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炎の死神(滅)(安房高鶴山っぽい【安房鴨川駅発二子棚田経由橋本集落~貯水池コース】:千葉県)

2013年 8月 31日

 4時半前くらいに起きだして、豪雨をけしかけまくっている温帯低気圧と秋雨前線をかいくぐってどこに行こうか考えた結果、ふうたろうの憩いの庭・房総半島のハイキングということになりました。ええ、ハイキングです、あくまでも、ハイキングです。


 4時59分始発の東武東上線に乗り、安房鴨川駅到着は8時27分。行き先のは安房高鶴山ですが、地図を見ると棚田がありそうなので、先週の復習もかねて、登山口までいつものように歩こうと思います。


 今日は山道を歩くことは殆どないでしょう。棚田があるところ一帯は農道がたくさん敷かれているようですから。


 汚濁した加茂川を渡ります。


 さて、加茂川と曽呂川の間にある丘陵を越えねば高鶴山には行けませんし、棚田と思われる場所もその丘陵の南斜面に集中しています。まずは鴨川市街地から丘陵の南側に移りましょう。


 なだらかな坂なので棚田というよりはただ段になっている小さな田んぼ。


 ちょうど刈り取り期のきわどい時期で、農家や稲の個性が表れます。


 外房線はそれなりに本数があります。どこかの木次線とは違って(じと目
 なので、渡るなと書かれるのも理解できる(白笑


 ん?ここは二期作でもやっているのか?


 黄金色の稲穂が風にそよぐ。そして、その割には猛烈に暑い。


 ヌオッ(゚皿゚;)
 行き止まりじゃないか…もう一本隣の道かな…


 ヌオッ(゚皿゚;)
 いつものふうたろうになった!


 何で今日みたいな日に全力以上の力を出さねばならんのだ…


 クモの巣に絡まれながら、何とか脱出。


 何か、ロープか何かが張られていたような気がするけど、今更どこに行けばいいわけでもなく。とりあえず進もう。
 しかし、何やら倒壊したプレハブがあそこにある…?


 ヌオッ(゚皿゚;)
 これはあの根曲がり廊下(北海道)よりもえげつないっーーー!


 ん?(・ε・;)
 空き缶があるということは人が通っているってことか…?


 ヌオッ(゚Д゚;)
 まだ人工甘味料が使われていない頃のものじゃないか!しかも、あきかんはくずかごへとは、時代的にももう20年は前だろう…(滅滅滅
 ん?(・ε・;)


 おや?何か、荒れた沢筋の向こうに階段っぽいものが見える…


 これはっーー!
 ひょっとして、ずっと下からこれに続く道があったのか?


 公園です。クソ暑いのであまり人はいなさそうですが。


 さっきの根曲がり廊下もびっくりのウルトラデラックスハイパーヤヴ漕ぎゾーンで全身泥だらけの汗だくになったので、どこか水道で洗えるところすべて洗おうかと思ったけど、この公園、水道が全くないという罠!


 しかも、ここどこだよ。地図見てもさっぱり場所が判らない。こんな施設は地図には表示されていません。


 この案内板にあるすべての地名が、地図には存在しません。ここは太海地区とか書かれても、ここは鴨川市と書かれているのと大して変わらんのじゃ(゚Д゚メ)ゴルァ


 …この図を見る限り、どうやら丘陵の北側とこの公園は一切つながっていないようですな。



 ヤヴに突入して間もなく汗が噴き出し、それからは泥にまみれながら歩いた…。まさかこんなにヤヴァイ道が待っているとは思いもしなかったですな。


 とりあえず、泥だらけのまま、西に進みましょうか…棚田と高鶴山を目指して…ね(うつろな目


 看板に「鴨川二子棚田」と書かれています。どうやら進んでいる方向は誤っていないようですね…


 開けた場所から海まで見えます。しかしそれ以上に、直射日光と台風(温帯低気圧)から吹き込む湿った暖かい風が、継続的にHP(体力)を奪っていきます。


 ヌオッ(゚Д゚;)
 さっきから消防車が走っているなと思ったら、これだったのか…。山中の小屋みたいなのが全焼していましたな…。今日は炎の死神に取り憑かれていますな(滅滅滅


 泥と汗だらけの身体を引きずりながら棚田はどこだと心の中でつぶやきつつ、西へ進んでいます。


 おっ!棚田かっ!?
 って、(゚Д゚メ)ゴルァ
 完全に耕作放棄されとるやろが!!


