Home > ふうたろう旅日記 > アセトンの中をくぐって(天城山:静岡県)

アセトンの中をくぐって(天城山:静岡県)

2007年 4月 1日

 今日は久々の旅日記です。2週間も山に行ってないと、かなりのものです。たまります。欲求不満が。
 とはいえ、朝4時50分起きは、それでもキツい。車中はずっと寝ていて、気が付けば熱海。
 天城高原ゴルフ場まで行くシャトルバスがダイヤ改悪で、天城高原ゴルフ場のずっと手前までしか行かないことになっていました。しかもよりによって今日からということで、だいぶ混乱させられました。しかし、その時一緒に乗っていた男の人(恐らく山岳パトロール隊)に助けられ、なんとか登山口まで行き着くことができました。ありがとうございました。

 ここが天城高原ゴルフ場から入る登山口です。隣にゴルフ場があるとは思えない。
 仲間一人と僕の計二人での山行が始まります。


 アセビ(ツツジ科)です。天城山はアセビの群生地。なお、有毒植物です。


 これはサルスベリかな。この木もけっこうたくさんあります。手触りがいい。手の届くところの木は触ってきました。


 天城山は1000メートル前半の山で、森林限界はありません。道は常に広葉樹の低木に覆われていて、地面は苔生しています。概ねこのような道が続きます。最初3分の2くらいはなだらかですが、残りはやや急坂の木の階段です。


 荷物が軽ければ、僕のように写真を撮りながらでも、登山口から40分程度で万二郎岳に行き着きます。
 いつもはどうだか解りませんが、風は非常に強く、稜線を歩いている限りそれから逃れることはできません。むしろ、アセビなどの低木があるからこそある程度緩衝されているともいえます。


 しかし、ところどころ、岩が剥き出しの場所があります。突風をモロにくらうと飛ばされそうになります。一方で数少ない展望。
 これは万二郎岳を本の少し下ったところの岩場から万三郎岳を見たものです。


 これは万三郎岳側にある岩場から望んだ万二郎岳。形が非常によく似ています。


 前述のとおり、アセビの群落地です。上の写真を撮った同じ岩場から撮影しました。


 万三郎岳の斜面が崩れています。その向こうには天城高原ゴルフ場。開発なんかしなくても山は崩れるとは思うけど…、なんかちょっと、ね。


 案内板が実は出てくるのですが、これが今日の題名にもある「アセトン」の正体です。「アセビのトンネル」です。もう少ししたら花が満開になるのでしょうか。


 これはシャクナゲのようです。ただし、天城山固有種のシャクナゲだそうで、花盛りの頃にもう一度来てもいいと思います。お花見しよう!


 今日の最高峰万三郎岳の頂上に着いたのですが、ここの展望は北西方向のちょっとしかなく、ただの休憩場所という感じです。標高は1400m程度。
 気温が15℃とちょっと山を歩くには暑い。


 ところどころにある切り立った岩場から望める景色は素晴らしい。でも、今日は黄砂が飛ぶとの予報どおり、視界は非常に悪い。真冬の冬型の気圧配置のときに来たらきれいに見えるかもしれません。


 万三郎岳から八丁池に向かうコースはひたすら落葉広葉樹の中を歩きます。開けた樹林の中に落ちる日の光はいいね。


 アセビのトンネル以外にも、ブナの原生林があります。落ち葉サクサク、お日さまポカポカ。


 再び、アセトン。さぁ!この中を抜けて!!…なんてアセビがいってくれるわけはないっす。むしろ、山荒らしてるんだもんね。


 倒木にはまず間違いなく苔が生えています。炭素循環、窒素循環、物質の循環。地球は回る。


 もうこのボロ小屋が出てくると、八丁池は目前。100mあるかないか。八丁池で休むため、もうちょっとがんばろう。


 さぁ!八丁池に着きました。開けた芝生とだだっ広い池?側のあずまやでおっちゃんがラジオをかけながら横たわっていました。


 八丁池は火口湖のようです。なんか、火山活動があったなんて信じられないくらい穏やかですよね。でも、歩いていると気が付くのですが、赤い岩がゴロゴロしているのです。これ、阿蘇山(熊本県)でも見たことあるのですが、恐らく溶岩(火山弾)だと思うのです。う~ん…それでも火山ってのはちょっと。


 苔生す池の畔。ふかふか。仲間のWさんは芝生の上で20分間寝ていました。


 八丁池から国道416号線まで下りてくるルートは針葉樹林。植林しているのですね。さーっとすっ飛ばして、予定より30分以上早く下りてきました。そして、川にぶつかるところで、ゲートがあります。ここから八丁池側に向かってマイカーが進入することはできません。みんな歩け歩け!


 川端康成の記念碑が、水生地(すいしょうち)バス停の方に繋がる道の途中にあります。っていうか、このブロンズ、恐い。


 天城峠なら17時44分、水生地なら17時45分が、伊豆箱根鉄道修善寺(しゅぜんじ)駅に行く最終バスです。僕らは16時25分水生地発に乗れたので、修善寺駅でソバ食ったり土産買ったりしても、17時37分発の伊豆箱根鉄道三島行きに乗れました。この車両、中の座席がカラフルです。


 何でか解らないんだけど、この伊豆箱根鉄道の駅名の看板が味を出しているんですね。修善寺駅から田京駅までと、三島駅だけがこの字体の看板です。特に、大仁(おおひと)駅は歴史的(?)仮名づかい。見たければ自分の目で確認すべし。


 帰りは疲れ切って、座席が空いて座ったとたん(小田原駅くらい)グースカ。Wさんは横浜駅で降りていきましたが、僕はその後も東京駅までグースカ。疲れたっす。
 でも、山は精神力で登るんだと常々思います。…精神力もまあ、体力といえば体力なんだけどね。勝は体力?

天気:晴れのちくもり(静岡県伊東市・賀茂郡東伊豆町・田方郡中伊豆町・天城湯ヶ島町・修善寺町・三島市・茨城県取手市)

Comments are closed.