戦争漫画
今日はサンプル数至って少数。しかし、脱脂作業があるので、少数の割に16時半までかかりました。1時間半の中途半端な時間は、雑用をこなしたり、本を読んだり。
その中で、右にあるようなコミックを発見しました。コミックなら、いくら戦争を描いているとはいえ、気楽に読めるだろうと思っていました。
帰りの電車で、その本をめくりました。内容は、ネルソンさんのベトナム戦争体験とそれによるPTSD(心的外傷後ストレス障害)克服、反戦運動へと向かう姿が描かれているものです(前半)。
衝撃的でした。人を殺すとき、「相手を同じ人間ではないと思っている。」のだそうです。ベトナムでは、村ごと焼き払い、女性・子ども、老人関係なく、皆殺しでした。ベトナム戦争終了(敗戦)後、ネルソンさんは何十年もPTSDに苦しみました。いつ襲われるかわからない、いつ死んでもおかしくない、たくさんの無実の人を殺してきて…、そんな極限状態が長く続いて、なってしまったPTSD。彼がそれを克服できたのは、自分が人を殺したくて、ベトナムで人を殺したのを認めたときだったそうです。そして、戦争体験を子どもたちの前で話すことになりますが、最初は二の足を踏んだそうです。PTSDになるくらいいやなことを話したいはずがないし、彼自身、殺したことを認めることは、自分が否定されるかの如く辛いものだそうです。…が、話をすれば、子どもたちから「ありがとう」と言われる。すごく幸せな気分になれるそうです。
…そういえば、元日本軍兵士(元は一般市民)が、今、アジア太平洋戦争での体験(加害・被害両面から)を語り始めています。このコミックのネルソンさん、重なった。戦争を語ること、特に加害者側として語ること、どれだけ辛かったろうな。それを圧して、語ってくれた人、知っています。責める気は、ネルソンさんに「ありがとう」と言っていた子どもたち同様、まったくない。…きっと、そうして語ることで精一杯の責任を果たそうとしていること、子どもたちにも伝わるんだろうな。そう思う。
原作の本が欲しいところですが、大事な引用。
p.114
ネルソンさんはこう言う
前線で実際に戦った者で戦争を賛美する者はいないと・・・・
もし戦争を経験していてもなお戦争を肯定する者がいたとしたら
それは後方の基地でデスクに向かっていたか炊事班でコックをしていたかで人が殺し合う前線に行ったことがない人に違いないと
…。日本の場合、どうだっただろう。今、憲法を変えようとし、教育基本法を変え、イラクに自衛隊を居座らせている政治家や勢力は…?
そういえば、『平和の鉱脈と日本共産党』にもありました。
『平和の鉱脈と日本共産党』p.51
亀岡氏(自民党)は陸軍士官学校を卒業した職業軍人で、敗戦のときは陸軍少佐だったそうです。サイパンでの壊滅的な敗北のなかで、奇跡的に生き残った人でした。そうした人は数人だったそうです。その亀岡氏が、「戦争に行って武勇伝をしゃべるやつは絶対に信用できない。戦争なんてそんなものじゃない。一緒にいて隣の人間が弾に当たって死ぬということだ。(略)」
また、この筆者は、石原慎太郎氏が戦争の悲惨さを体験していないのではないかと、述べています(p.49-50)。
後半は東京大空襲の話でしたが、実際に読むのがいいし、書ききれないからやめとこう。
電車の中で読んでいましたが、鼻水が止まらない。そして、取手に着いた頃には、精神的にもグッタリ。東京大空襲のことも併さって、目の前にあるすべての物がリアルに見えました。
今、日本ではとりあえず爆弾が降ってきたり、徴兵されたりすることはない。でも、同じ次元で、まさに爆弾が降ってきたり、人を殺さなければならない状況に追い込まれたりする状況が、日本でもあったんです。目の前のカラーの映像で実際に…。
何というか、日頃、こういう衝撃的な事実を知らないで、「平和がいい」と考える自分の浅はかさ。ほんと、靖国派系のでたらめな発言にイライラしている場合じゃないと思います。まずは、知らない事実を知ることが大事だと。戦争体験聞ける、最後の世代かも知れないのだから。
天気:晴れのちくもり、日暮里駅付近で小雨ぱらつく(東京都板橋区・茨城県取手市)