹴落としてきたその足の大きさどころではなかった、あの日高の山の足は!
 ダイヤモンドダストが発生するほど気温が下がった尾根を進むも、結局半分も進めないままリタイア。雪の深さは尋常ではなかった…。でも、札幌にいたあの子に会えたのはそれでも来て良かったと思える出来事だった。
 ペテガリ岳リタイア(北海道十勝支庁)、3月19日。


 今年も難しい山にどんどん挑戦するぞ!大変な宿題は後に残さないのがふうたろうの主義。だからやってきたのは…
 でも、ペテガリ岳同様、敵は恐ろしく強かった。雪の深さはペテガリ岳にも勝り、さらに低気圧の接近で1日目は春の嵐、2日目は寒気の襲来で冬の嵐。ふうたろうの力など無いも同然の扱いで、這々の体で逃げ帰ることになった。
 景鶴山リタイア(群馬県)、3月25日。


 おやなんだここは…(じと目
 登山口にしようと思った寺は、人に対する拒絶反応がひどく、気分悪いことこの上なし。仕方なく取ったバリエーションルートは倒木とアップダウンの悲惨なルート。山頂では終いに雪が降り出し、その後も薄暗い樹林帯で展望もない。それでも、それでもふうたろうは山を歩いている。登って後悔する山はない。それはこの山も同じだ。山が無条件に好きなのだ。
 吉野竜門岳(奈良県)、4月1日。


 性懲りも無くまた挑戦。しかし、状況は前よりもひどい。埋まる、埋まる、どんどん埋まる。帰れるのかどうかも心配になるほど、埋まる。この山はどこまで強いのか。ふうたろうには倒せない山なのか!?
 この山は、実は積雪期以外の登山禁止。しかし積雪期には交通機関もろくに無い。ふうたろうには厳しい山。でも、負けたくない…
 景鶴山3度目リタイア(群馬県)、4月8日。


 まるで通勤するかのように通い始めた景鶴山。今度だめならもうこの山は日本300名山から削除対象としよう。ふうたろうが登れる時期は存在しないのだ、と。…でも、一日目の吹雪は同じでも、二日目は日が照り、暑いほど。独自のルートを辿り、なんと撃破してしまった!そして、その展望の良さは…
 苦労がある山ほど美しい。苦労の記憶が感動の基礎になる。そんな哲学を植え付けてくれた山かもしれない。
 景鶴山(群馬県)、4月15日。


 勢いに乗ってどんどん攻めよう。この時期の山は残雪が多く、ちょっとすれば吹雪くこともある。でも、天気に恵まれた北陸。ちょっと変わった道を通ってみようと思うも、険しさに敵わず。ゼロメートル登山をして山頂を踏んで帰るのが精一杯。帰りは長岡北バス停まで送ってくれる人に出会い、甘えてしまった。
 米山(新潟県)、4月21日。


 恋を求めて向かった北海道。2年前を思い出す?でも、自分の本分は忘れない。常に一人で歩めるものがあるから恋も実る…かもしれない(ぇ
 長い林道に雪が積もって、踏み抜きも激しく坂もきつく、道も険しい。よくぞこの雪の時期に来たり!まだまだ不安定な気候の4月下旬。それでも毎年GWは北海道と決まっているのだ。特に今回はね!
 ニペソツ山(北海道十勝支庁)、4月29日。


 ニペソツ山から一気に縦走かまそうとしたけど、どうも雪が…無い?一旦谷に下りてかすめ取ってやろうと思ったけど、やっぱりそんなこすいことをしてもだめだった。誰も入りに来ない朝の雪中岩間温泉は最高だったなあ…
 石狩岳リタイア(北海道十勝支庁)、5月1日。


