Live and sleep on the rock(北穂高岳【涸沢岳~涸沢カール縦走コース】:長野県)
寒い。夜中は寒さでビミョーに寝付きが悪うございました。しかし、よく見たら、シュラフカバーが完全に剥げていて、事もあろうに頭がテントの外に出ているというすさまじい状態でした。
おい、外は岩だぞ(真顔
しかし、そうなるのも、胸が締め付けられるような痛み(物理攻撃)が続いているためで、体を曲げ伸ばししている間に、頭がテントの外に出たのであります。
ふうたろうが目覚ましをかけるまでもなく、外のざわつきで目が覚めました。3時38分。あと47分寝かせろよ。といっても、それは無駄な抵抗です。スパゲッティペペロンチーノを作って食べます。
…が、唐辛子が想像以上に激辛でした。となりにテントを張っていたKnさんたちにもその毒をおすそ分けしました(黒ハート
日の出は5時半ころ。ふうたろうが片付けを始める頃には、そのテントの真ん前に人がいる状態です。片付けそのものが衆人環視の中で行われるという、伝説を作り出してしまいました。
とりあえず、朝日を見ている人々の前で、霜がビッシリこびりついたテントを畳み、撤収完了。周り(至近距離)に人がいるので、ポール片付けるのに神経使いましたよ。
小屋の縁にテントを張った人たちは、衆人環視は免れたようですが、朝焼けは見られたのでしょうか。
そういえば、昨日一緒に歩いていたSiさん、太陽の色が白色になった頃になって起き出してきて、朝日を見ていました。耳栓をしていたので周りのざわつきに気が付かず、起きられなかったそうです。
いやあ人混みとかうるささとか、物事って二面性があるんだなあ(ヴォー読み
右にある山は、もちろんかの有名な笠ヶ岳。あの地層の模様が特徴的。そして、中央奥にあるのは白山ですね。
初めてこの穂高岳山荘に来た時、ふうたろうは高校1年生。初めての高山帯を味わった時でした。山小屋で同級生の女の子が隣になり、かくのごとくすし詰め状態であるなら、その意味はわかりますよね(黒ハート
翌朝、寝不足で朝飯も喉を通りませんでした(紫ハート
で、困ったことになりました。涸沢岳山頂の手前で、霜ビッシリの岩を踏んで思い切りこけて、左中指を突き指、人差し指の爪が若干剥がれました(出血程度)。
おいコラ気ぃ抜いてんちゃうぞ。
おい、これ、どうやって降りるんや。足をかけるところが見つからなくて、荷物もデカいからバランスも悪くて、ものっそい怖いがな。
完全に臆病風の毒気にやられ、この先が不安でしかありません。あんなところで滑って突き指までして…後ろから来た人には追い越され、前からくる人は待ち続ける始末。
前から後ろから、人はどんどんやってきます。ふうたろうはどうせこの格好なので遅いのは諦めるしかありません。それを認めて先に進めばいい、そう思えば、楽になるものかと思います。
オノマトペでホイホイ降りて行きましょう。三点確保さえちゃんとしていれば、問題ありません。
この、涸沢槍からの下りが最も長い下り坂ですが、ここはそんなに怖くはありません。しかし、恐怖というのはそのものが恐怖を呼ぶものなのではないかと、思います。周りの人に話しかけながら、明るく慎重に行けば、恐怖心はある程度吹っ飛びます。
道は細く一本。譲り合って進みます。早く進めないと苛つくより、行き交う人と話を交わす機会だと思えれば楽になります。
前から来る人には、できるだけ道を譲ります。もはや、手負いのふうたろうに急ぐ理由もありませんから。
あのどれかが北穂高岳、だと思います。距離的には遠くありませんが…
岩を慎重に登ったり降りたり、時間がかかるものです。それに、すれ違いで相当時間を取られます。おそらく、ふうたろうは1時間はみんなの待ち時間に使っているだろうと思います。
さて、北穂高岳の南峰へ向かう最後の一息かな。ここからまたものすごい混雑です。
なお、この前後から、Sgさんと合流しました。Knさんはとっくにふうたろうを抜かしていきました。臆病風の毒気にやられ、荷物もデカいふうたろうじゃ、とても追いつけやしません。
ふうたろうはとりあえず、来る人に道を譲ります。そのほうが、気楽ですから。
行こうと思えば、もはやそれほど苦もなき道。エゲツナかったのは涸沢岳直下のところだけだったか。
こんなところどうやって登るのか、不思議に思いますか?落ちないように登る。ただそれだけです。どうやったら落ちないかは、逆にどうやったら落ちるかがわかれば、自ずと見えてきます。
展望いいですね。
ここには父ちゃんと中学生くらいの娘さんのチャレンジする姿を見ました。大したもんですな。
あの大キレットの先に槍ヶ岳があります。でも、突き指が痛み始めた手負いのふうたろうには、まともな三点確保はできません。諦めましょう。
それから、ここは荷物少なめで行きたいですね。この人達のように、前向きには絶対降りられませんから。
南峰に到達すると、めっちゃ楽しそうにしている人々に出会いました。見よ、この人の笑みを!
