Home > ふうたろう旅日記 > 駈けろ!大峰山(大峰奥駈道コース:奈良県)

駈けろ!大峰山(大峰奥駈道コース:奈良県)

2009年 11月 22日

 かくして、寒い夜を過ごしたため、身体が少々こわばってはいたものの、昨日のような寝不足気味は解消されました。しかし、まだ雲が多く、夜明けも遅めの西日本。樹林の下はまだまだ暗い7時です。


 少しずつ雲が切れてきました。今日こそ天気はよくなるでしょうか。予報は雨だったけれど?


 水は常に清らかです。


 険しい渓流を、何度も渡渉や高巻きを繰り返していきます。


 天理大学のワンダーフォーゲル部…、懐かしい響きです。いや、ふうたろうは天理大出身ではありませんよ。


 気温が下がって、つららが下りています。昨日も歩いているとき、ところどころに雪が残っていましたから。


 青空を見ると、ホッとします。がんばって登りましょう。


 そろそろ、靴も渡渉に堪えられなくなりつつあります。ニクワックスも所詮は小雨対策ですから。


 ちょっとよろけるとドボンなところを歩きます。


 河原小屋から狼平まで、1.5km程度でしょうか。いったい、いつまで続くのかと思うのですが、思った以上に進みません。高低差もさることながら、道を探したり険しい場所を渡ったりするのに思いの外手間がかかります。


 岩に差し込まれた鉄筋を渡ったりします。


 深い淵を越えるところもあるかも知れません。


 青空に絹雲が伸びてきました。崩れかけの天気、どうやら、天気はやはり下り坂のようです。


 1時間57分かかって(予定では1時間半)やっと狼平の吊り橋に出てきました。何て遠さでしょうか。


 弥山川の横に狼平避難小屋です。非常にきれいなたたずまいでした。中には高校生と引率の先生が。先生としばらくお話ししていました。…ふうたろうの高校の先生も、どうしてるかなあ。


 高校生にふうたろうの荷物についてビビられたあと、ふうたろうは上を目指しました。既に渓谷でかなりの体力を消耗したようですが…。


 標高が上がってくると雪が出てきました。下からも少し見えていたので気にはなっていましたが。


 樹氷です。エビのシッポほどは大きくはならない、ですね、まだ。


 絹雲を見てから急速に天気が悪くなってきて、ガスが周囲一帯を覆ったのはけっこう前です。弥山小屋(小屋終い)周辺は真っ白です。雪ではない真っ白は萎えます。


 なぜかさっきまで殆どいなかった人が弥山小屋前で増えていましたが、贅沢にベンチを使えるくらいのスペースはあったので、荷物をゴンと置いて、手ぶらで(カメラと財布は持って)八経ヶ岳を目指しました。


 しかし、着いた先は樹林&雲でした。嗚呼、八経ヶ岳…。


 頂上は2分でお腹一杯になったので、来た道を戻り、弥山へ。カロリーメイト(ゼリータイプ)でチャージしてから東進しました。階段が続く道で、雪と氷で滑りやすくキケン。


 標高の低いところは、どうやらまだ雲に覆われていないようです。


 もう、すっかり冬です。夏の終わりから、ふうたろう、山でずっと季節を追いかけてきたね。


 厳しい急坂の下りをがんばったら、この像があります。ここは聖宝の宿跡。何と読むのかは判りません。


 見通しの利かない広葉樹の稜線を歩き続けて45分程度、行者還(ぎょうじゃがえり)トンネル西口に下る登山道があります。でも、ふうたろうの旅はまだまだ続きます。


 皇海山の国境平のような笹原ですが、どうも樹高があるせいで見通し悪く、スッキリしません。


 一ノ峠に避難小屋があります。2008年度の昭文社『大峰山脈』の地図には「荒廃」と書いていますが、実際は「崩壊」しています。アテにしないようにしましょう。


 さっきの崩壊小屋の前で今日最後の登山家たちに出会ったとき、ふうたろうが和佐又(わさまた)まで行くといったら、かなり急ぐようにいわれました。確かに、天気は怪しいし道も険しいし体力もいつまで持つか解らないし(いつでも休みたい)。


 行者還小屋に着いたのは13時過ぎ。まだ、13時過ぎです。なのに、何だろう、この山の静けさと焦りは。
 とりあえず、中でフルーツパック(やっと「缶」と書かなくなったな)を食って休憩。すごく汗で濡れて寒い。


 行者還小屋の裏には行者還岳があります。急な岩山です。行者も後戻りしたくなるような険しい山、という意味でしょうか。東を巻いて少しは楽しますが、それでも、険しいです。しかも、そんなところで雨が降り始めるという。
 水場があるので水分補給。水はいくらあっても補給し足りません。


 雨が緩急を繰り返しながら徐々に強くなり、風も出てきました。場所は七曜岳の分岐です。ここから和佐又にダイレクトに向かうことにします。


 ダイレクトといっても、ものすごい傾斜を下らなければなりません。これがぬかるんできているので大変なのです。


 目的地の和佐又ヒュッテまで2時間半だそうです。これは、到着が18時になります。


 辛いぬかるみの急坂を何とか過ぎ、無双洞(むそうどう)に着きました。無双洞用の梯子があったりしましたが、とても入る気にもならず、先を急ぎました。う~ん、よく歩いていると思います。


 雨がだんだんしとしとと降ってきて、道も細く、周囲も暗くなってきました。心細くないといえば嘘です。


 この岩の中を、雨と暗闇の中を、歩くのか…。


 地図には鎖場があるとの表記でしたが、この程度の鎖なら…。


 \(゚皿゚;)/
 イヤ、それは罠だ!ここから垂直の壁を登っていかねばなりません。鎖と三点確保で50mは登るかなあ…。


 何度もここでビバークしようか、という誘惑に駆られましたが、ゴールまで行きたいという欲望が勝ちました。まだまだ暗闇といっても足元はよく見えるので、シカを脅かしながら進行。


 大台ドライブウェイ・新伯母峯トンネルの看板あり。ここまで来ればもう着いたも同然。


 和佐又ヒュッテに到着です。17時22分。11時間歩きました。とうに日は暮れています。しかし、なんだかんだいっても、着いたもん勝ちです。
 和佐又ヒュッテでは可愛い女の子が店番をやっていましたが、小屋番の孫らしく、連休だけ手伝いに来ているのだそうです。いいねえ、こういうところで手伝いなんて。


 かくして、二日目の大峰山の夜を過ごします。テントを張るか張らないかくらいから雨が急に強くなり、それは日付が変わるまで降り続きました。昨日の夜はかなりガッツリ休んだのであまり眠くなく、ドラクエをやり続け、21時に慌ててやめたほどです。
 明日は最後。大台ヶ原攻略です。伯母峰のバス停まで山道(マイナー)を歩いて9時40分の唯一の便で大台ヶ原へ。ふうたろうの予想では夜中には雨が止んで明日は晴れるというものですが、どうなるでしょうか。
 しかし、今日のルートは本当に厳しかった。八経ヶ岳より更に3時間ほど南の釈迦ヶ岳なんて、絶対無理でしたね。


天気:くもりのち雨、朝のうち晴れ、強風を伴って強く降る(奈良県吉野郡天川村・上北山村)

Comments are closed.