 あれ!?ここは北海道ではないようだ?
 あらゆるものに破れ、嵐も襲来…。もはやなすすべを無くしたふうたろうは撤退した。まさか、今日本州にいることになるとは夢にも思わなかった。でも、たとえその先が岩だろうと藪だろうと、登り続けるしかなかった…
 出会ったおっちゃんや労ってくれた食堂のおばちゃんの優しさが身にしみた。高崎駅まで自転車に乗って風になった。
 妙義山(群馬県)、5月5日。


 歩みは止めない。登るしかないのが山だから。でも、選んだ山はやっぱり厳しかった。交通機関が(滅滅滅
 しかしそれだけではない。猛烈なヤヴと消えた道、ロープを使って下りたため、それは負け山行…。簡単には行かしてくれない。
 越前冠山(福井県)、5月12日。


 長い砂利道を歩けば次は川沿いの道を、川沿いの道が終われば次は徒渉を、さらに川が無くなれば雪と倒木の新緑樹林帯の尾根を…。長い道の果てに着いた山頂の小屋では、遅い日没を迎えていた。恐るべし。
 船形山(山形県)、5月19日。


 若葉萌え出でる山々。コゴミ、コシアブラ、その他多くの山菜に関心を持つようになったのは皮肉にも放射能汚染だった。このあたりも汚染は高いのだろうか。…結果は悲しいものだった。原発が安全だなんて、本当に嘘だった。自分の目で見た、嘘という真実だった。いや、害があるかどうかじゃない。汚されたことが悔しい。あまりにも美しい新緑と残雪とは裏腹な現実があった。
 泉ヶ岳(宮城県)、5月20日。


 次も新緑残雪の東北を目指す。新緑の美しさを知ったら、もうやめられない。でも、やはり交通機関に難あり、いや、最凶クラスの難関である。そもそも、登山口はどこだ?迷ったあげく、ついに見つからず、地元の山菜採りのおっちゃんに助けてもらった…。そして、いざ歩いた山道は急坂とアップダウン、ヤヴと倒木、崩壊した岩場、しかも折からの猛暑。これが東北の深山の猛威か…。
 下りも険しく車道も長い。全長40km弱は1泊2日で行く山ではないだろう!?
 和賀岳(岩手県)、6月3日。


 九州にいるいとこが結婚式を挙げた。彼と一緒にいる彼女の表情は非常に幸せそうだったのを、正月に見ていた。彼女が孤独から解き放たれ、嬉しそうな姿が嬉しかったから、参加に迷いなし。そして、もちろんそれに続く山行にも迷いなし!
 …といいたかったのだが、地図のでたらめスペシャルが爆裂し、山行後に初めて顔を合わせる友人との約束に、ガッツリ遅れてしまうという血の山行となる。
 おい、何でこんなところで氏んでるんだよ(゚Д゚メ)ゴルァ
 脊振山(佐賀県)、6月10日。


 翌週には全国レベルで梅雨入りしてしまい、脱北計画も立てられないほど。しかし、まだ日本海側の天気は太平洋側のそれに比べて安寧である。でも、わざわざ雨に当たってまで行かなければならないほどこの時期に1泊しなければ行けない山はもはや多くない。ちょっと遠いけど日帰りしかできない山にでも行こうではないか。
 しかし、その日帰りした日もガスっていた。
 鳥甲山(長野県)、6月17日。


 今年最凶の車道歩きを経験させられることになる。駅から登山口まで25km。下山口からまた駅まで10km。登山道はたかだか14km程度のハイパーよちよちコースなのに、このアクセスのひどさは何だ。でも、これをやり抜いてこそふうたろうの山(`・ω・´)キリッ
 登山口にあるヒュッテにはなぜか多くの人が集っていた。ユウパリコザクラの会という人々をはじめとする総勢40人程度だった。雨の中歩くふうたろうに、いったいその人たちは何人声をかけてくれたろう。その後、親睦を深めたのは言うまでもない。その後は天気にも恵まれ、最高の景色を味わってミッションを完了する。これこそ最凶にして最高のふうたろう山行である。もちろん、そんな順風満帆なことばかりでもないのもまた、ふうたろうの山行である。聞けば嘲笑の涙が出そうである(じと目
 夕張岳(北海道空知支庁)、6月24日。