ふうたろうは、この人達の集合写真を撮りました。スマホの写真入れて4台分。お代として容赦なく撮らせてもらいますよ(黒笑
この岩の上に立つと、大キレットと槍ヶ岳の眺望が抜群ですね。文句なしの観光名所です。険しい観光地。
…とまあ、そんな感じで交流も深めながら、無事、南峰到達です。あとはあの岩の向こうの北峰に行っときますか。
そこの尾根にいっぱい人が歩いていますが、これが涸沢カールからの一般登山道ですね。ふうたろうはここから棺桶に入って下山ですね(じと目
さて、下りに入る前に北峰を拝んでおきますか。まあ、いつか行くであろう大キレットの時でもいいんだけどさ…
北穂北峰の混雑っぷりはすさまじいですな。ふうたろう、流石に疲れましたよ…
納豆のわらづとのように腫れ上がった左手中指をくわえながら、大キレット方面を恨めしそうに眺めようではないか(真顔
北穂山荘も混雑しています。売店の前には東京都内のコンビニのようにハイパー行列が生成しています。
北穂の分岐から下ってすぐ、北穂山荘直営のテン場があります。正直、涸沢から上がってきた人にとって、このテン場は使いづらくてしょうがないでしょう。というか、料金箱でも置いといてくれ。
涸沢ヒュッテまで真っ逆さまの急坂。すさまじいところを歩いていますね。
ところで、このあたりの人はみんなヘルメットをかぶっています。しかし、ふうたろうはヘルメットを持ってくるのを忘れてしまったため、物理防御力が0です。
ここで北穂~涸沢カールのルートについてですが、ここは重太郎新道よりきついんじゃないかと、個人的には思います。距離は短いけど、キビシい坂が続きます。梯子、鎖、なんでもござれ。
そう、ここの長い滑り台のような岩場が一番ヤヴァかった。涸沢岳直下のアソコの次に怖かった。
その、臆病風に吹かれたふうたろうのせいで、ものすごい大渋滞発生。すんません(滅
で、実は、北穂の分岐のところから、いわゆる「山ガール」たちと行動を共にしています。千載一遇のチャンス(←何がだ
この連休の入山者数はお盆休みの3倍に達するそうなので、男女関係なく、仲間が増えますな。まさに、二面性を物語っています。
ふたりはStさん、Srさん(なんか昨日会った人の全部見ていると、元素記号みたいに見えてきた…)。
その、彼女らと暫く行動しようと思って、どのみち涸沢より先進むのは無理ですから、近くにテントを張らせてもらおうと思いますが、そのお願いの言葉がなかなか出ないですな。
涸沢小屋でふたりはソフトクリームを食べ、改めて涸沢ヒュッテのテン場に行きます。
涸沢小屋の休憩所で立ち上がったら、太腿が痛い。これはHPが相当減っていますな。
涸沢小屋の佇まい、なかなかいいです。でも、落石とかあったらペチャンコになりそうですな。
さて、ふうたろうの人生初の涸沢カール泊まりです。いつも、あのテントの数におぞましさを感じ、敬遠してきましたが…
Stさんたちとテラスで一杯やっています。このマッタリと流れる時間も、みんなが思い思いに戯れている雰囲気も、いい。
ま、ふうたろうはとりあえずアイスカルピスです。Stさんは生ビールをイナヅマ飲みしています(黒笑
17時前くらいに、テーブルになりそうな岩の上で食事作り。奥手のふうたろうの気持ちを察してくれたのか、一緒にメシを分け合うことになりました。彼女たちはレトルト類を多用していますが、そのレトルトというのがクラムチャウダーとかワインとか、重いものでしてね…ふうたろうの鉄のフライパンもびっくりデス(ぇ
…と、まあ、今日はこんなかんじで、ふうたろうのいつもの山行とはまったく色の違う雰囲気で進んでいます。
稜線、さっきまでガスがひどかったのですが、だんだん晴れてきたようです。でも…
ふうたろう、ここで具合が一気に悪くなってきました。今日はハード過ぎたかもしれません。体力的にも精神的にも、けっこうゴリ押ししましたからね…
夜が更けた頃、気を取り直して夜の涸沢カールを撮ってみようと思いましたが、光量が足りませんね。30秒(最長)のシャッタースピードでもこれが限界です。
というわけで、棺桶になって涸沢カールまで降りてきました。明日はパノラマコースを通っていこうかと思いましたが、思いの外足に疲労が溜まっています。それから、ふうたろうのテントを張った場所は岩ゴロゴロゾーンの上なので、岩が当たって寝づらいです。人のぬくもり感じる北アルプスの雰囲気とは裏腹に、岩の冷たさが伝わってきます。
天気:晴れ時々くもり(岐阜県吉城郡上宝村・長野県南安曇郡安曇村)
今回のレポはいつもと違って楽しそう。今季の北穂は盆休みの人出の3倍だったとか。よくもまあそんなとこ行きましたね(笑)写真も、いつもと違って枠に人が写ってる、本人までも、、、楽しさが伝わって来ますよ。
涸沢へ下る写真の前を行く女性のザックが小さいんですけど、小屋泊まりだとそんなもんなんですかね。小屋だってすし詰め状態だったでしょうにね。
好漢(ハオハン)さん
たしかに、今回の山行には、異質な楽しさがありました。冒険的要素はありませんでしたが、仲間を探しに行くような、人のぬくもりを感じに行くような、そんな山行です。人では爆裂級に多かったですが、それでよかったと思っています。写真も、人を入れることを今回は狙ってみました。まさに、好漢さんが思われるように。
二人の女性のザックが小さいのはサブザックだからです。涸沢カールにテントを張って、北穂を往復したのだそうです。宿泊はレンタルのテントだったそうですよ。
余談ですが、涸沢のテン場は、ロケーションはいいのですが、ガレ場の上にテントを張らせるので、寝ている時も険しいです。コンパネの貸出もありますが、お金取られるのなんか嫌でしたし…