Home > ふうたろう活動日記 > ピッケルと鍬は同時に持てない

ピッケルと鍬は同時に持てない

2013年 2月 10日

 …さあ、朝だ。今日も恐ろしいほど天気がいいですな。でも、これで雨なら、テンション下がりすぎて死ぬでしょうな。


 さて、このふうたろうが参加しているイベントの話をせねばなりませんな。昨日から参加しているんだから。
 一応、こないだ1月21~23日でやっていた全国のものに対する、青年部のもの、です。昔は全国の大会の縮図みたいなもので、政治ネタと飲み会をやって終わりのものでした。言ってしまえば、あそびがゼロの、普通の人にとっては拷問大会…というのがふうたろう個人の思いです。
 でも、数年前から取り仕切る陣営が変わり、あそびを加え、政治社会の勉強からスタートの形をやめ、新人農家(青年とはそういうものだから)やこれから農業やりたい人、消費者の多くが求めているだろう話での勉強会や交流をするようになりました。


 …ふうたろうたちは、朝飯を食べ終わったら茶畑に向かいます。青年部部長がやっている茶畑です。ふうたろうの昨日の予習は役に立つでしょうか。


 …雰囲気に対する敷居を下げる。思想が違っても入ってこられる。
 良いふうに解釈すればそういうことになります。ふうたろうはこの青年部に来ると、いつものN民連であることを忘れます。むしろ、違う組織だと認識するほどです。
 つまりそれは悪いふうに解釈すれば、本来の親組織からかけ離れているものとなっていることでもあります。もちろん、ふうたろうはただ参加しているだけ。だから、参加している範囲内の、話をした一部の人の雰囲気を見てそう言っているだけです。


 昨日のパネルディスカッションを聞いていると、前に出てくる人は「できる人」の集団です。個人でどれだけ努力したかはともかく、才覚と運に恵まれた人と言っても過言ではないはずです。
 第一歩を踏み出す勢いのある人たち。その原動力は知るよしもないけども。


 昨日のパネルディスカッションは、中身だけは書いておかねば話にならないですね。一人PCの具合が悪くて発表の中身に集中できなかったため、それを除く形で。
 一人目は京都府のお茶農家。よそ者だけども情熱を持って自分を語ると、まったく純朴な思いで農業に飛び込んでいった人の話です。彼自身が具体的にどういう農業を目指しどういう農家を目指しているのか、やはり情熱で語るので、解るようで解りませんが…(汗 でも、それはそれで悪くない。
 二人目は静岡県の少量多品目栽培の農家。昔は山登りが好きで山岳ガイドをやったとか言っていたようですので、耳がそこだけはダンボでした。控えめな感じのする方で、妻のマクロビオティック(玄米菜食?)でレストランをやってそこで野菜を出す、ようなことを言っていたと思います。
 三人目は…PCの具合が悪いという件です。すみません。
 四人目…。環境に負荷を与えない農業をテーマに、色んな企業に農産物を販売していく仲介をする(つまりビジネス)人です。もちろん、そういう人がいてこそ農家も安心して作れるのでそれは必要なことです。が…。外国でゴマを作ってそれを売る。それが環境に負荷を与えないのかどうか、そして、我が組織本来のあり方としてOKなのかどうか…。


 ここが青年部部長のやっている茶畑です。昨日歩いたところと比べれば斜度はまだ緩やかでしょうか。向こう側が杉林に覆われ、展望が開けている、というわけでもないようです。


 しかし、この茶畑には歴史と意義があります。一つは無農薬無化学肥料で続けるということ。開始当初は虫の害に脅かされ、クレームも絶えなかったといいます。周りの農家からは威しのような文句も言われ、典型的な村八分。組合は除名。が、農薬(殺虫剤)を使わない環境は徐々に変化します。「殺虫剤」という化学物質もなければ「害虫」という虫もありません。殺虫剤はおおむね多くの昆虫を殺害します(抵抗性云々はともかくとして)
 かくして、茶畑にはクモが飛び、ハチが舞い降りるようになりました。生態系のバランスが整っていったため、今見ての通り、虫でけちょんけちょんにされている様子は、周囲の慣行栽培のものと比べても、ありそうにはありません。


 物作りにハートを込める。このK産地(何)の茶畑は、物作りを通して情熱を語る、真の勝利者(「勝ち組」ではない)だと思います。なぜなら、昨日話していた「環境負荷の少ない」農業を作り上げるだけでなく、農業を取り巻く仕組みをも変えていこうとしているから。部長の言葉にありました。
 「こういう野菜(顔が見える農家が作った新鮮な野菜という意味だろう)を食べたくても食べられない人たちはむしろ青年に多い。私の友人にもいる。」
 自分が成功すれば、それが成功例だという人はごまんといます(ごめんなさい)。しかし、部長やこの茶畑の創始者のお父さんは違いましたね。


 畑の土には化成肥料を撒かないそうです。そのため、土は軟らかい。
 原理としては、化成肥料を撒くと土が酸性になるそうです。それを中和するために苦土石灰(マグネシウムを含んだカルシウム剤?)を散布する。これではまるで化学の中和滴定ではありませんか。
 土を踏むと、K産地(何)の茶畑はふんわりしている気がします。


 ふうたろうはお茶はほとんど飲みません(苦みがダメな人)。そして、ふうたろうが必要としている情報や環境は、このK産地やN民連には最も多くあります。しかし、その中でサラリーマン化しているのがふうたろう。この分裂した状態に金属(勤続)疲労しています。


 しかし、農業をやるには「よほどの覚悟が必要」と、だいたいは言います。ふうたろうも、農業「だけ」を生きがいにしたくはない。なぜなら、全国の山に登るからこそ、農業の大切さも知ったわけだし。登山はそれでも続けたい。止めるわけにはいかないのだよ!
 自営業をやるに当たっての課題はそこかも知れません。


 このお馬さんはペットだそうです。立ったまま目がとろーん(Θ_Θ)としていて、愛らしい。そして、すぐ隣にはその糞が山積みされていて、肥料に回るのでしょう。馬糞の肥料はいいと聞いたことがあります。


 充実したとも猛烈に疲労したとも言える総会会場から出て、静岡駅。ふうたろうの次なる目的地は静岡市近郊(というか市内)の竜爪山(りゅうそうざん)です。明日のそれに向けて、とりあえず今日はホテルで少しでもふうたろう絵日記の記事を仕上げて、翌週の行動を楽にするのです。
 が、書いているうちに、自分の力の、あらゆる面での足りなさを感じるのみ。いつものこととはいえ、苦しいですわ、やっぱり。


 …ふうたろうは山に登るので手一杯。もし、青年部に関わることができたとしても、山の方がおろそかになれば両方が中途半端になり、共倒れする、という恐怖があります。今でさえ、これほど時間が足りないのですよ?
 サラリーマン化している理由は、半分は何をがんばればいいのかわからない点であるとしても、もう半分は、がんばったら山がおろそかになるという思いがあるからです。それはとんでもない恐怖だから。ピッケルと鍬は同時には持てないのです。


天気:快晴(静岡県藤枝市・静岡市、JR東海道線)

Comments are closed.