 絶え間なく登るのは、絶え間なく生きている証拠であろう。晴れ間があればそれは山に行けと言うことだ。週末の一日が晴れれば、夜行を使ってでも日帰りの山に行く。北陸方面の低山はそういう場所が多いのだ。
 しかし、ほとんどはクルマで来る人のことを想定している。夜行で乗り付け、車道を歩く人はいない。でも、俺はやるぜ(`・ω・´)キリッ
 …暑い(汗だく
 青海黒姫山(新潟県)、6月30日。


 一日の代休を使ってまた東北へ。梅雨があるため脱北(北"へ"脱する)するしかない。しかし、ここも実は猛烈に長い車道歩きを伴う…。山頂直下の避難小屋に着いた頃には、いちばん日の長いこの時期に暗くなりかけていた。はるか彼方の新庄市街は既にガスの中…。翌日の縦走路は打って変わって燃えるような暑さ。下りも長い道のり。水もなくなり、東北一のきつい山になった。
 最上神室山(山形県)、7月9日。


 海の日の3連休が来た。しかし1日目が雨(滅 目指したのは山として南アルプス最難関のあれ…
 長い樹林帯の尾根を登ること8~9時間。小雨ぱらつき、雲も多い。しかもゴールはこの山頂じゃない!そしてここは一度登っている日本百名山…。
 甲斐駒ヶ岳(山梨県)、7月15日。


 本命は甲斐駒ヶ岳から北へ縦走したところにある。途中の石室で宿を取り、明日に備える…
 …ぞ?(゚Д゚;)
 グロロロロッ~~~
 ヌオッ(゚Д゚;)
 同じ小屋に泊まりに来て同じ山に登る予定のおっちゃん二人のいびきがステレオで小屋に響く。外の岩の上に避難して寝ようとすると雨が降ってくる。戻ってもやっぱり猛烈ないびき。これは殺される…
 2時間しか寝られなかったふうたろう、本当につらかったのは岩場よりもいびきの波動だった(滅滅滅
 でも、急激に回復した天気の下、ガレ沢と普通の沢下りを楽しめた。
 甲斐鋸岳(山梨県)、7月16日。


 おや?この集団は…?
 なんと再びやってきたのはシャドウ歩きスペシャルの!…でも、今回は先月知り合ったユウパリコザクラの会のイベントで、生ぬるく歩けます。小屋まで札幌からの参加者の方に同乗させていただいて楽々到着。コースも荷物を思い切り軽くして登れるので池袋にチーズを買いに行くよりも息を切らすこと無くウルトラデラックスハイパーよちよちコース(黒藁
 しかし後ろで死にかけの初心者がうつろな目で歩いている。
 夕張岳2度目(北海道空知支庁)、7月22日。


 夕張岳で奇跡の休養を取ったのもつかの間。翌週からは再び血の山行。…のつもりでは無かったのに血が噴き出したという話だったりするが(じと目
 梅雨明けした近畿地方は猛烈に暑い。何でこんなところを選んだんだろう(棒読み)でも、大きな山は雪がゴッテリ積もるとおいそれと行けなくなる。鬼の居ぬ間に洗濯だ。
 ここはやはり一度来たことある日本百名山。前来たときはおぞましい沢登りの末、雪ガスゾーンで(Θ_Θ)どよーんだったけど、今回は…雷が聞こえる(滅滅滅
 大峰山八経ヶ岳(奈良県)、7月28日。


 八経ヶ岳まで来れば次行くところは決まっています。そのまま南下します。暑いです。夕立に撃たれそうになります。岩場のアップダウンがつらいです。ハイパーシャドウ歩きが萎えます。さすが修験者の山(じと目
 なお、山上ヶ岳は女人禁制を解かない限り、ふうたろうは登りません。登る対象として認めません。
 大峰釈迦ヶ岳(奈良県)、7月29日。


