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化学は特権階級の学問ではない

2007年 8月 22日

 今日は、恋に悩んでみようと思ったけど、そんな暇はなくなりました。また、バケキチに戻ります。


 今日は、アルジカルブという農薬の分析を初めてやります。必要な試薬は写真の数くらい。このほかに、メタノール蒸留水などを使います。


 ホウ酸です。ホウ酸団子の、ホウ酸です。3.338gを量りとります。細かいです。


 溶媒(試薬を溶かす液体)もこの通り。
 農薬は化学物質であり、十把一絡げに、農薬なんてものは、科学的には存在しません。だから、どんな液体にどのくらい溶けるかも、一つ一つの物質で違います。


 これは、β-メルカプトプロピオン酸という試薬で、ものすごくクサい物質です。たった11μl(0.011ml)しか使わないのに、無ければ困るらしい。


 このチップの先にちょろっとたまっている液体が、5.5μlのβ-メルカプトプロピオン酸です。見ただけでは、透明で、水と同じ感じ。写真の後ろに見えている500mlのガラス瓶に入れます。入っていることさえも解らない量です。


 これは、水酸化ナトリウムの塊です。


 アルジカルブは液体クロマトグラフィーという機械で分析します。写っているのは、液体を循環させるポンプです。


 …すごく悪い見本のクロマトグラムです。農薬が出ているわけでもないのに、クロマトグラムが上下するのは、良い分析ではありません。


 …疲れたら、スウィーツでも食べましょう。武士は食わねど高楊枝よりも、腹が減っては戦はできぬです。


 今日はバケキチの日です。徹底的に化けます。
 家に帰ってきたら、『ためしてガッテン』が放映されていました。今日のテーマはビタミン。ビタミンとは、定義上、人の体内では作ることができず、微量だが必須の有機化合物です。ミネラルは無機物質です。
 しかし、科学的には、ビタミンだろうと農薬だろうと、ただの原子が結合した化学物質です。ビタミンは、人間が勝手に化学物質にレッテルを貼っただけで、化学物質の性質を意味するものでもありません。農薬だって、医薬品だって、栄養素だって、何だって同じです。
 ビタミンはビタミン、農薬は農薬、医薬品は医薬品。そんな観念が一人歩きすることに、どうしても僕は疑問を持ちます。
 この国では、化学などの専門学問が特権階級のものになっているのですか?化学反応が、電子の動きで起こることをある程度知っていれば、特定の物質が人に対して格別有益に働くなどという思想は生まれないはずです。
 本当は、僕が「バケキチ」なんて語るのはおかしい。言葉に踊らされて、化学物質の本質をちゃんと教育しない日本の教育が悪い。
 基礎的な知識をもっとみんながつけられるようになればいいんだけどね…。教育の条件を奪っている今の社会は、やっぱり異常です。

天気:晴れのちくもり(東京都板橋区・茨城県取手市)

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