 しかし、二子棚田はその耕作放棄された方向にあるようですな。


 (=皿=)
 「受付」
 …って何やねん。


 とりあえず、「受付」の方に歩いてみたら、棚田ガー(じと目


 泥と汗だらけのふうたろうは、どこかで水道を借りないと…ここに水道があったので、生まれて初めて、日帰りの山行で服を水洗いしました。


 これで、土(泥)、火(炎)、水の属性はそろいました。いうまでもなく、今日は台風の影響で風が強い。風(台風)の属性も簡単にそろってしまいました。
 ああふうたろうは自然の申し子(ヴォー読み


 二子棚田、なかなかのものですね。稲が倒伏している場所も多いので、こうやって刈り取られている方が案外見栄えも良いかもしれません。


 しかし、あの棚田の景観は作られた物なんだと、思いながら歩くしかないですな。「景観のため」にしか残らない農業って何だ?


 「二子棚田」を後にして更に西進すると、すぐに出てくる耕作放棄地。
 →稲作農家の時給(農民運動全国連合会)
 これでは、そりゃ、放棄するわ。


 ナツズイセン(ヒガンバナ科)かと思ったけど、若干違う…ような気がする。咲いているところにはかなり多く群生しています。


 ソテツが散在する斜面の彼方に、一応ふうたろうが目標としている安房高鶴山があります。


 この、何かの爪かくちばしみたいな花は何でしょうかね。


 何らかの柑橘です。


 山の斜面に沿って道が続いています。風は強く吹いていますが、まったく涼しくありません。


 セイタカアワダチソウが大繁茂しています。曽呂川を挟んで向こう側に、また一つ丘陵があります。その更に向こうは、もう海です。


 おや?人気のない場所ですが、稲刈り真っ最中のようですな…


 3人がかりで刈り取っています。おばあちゃんが手前の刈り取っていないところにいらっしゃいます(撮影了解済み)。


 この辺りの田んぼや畑には、もれなく電気柵が設けられています。あとで聞くところによると、イノシシが近年よく出没するのだそうで。


 ふうたろうは更に西進します。が、何か、道がアヤシいな…


 この棚田は、すべてが耕作放棄されています。そもそも、景観の維持のためだけなんかで、農業が続けられるはずがないのです。


 荒れた農地に沿って続く道をウロウロ上下しながら、少しずつ高鶴山が近づいているような気がしなくもない。


 ふうたろうもいい加減この丘陵の先の見えない道に嫌気をさし、県道89号線に下ることを考えます。
 このコンクリートロードに掘られた、「2011.3」というのが何なのか、気になりますが。


 この辺りも殆どが耕作放棄地です。


 曽呂小学校の横を下ってきて、バス通りに出ました。もう、あの丘陵の道はいいや…(汗だく


 ちょうどお店があったので、そこで飲み物を買っていきます。この辺りにはコンビニなんてものはありませんし、必要ないんじゃないかな。必要なものは店が開いている間に買いに行けばよろしいかと。緊急時なら頼めば開けてくれるだろうし。


 「や」
 食堂か何かだったのでしょうかね。さび付き、蔓に覆われ、朽ち果てた廃屋です。


 鳥居があります。これを潜って、県道89号線から高鶴・荒戸集落方面に入ります。


 棚田やら滝やら山荘やら、忙しい看板がイッパイ立っています。しかし、肝心の高鶴山登山口はどこ?


 鳥居のところを入ってすぐ、蓮の池があります。もう少し早ければ、蓮の花が見られたかも知れません。


 稲が干されています。天日乾燥は天気に左右されるから大変でしょうね。でも、エネルギー資源を使わなくてすむ。


 ここはやっぱり耕作放棄地…


 さて、高鶴配水所バス停です。ここから登山道が出ていればいいのですが。



 しかし、道は見つからなかった…(滅滅滅


 農地の傍らの草むらの上に座り込んで、携帯で登山口情報がないか検索すると、どうやら山の裏の橋本集落付近にあるようです。


 また、あの靴がくるぶしに当たって痛くなってきた…(滅滅滅


 ああ清々しい農村風景だなあ(ヴォー読み


 鷹の爪。鷹の爪がなっているところなんて、あまり見かける光景ではありませんね。安くで中国から大量に買える時代ですからね。
 →株式会社 鷹雅堂(ようがどう)
 いくつかのページをざっと見ただけで、唐辛子の自給率は3%程度だということが解ります。


 ん?(・ε・;)
 打越の棚田
 …棚田はもういいよ(汗だく
 あとで見よう、あとで。どうせここ、帰りも通るんだろ?


 ヌオッ(゚Д゚;)
 あったーーーーー!!!
 高鶴山登山口発見!!!!!