 8月最初の週は腰痛で撃沈(滅滅滅)。ブランクを作って向かったのは、今年最大の山行の舞台になるだろう、北海道。大規模なシャドウ歩きと長距離の縦走ができる、普通の人ならたかだか5kmほどの登山道を経てたどり着ける山。最寄りのバス停から1日がかりで登山口まで歩き、1日がかりで縦走し、また半日がかりで雨にぶちのめされながら駅まで歩く。ああ北の国の300名山はバリエーション豊富で楽しいなあ(ヴォー読み
 しかし、岩場のアンギラスから望んだすべての景色が、その苦労に有り余るほどの絶景。いや、その苦労の記憶そのものさえ絶景の一部だと思える。
 ニセイカウシュッペ山(北海道上川支庁)、8月12日。


 ニセイカウシュッペ山から間髪入れずに向かったのは大雪山。しかし、大雪山が目的ではない。だからみんなはいう。「旭岳ですか?黒岳ですか?トムラウシですか?」
 …あきるほど平坦なヌカルミ水ぽちゃゾーンを越え、笹スリップゾーンを過ぎ、木道もない沼の上を歩き、背丈のウルトラデラックスハイパー笹ヤヴゾーンを抜け、ヤヴ付き急坂を上り、挙げ句の果てに外れた天気予報でガスと雨にぶちのめされ、露だくの笹ヤヴでビチョ濡れになる、おぞましく、涙ぐましい山行であった。下ってきたところにある三股山荘のかぼすシロップのうまさがその辛さに裏打ちされたものであったのは言うまでもない。
 石狩岳(北海道上川支庁)、8月17日。


 北海道から帰ってきて一週間。歩みを止めないふうたろうは福井県に向かった。晴れている場所があればどこだって飛んでいくミサイルだ。
 しかしここも非常にまずい。登山口判らない。辿った道はウルトラデラックスハイパーヤヴこぎゾーンアトミックスペシャル(なんのこっちゃ)。ススキで生身を切られ、汗だくの身体に枯れ草がべっとりまみれ、進む道がブッシュで消滅し、たった15km弱の山に音を上げた。
 越前経ヶ岳(福井県)、8月25日。


 ここまで来ると、どれだけつらい思いをできるかを攻めたくなる。でも、キツいものはキツい。そしてそれは今回も同じ。長い、坂きつい、ヤヴキツい。しかも山頂はガスって展望なし。ヤヴを縦走で抜けようと思っていたのに体力も気力も尽き、別の道を下ったら次のバスが数時間後。バス停で非常食を食べるという前代未聞の結果に(滅滅滅
 山はこれだからやめられない(じと目
 佐武流山(長野県)、9月2日。


 性懲りも無く登り続けている。次にやってきたのはまた北陸。今年の暑さは異常で、特に北陸のそれは万死に値するほど。雪国が聞いて呆れると文句の二つ三つは出てくるもの。山頂にはアキアカネが飛んでいても、身体で感じるのは盛夏よりも暑苦しい空気。今年、俺は死ぬのか。
 下山した頃には目が濁っていたような気がする。
 越後粟ヶ岳(新潟県)、9月8日。


 ふうたろうの夏はまだ続く。異常な暑さを逃れてきたアルプス裏銀座でも目指したいと思った。…が、そこも所詮は北陸の一部だということを忘れてはいないか?
 暑い。とにかく暑い。しかも何で雨まで降ってるんだと。飽きが来ない、いや、秋が来ない山を、ひたすら楽しみ続けるふうたろうであった。
 信濃蓮華岳(長野県)、9月15日。


