Home > ふうたろう旅日記, 不健康手帳 > 黄金と鉄くず(智者山・天狗石山【千頭駅~奥大井湖上駅尾根歩きコース】:静岡県)

黄金と鉄くず(智者山・天狗石山【千頭駅~奥大井湖上駅尾根歩きコース】:静岡県)

2016年 2月 21日

 夜中、寝付けず。寝付いたのは4時過ぎで、もう出発まで1時間しかありません。少しでも寝ようとして寝たら、今度起きた時の吐き気がつらいのなんの。漫画に夢中になって少し夜更かしが始まると、その後寝なければ、という焦りに寝付けなくなるパターンです。これは、ネットカフェが安いからという理由で使っても元を取っていないパターンですね。
 とにかく大井川鐵道で千頭に着くまで、ひたすら寝ました。1時間強乗るので、奇しくもさっきよりは寝られるという皮肉(じと目


 さて、パンを2個かじって、昨日予告したとおり、智者山と天狗石山に向かいます。しかし、智者山の登山道がどこを通っているのか、正確には知りません。まずは千頭駅出てすぐの大井川に架かる橋を渡るのは確かです。


 今朝、ネットカフェを出る前後の最強クラスの体調の悪さを思えば今はだいぶ安定しています。まあ、なんとかなるでしょう‥


 この車道をまっすぐ登っていけば、何となくネットで調べた智者山の登山道に行き着きそうな雰囲気です。でも、そんなものに頼るのは、ふうたろうとしてどうなのよ?って思いまして。


 はい、尾根を直接駆け上がることにしました。まあ、駆け上がるなんてかっこいい状態じゃないですけどね(滅


 別の方向からややはっきりした道が合流してきました。


 その道をずっと進むと、何やら整備されたような場所が出てきて‥
 ん?(・ε・;)
 ヌオッ(゚皿゚;)
 ミンミンゼミの鳴き声が聞こえる!?


 ‥犯人はこいつでした。智者の森公園だったか、そういう名前の公園にあったこの水道の蛇口の形したスピーカーから、鳥やらミンミンゼミやらよく解らない音が延々流れてきています。なしてこんなところにこんな意味不明なもん作ったし。ただのネタか?


 公園から先、道標が消えました。とりあえず作業用の道っぽいものを延々と歩くことになります。一般ハイカー的にはツマラン行軍でしょうな。


 針葉樹の植林帯で、特におもしろみも何もない道です。


 針葉樹の樹林帯って、暗いからカメラ写りも悪いんだよねー。


 展望もない。


 こんな道、誰がどう見ても楽しいって言わないよね、たぶん。知らんけど。


 でも、何度かこの日記でも書いているかもしれませんが、山って楽しいから登るのかな?と、考えることがあります。
 いや、山に登っている中で楽しいこと、快感なこと、嬉しいこと、いっぱいありますけど、そればかりじゃないです。むしろ、今日のような植林地帯みたいなところを止めどなく歩いたり、車道を何十キロも歩いたり、ガスりまくりの天気に苛々してたりすることもいっぱいあるわけで。純粋に「楽しい」とか「快感」とかいうのって3割程度なんじゃないですか。
 それでも山に登るのは、登っていること自体に肯定感があるからです。
 よく聞かれることに「山に登っていて楽しいことってなんですか」ってのがあるのですが、この返答ほど困ることはなかなかありません。まるで、「生きていて楽しいことってなんですか」って聞かれているような気分です。生きることに理由なんて要りません。生きていること、生きている場所がフィールドであるように、山に登っていること、山そのものが自分のフィールドですから。そこにいられないことがむしろ苦痛です。そこにいられないような精神・肉体の状態が苦痛です。


 ‥ふうたろうがこうして這ってでも山に行こうとするのは、そこがふうたろうの居場所だからじゃないでしょうか。生きるための場所だからじゃないでしょうか。


 さて、智者山へのルートがいよいよ怪しくなってきました。林道や作業路が山を巻くようになってきて、そのまま道なりに進んでいても山頂に行き着きそうになくなってきましたから。


 そういう時はゴリ押しするしかありません。ふうたろうお得意ではありませんか。どうにもならなきゃ突っ切ることだってあるんですから。


 なに、山は人間の社会ほど辛くはあたらない。ちゃんと木を避け、天気を選んでいれば、自然と道を開けてくれます。


 ‥というわけで、ゴリ押しで山頂到達です。千頭駅を出発してから3時間半。ふうたろうにしては時間がかかりすぎのように思えますが、このところの衰退っぷりからすれば当然な気もします。


 枯れ葉と木漏れ日の山頂。本当ならこの辺り、雪が積もっていて当たり前だと思うのですが、今年の暖冬がパネェことを物語っていますね。


 智者山の山頂は南側の樹林が切り開かれていて眺望があります。見える山々が何山なのか、ふうたろうは何一つ知りません。300名山撃破、なんて言ったところで、それはほんの狭いことなのです。奢るなかれ。


