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大地も風も白い山(武尊山:群馬県)

2007年 3月 10日

※記録:3月11日

 水上駅の夜明け。だいぶ夜明けが早くなりました。もう春です。でも、気温は氷点下。夜は雪も降ったそうですから。人通りもほとんどなく、静かな朝です。
 天気も良く、ほぼ快晴。武尊(ほたか)神社までタクシーで送ってもらう予定でしたが、宝台樹(ほうだいぎ)キャンプ場よりもはるか前で通行止めでした。通行止めヶ所よりほどなく、雪道。傾斜はきつくないのでアイゼンはまだ必要ありません。
 武尊神社に近づくにつれ、雪は深くなります。空前の暖冬(降るべき地方で雪が降らないこと)だと言われている今年で、このレベル。
 白地に冬枯れのカンバ類。いいですね。
 宝台樹キャンプ場。夏はきっと賑わうんだろうね。でも、こういう冬景色の中でキャンプを張るのも、悪くないと、僕は思います。ぜひ、やりたい。…野獣は恐いけどね。
 雪の色んな表情。夏じゃ、絶対できない生物の証明。
 雪でたわんだカンバ類の皮が剥がれています。向こうが透けていて、何となく。まだ、舗装道路です。
 いよいよ、山道に入って、アイゼンを装着。アイゼンさま、よろしくお願いします!…ってね。
 ピッケルも活躍。実は、武尊神社から来る道で分岐を発見できず、何となく直登しました。それゆえに、道は険しい。それでも、雪のおかげで、笹ヤブよりは歩きやすいのです。

 人の立ち方で、登っているところの角度が判ります。仲間の一人は、「クソルート」と言っておりました。
 山では上に登れば稜線かピークにでられます。崖などを避け、ケガでもしなければ、このルートで遭難することはないはずです。
 ん?さっきまで良かった天気が。30分ほどで一気に絹層雲が空を覆いました。あっという間に高層雲。見えている剣ヶ峰山、ガスがかかってきました。
 完全にガスで覆われました。武尊山、大丈夫かなぁ。
 もう、武尊山に直接登る稜線に出ています。さっきの雪ヤブこぎは終わりました。今度は、樹氷の稜線を進みます。こんなところで、お茶沸かして、ラーメン食べたり、大きな声で変なこと叫んだり。ね?
 登山道ではない稜線でしょうか。ここも、もう樹氷でいっぱい。空も鉛色。晴れているのもいいけど、よく見れば、曇り空でも悪くないね。
 何度も言いますが、雪でルートが埋もれ、鎖場も埋もれています。ひたすら上に向かいます。すると、武尊山頂上への最後の稜線。見えているのが、武尊山。実に、上り始めから7時間。
 東西に開けた稜線。東から吹き付ける風は猛烈です。それでも、景色さえ良ければ、絶対に負けません。剣ヶ峰山の写真いただき。
 それにしても、雪山、本当に素晴らしいです。でも、雪崩だけには気を付けないと。あと、雪庇(せっぴ)を踏まないようにだけ気を付ければ。
 樹氷です。蔵王にも、同じのあったよね。
 ついに頂上到着。でも、実は寒くてそれどこじゃなかったんだな。仲間と一緒に写真撮ったし、表情は感無量だったんだけど、それでも、風が寒い!同時にこの辺からガスが出始めました。
 中ノ岳を経由して前武尊に抜けます。もう向こうはガスが…。
 しばらく、ガスの中でグロッキーになった僕でした。しかし、踏み跡が残っていたし、稜線沿いに行けば迷いにくい。前武尊山にはちゃんと標識もあるので、位置確認さえちゃんとすれば大丈夫。
 オグナほたかスキー場の一番上についたのが17時。スキー板でもあれば10分で下りられるのですが、あいにく、持ち合わせていないので、歩き。…。
 うおーっ!!ゲレンデが長いぞー!!!気も遠くなってきたっす。

 こうして、オグナほたかスキー場の下に着いたのは、18時過ぎ。ざっと12時間、雪山を歩いてきたことになります。迎えに来てくれたタクシーに対し、「地獄に仏」と本気で思ったりした僕たち3人でした。
 キツい山行でしたけど、帰ってきてみたら、やっぱり行って良かったと思いました。夜は、「ささの湯」で宿泊。一泊二食付きの、前日との落差に絶叫する環境。暖かい布団で寝ることも出来ます。

天気:晴れのちくもり(群馬県利根郡水上町・川場村・片品村)

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