 蓮華岳から縦走を続け、順調に進むかに見えたふうたろうは、途中で身体の異常を訴える。何事かと思えば、朝食ったグリーンカレーチャーハンが辛すぎたために腹を壊したのだ。ああ緑のチカラはすごいなあ(ヴォー読み
 で、山の方はどうだったの?(じと目
 信濃烏帽子岳(長野県)、9月16日。


 ふうたろうはしんでしまった(違
 まるでふうたろうの墓ではないか。ま、それでもいいけどさ(ぇ
 烏帽子小屋から往復して食ってくるくらいしかできそうもない。緑のチカラと暑さとこれまでの血の山行で体力は尽きているので。
 今年は修行の連続だ!
 野口五郎岳(長野県)、9月17日。


 日曜が雨予報なので土曜一日で行ける場所を探したら、滋賀県にそれはあった。ならば滋賀県に飛ぶのが礼儀だと。もっとも、飛ぶといっても夜行バスだけど。
 しかし、目の前にあるのはスキー場の山頂。開発され切った山ほど無残なものはないね。せめて「名山」と呼ばれる場所は、こういうところは含めてはいけないと思う。
 なお、近くの小女郎池は美しいので立ち寄る価値あり。
 蓬莱山(滋賀県)、9月22日。


 蓬莱山からまっすぐ北へ。実は朝飯食いっぱぐれの刑で、蓬莱山の山頂近くにある食堂まで厳しかった。細かいところでいつも修行が付け加わるのは何かの罠か。
 蓬莱山からの道のりは長い。普通は1泊する。でも、次の日雨なのに一泊なんてしたくない。第一準備もしていない。漢(おとこ)は一気通貫!(`・ω・´)キリッ
 帰りは京都の、学生時代世話になった八百屋に寄って顔出していく。山は過去と未来と現在の旅。
 武奈ヶ岳(滋賀県)、9月22日。


 今年は修行と難所攻略の年。またもや北海道に懲りずに来てしまった。しかも、わざわざつらいコースを選んでしまった。しかし、今回は猛烈なヤヴと戦闘するために、新たな武器、"鉈"を手にしている。攻撃力が上がったぞ!
 ヤヴの攻撃!ふうたろうは270のダメージを受けた!。山はしゃくねつの炎を吐いた!ふうたろうは160のダメージを受けた!ふうたろうはしんでしまった(何
 東尾根のヤヴと距離は尋常ではなかった。しかも10月の北海道のくせに猛烈に暑い。紅葉何それ美味しいの?(じと目
 3月に歩いたはずの林道は、崩落しまくっていた。
 ペテガリ岳(北海道日高支庁)、10月7日。


 島々バス停より歩くこと6時間。そしてさらにアップダウンを重ねて2時間。やっとたどり着ける山頂は、決して易しくはない場所だろう。
 が!今までこなしてきた数々の山を思えば、この山頂に至ることがなんと楽なことか!!!!こんなことがあっていいのか!もっとも、登山道もろくに無かったり、車道を35kmも歩いたりという、えんがちょ登山に比べれば、どんなところであろうと登山道がある山は次元の違う易しさになるのだ。
 ああハイパーよちよちコースだったなあ(ヴォー読み
 霞沢岳(長野県)。10月14日。


 …ヤヴァイ。テントのポール忘れた(滅滅滅
 しかし引き返せない。そんなことくらいで。
 …紅葉が美しくなってきた10月下旬、向かったのは北陸。当然、クソ暑い(滅滅滅
 暑さに体力を奪われるも、今日も山を歩く。そして、山頂近くまで車が入れるので、ふうたろうの歩いている登山道もどきは倒木やらヤヴやらで荒れてますから。
 下山後は翌日の金剛堂山のためにその登山口で闇テンのススメしないといけないのですが、ポールを忘れたふうたろうは、まるでドザエモンのように河原に転がるしかありませんでした。
 白木峰(岐阜県)。10月20日。