 さて、智者山でゆっくりしましたから、行きましょうか、天狗石山へ。


 天狗石山への縦走から突然、ルートにマーキングが出てきました。


 どうやらハイキングコースに紛れ込んだようです。


 ふうたろうがさっき登ってきた、人生の辛酸を思わせるような道とは雲泥の差です。木漏れ日が心地よい、家族団らんの平和なひとときのようなルートです。


 殆どの人は、山にそういうものを求めてくるのでしょう。なぜならそれは‥


 おっと、展望所と天狗石山の分岐ですか。一昨日出発前に新宿の紀伊国屋でカネ出して買った地図は言うまでもなく
 ‥おっと誰か来たようだ


 先に天狗石山に来ましたら、その向こう側に、ゴールである奥大井湖上駅の矢印が。


 ‥なので、展望所の方に向かいます。向かうのですが‥


 この展望所、どうも展望がビミョーな展望所でして。やはり、深南部の山々は展望をアテにする山ではないなと改めて思います。


 その展望はこの反射板のためにあるようなものです。


 では、改めて先に進むとしますか。
 しかし、奥大井湖上駅まで150分と書いてありますが、今から行けば15時前くらいの到着となります。‥地図の距離からして、そんなに掛かるんだろうか?なんて思いつつ出発です。


 ふうたろうの持っているカネ出して(略)地図にはルート表記がありません。本当に、どういうことなのでしょう( ゚д゚ )クワッ!!


 ま、道の表記がなくても、地形から現在地が把握できれば何の問題もありません。尾根や谷の地図読みはそれほど難しくはないので、サクッと行っちゃいましょうや。


 それにしても、またもや植林地帯ですか。今日のコースはなんか辛(から)いね。辛い物好きのふうたろうでも、ちょっと胃が痛くなりますよ(何
 ‥でも、こないだ上州武尊山を一緒に登ったNさん、一緒にいたら、この辛(から)さも違うんだろうね。山も人生も、それが良いか悪いかは判りませんが、変わるんですよ、きっと。


 接岨湖と前黒法師岳方面が見渡せる場所がありました。今日一番の展望所かな。あの智者山の南面と違って逆光じゃないので、景色がかすみませんしね。
 昨日も書いたけど、あの黒法師岳に登った2012年ころが黄金時代でした。今はもはやただの鉄くず。あの、山(生きること)に一所懸命だった頃に戻りたい。


 ふうたろうは山の歩き方を忘れかけています。技術という意味ではなく、地図の読み方でもなく。
 いや、こんなこと書いてる自分が怖いけどね(笑


 鉄橋が見えてきました。あれが千頭駅と井川駅を結ぶ鉄道です。アプト式というシステムで車両を動かしているそうですが‥


 地図通り、車道にぶつかりそうです。でも、ダートです。一般車も入ってこられなさそうですしね。


 さて、天狗石山や智者山なども含めたイラストマップがありますね。でも、千頭駅までの道はありませんね
 ああわが道は険しいなあ(ヴォー読み


 案内図から真後ろを向くと、湖上駅に向かう道があります。行きましょう。


 ここも薄暗い針葉樹林帯ですが、ゴール近し、気持ち明るさが違います。
 よくよく考えたら、登る時の一抹の不安は、この先の見えなさによるものでしょうか。北アルプスのような観光登山とは違って、先の読めない道をふうたろうはこれまでたくさん歩いてきました。そのたびに意識無意識に不安を抱えていたように思います。でも、その不安があって、稜線で迎えた感動、あるいは追い打ちをかける辛さ、下山後のメシの旨さ、筋肉痛から伝わる生きている感触、なんかも導き出されてきた。
 山は人生を凝縮したようなものなのかもしれませんね。だから、ふうたろうがどんなに自信を失っていても、這ってでも行こうとするのかもしれません。


 建物があります。湖上駅のすぐ上です。どうも休憩所のようです。


 ホームが見えます。


 この奥大井湖上駅は、本当に湖上に浮かぶかのように佇んでいます。駅の区間だけがダム湖に出ている半島(もともとは山の尾根の一部)の上にあって、その両側は鉄橋になっています。道路からのアクセスは鉄橋の線路沿いに付けられた遊歩道を使います。高低差もあるため、道路からかなり急な階段を降りてくるそうです。


 ‥ダム湖だけど、それを考えなければ長閑です。Nさんと一緒に来たい。そんなことを思ったりもする。きっと違う風景が見えるはず。


 接阻峡温泉行きの電車が先に来ました。それならばと、乗り込みます。


 温泉と駅名についているからには温泉があるのだろうと、駅を出ますが‥


 おい!!( ゚д゚ )クワッ!!
 38分しか折り返し電車の発車の時刻までないのに、温泉は川向こうかよ!


 真冬なのにカラスの行水で出てきました400円の温泉。何かすごく疲労した気がする‥(じと目歯ぎしりヴォー読み


 帰り、何とか無事15時25分の電車に間に合ってアプト式というシステムを見ていこうと思ったのですが、気がついたら奥泉駅まで来ていました。どうやらふうたろうは眠っていたようだm9(^Д^)プギャー
 このあとは千頭駅から大井川鐵道、東海道線、東海道新幹線と乗り継いで帰ります。
 それにしても、300名山の黄金時代にはあれだけ多発していたタノシい出来事が、この頃ありませんね。カップ麺盗まれるとか、バス停間違うとか、パンツ入れた靴を港に置いてくるとか、そういうの。
 ふうたろうつまんない(起こってほしいとは言ってない
 FD:2のち1、未明3
 UC:1


天気:快晴、朝のうちくもり(静岡県榛原郡川根本町・静岡市・島田市、大井川鐵道など)

Comments are closed.