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空の壁(会津朝日岳リタイア【長須ヶ玉直下まで】:福島県)

2014年 4月 12日

 12日の朝が来ました。え?体調?この最高の山で悪くなろうか!でも、油断していると直ぐにムカムカ症候群や緑のチカラ(腹痛)が襲ってくるので気をつけなければなりません。


 雪がちゃんと付いてさえいれば、こんな尾根…


 そうそう、泊めてもらった場所にありがとうと。


 朝日岳、遠いね…


 このあたりから進む尾根を間違えないようにしないといけません。進むべき尾根側に雪庇が張り出して、見落とすことだってあります。


 朝日が美しいです。会津朝日岳山塊の、朝日。


 雪庇の坂を下ってきました。


 期待を裏切らずに雪庇が途切れたので雪庇でないふつうの積雪の上を歩きます。


 この雪庇の切れ目は、そのまま2~3mヅドンと切れ落ちています。


 尾根の右と左を行ったり来たり(というか右往左往)しながら…


 結局ヤヴの中に突っ込んでいくという罠(滅滅滅


 ヌオッ(゚皿゚;)
 ヤヴうぜぇ!


 再び自由の雪道が。


 でも、斜度のある雪面はさすがに鬼気迫るものが。滑ったらどこまで落ちるのやら。


 これ、戻っても地獄ですよね…


 半ば退路を断たれたような気分です。


 957mピーク到達。景色良すぎてたまりません。しかも、雪道付いてるし!


 神の与えたもうた天空の白(若干黄色)いバージンロード。


 これを残雪期登山というのです。こうでなければ。


 中央左の山のところが、ふうたろうの昨夜の寝床です。


 ん?(・ε・;)
 また途切れやがった…


 ヌオッ(゚皿゚;)
 またヤヴか!!


 ああ一瞬の快楽だったなあ(ヴォー読み


 ウボァー(゚Д゚)


 ああいう飛び地で雪の塊があるところとか、概ね慣れてくると見当が付くので無駄足を踏み入れることはないと。


 二重稜線っぽい感じですが、基本的に一本尾根。がんばりましょう。


 どうやら丸山まではあのオゾマシいヤヴ漕ぎゾーンはないようです。


 雪庇のつらら。


 1029.8mの丸山に登る坂は急です。ヤヴで体力を奪われているので強烈です。


 丸山の展望はそこそこ。というか、雪でかさ上げされているので展望は大体良くなりますね。


 丸山からそのまま順路(何)を進むとまたヤヴに突っ込むので…


 雪のある斜面を迂回してヤヴを回避します。雪崩が怖くないかといわれるとウソになるけど、ある程度スピーディーに過ぎるしか。


 雪尾根に復帰。


 このルートはアップダウンがかなり激しいのです。


 朝日岳が近づいてきたような気がします。


 また下ってきました。広い尾根の樹林帯。


 広い雪尾根だけど何となくイヤな予感が…


 \(^O^)/オワタ


 ウボァー(゚Д゚)


 丸山の次の1029mピークに到達したようです。ふうたろうはペースが落ちてきました。


 え?何??雄大な景色?
 右下に見えるあのDXヤヴ漕ぎゾーンに気がついてから同じこと言えたら大したもの(滅滅滅滅滅滅


 ウボァー(゚Д゚)しながら1時間20分後、再び雪のあるところへ。でもね、ここ、中途半端に雪が動いていて、かなり気分の悪いところなのですよ。


 既に明け方という時間帯はオワッているので、雪崩はそこそこ怖いです。でも、ヤヴ道を特攻する体力が…


 (Θ_Θ)どよーん


 3年前、ゴールデンウィークにブナオ峠から三方岩岳(石川県・富山県・岐阜県の両白山地)を縦走したときも似たような地形はあった気がしますが、あの時は雪がコッテリ付いていたので相当楽させてもらいました。今回のは本当に容赦ないDXヤヴ漕ぎゾーンですわ!


 高度が一気に上がっていくところです。急坂とヤヴこぎと中途半端な雪で、体力は一気に落ちていきます。


 でもこのヤブの根っこが、辛うじてこの尾根を崩落から守っているのか、とか思ったり。


 ふうたろうはいつになったらこのヤヴから逃れ…(ぱたり


 …抜けたか?


 でも、安心するのはまだ早い。これから雪道の登坂が連続します。体力温存を図ろうと思っていたのに、ヤヴでエナジードレインくらってしまいました。


 1228mピークの中腹にいます。普段なら本当はきつくないレベルの坂です。しかしふうたろうは尽きようとしています。


 だだっ広い1228mピーク。このあたりの道は至って快適なはずです。


 あの先にある、長須ヶ玉の肩が見えたとき、少しだけ気力が戻ってきました。


 これなら何とかヤヴにも突入せずに進める…か?


 ん?(・ε・*)
 なんで雪の上にこんな虫が…?


 ともかく、あの長須ヶ玉まで行かないと先も見えない。


 しかし、1228mピーク以降長須ヶ玉へ至る坂は、想像を絶するきつさです。


 さりげなくこれは雪庇崩壊で、ヤヴ突入系ですか?


 ふうたろうから表情が消えました(滅


 キツいっす、先生(真顔


 浅草岳がよく見えます。今日、登っている人いるでしょうね。


 遂に長須ヶ玉まで来ました。


 すばらしい曲線美ですが…


 思えばけっこう日が傾いてきたような気がしますな。もう、15時。


 …この岩場を朝日岳まで進んだら、夜を待たずに昇天しますな。ダメですわ。


 地図を見て、どうにか正規ルートのある尾根でもどこでも、下山できるところに行けないものかを考えました。


 元々考えていた、登ってきた尾根の一本東側の尾根は登りの尾根を思うと猛烈なヤヴで歩けないでしょう。そうとなれば…


 雪崩の雪で埋まっている谷を、スノーブリッジ頼りに行くか。今回はロープもあるので、木があれば多少の高さは下りられる…


 ふうたろうがここを歩いているのは岩場を回避して、何とか正規ルートの尾根に移れないかと画策するためです。誰が好きこのんでこんな雪崩スペシャルゾーン通るか。もちろん、まともにこの雪崩(の痕)の中を通るわけではありませんがね。


 が、どうも全面崖の朝日岳山塊、取り付く島…いや、坂もない。尾根の移動はムリですわ。
 …ということで、諦めてテントを張るところ、先行きの見えるところを探し歩いています。


 景色を純粋に楽しめるのは、多少の秘境感や疲労感があっても、無事に帰還できることが前提です。


 雪崩の攻撃を食らわないために斜面からは十分離れた尾根っぽいところにテントを張りました。風強かったけど。


 正月にエイト環について九重で出会ったおっちゃんに話を聞いたのを覚えていたので、これを使ってうまく下りる方法を試行錯誤しました。数学のようなものですからね…
 これはロープの方向が逆ですが、概ね決まりました。最低、カラビナだけでも下りられなくはないのですが、ゴルジュの連続とか日高南部の神威岳・シュオマナイ川(北海道日高支庁)のような想像をしてしまいます。怖いですね。
 でも、そうならないように尾根で急な谷を回避するつもりではいます。


 明日の朝、冷えている時間帯に沢が集まっている場所を抜けます。尾根を沢まで下ってゴルジュをできるだけ回避します。
 決してベストな判断ではないですが、ベターとさえ言いがたいですが、行くしかありません。
 とにかく、明日中に下山しないと夕方には大捜索隊が出動してくるでしょう。がんばって下りなければ…。


天気:快晴(福島県南会津郡只見町)

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