 河原でドザエモンしていたふうたろうは、ゾンビのように起き上がり、今日のミッションをこなします。ええ、もはや何でもありです。まだまだ暑い日が続きます。河原でドザエモンごっこくらいで死にません。
 古い25000分の1の地図には登山道がないので、神の目で進むしかありません(違 実際はわかりやすく登山道が着いているので、そのまま山頂に誘われます。
 紅葉がきれいです。今年ももう冬間近…には思えないけど、そういうことにしといて(じと目
 金剛堂山(富山県)。10月21日。


 …ヌオッ(゚Д゚;)
 腹が痛い…(滅滅滅
 おかげでグロッキー登山。それでもがんばりました。彼方の飯豊連峰が冬を待ちわびている姿を拝みに山頂まで。
 二王子岳(新潟県)。10月27日。


 季節は一気に進みます。11月になって寒気が入り始め、本州の高山、北の山々は夏から一気に冬へ。そんな初冬は、一足先に冬を楽しむチャンスです。さあ行きましょう!曇り空だって悪くないさ。
 …腹の具合は大丈夫?
 針ノ木岳(長野県)。11月11日。


 冬が一度来ると、その後は急激に進みます。四国でも霧氷が輝き、北風が吹き荒れます。しかし、一日目は温かい雨!こいつに身体を濡らされると容易に体温を奪われます。低気圧のあとは寒気が控える。これは冬の法則です。濡れたまま出発だけは避けたい…
 しかし、どうでもいいけど、いつまでガスってるんですか(じと目
 三嶺(高知県)。11月24日。


 剣山地滞在最後の日、ついに晴天がやってきました。霧氷の輝きはそれまでの悪天ではぐくまれ、この日は霧氷日和。来る人は感動を抑えられません。
 阿波剣山(徳島県)。11月25日。


 引っ越しのあとノロウイルスに襲われ、3週間ほど山を休んでしまったあとの山行は、ほとんどが登山道のコースでした。登る尾根を間違え、ヤヴをこぎ、雪と岩ゴロゴロの急坂を上がり、山頂では結局ガス吹雪(滅
 でも、気がついたんですよ。ふうたろうは山にいるだけで幸せだって。山に登ることすらできないなら、雨だろうと槍だろうと吹雪だろうと晴れだろうと、関係ないですもの。この日ここにいられることそのものに感謝です。
 二岐山(福島県)。12月16日。


 …バスが突然運休になり、結局登山口到着は昼過ぎ。しかも下山口に設定していたところに。いくら何でも、井川自主運行バスの不手際には苛立ちを隠せません。…が、いくら苛立っても山に登れるわけではないので、進むしかありません。
 結果、道はとても険しいものになりました。急な坂、深い雪、急降下する気温、80ほどもあるアップダウン、危険な崩壊地、長い道のり…。これほど厳しい山行は何度あったでしょう。…って今まで何回も言ってた気がするが気のせいだと思いたい(じと目
 しかし、これほどピークに発破をかけたくなり、森林(倒木)を燃やしたくなり、上空から大量の撒水をしたくなったのは初めてかも(じと目)文字通りの無間地獄。
 大無間山(静岡県)。12月24日。


 今年の山行は何もかもが猛烈にキツく、まともな山行ができたのは3個くらいだったと思います。どこもシャドウ歩きやヤヴこぎ、雪道や岩場、アホほど長いルート、普通ならコースアウトしかねない道…。思い出せば涙が出るほど。
 でも、つらい山行ほど記憶に残るし、そのつらい記憶が次の山行を楽しくすることも事実。それはその山々が丁寧に教えてくれました。車道歩きが長いのは、ふうたろうに山を支える里があることを教えてくれます。誰もが通らない険しい道はそれだけ静かでありのままが見られることでもあります。つらいことそのものが山行をつらさから解放し、むしろ楽しいものにする。
 どんなに登っているときは悪態をついても、やっぱり下山後は次の山を見ています。まだ年末の山が残っていますが、来年もがんばりますよ!


天気:晴れ(東京都板橋区)

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