 かくして、ふうたろうはもう下山した気分だった。…というのは実はもっと前だったりもするけどね。


 やっと山道です。下山後の登山道ですなあ(じと目


 登山口から高鶴山の山頂までは1025mということになっていて、200mおきに立て札が立っています。


 それにしてもこの道、クモの巣が多い。そして、いうまでもなく、暑い。


 ん?(・ε・;)
 何か脇道に滝があるのか?でも今はとりあえず頂上だ。


 稲刈りのシーズンにやってきたのはいいけど、やっぱりこのクソ暑い中、特に台風の熱が直撃する中でこの地方を選んだのは自殺行為だった(滅滅滅
 おかげで余すところなく楽しめていない。


 何?炭の竃跡?そういえば、雲取山(埼玉県側)にも途中にそんなところがあったような気がするけど、何でこんな山奥で炭なんか焼くんだろう。


 1kmなので山頂到達はあっという間です。でも、腕に付いたまま乾かない汗をなめると、まるでサケの塩焼きのようです(滅


 ああ展望が良いなあ(棒読み


 先に道が続いていそうでしたが、どちらかというと、クモのテリトリーです。


 猛烈なクモの巣の果てにはヤヴでストップ。来てみなきゃ判らないことですがね…


 この、「妙献様」に誘われて行ってみたけど、あったのはクモの巣ペシャルとヤヴ漕ぎゾーンだけだったぞ(じと目


 さて、風が強くなって、雲が多くなってきたので、ちょっくら下りますかね。


 字を間違えた看板に蝉の抜け殻。矢印を登り切っています。


 天を埋め尽くさんばかりに照葉樹が葉を茂らせています。


 これで終わりかと思うと気が楽になってきたのか、最後の一手、金杖の滝とかいう方へ行ってみようかと思います。こんな渇水状態で、滝なんかあるんだろうか…?しかも、こんなに小さい山で??


 とりあえず、金杖の滝方面はクモの巣ペシャルでした。しかもクモのサイズも沖縄ほどではないけどでかくて、巣糸もぶっとい。何度も引っかかってダメージを受けました(精神的に)


 何かこんな森の中に湿地がある。少雨で乾ききっているかと思えば、そうでもないのかね。


 あの公園のウルトラデラックスハイパーヤヴ漕ぎゾーンを思えば、この竹藪はまったく大したことありません。通れるだけで全然いいって話です。ってか、これ、そのまま下山できるんじゃないのか?


 この汚れまくった指導標を見ると、ここは三つ辻らしい。でも…?


 ショウガ谷とかいう方向にはただ竹ヤヴがあるのみ。
 竹ヤヴや ショウガ谷の 夢の跡(滅


 ここは洲貝川という川の源流だそうですが、どの川だ?
 どうやら、南に流れて、江見駅の西側の方で太平洋に注いでいるようですな…。


 少雨で完全に涸れているかと思ったけど、ちょろちょろ流れています。伏流しているかもしれません。


 この辺りは森が何となく落ち着きます。


 水道の水と違って、この沢の水はそこそこひんやりしています。山椒は小粒でぴりりと辛い、ですな。


 このコース、短そうではあるけど、なかなか乙です。


 かすかに流れています。これから秋雨前線が南下してくれば、ここの水量もいずれ回復するでしょう。


 標高326mの、森林面積はせいぜい1平方キロメートルくらいしかなさそうな高鶴山。それでもこの少雨で水を完全には涸らさず、森の力は偉大だと思います。
 とはいえ、ふんだんに流れるまでは、さすがに行かないか…。よく考えれば、愛媛県の中予~東予の河川が軒並み干上がっていたんですもんね(八幡浜から大阪に向かうときにチラッと見てきた)。あそこにはこの高鶴山とは比較にならないほど大きな四国山地があるのに。


 知らない間にそこそこ雨が降っているからなのか、それともこの鬱蒼とした森の力なのか。里山とてバカにできないと改めて思いかけていますが…


 三段の滝?あれ?金杖の滝は?


 滝はやはり干上がっています。無念…


 この木漏れ日は幸せをもたらします。ああ幸せ(目がハート


 この小さな貯水ダム、かなり水量が減っています。農業用水だろうし、もう稲刈りしているので要らないだろうけど、貯水率はかなり低そう…


 この干上がっている部分だけ見ると、今年の夏の少雨が如何に深刻か、って感じるだけは感じますね。


 この辺りも人が殆ど歩かないためか、クモの巣ペシャルです。


 貯水池の堰堤に出てきました。ここまで登山口からずっと道の表記はなかったけど、一応抜けられるようになっているんですね。


 水はかなり少ない上に、濁っています。上水には使えませんね。


 こんなところに魚が居るんだろうか。


 あと少しで下山口。


 また蝉の抜け殻が矢印に止まっています。今度は上まで行き着けなかったらしい(笑



 コンパスを忘れているので誤りがあるかもしれないけど、道はこれで合っているはず。なお、貯水池側の最寄りのバス停は風早か畑青年館。同じ鴨川市コミュニティバスの南ルートだが、畑青年館の方が本数が多く、最終が6分遅い。
 →鴨川市ホームページ コミュニティバス


 実は、バス停がどこにあるのか、正確には把握していません。ただ、鴨川市コミュニティバスがどこを走るのかは何となく調べておいたので、とりあえずまだ見ぬ「曽呂終点」方面に向かって歩き出します。


 ずっと気になっているのですが、なぜこの辺りにはやたらとソテツが植わっているのでしょう?ソテツの種子にはサイカシン(Cycacin)という発がん物質が含まれています。しかし、種子からデンプンを採って使っていた歴史が過去にあるそうで、その名残、かもしれません?(廣川書店:「薬科学大辞典」)
 この毒は、ブドウ糖に結合している状態では発がん性を示さないようですが、それが分解されて取れると発がん性を示すようです。遺伝子に対する毒性なので、ソテツ自身が自分の毒で死なないようにするための工夫でしょうか。


 田舎道を歩きます。イノシシ除けの電気柵が施された田んぼがあります。


 そして、風早バス停。ここは曽呂川と三原川の分水嶺になりますか(地図を見た限り)。
 バスの時刻まで1時間あるので、いっそのこと、曽呂終点方面に向かって歩いてみようではありませんか。コミュニティバスは集落と市街地を結ぶバスなので、何となく走るところにはフェロモンみたいなのを感じるのですよ(黒笑


 風早のバス停近くにも棚田があります。しかし、耕作放棄地が散在しています。


 鴨川市西地区を奥へ。


 …年間、ミニマムアクセス米という枠で、毎年ばらつきはあるが70万トン前後、外国から輸入しています。
 →ミニマム・アクセス米に関する報告書(農林水産省)
 その70万トン前後という量は、国内の各都道府県の生産量上位に匹敵します。
 →米穀機構米ネットHP内 生産上位10位以内(平成24年)
 これで米が余っているとか、食生活が変わったからとか、どの口が言っているのか。


 まだ時間があります。奥までどんどん進みます。


 さっきふうたろうの横を過ぎ去っていったバスが、「曽呂終点」で止まっています。中には運転手が寝ています。
 どうでもいいけど、タバコをバスの中で吸わないように。


 バス発車まで35分ほどあります。1.5リットルのペットボトルに家で汲んできた水で足と腕を洗い、スリッパに履き替えて…


 店に行きましょう。そこで、アイスココアとポカリスウェットを買いました。
 店のおばちゃんと話をして、この辺りの西地区には、小学生が3人しかいないと言われました。かつてはこの店でも文房具を扱っていたそうですが、その必要もなくなった…と。
 数はどのくらい正確なのか定かではありませんが80あった家族が50まで減ったと。そりゃ、農業で食べていけないのでは、減りますよ。さっきの樹林帯でも見てきたけど、林業でスギや竹なども売っていたそうですし、かつては炭焼きなどもあったそうです。そういう木材も、今は自給率3割以下です。
 …そりゃ、農村の人たちが暮らせないわけですわな。しかも、大型ショッピングセンターが、奇しくも今日初っぱなの安房鴨川駅の写真の向こうに、見えていましたな。ああいうところは非正規職員を採るので、生活費の支えには殆どならない。これで地方都市の生活が維持できるはずがない。
 そんな話をしていたわけです。
 ふうたろうも、ただ山を歩いているだけではないのですよ。


 この田んぼの裏にある倒壊しかけた建物は、分校だそうです。もう、使われなくなって40年ほど経ったとか言われました。
 判っているのですよ、山だけ登っていても、しかも一人でしか登っていないのならなおのこと、社会なんて変えられないことを。それでもふうたろうは、社会を変えようとする組織にいるだけ、マシかもしれない。カネに目がくらみすぎていないだけ、マシかもしれない。


 青春18きっぷで行き帰りの往復をまかなったので、電車賃は東武東上線の往復280円のみ。猛烈な暑さのせいで、かなり飲み物を買ってしまいました。自販機の利用は2回、いや、1回か。店で3回。温い水を飲んでもあまり清涼感が…(滅
 帰りは新宿のモンベルに寄って、あの根性の(違)曲がった登山靴を交換してもらいました。今日もガッツリ当たって痛かったですが、尾鈴山や大崩山(ともに宮崎県)のようなえげつない山でなかっただけマシです。
 来週もまた雨の予報。日本海の海水温が異常に高いのとこの天気、関係しているんでしょうかね…


天気:晴れ時々くもり(千葉県鴨川市・東京都新宿区・板橋区、外房線など)

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